イナイレップーケン   作:つヴぁるnet

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第11話 〜 東京その2

〜 稲妻町 〜

〜 病院 〜

 

 

 

「お会いできて光栄です!!握手してください!!」

 

 

「じゃあギプス付けてるそっちの手で」

 

 

「外道か」

 

 

 

半田 真一 にツッコミを入れられながら、まだ動く手で 少林寺 歩 と握手してあげる。 すると興奮のあまりにピョンピョンしながらめちゃくちゃ喜んでいた。 こら! ベットの上で飛び跳ねるんではありません!

 

 

 

「しかしこんな遠くにも俺のファンがいるとは思わなかった」

 

 

「こんなに喜ぶ少林寺は初めて見た」

 

「だって漫遊寺の数少ない聖者ですよ!! 会えたらどれだけ嬉しいか!!」

 

「良かったな、少林寺」

 

「はい!!」

 

 

 

稲妻町に滞在して2日目、円堂から頼みがあると言われた。 その頼みごとは「とある人が会いたがってる」と言ってたので俺は一瞬警戒を抱いた。 なぜなら俺は違う意味で有名である。 裏のFFIとかそこら辺の世界ではね。

 

だけどそれらとは関係ない円堂からのお願いだと再確認するれば、それは杞憂だと理解する。 なので俺は頼みを聞くことにした。 一応これでも可愛い後輩から頼まれたら断れないタイプなので二つの返事で了承してあげた(良き先輩アピール)

 

 

それから向かった先は病院。

 

 

その中は円堂の仲間がエイリアの襲撃で入院していて、苦痛なベット生活を強いられていた。

 

しかしキャプテンの円堂がお見舞いに行けば、仲間の皆を元気付けると「怪我なんて早く治してサッカーやろうぜ!」と励ましていた(ENDU教)

 

そして円堂は本題に入ると俺を招き入れ、会わせたい人物と対面する。

 

その人は雷門中の 少林寺 歩 だった。

 

彼は漫遊寺に憧れを抱いてたが、ご覧の通り怪我で動けずにいた。 だから円堂はせめて、漫遊寺の聖者に会わせてやろうと考えて俺を連れてきた。 そんな少林寺は俺の大ファンだとはしゃいでいた。 まさか漫遊寺の外にも居たことに驚いた。 ちなみに漫遊寺にもファンの概念はある。

 

だから漫遊寺にも俺のファンがいる(ここ自慢)

 

数少ない聖者ってのは漫遊寺にとって魅力的な存在だから『聖者殿!!』とか『きゃー! 破和土せんぱーい!』って感じに黄色い声援を受ける。 道着や古風な制服にサイン書いてあげることもしばしだった。 ちゃんと学生生活しているんですよ?

 

 

 

「あの! このギプスにサインください!!」

 

 

「マジックで良い?」

 

 

「はい!!」

 

 

 

少林寺にもサインを書いてあげた。 しかしギプスに書くのはいいのだろうか? あとでナースさんあたりに怒られなければいいけど。

 

それとベットの上で飛び跳ねないの!

 

 

 

「そうだ、君には自作したこの秘伝書をあげよう。 怪我を治したら是非覚えて欲しい」

 

 

「い、いいのですか!?」

 

 

「良いよ。 テレビで試合見てたけど君には才能がある。 だからこの技は習得できると思う、頑張れ」

 

 

「あ、ありがとうございます!!」

 

「ちなみになんの必殺技ですか?」

 

 

「それは身のこなしが軽やかな人間に使える特別な技だ。 多分、半田真一くんも使えるんじゃないのか?」

 

 

「お、俺もか!?」

 

 

「でもそこは努力しだいと言っておこう。 それじゃあ俺はもう行く。 あと少林寺 歩、今回の騒動が落ち着いたら漫遊寺に来い。 体験入学で歓迎してやる」

 

 

「是非行かせて下さい!!」

 

 

 

それだけ言うと病室から出る。

 

薬品の香りから解放されると円堂も遅れてついて来た。

 

 

 

「破和土先輩、あの秘伝書って何ですか?」

 

 

「あれは夕弥の得意技だと言っておこう」

 

 

「得意技? それって確か…」

 

 

「『旋風陣』だ、あの技なら少林寺にも扱えるだろ。 今度体験入学で来たら見せてもらう」

 

 

「ちなみに俺もできますか?」

 

 

「無理」

 

 

「そ、即答…ぅ…」

 

 

「因みに、円堂じゃない他の奴にもその技を教えてくるつもりだ。 ちなみに夕弥じゃない他のディフェンダーだ」

 

 

「え?」

 

 

「多分すぐ習得するだろうけどね。 とりあえず河川敷に集まってるだろう。 だからサッカーやりに行こうぜ」

 

 

「おう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜 河川敷 〜

〜 夕方前 〜

 

 

 

 

「旋風陣!」

 

 

「センスの塊かよお前は」

 

 

 

 

驚いた。

 

まさか本当に一日で習得するとはね。

 

超防御型なディフェンダーなのは知ってたけどコツを教えればこうも簡単にやってくれるとは思わなかった。

 

 

 

「兄貴! スゴイじゃないか!」

 

「ううん、そんなことないよ」

 

「オ、オイラの十八番が…」

 

 

「士郎は弟に比べてスキーが上手だ。 そのため体重移動が得意なフレンズである事は理解していた。 動きも軽やかで、柔軟な体を持ち、小柄であることを条件に習得は理論上可能だの考えていた。 あと夕弥に似たセンスを持ってる」

 

 

 

そう。

 

俺が『ディフェンダーのもう一人』に旋風陣を覚えさせたいと思ったのは『吹雪士郎』の事だ。 ややこしいけど『風丸一郎太』じゃない。

 

風丸については『しっぷうダッシュ』の上位互換な必殺技を覚えさせてる。 属性は不統一だけど、覚えて損は無いはずだ。

 

 

 

「でもこれを覚えたのは基秀さんの教え方があってのことだよ」

 

「まぁ、このやり方は効果的だよな」

 

 

 

よく滑る砂の上にスキー板を置き、その上で逆立ちをさせて、あとは体をグルグル回させる。 その感覚に慣れさせれば、あとはその状態の重心の捉え方を鍛えれば完成は一気に早まる。 ただ士郎に関してはスキーやアイススケートで体重移動が完成してるためそれほど手間はかからずに済んだ。

 

あとは同じように小柄な夕弥のアドバイスや、旋風陣そのものをしっかりと見せてイメージをさせる。 超次元必殺はイメージが大事って、それよく言われてるから(TNM)

 

俺も気持ち悪いくらいにゆっくりとした旋風陣を披露しながら説明したりと、士郎の旋風陣の習得に力を注いだ。

 

 

その結果『二時間』で習得してくれた。

 

これでSランク技持ちが二人目(俺を除いて)だ。

 

雷門の守備陣はイプシロン以上に厚い。

 

 

 

 

「うおぉぉ!! 『烈風ダッシュ』!!」

 

 

「っ!? ザ・ウォール!!」

 

 

「遅い!」

 

 

「お、追いつかないっス!?」

 

 

 

おや?

 

あちらも完成が近いようだ。

 

 

 

「基礎となる『しっぷうダッシュ』と、火属性である『ほのおのかざみどり』を使える風丸ならと思って教えたが飲み込みが早い。 流石というべきか」

 

 

「ありがとうございます、破和土先輩!」

 

「スゴイっスよ! 風丸さん!」

 

「ありがとう、壁山」

 

 

 

ただ『ぶんしんディフェンス』のように風丸は属性が一致しない技をばかり覚えてる。 別にそれが悪いとは言わないが、超次元必殺技同士の衝突が始まったら負けてしまうのは風丸だろう。

 

正直に言うと、陸上部である彼の力をサッカーに活かすなら敵の進行を防がせるディフェンダーじゃない『何処か』が良い。

 

守らせるのではなくて、ボールと走らせることを意識させるなら……

 

 

 

 

 

「風丸くん」

 

 

 

 

そして練習中に珍しく瞳子さんがやってきた。

 

 

 

 

「あ、瞳子監督。 どうしました?」

 

 

「あなたにはディフェンダーをやめてもらいます」

 

 

「「!?」」

 

 

 

 

そしてその言い方だと誤解を生むだろ。

 

やっぱりこの人バカだ、間違いない(確信)

 

 

 

「!」

 

「ま、待って欲しいっス!」

 

「そうでヤンス! なんでチームから外すでヤンスか!?」

 

 

 

「「「!?!?」」」ざわざわ

 

 

 

おい、KRMT。

 

そう言うと更に誤解が広まるだろ。

 

やばい、みんなが練習を止めて集まってきた。

 

ああ、もう無茶苦茶だよ。

 

 

 

「落ち着きなさい。 私はチームを抜けてもらうとは一言も言ってないわ」

 

 

「風丸は重要な戦力だ。 チームから外すとかぶっちゃけあり得ない」

 

 

 

少し焦った。

 

ホモじゃないのにせっかちだからワラワラ集まり風丸が追い出されるなんのでまた面倒な事になりそうだった。 俺はその時に居なかったにしろ豪炎寺の案件も関わってるから瞳子さんに対する不信感は今も引きずっている。 とりあえず誤解を解いて、風丸の運用を変える提案を出した。 すると説明を聞いてた鬼道は納得するかのように頷く。

 

 

 

「なるほど『ウイング』か」

 

 

「そうだ。 風丸はそっちのポジションに付かせた方が雷門の戦力アップになる。 瞳子さ……監督はそう言いたいのだ。 ちょっと言葉足りなくて不安にさせたけど、風丸を蔑ろにする発言では無いぞ」

 

 

 

「なんだ、そうだったのか」

 

「ビックリしたぜ」

 

「それにしてもウイングか」

 

「ウイングってなにっス?」

 

「ウイングってのは…」

 

 

 

 

 

「あのさぁ…瞳子さん。 正直に言うとな、そういうの良くねーよ…」

 

「え?」

 

 

 

皆に聞こえぬよう小声で瞳子さんと会話をする。

 

 

 

「いきなり『ディフェンダーをやめてもらう』と言っても、その意味を理解してない周りからしたら『チームから外させられた』と勘違いされて皆が不安になるだろ? そこら辺考えたことないの?」

 

 

「………ぁ…」

 

 

「監督らしさ引き出してのか知らないけど、選手を不安にさせるのは本当に良くない。 マジでそこは気をつけてよ?」

 

 

「えっと…その……ごめんなさい、流石に反省するわ…」

 

 

「はぁ…やっぱり瞳子さんは少しバカ、はっきりわかんだね」

 

 

「なっ…」

 

 

「それで? 俺にだけ謝るの? 別に俺はその言葉な意味を理解してるからどうでも良いけど、理由を知らずに勘違いさせて不安にさせたみんなには何も述べないの?」

 

 

「! ………そうね」

 

 

 

瞳子さんは俺から視線を外すと申し訳ない顔をみせながら皆に声を変える。

 

 

 

「あの、風丸くん」

 

 

「っ! ……はい。 何ですか?」

 

 

「……ぁ…」

 

 

 

また何か言われる……そう思った子供は大人から怒られる恐怖を露わにしやすい。 そんな風に怯えさせるつもりは無くても、そうさせてしまい、そして不安な表情で面を向かせてしまったことに瞳子さんは心のそこから後悔してしまう。

 

やり方を間違ってしまったと…

 

 

 

「その、ごめんなさい」

 

 

「……え?」

 

 

「言い方が足りないばかりに不安にさせてしまったわ。 本当にごめんなさい」

 

 

「ええ!? いやいやいやいや! 頭をあげてください! 僕は気にしてませんから!!」

 

 

「そしてみんなにも謝るわ。 ごめんなさい…」

 

 

「「「!!?」」

 

 

「これまで私は説明不足を起こしたりとみんなから信頼を寄せれる監督として振る舞えなかった。 そして監督は選手の身も心も選手を守ることが仕事なのに私は前監督の響木さんの代わりを果たせていない。 その証拠として真・帝国学園の騒動で染岡くんを傷つけてしまったわ…」

 

 

「おいおい待ってくれ、待て待てぇ! あれは不動の奴が!あんたのせいじゃねぇよ!!」

 

「そうですよ! それに僕達の旅はこれまでとは違うことを覚悟してます! だからあのような件が起こりうることも!!」

 

「その通りだ! 総理大臣の娘として覚悟を決めて私も身分なんかに囚われるず参加してる!」

 

「だから仕方ないことですよ!」

 

「その通りっス!」

 

 

「それでも私がそれらも想定して、あなたたちが全力を持って戦えるように采配を送らなければならない。 ……私は監督として失格よ…」

 

 

 

いつもは凛々しい横顔を見せていた少し怖い大人が、頭を下げて謝る。

 

その姿に雷門メンバーは困惑を始めるが…

 

 

 

 

「いや! 違う!!」

 

 

 

力強い声が、河川敷に広がった。

 

 

 

「!? …え、円堂くん?」

 

 

「そんな事はない! 瞳子監督は監督失格なんかじゃない! 頼む! そんな風に言わないでくれ!」

 

 

 

円堂は怒っていた。

 

でもそれは瞳子監督の言葉に対してだ。

 

 

 

「ここまで来れたのは監督のお陰なんだ! だから失格なんて思わない! …そりゃ最初はよくわからない人で、最後まで付いていけるのか雷門のみんなは不安だったたけど……それでも! 瞳子監督が出してくれた指示は俺たちが宇宙人と戦えるために導いてくれた! これは間違いないんだ!!」

 

 

「!」

 

 

「だから頼むっ、監督失格なんて思わないでくれ…っ! 俺たちももっと頑張るから! みんなの監督としてこれからも一緒にいてくれ! お願いします!!」

 

「「「お願いします!!」」」

 

 

「っ…!!」

 

 

 

 

 

 

「……いい奴らだな、本当に」

 

 

 

 

ほら…

 

みんなお利口なんだって言ったじゃないか…

 

生身薄汚れてる俺なんかよりも、雷門で生きる子ども達の心は稲光のように輝いてる。

 

それが円堂のお陰で証明してくれた。

 

 

 

「……っ、ありがとうみんな…」

 

 

 

 

うぐぁ、眩しいィ…

 

ああ、ダメ〜。

 

これはあきまへんわ〜。

 

あまりにも輝きすぎるこの光景はクッソ汚い俺は浄化されてしまう。

 

 

 

 

「よし! フィールドでボールが一つのように監督も俺たちと一つのボールで繋がっていることがわかったんだ! それじゃ練習再開だ!! みんなサッカーやろうぜ!!」

 

「「「「おおーー!!!!」」」」

 

 

 

皆、円堂の声で元の場所へ散り散りになり、サッカーボールを蹴る音で河川敷は賑やかになる。

 

 

 

「監督、ありがとうございます! 新たな役目をくれまして! 僕、頑張りますから!」

 

 

「あ…」

 

 

 

風丸はそれだけを言うと走り去って行った。

 

 

 

「……」

 

 

 

風丸は自分の弱さを痛感していた。 吹雪兄弟のように特化した強さ、鬼道のように立ち回れる賢さ、壁山や夕弥のように守れる頼もしさ、そして円堂のように勝利の女神を微笑ませるその大きさ…

 

 

そんな強さが欲しかった。

 

 

漫遊寺のイプシロン戦を見たが、あの速さに勝てるほど実力が足りない。

 

風丸は自分の弱さを理解した。

 

自分はこのチームで役に立てるのか?

 

そんな不安の中だ風丸は何かもう一つ、自分を後押してくれるモノが欲しかった。

 

 

ほしくて、たまらなくて、苦しんだ。

 

 

 

でも…

 

そんな時、監督から与えられた。

 

新たな『ポジション』を言い渡された。

 

彼はすごく嬉しかった。

 

れっぷうダッシュも、しっぷうダッシュを超えた必殺技だが、それは超次元技の択を増やしただけで、それがこれから来たる敵に敵うのかは別な話。

 

もっと自分を活かせる決定的な何か受け取りたかった。

 

そして決定的な何かとは自分の足を本当に活かせる最高のポジションである。 別にディフェンダーが悪いとは言わない。 でも今この戦いの最中、自分はチームの一員として宇宙人と本当に対抗できる立ち位置を欲した。

 

 

それを教えてくれて、役目をくれた。

 

 

だから、風丸は感謝で一杯だった。

 

 

 

「よし! もう一度だ!」

 

 

 

彼の風は今とても澄んでいるように見える。

 

 

 

 

「瞳子さん、言ったろ? みんなお利口だって。 そして瞳子さんに寄り添うって…」

 

 

「ええ、そうね。 あなたの言う通りだわ……私の負けよ」

 

 

「……」

 

 

「お日さま園であんなに子供達を見てきたのに、今の私は焦燥感の駆けられてみんなの周りを見えていなかった。 風丸くんから見せられたあの表情は…もう、見たくないと思ったわ」

 

 

「でもそれは子供にそういう表情をさせるのを嫌がる瞳子さんの優しさと受け取れる。 だから瞳子さんは優しい人間なんだよ。 ただ親の暴走に焦っていて、自分が子供好きと言う事を忘れていた。 それだけだ。 数年前にお日さま園に行った時に見た俺がそう断言するから間違いない」

 

 

「そう。 あなたが言うなら、そうかもね……」

 

 

「…まぁ、これからが監督の始まりですよ。 俺も一緒に手伝うので頑張りましょう、雷門イレブンの新人監督さん」

 

 

「ありがとう。 基秀くんのそう言うところ嫌いじゃないないけど好きでもないよ。 でも……いえ、やはりあなたのことは大嫌いよ、もとひでくん」

 

 

「逆に俺は好きですよ、少しバカな瞳子"監督"」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、サッカー大好きな雷門は朝から夕方まで練習をしていた。

 

稲妻町にいるくらいボーっとしていれば良いのにそれでもサッカーを頑張る子供達。

 

塔子なんかも女の子のくせに砂まみれになってまで続けていた。

 

それと風丸のところには同い年(?)の『宮坂』って陸上部所属の男の娘がエールを送っていた。 そして円堂が挨拶をすると目からハイライトを消して敵意むき出し。

 

あ、これは本物ですね(偏見)

 

え? なにが本物かって?

 

ヤンデレの事だよ…

 

なんか……

別の世界線(他所の所)ではヤンデレが多いらしいし。

 

なんでイナイレってヤンデレ多いの?

 

似合うから?

 

じゃあ仕方ないな。

 

 

 

 

 

「それよりもねぇシャドウ君、質問があるんだけど手に炎を纏ったあと無意味な回転からボールをバーニングキャッチするSNGKって名前のクソザコブロッコリーなんだけどゴールセーブ率より知名度のセーブ率が高いZARUキーパーの声出せる?」

 

 

「……はい?」

 

 

 

雷門の練習に混じってるシャドウって選手を見かけたのでコンタクト取りに接触した。 それにしてもこの闇の戦士はなかなかカッコいい声だすよね。 まさかこの人があのZARUキーパーの声とかないない、ありえない。

 

もしそうならいっそバーニングキャッチをダークトルネードキャッチにした方が強いって。

 

 

 

「あ、そうだ(唐突) シャドウ君が使うダークトルネードと俺が使う必殺技と勝負しないか?」

 

 

「勝負?」

 

 

 

 

突然の勝負の持ちかけ。

 

 

え? 勝負の意味?

 

とくに理由は無い。

 

でも強いて言うなら、原作であまり見ない彼の強さを受け止めて見たかった。 この世界に来たのだからそうしたいのも理解してくれたら嬉しい。

 

 

「やってみない?」

 

 

「……構わない」

 

 

「よし」

 

 

 

俺は久しぶりにキーパーグローブを装着するとゴール前の位置に移動する。

 

そして腰を落とすとまるで格闘戦でもやるような構えをした。

 

 

 

「なんだなんだ?」

「破和土さん、なにをやってんだ?」

「キーパーの真似事か?」

「……なにをするつもりだ」

 

 

 

 

 

 

「Are you OK?」

 

 

「行くぞ」

 

 

 

英語で語りかけた瞬間、シャドウはヒールキックでボール上に蹴り上げやると足に黒い炎を纏い、上に飛び上がった。

 

 

 

「ダークトルネード!」

 

 

 

回転をかけて蹴り抜かれたシュートは黒い闇を纏いながら襲いかかる。 禍々しくまっすぐ正面からぶち抜こうと迫ってきた。 俺はエネルギーを拳に溜めながら体捻り、ダークトルネードとタイミングを合わせて拳を撃ち放った。

 

 

 

 

「『Buster Wolf』!!!」

 

 

 

 

技名は『バスターウルフ』

 

サッカーボールと突き出した拳が直撃した瞬間に前方へ爆発が勢いよく広がり、ボールを吹き飛ばす技だ。

 

そしてダークトルネードはバスターウルフの爆風によって闇の炎がかき消され、威力を無くすと吹き飛ばされてしまった。

 

 

コロコロ…

 

 

 

 

「オーケィ」

 

 

「っ、止められた…」

 

 

 

 

「破和土さん、すごいッス!」

「へぇ〜、キーパーもできるのか!」

「どんまいだシャドウ!」

「やりますねぇ」

 

 

 

観戦してる雷門から声が上がる。

 

 

 

 

「シャドウ、悔しかったらもう一発撃ってこい。そのかわり、次はバスターウルフを派生させた"もっとすごくて危険"な技を見せてやる」

 

 

「っ、次こそダークトルネードで!!」

 

 

 

シャドウは止められたのが相当悔しいのか、再びダークトルネードを放つためにボールを上に蹴り上げ、闇の炎を纏って飛び上がった。

 

 

 

「うぉぉお!」

 

 

 

一発目よりも力強く叫びながら飛び上がる。 その声に反映するかのように闇の炎も激しく燃え滾る。 どうやらシャドウと言う男は熱い人のようだ。 面白い相手と勝負をできる楽しみを膨らませながら俺はバスターウルフとはまた別の構えを行った。

 

 

すぅぅぅう、と呼吸を行い終えると…

 

 

 

「『餓狼伝説』」

 

 

 

漫遊寺で作り上げた身体強化の必殺タクティクス(ボッチ)を行い、体は闘気で満ち溢れた。 昂ぶる気持ちと共にギラギラと笑いながら両手をバッっと構える。 それはまるでガニメデプロトンを放つ様に構え、指を『牙』のように鋭く形作る。

 

 

 

「なっ!?」

 

「まさかっ!?」

 

 

 

帝国学園の鬼道と土門はいまから行う技を察して息を詰まらせたような声を出して驚いた。 そして俺は『獣』が『牙』剥いたかのよう大口を作り上げると「アオーン!(獣の可能性)」と飢えた獣の咆哮と共に両手を上下に大きく開く。

 

そして…

 

正面から闇の豪炎を纏ったシュートを噛み砕いた。

 

 

 

 

「『ビーストファング』!!」

 

 

「「!!」」

 

 

 

真・帝国学園に所属していた時の源田が使った禁断の技を使う。

 

ダークトルネードは噛み砕かれてしまった。

 

 

 

 

「…い、今の技って?」

「あれは、源田さんの…」

「禁断の技ッス!」

 

 

 

静寂に包まれる中、掴まれたボールから煙が出ていた。

 

 

 

「なるほど。 これはたしかに…なかなか体に来るものがあるな。 まだ体の成長が未熟な中学生が使うとそりゃ壊してしまうか。 ふむふむ」

 

 

「破和土!」

 

 

 

鬼道が叫ぶ。

 

まぁ、当然の反応である。

 

 

 

「大丈夫だ鬼道、なんも問題ない。 それよりシャドウ、お前なかなか凄いじゃないか。 後ろに控えないで今からでもイナズマキャラバンに乗り込んで一緒に来ないか?」

 

 

「……」

 

 

「まて!話を逸らすな!今の技は禁断の技であるビーストファングだ! なぜそれを!?」

 

 

「必殺タクティクスの餓狼伝説は知ってるよな? それで身体能力を上げ、どんなに強力な必殺技にも耐えれるようにしただけだ。 俺は漫遊寺で鍛えたから問題ない」

 

 

「なら何故使えるのだ!?」

 

 

「ただビーストファングを使えるほど俺は適応性が高かった話でしょう。 そもそもビーストファングってのは飢えた獣が獲物を喰らいつき、噛み砕くようなイメージしていた。 そして餓狼伝説も『餓えた狼』をイメージして作られてる。 あとはバスターウルフを基礎にしてビーストファングまで"派生させた"だけだ。 これだけ言えばあとは理解できるよな?」

 

 

「そんなバカな…」

 

 

「そもそも超次元必殺というのは使用者のイメージ、それに伴う素質、所有している技の派生、そしてその技に対する適応性が高ければなんだって使える。 本当にバカげた話だよな。 でもそれが『超次元』って言葉で済むからなんだって良くなる。 例えば円堂のゴットハンドも他に使える人がいるかもしれないくらいにな?」

 

「!」

 

 

 

てかゴットハンドと言えば、静岡のアイツは元気かなぁ?

 

また漫遊寺に来てやきもの作り披露してくれないかな。

 

 

 

「……にわかに信じられないが、でも理屈は分かる。 いや…しかし…」

 

 

「まぁ鬼道からしたら苦い思い出の技かもしれない。 でも、俺はこれを使えるならこの技使わせてもらうまでだ。 だってそれが…」

 

 

破和土 基秀(実行力の化け物)だから…か。 本当に、おかしな選手だ…」

 

 

「そういう事だ」

 

 

 

ビーストファングによって雷門からどよめきが起きるが、まぁ彼らにとっていい授業になっただろう。 禁断と言われるほど強力過ぎる技も、使用者によって使えるという事を。 でも流石にインパクトありすぎた光景だから俺に対してまた警戒して深まったのかもしれない。

 

 

 

「まぁ、かと言って連発は無理だなコレ。 後から軽く手が痺れてきたし、使うとしてもせいぜい一日2回だな」

 

 

「いや、充分過ぎるだろ兄ちゃん」

 

 

 

夕弥からツッコミを受けるとまたフィールドの中央から地面を踏みしめる音が聞こえる。

 

 

 

「もう一度だ…」

 

 

「?」

 

 

「もう一度勝負しろ!」

 

「シャ、シャドウ…!」

 

 

 

杉森の声をかき消すかのようにシャドウは叫ぶ。 見た目とは裏腹に負けず嫌いなようだ。 またはプライドが許さないのかどちらかだな。 でも中学生はそのくらいが良い。

 

 

 

「114514! 俺も面白くなってきた!」

 

 

「絶対に決める!」

 

 

 

 

「あんなシャドウは初めて見た…」

 

「杉森?」

 

「いつもは落ち着いた雰囲気を持っているが、まさかあんなにも負けず嫌いだとは思わなかった…」

 

「そうなのか…」

 

「…だが円堂、これはシャドウにとって熱い心を引き出せるかもしれない」

 

「?」

 

「俺もシャドウの奥にある熱い心ってやらを感じている。 なぁ円堂、あの時の試合を覚えてるか? 俺は鮮明に覚えている。 雷門との公式戦の中で、お前らのサッカーに対する熱い思いを感じ、それが心地よく思った時に洗脳から解き放たれたあの感覚を忘れやしない…」

 

「ああ! あの試合の最後に杉森が蹴った熱いシュートはゴットハンドから最高に感じたぜ」

 

「そんな俺だからこそ、シャドウからもフォワードとしての熱い何かを感じた。 でもそれをもっと奥から引き出さざる方法がわからなかった。 俺の今までがデータの中でしかサッカーを見なかったあんな選手だったからな…」

 

「杉森…」

 

「……だが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダークトルネード!」

 

「ねっけつパンチ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「ダークトルネード!」

 

「プレッシャーパンチ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「ダークトルネードォ!!」

 

「バーニングキャッチぐおあぁぁあ!!?」

 

 

 

 

 

 

 

「見てみろ、あんなにも燃えている」

 

「…ああ」

 

 

 

 

 

 

「ダークトルネードォォ!!」

 

「ダボシップウケンッ!!(ダブル烈風拳)」

 

 

 

 

 

「ダークトルネードォォッ!!」

 

「カウンターストライク!!」

 

 

 

 

 

 

「ダークトルネードォォッッ!!」

 

「バーニングキャッtぐぁぁあ!!!」

 

 

 

 

 

 

「何度も、あんなにも、激しく昂ぶる気持ちを味わえるならシャドウにとってこの時間は重要だと俺は思う」

 

「そうだな…! 熱いサッカーは最高だからな!」

 

「破和土基秀……か、面白い人だ」

 

 

 

 

 

「うおおお!! ダークトルネード"改"ッ!!」

 

 

「!?!?」

 

 

 

「進化したッス!」

「すげぇ!!」

「ファイアートルネード以上でヤンす!」

「エターナルブリザードと同等か!?」

「もしかしたらそれ以外かもね、アツヤ」

 

 

 

「ならば! 烈風拳!烈風拳!烈風拳!烈風拳!烈風拳!烈風拳!烈風拳!烈風拳!烈風拳!烈風拳!れっぷうけェん!!ハァァァァッッ!!」

 

 

「!!?」

 

 

「『虚空烈風斬(こくうれっぷうざん)』!!!」

 

 

 

 

バキューーーン!!!

 

 

 

「!?」

「なっ!?」

「……え?」

「なんだ、いまの?」

 

 

 

 

ポン、ポン、コロコロ…

 

 

 

 

「なん…だと?」

 

 

 

 

せっかくパワーアップしたシュートはゴールを拒否すると、力を無くしたサッカーボールは虚しく転がり、シャドウの目の前で止まる。

 

 

 

 

「進化したところ悪いけど、俺だって中学生相手にそうそう負けたられないからな、本気でやらせてもらった………悔しいか?」

 

 

「…………ッ、まだだ! もう一度だ!!」

 

 

 

 

誰もが練習の足を止めるほどにシャドウは熱く轟いていた。

 

 

 

 

「ダークトルネード改!!!」

 

 

 

 

闇野カゲトを知る人たちは彼のことを闇の戦士と言う。

 

暗い雰囲気で、会話するときも人と目を合わせず、どこか近寄りがたい人物。

 

そしてこんな人が何かに熱く燃えるなんて思わないだろう。

 

 

 

でもそんなことはない。

 

 

 

彼から受けるダークトルネードはサッカーに対する思いが強烈に伝わる。

 

冷たさを感じさせる闇に纏われたサッカーボールでも、心の底からグッと来た熱さを感じることができる。

 

だからキーパーの真似事をしてる俺にも分かる。

 

 

闇野カゲト……

 

いや、シャドウも立派な雷門の一員なんだと。

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ……」

 

 

「頑張リーヨ! 俺はまだやれるぞ!」

 

 

「っ、もう一度だ! 破和土!」

 

 

514(こいよ)! ジュルジュルになるまでやめないからな!!」

 

 

 

 

 

稲妻町にある河川敷のフィールドだけ気温が上がっている気がした。

 

 

 

 

 

 

つづく





いやー!
SNGK先輩パネェっス!!
※(シャドウの声優さんはザルキーパーの人です)



ではまた
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