イナイレップーケン   作:つヴぁるnet

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Q_読者に力を借りて恥ずかしくないのかよ?

A_当たり前だよなぁ(白目)


いつも手厚い誤字脱字の報告ありがとうございます。
そそかっしい作者故に本当に助かってます。
間違ってアカウント消してしまうくらいの馬鹿野郎ですがこれからもよろしくお願いいたします。


ではどうぞ


第14話 〜 大阪その3

 

 

ピー! ピー!! ピーー!!!!

 

 

 

「やったぜ(UC)」

 

 

イプシロンに勝った。

 

試合終了のホイッスルがそれを物語った。

 

 

 

「くっ…もと…ひで…っ!」

 

 

「俺の勝ち、何で負けたか、明日まで考えておいてください」

 

 

デザーム、またはおさーむが俺を睨む。

 

試合中はなんとも無かったように見えたけど俺がいることで内心非常にやり辛かったのだろう。 でも複雑な事情により宇宙人ごっこで恐怖侵略を行わなければならないため戦いを避けることはできなかった。 だからサッカーに集中して、俺すらも宇宙人に対する挑戦者扱いでいたが、試合が終わって熱が冷めれば『なぜっ』って表情が浮かび上がっていた。

 

でも なぜ? って言いたいのはコッチのセリフでもあるからね?

 

 

「ともかく…お前らの負けだ。 その宇宙人の姿で二度と現れるんじゃねぇ…」

 

 

「「「………」」」

 

 

沖縄で再戦させられることも考えるとそりゃ面倒なので"引き分け"ではなく"敗北"の二文字を奴らに叩きつける。 そしてリベンジのフラグは折れただろう。 圧倒的な敗北故にイプシロンは何も言えずにいた。 中には泣きそうに堪えていた者もいた。

 

でも一番泣きそうなのは侵略を受けた国民達だからな? 色んな物が壊されて失ったのも数知れずなんだ。 それが例え自分の意志では無かろうが、罪の意識を持たずに吉良財閥のため働いていようが、この騒動に関わってる時点で同罪であることを自覚した方がいいだろう。

 

だから……後は俺に任せておけ。

 

俺がお前達を止めてやる。

 

もう二度とその宇宙人の姿で俺の目の前に立たせやしないから。

 

 

 

 

「これで勝利ということは…」

 

「もう、これで侵略は止まるのか?」

 

「じゃあ! 俺たち稲妻街に!!」

 

 

 

「それは無い」

 

 

 

「「「!!?」」」

 

「おい! それはどう言うことだデザーム!?」

 

 

 

「今の我らよりも、更に上のチームが存在する。 その者たちも討たなければこの侵略は止まらないだろう」

 

 

 

「そんなバカな!?」

 

「そんな、もう終わったと思ったッスのに…」

 

「ヤンス…」

 

 

 

まだまだこの旅が終わらないことに落胆する者もいた。 そして侵略が終わると思っていたのにまだそれが続くことに対して悲しむ者と怒りで溢れる者で分かれていた。

 

 

 

「そうか……ならば話は簡単だ。 またイプシロン以上の者が現れるなら、俺たちは今よりも更にパワーアップして立ち向かうまで」

 

「!!」

「鬼道!」

「お兄ちゃん!」

 

「ああ!その通りだ! まだこれよりも強い奴らがあらわれるなら!俺たちは今よりももっともっと特訓して強くなる!」

 

「「キャプテン!」」

 

「そしてサッカーを侵略の道具にしてる奴らなんかに俺たちは負けない! だからいくらでも来い! 俺達は絶対に負けねーぞ!」

 

「ああ! その通りだ!」

「俺たちは屈しない!」

「や、やってやるッス!」

 

 

 

円堂を中心に雷門は気持ちが切り替わる。

 

やはり純粋なサッカー馬鹿いると違うな。

 

 

 

「…まぁ、そう言うわけで臆することもなくこの雷門は何度でも立ち向かう訳だ。 お前らが勝てる奴らでは無かったんだ」

 

 

 

「……ふっ、そうか」

 

 

 

絶望するどころか怒りを持って新たな挑戦を受ける彼らを見たデザームは笑う。

 

 

 

一つの黒いサッカーボールが落ちて来た。

 

 

 

 

ズドーン!!

 

 

 

 

「誰だ!?」

 

 

 

なんだかんだと聞かれたら? 答えて上がるが世の情け……なんてセリフもなく、黒いサッカーボールの着弾により煙が舞い上がる。 そして煙が治るとそこには…

 

 

赤と白のユニフォームを着た連中が現れた。

 

そしてその中央には…

 

 

 

「我らはプロミネンス!」

 

 

 

 

「「「「!!??」」」」

 

 

「あ、チューリップ…(小声)」

 

 

 

それよりもこのタイミングで来るのか。

 

原作ブレイクするとこんな感じに進むのか。

 

へー、なるほど。

 

 

「!!……っ、基秀兄さん…」

「やはり……」

「……基秀兄貴…」

 

 

バーンの後ろで並んでいるプロミネンスのメンバーの誰かが声をこぼした。 やはり俺を見て驚いてるようだ。 あと「やはり…」という事は彼方も俺がイナズマキャラバンに参加してる事はバレていることになるな。

 

 

「お前らがデザームが言ってた更に上のランクという奴か?」

 

 

「ただ上では無い! 周りの奴らよりも上の上だ!!」

 

 

「周りの奴ら?」

 

 

 

思いっきり情報漏らしてんじゃん。

 

チューリップの馬鹿野郎。

 

 

 

「まぁそんな事はどうでもいい。 イプシロン……試合で負けたチームはどうなるかわかってるな?」

 

 

「……」

 

 

 

デザームは何も答えなかった。 そりゃ敗北者になにかを述べる権利がない実力主義のエイリア学園だからな。 しかしレーゼ見たいに「デザームさまぁ!?」ってガクブルと演技しないのか。 いや、あれはみどりきゃわいい君が演技頑張ってただけなんだよな?

 

……あかん、黒歴史や…

 

俺なら喉引っ掻いて死ねるわ。

 

 

 

「さらばだ、雷門。 またであることを楽しみにしている…」

 

 

 

そしてデザームは俺をチラリと見た。

 

 

 

「もとひで……兄貴……」

 

 

 

小声で俺の名前を呼ぶと目を伏せ、紫色のオーラに包まれながらイプシロンは静かに消えていった。

 

 

 

「…」

 

 

 

多分、アイツらは負けた後なにかしら拷問みたいの受けてんじゃないのかなと思うと心配である。 でもこちらが敵を負かさないと被害を受けるのは日本だ。 だからそこらへんは理解の上で恨みっこなしでいてくれたらいい。

 

あ、俺は別に恨まれてもいいゾ?

 

でも雷門は恨むなよ。

 

 

 

「それで、次の相手はお前らか?」

 

 

 

円堂は警戒心を深めて話しかける。

 

その声に雷門メンバーもプロミネンスと向かい合った。

 

 

 

「その通りだ。 イプシロンが負けた以上、次は俺たちがプロミネンスが相手だ」

 

 

 

威圧感を出すよりもバーンは挑戦的な表情で言い放つ。

 

それでも未知なる敵に対して雷門は構えていた。

 

 

 

「おい、それよりもお前。 他の奴らが居ると言ったな? それはどう言うことだ? まだ倒すべき敵がいるとでも言うのか?」

 

 

風丸が疑問に思ったことに食いつく。 しかしバーンは「さぁな?敵に教えるわけないだろ」と誤魔化した。 その対応に風丸はイラっとしたのか更に食いつこうとしたが…

 

 

「風丸、あまり気にするな」

 

「なっ、破和土先輩!」

 

 

 

俺は風丸の肩を抑える。

 

大丈夫。

 

ここからは俺のターンだ。

 

 

 

 

「他の奴らがいると言う話が本当ならそれでも構やしないさ。 その時は次々と倒せば良いんだから」

 

 

「……ああ、そうだな」

 

 

 

ENDU論に納得した風丸は引き下がった。

 

扱いは楽だけど、あんたはそれで良いのか…?

 

 

「それに、他の奴らが存在して、その他の奴らが出ない言う事は、イプシロンの次に強いのがプロミネンスって事だろう。 そうなるとまだ周りの奴らに比べてプロミネンスは弱い方って事だな」

 

 

 

俺はケラケラとバカにしたように言い放つと、当然バーンを演じるはるや君の事だから…

 

 

「っ!? 弱いだとぉ!? 」

 

 

食らいつく。

 

 

 

「え? だってそう言う事でしょ? もし他の奴らを残してイプシロンの次に出て来たなら、残りの奴らに比べてプロミネンスは弱いってことじゃん? ほらあれだよ、ゲームで言うと1面ボスがジェミニストームで、2面ボスがイプシロンで、3面ボスがプロミネンスだ。 そうなると4面ボスとかそれ以上にまだ残っていて、それで3面ボスにされたプロミネンスは他のチームよりも弱いってことじゃん。 プロミネンスで草も燃えるわ」

 

 

「んだとぉお!? 俺たちがダイヤモンドダストやガイアに劣るだとぉ!? その言葉訂正しやがれもとひで兄貴!!」

 

「あっ、アホっ…!」

 

 

 

バーンの隣にいたレアンを演じるあんちゃんがつい罵倒してしまう。

 

まぁ、それよりも…

 

 

 

「へー、なるほどなるほど〜、ほかにダイヤモンドダストとガイアってチームがいるのか〜、ふ〜ん、なるほどねぇ〜」

 

 

 

「え?……………あっ…」

 

 

 

情報漏らしたことに気づいたのかバーンから間抜けな声が出る。

 

 

 

「このっ!」ゲシっ

 

 

「イデェ!!」

 

 

「…」ゴンっ

 

 

「アダァッ!?」

 

 

「はぁ…」

「ふふ…」

「やれやれ…」

 

 

アレンの怒りの蹴りがバーンの太ももに刺さる。 更にボンバを演じるげき君が頭をチョップして叩いた。 隣ではヒートを演じるしげと君が頭を抑えてため息をついており、同じようにネッパーを演じるなつひこ君は明後日を見て呆れ顔だ。 ボニトナを演じるほのかちゃんはニコニコしていたが、その笑みは恐怖を唆る。

 

 

 

「…な、なんというか緊張感にかけるッス…」

 

「そうでヤンスね…」

 

 

 

 

「……ふふ」

 

 

あ、瞳子監督は昔を思い出したのか隠れて少し笑っている。

 

みんなは気づいてないけど俺は見たぞ。

 

いや〜、HTMKさん美人可愛い。

 

 

 

「とりあえず情報ありがとナス。 それではそろそろお帰りくださいませ頭がバーン君」

 

 

「「「ぶっ!」」」

「ちょ、それはセコイわ!」

 

 

「ッ〜!!」

 

 

 

土門と塔子とアツヤがツボったのか笑いだすと、リカが素直に感想を残す。 そんな扱いを受けてるバーンは怒りで頭が本当に「バーン!」ってなりそうだった。やっぱりオサームと比べてバーンのはるや君は揶揄うのすごく楽しいね。 数年前の時もこんな感じに意地悪してやったわ。 多分今頃この様子をモニターか何かしらで見てるガゼルのふうすけ君も笑い転げてるだろうな。

 

 

 

「って! お前ら笑うな! そしてお前らも!」

 

 

「いや、頭がバーンって…くっ…」

「基秀兄貴、やはり最高よ…くっ…」

 

 

 

凶悪なマスクを付けてたグレントを演じるバーンアウト君……じゃなくて、くらんど君が顔を逸らしながら笑い、バーラを演じるはなちゃんはリボンを揺らしながら背を向けて笑っていた。

 

 

 

 

愉悦…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、涙目クレメンスだっけ?

 

いや、プロミネンスだったな(確信犯)

 

プロミネンス達がナニワ地下修練場から撤退したのは良いが、恐怖感と緊張感が薄れたことでイプシロン超えた更なる驚異の侵略者が現れた実感が湧かないでいた。 だがイプシロンに勝利した喜びはあり、改めて皆で今回の試合を讃えあっていた。

 

それから夜になり、少しだけ興奮してる者は今もナニワ地下修練場でサッカーボールに有り余ったエネルギーをぶつけているだろう。 マネージャーズは夜更かしは美容の敵なので早めに眠りついた。 しかしそんなの気にしなくても美人可愛い瞳子監督はまだ起きていた。

 

 

 

「こんばんは、瞳子監督」

 

 

「基秀くん? まだ起きてたの?」

 

 

「だって夜は子供が燃え上がる延長戦だって、よく言われてるから」

 

 

「あなたは子供って程でも無いでしょ?」

 

 

「見た目は子供、頭脳は大人」

 

 

「はいはい、そうね、すごいねー」

 

 

 

あまりにも適当な事を言ったので軽くあやされてしまった、解せぬ。

 

 

 

「しかし、はるや君は元気だったな。 それ以外の子供達も変わらずで少しホッとした。 プロミネンスってチーム名で宇宙人もどき司ってるけど、みんなの個性が変わってなくて嬉しかったから+114514点。 でもテロリスト紛いなことやってるから-114514点」

 

 

「謎の点数の基準はともかくみんな元気そうで良かったのは同意できるわね」

 

 

「そうだな、元気に学校をドッタンバッタン大破壊してるし。 兄貴分として早くアイツらを止めて黒歴史増やさせないように宇宙人の肉♂体から解放してやらないとな(使命感)」

 

 

「…どこかあなたから楽しそうに思うのは気のせいかしら?」

 

 

「気のせいではないさ。 またアイツらとサッカーできる嬉しさは少なからずあるんだから……」

 

 

「……」

 

 

「でもさ、こんな形で無ければ一体どれほど嬉しいことか。 本当に…馬鹿どもが……」

 

 

「……基秀くん…」

 

 

「失った者が集まる孤児園のおひさま園の皆が、他の人のモノを奪って失わせようとしてるテロ活動などあってはならい事だぞ。 許してはいけない…」

 

 

 

俺はおひさま園の可愛い子供達が好きだ。

 

沢山遊んで仲良しなったあの子達が好きだ。

 

好きだからこそ、止めたいと思う。

 

友達として、兄貴分として、侵略を受けている者として、イナズマキャラバンに乗り込んだのだから…

 

 

 

「そう考えてくれるあなただから加入を許したわ。 私自身もあなたに言われる前までは監督として少しやり方を誤っていたけど、おひさま園の子供達とお父様を止めたい思いは私も基秀くんと変わらない。 だから基秀くん、あなたを頼りにさせて。 私はあなたみたいに賢くない大人だから…」

 

 

「救済に大人とか子供とか賢さは関係ない。 止めたい気持ちが重要だ。 だから俺は瞳子さんはそうして行動してくれるからすごく嬉しいんだよ。 だから、ありがとう。 そんな瞳子さんが味方ですごく頼もしい」

 

 

「そう……あなたはそう思ってくれるのね? …なら大人としてこれ以上は情けないところを見せられないわね」

 

 

「非常に頼もしい姿勢だけど、別に俺は情けない姿をみせても構いませんよ? だって瞳子さんの恥ずかしく情けないところから可愛いところまで見てますから。 例えばお化けやしきでこんにゃくが苦手な事とかもうそりゃ存分に分かりきってますし」

 

 

「……やはり基秀くんの事はだいっっっきらいだわ」

 

 

「悉く嫌われて草も枯れる、辛たん…」

 

 

 

そう言って俺はお先に失礼して、イナズマキャラバンに戻って行った…

 

 

 

 

「本当に……あなたみたいな優しい人は嫌いよ、基秀くん…」

 

 

 

 

風に靡く髪の毛を払い、月を眺めながらおひさま園を思う彼女は幻想的で綺麗であった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「?……」

 

 

 

 

誰かにつけられている?

 

後方から気配を感じる。

 

でも雷門メンバーでは無さそうだな…

 

誰だ??

 

 

 

「(ただ熱烈なファンでは無さそうだな…)」

 

 

 

俺は瞳子さんと離れた後、宇宙人と対抗する雷門イレブンだけ24時間毎日いつでもな状態の貸切が許されてるナニワランドを散歩していた。

 

しかし途中から何か視線を感じて仕方なかった。

 

 

 

「それなら…」

 

 

 

俺はナニワランドを早歩きで進み角を曲がる。

 

「!? …お、追わないと…!」

 

 

 

俺の後ろを付けて来る何者かは曲がり角で姿を逃してしまったため、急いで追いかけてきた。

 

しかし…

 

 

 

「っ! 消えた!?」

 

 

 

「消えてないぞ」

 

 

 

「うぁ!? あ、っ、きゃっ!」

 

 

 

俺は自販機の上から追跡者の後ろに素早く降りると、雷門のジャージをグルグルと巻いて動きを制限する。 その時に可愛らしい声が聞こえたが、雷門のマネージャーか? しかしこんな風に跡をつけたりと行動力あるのは音無春奈くらいだらう。 もし本当に俺が捕まえた女の子が音無春奈ならエビフライ兄貴が怒り狂って男だけの玉袋をツインブーストして来るだろうな。

 

丁度二つあるし(汚い)

 

そしてイキスギィた痛みにそのままハットトリック(意味深)決めちまうとしばらく心が立ち上がれそうにないのはわかりきってる。 だから音無春奈じゃない事を祈りながら、捕まえた人を確認すると…

 

 

 

「ふぁ…!?」

 

 

「あ…」

 

 

 

音無春奈ではなかった。

 

むしろOTNS HRNAの青い髪の毛と正反対な赤色だ。 オレンジ色寄りだけど赤色に分類して良い髪の毛であり、頭にカールを巻いて少しオシャレ感が出ていた。 目の色は空色で、そして良く覚えてる目つきと眼差し……

 

 

数年ぶりの出会いだけど…

 

俺は彼女の事をハッキリと覚えていた。

 

なぜなら、俺を超えて最強のサッカープレイヤーになると力強く宣告をしてくれた男気ある女の子だから。 ああ、忘れもしないさ。 あの別れの際に見せてくれたその表情と負けたくないその気持ちは非物理的だけど良く感じられたから。

 

それほど記憶に根強く刻んでくれた彼女の名は…

 

 

 

 

 

「ハッスィ?」

 

 

「もう! 蓮池(はすいけ)って言ってるでしょ!?」

 

 

「あ、やっぱりその反応ハッスィだわ」

 

 

「っ〜! もう!!」

 

 

「あとあんまり騒ぐと警備員来るかもだぞ? このナニワランドは入場が20:00までだけどイナズマキャラバンが着ている稲妻のジャージを顔パスにしてしばらくは特別に無制限の入場が可能なんだ。 でもイナズマキャラバンに参加してないハッスィがこのナニワランドに不法侵入していたとなると……俺は何も言わずに君を警察に渡さないとならない」

 

 

「!?」

 

 

「当たり前だよなぁ? やって来た警備員に君と知り合いです…なんて展開になるならばイナズマキャラバン参加メンバーである俺すりもどうなるか分かんねえし。 何より事故処理がめんどくさいし」

 

 

 

あと瞳子さんに迷惑かけるから無意味なゴタゴタは避けたい。

 

 

 

「…やはり変わってない……」

 

 

「外側は変わったぞ」

 

 

「それって成長してない事だよね?」

 

 

「子供心を忘れてないと言ってもらおうか(ドヤァ」

 

 

「もういいよ…」

 

 

「……で? なんで俺の後ろついて来たんだ? 蓮池 杏」

 

 

「!!……それは…」

 

 

 

そう言うと巻きつけられてるジャージに顔を埋めて随分としおらしくなる。

 

 

 

「………………から」

 

 

「?」

 

 

「……たか……から…」

 

 

「え? なに??」

 

 

「あ、あいた……から…よ」

 

 

「……もう一回言って、聞こえない」

 

 

「っ」

 

 

 

彼女は言い放とうとするが、一度躊躇う。

 

だがこのままでは話が進まないので少し顔を赤くしながら覚悟を決めて口を開いた。

 

 

 

「…あ、会いたかった……から……よ!」

 

 

「へっくしょん!! ……ごめん、もう一度頼む。 ジャージ脱いで少し寒かったのでくしゃみが邪魔した」

 

 

「ッ〜!! 絶対わざとでしょ!!」

 

 

「お、そこに気づくとはやはり天才か? いや、普通にハッスィは天才だったな。 勉強も含めてサッカーも天才だったのを思い出した」

 

 

「むッ〜〜ッゥゥ!!!」

 

 

 

からかい過ぎたせいでプクッ〜と膨れ始めた。

 

あ、ちなみに"ハッスィ"と呼んでいるのは昔「あんちゃん」って呼ばれるのが嫌だったからだ。 なら「蓮池」かなと思ったが距離があって少しアレだったので、あだ名を付けてグッと距離を近づける作戦を作ってみた。

 

 

そしてつけたあだ名が『ハッスィ』だ。

 

 

その結果グッと距離が縮まったゾ(赤面ゼロ距離パンチ)

 

 

 

 

「まぁ、ナニワランドの営業時間外で無断侵入してる悪い子のお仕置きはココまでにして、真面目に聞いてやるよ。 会いに来てくれたんだろ? 約束を果たすためにさ」

 

 

「!」

 

 

「とりあえずナニワランドの外に出ようか? ここでは迷惑になるだろうし。 ハッスィは先に行っててくれ、俺はサッカーボールを取ってくる。 あと場所はナニワランドを出てから右の200m先にあるグラウンドだ。 この時間帯なら人気が少ないから"宇宙規模レベル"で暴れても問題ないだろうな」

 

 

「!!?」

 

 

 

俺はナニワランドを出て、イナズマキャラバンからコッソリとサッカーボールを拝借する。 携帯と財布を確認したあと、先に向かってるだろうハッスィを追いかけると既に到着した。 俺はグラウンドに入る前にサッカーボールが、運動場の背の高いフェンスを跨ぐようなキーパーキックしてハッスィに渡すと難なくトラップした。 おお? 苦手なトラップも出来るようになったか。 たしかに、胸以外は成長してるな。

 

 

 

「うるさい! これでも着痩せするタイプ…ってやかましいわよ!」

 

 

「因みに凍地妹の方とどっちが上?」

 

 

「え? い、いまのところ私…って! 関係ないでしょ!」

 

 

「でも最強のサッカープレイヤーを目指すなら体つくりにも意識しなければダメだぞ? 少しばかりスレンダーじゃないと不利かもな」

 

 

「え? そうなの?…って、今はそうじゃないと言ってるでしょ!」

 

 

「でもハッスィはそのままサッカーで体作りを励めば将来はモデル体型で美しく保った強いサッカープレイヤーも夢じゃないな。 身体を鍛えて作りあげる事を目的としてした漫遊寺の聖者が言うんだ、間違いない」

 

 

「え? そ、そうなの? なら……って! べ、別にモデル体型は二の次よ! そんなのいまは置いて良いから! ああ、もう! 変な話はしないでよ」

 

 

「いちいち反応してくれるから相変わらず面白いなぁ」

 

 

「むッ〜〜ッッゥっ〜!!」

 

 

 

またぷっくら膨れ上がる。

 

てか俺のジャージ着たままじゃねーか。

 

サイズ合わなくてブカブカだし。

 

 

 

「さて、始めようか?」

 

 

「!」

 

 

 

俺はひとつだけ持ってきた小さなコーンを真ん中に起き、ルールを説明を開始する。

 

 

 

「ゴールはひとつだけ使用したバイタルエリアを中心とした勝負だ。 それで点を入れる条件は、ペナルティーエリアでボールを20秒以上キープしたあとゴールエリアに進んでシュートするルール。 これを7本勝負としよう」

 

 

「7本も!?」

 

 

「なんだ? 無理なのか?」

 

 

「っ、そんなの余裕よ!」

 

 

「そうかい。 それでボールは敵から奪ったらボールを保持したままセンターマークに立てられてるコーンをドリブルで回って、同じようにペナルティーエリアに入って20秒以上を敵に取られぬようキープする。 それを奪い合いながら攻守を展開するだ。 もちろんペナルティーエリアの外に出ていてもボールカットはあり。 ただシュートする条件が、ペナルティーエリアで決められた時間をキープしないと許されないってだけだ、良いな?」

 

 

「ええ、理解したわ」

 

 

「さすが太陽組の天才だけあるな。 あと点を決めたら決められた方からセンターマークでスタートってこともいいな?」

 

 

「そこはそうでしょうね、わかってる」

 

 

 

 

そう言って俺はコイントスを行う。

 

 

 

「どっち?」

 

 

「おもて……いや、裏よ」

 

 

「……うん、コインは裏だな。 よし、ならセンターマークからスタートだ」

 

 

 

サッカーボールをハッスィに受け渡すと俺は軽く準備運動をする。 簡単な勝負なら必要としないが相手が相手だ。 油断してると負けてしまうだろう。 負ける気は無いけど。

 

 

「ふー、クールダウンしたのにまたアップか、やれやれ」

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 

彼女は紛れもなく天才。

 

故に一筋縄ではいかない。

 

雷門イレブンの倍は強いだろう。

 

だから……手加減は抜きだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

___基秀にいちゃん! 基秀にいちゃん!

 

___帰っちゃうの!? ねぇ!!

 

___嫌だ! 行かないでよ!!

 

___私まだ基秀にいちゃんと遊びたいの!

 

___それにまだ基秀にいちゃん勝ってないの!

 

___っ、泣いてなんかないわよ!うるさい!

 

___それにハッスィって呼ぶんじゃないよ!

 

___っ……もう…会えないの?

 

___え? 本当…? また、会えるの?

 

___っ、なら…

 

___今度会ったら私と勝負して貰うから!

 

___そして私が一番に基秀にいちゃんを倒して!

 

___最強のサッカープレイヤーになる!

 

___いつか必ず!

 

___絶対に絶対に絶対に!!

 

___基秀にいちゃんを超えてやるんだから!!

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 

久しい出会いはナニワ地下修練場。

 

私たちの敵となる雷門側に彼はいた。

 

最初は空似の人だと思いたかった。

 

でも実際に目にすれば紛れもなくあの時の人…

 

私も含めてみんなが驚いていた。

 

懐かしむ奴、複雑な奴、言葉にできない奴…

 

でも彼とは別の形で出会いたかった…

 

それはみんな同じ気持ち……だろうけど。

 

っ! 私だけは違うと思ってる!

 

あの時、彼を超えると叫んだ誓いと!

 

心に決めた覚悟は紛れもな本物なんだ!

 

だからこうして私は彼に会いにきた!

 

 

だって…

 

 

だって!!

 

 

それは!!

 

 

強くなった私を見て欲しくて!

 

言葉に偽りない事を証明したくて!

 

彼を今すぐにでも超えたい気持ちが強くて!

 

幼き約束を果たすために勝負を持ちかけた!

 

 

だから絶対に勝ってやる!

 

 

基秀にいちゃんを…

 

 

基秀と言う 選手 を倒すために!

 

 

 

『 私より強い奴は許さない 』!!

 

 

 

だって私は周りの奴よりも強くないと!

 

彼に勝つことなんて出来ないのだから!!

 

基秀を倒すのは!!

 

この私なんだ!!!

 

 

 

 

「はじめるよ!」

 

 

「ああ、かかって来い…」

 

 

 

コイントスから勝ち取ったボールを蹴って彼との真剣勝負が始まる。

 

しかしイプシロンとの試合後にも関わらず基秀の動きは衰えない。

 

最強を目指す先に立ちはだかる大きな壁であることを再確認する。

 

 

 

「ッ!」

 

 

負けない! 基秀に勝つ!

 

 

 

 

 

 

私は最初から全力で挑んだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……はぁ…はぁ…はぁ……」

 

 

「今やってるのはサッカーだが用語的にはゲームセットだな」

 

 

「……くっ」

 

 

「でもガチンコな俺から一点奪ったんだ……なかなか強くなったな、蓮池 杏」

 

 

「……っ、届かなかった……!」

 

 

「……」

 

 

 

年齢的にお洒落をしてもない女の子にも関わらず、自前のユニフォームは汗塗れで汚れていた。 剥がれた細かい芝生が汗によって頬やユニフォームに付着していて小汚く見えるかもしれないが、俺は全くそう思わない。 ひとりの選手として本気で俺を倒そうとする彼女が、俺を超えようと己に誓った約束を果たすために獅子奮迅と挑む姿はとても綺麗だった。

 

 

 

「飲むか? 少し緩くなったけど」

 

 

「!」

 

 

 

俺はイナズマキャラバンから持ってきた飲み切りサイズのスポーツドリンクを見せると彼女はそれをすぐに受け取りゴクゴクの喉に流し込む。 俺も新しいスポーツドリンクを開け、軽く口に含んで乾いた口を潤す。 そうやって軽くクールダウンしていた俺をよそに彼女のスポーツドリンクは空っぽになっていた。 それでもエネルギー成分を飲み干した彼女は息を荒くしていた。

 

 

 

「まだ飲むか?」

 

 

「!」こくこく

 

 

全て飲みつくした彼女は新たに欲するとエネルギードリンクを俺の手から掻っさらい、また喉を鳴らしてゴクゴクと流した。 また一気にスポーツドリンクは空っぽになる。 どうやら彼女はそれほどにエネルギーを使ったのだろう。 俺に勝ちたくて仕方なくて、最後まで全力を振り絞ったのだ。

 

 

「……あれ? 基秀にいちゃんの分は?」

 

 

「杏が持ってるそれが俺の分のつもりだがまぁいいさ。 ちゃんと飲んでしまえ」

 

 

「で、でも」

 

 

「気にするな、俺は問題ない。 鍛え方が違うからな? 慣れちまえば一口で充分だし」

 

 

「鍛え方って…でもよく見たら汗はあまり……そう、まだそのくらいで済むのね…」

 

 

「まぁ高校生だし? 中学生相手に遅れとるとか恥ずかしいくてたまらないから」

 

 

「…まだ勝てない…わね…」

 

 

「まだ勝てないな。 まだまだ君は俺に勝てない。 だって俺は杏の三年分を多くボールを転がしてる。 だから杏はその三年分を追いつかないとならない。 でも俺も杏が追いつこうとするその三年分を同じくようにまた三年分を培って行く。 だから、なかなか追いつけない。 なかなか追い越せそうにない。 でも追い越せる可能性はある。 それがサッカーだから」

 

 

「うん………ううん?あれ?まって、基秀にいちゃん、さっきから私のこと…杏って?」

 

 

「ああ、言ってるよ。 昔約束したじゃないか? 勝負で一本でも取れたらハッスィはやめろってさ? どうせ呼ばれるなら『杏』がまだマシだって言ってたからな。 だから杏って呼んでる」

 

 

「っ、そ、そう……まぁ昔のことだから下の名で呼ばれるくらい今はどうってことないから……いいよ、別に…」

 

 

「そんな杏も"基秀にいちゃん"って昔の呼び名に戻ってるな?」

 

 

「え? …ええ!? いい、いやいや!、 そんなことは言ってないから基秀にいちゃん!………あっ…」

 

 

「勝負を終えたせいで気が抜けすぎてるな。 天才の癖にメンタル面は少しだけコントロール効かないよな?」

 

 

「なっ、なっ! うっ…ッッ〜、むッっ〜〜ッッ!!」

 

 

「なんで頬を膨らませるし」

 

 

「ぅぅう! うるさい!うるさい!うるさい!呼んでない! 基秀にいちゃんを基秀にいちゃんって呼んでなんか…!! って、また!? ああもう! 違うの! 違う違う!!うああああ!!」

 

 

「相変わらずおもろいな、杏」

 

 

 

感情の処理が追いついてないのかすごく荒ぶっている。

 

しかしあんなに激しく勝負したのにこの気力だ。

 

普通に手強いなこれは。

 

 

 

「さて、勝負はもうおしまい。 俺はコーン回収してくるからまだ休んでて」

 

 

「え? あ、うん」

 

 

 

俺は立ち上がり、サッカーボールに乗り込むと"たまのりピエロ"を移動手段にしてゴールエリアからセンターマークまで進む。

 

杏は『うぇ!?』っとへんな反応をしていた。

 

たまのりピエロ知らないのかよ?

 

極めたらシャゲダンできるゾ

 

 

 

 

 

「まだあんなことできるほど体力あるんだ。 前からわかってたけどやっぱりすごい選手なんだよね、基秀にいちゃ……じゃなくて、基秀兄貴は…」

 

 

杏はもう一口ドリンクを飲み、やっと体と脳が落ち着き始めた。 二本目を貰ったエネルギードリンクによってしっかりとクールダウンが済んだようだ。

 

これならもうひと勝負出来るだろか?

 

いや、もう時間的に考えて互いに戻らなければならない。

 

 

 

「あれ? そういえば基秀兄貴のドリンクは?」

 

 

 

手元を見る。

 

空っぽのスポーツドリンクだ。

 

 

 

 

「あ……れ??」

 

 

 

 

 

 

 

『気にするな、俺は問題ない。 鍛え方が違うからな? 慣れちまえば一口で充分だし』

 

 

 

 

 

 

 

「………!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

___『 一口で充分 』だし。

 

 

 

 

 

そういえば、基秀から二本目のエネルギードリンクを受け取った時、既にキャップが開封されていた。 あと中身にドリンクも沢山入っていたけど、ほんの少し減っていたような気がした。

 

 

 

 

「ま、まさか……」

 

 

 

 

 

クールダウン済んだ彼女の頭は回転が良くなる。 そして元々サッカーの他に勉強も天才な彼女だからこそ賢く考え、そして自然とエネルギードリンクに対する答えを導き出した。

 

 

 

 

「し、しちゃった、か、間接……!?」

 

 

 

エネルギードリンクを震わせながら余っている片手で自分の口に触れてしまい、そして口の中の舌が二本目のエネルギードリンクの味をおもい出してしまう。

 

髪の毛の色に負けないほど頬をプロミネンスしてしまった。

 

 

 

「ッ〜!!」

 

 

 

 

 

 

コロコロコロコロ…

 

 

「そういやGOは見てないけど"なみのりピエロ"って親戚があったよな? ちょっと今度試すか」

 

 

 

 

年頃の乙女の純情を気にしない高校生のピエロはボールの上に転がりながら蓮池杏の元に戻った。

 

 

そしてこの後、たまのりピエロ中に燃えるスライディングを正面から受けたせいで前向きに倒れ、頭から地面にめり込んだのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

つづく

 




レアンが可愛くてノンケになっちゃう^〜

ちなみに蓮池 杏(はすいけ あん)って本名。

蓮 杏(れんあん)

レアン って事かな?

可愛いからどうでも良いですけどね(半ギレ)



でも瞳子監督の方が可愛いってそれよく言われてるから。


ではまた
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