イナイレップーケン   作:つヴぁるnet

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いつのまにかUA114514数超えてた…!
ありがとナス!


ではどうぞ


第19話 〜 KZMR兄貴

〜 大阪 〜

 

 

 

「さて、そんなに久しぶりでもない大阪に来たが、行く先はただ一つ。 ナニワ地下修練場だ」

 

 

「そこで破和土先輩が言っていたその力を得ると言うのですか? 僕はてっきり漫遊寺に連れて行かれるのかと…」

 

 

「まぁそれもありだけど、まずはナニワ地下修練場にあるとある特訓を2日程度やってもらう。 体つくりの一環として必要な事だ。 それを終えたら漫遊寺に行って、そこでもう2日訓練受けてもらう。 なーに、こんなのあっと言う間に終わるさ」

 

 

「はい」

 

 

 

俺たちは朝早くにイナズマキャラバンを出て、大阪にやってきた。 風丸のため無属性って力を覚えさせるためだ。 そのためにまずナニワ地下修練場に行かなければならない。 陽花戸中では練習材料が貧しいので、なにもかも揃っているナニワ地下修練場までやってきた。

 

そこで数日過ごす予定だ。

 

 

 

「今日は休日なのでサッカーで賑わっていますね」

 

 

「そうだな」

 

 

 

ナニワランドから少しだけ離れた運動場を見渡せばサッカーボールを転がして遊んでいる子供達で溢れている。 中には家族連れで遊んでいる子供達も多くてそれは楽しそうだった。 あと良く見たらグラウンドの芝生に小さく焦げている跡がある。 アレはハッスィから炎を纏ったスライディングによって付いた跡だ。

 

不意打ちでビックリした。

 

てか勝負は終わったのに何故かたまのりピエロを妨害してきた強烈なスライディングは何だっただろうか? 悪ふざけとして戯れていたつもりだったのか? …あのハッスィが? こりやびっくりだ。

 

ともかく名の通り玉突き事故起こされて顔面から地面に激突したりと最後は散々だった。 ハッスィも慌てたように謝って来たけど、怒りの感情に近いものを見え隠れさせながらペットボトルを持ってなんか責めて来た。 スポーツドリンクの賞味期限でも切れてたのか? 分からないな。 今となっては確認する手段も無い。

 

 

 

「着いた」

 

 

「たしかここら辺に扉が…」

 

 

「お、空いてんじゃ〜ん」

 

 

 

開けたんだよなぁ……って幻聴をどこからか拾いながら、俺たちはナニワ地下修練場の入り口、奥へ進む。 とある建物の裏から入り、何度か下ろしたことあるレバーに触ってガチャと起動させた。

 

中に入ればどんな設計しているのか全く不明なナニワ地下修練場に入り込む。 それからとある個室のまで歩き、その個室の扉を開けて電気をつける。 そのあとは空調を効かせたりとまるで生活の準備を始めるかのようだった。

 

まぁそのはず。

 

この2日間はナニワ地下修練場で過ごすからだ。

 

 

別にホテルを取るのもありだけど、生活出来るような空間があるのだから利用しないわけにもいかない。 俺と風丸はそれぞれ別の部屋に荷物を置き、早速練習の準備に取り掛かった。

 

 

え? 同じ部屋じゃないのかって?

 

 

もうぉ、バカねぇ。

 

 

もし風丸が女の子だったらどうするの?(無いです)

 

 

 

 

「とりあえず朝ごはん代わりにスポーツゼリー飲んどけ」

 

 

「!」

 

 

 

風丸に投げ渡しながら地図を確認。

 

一応中は覚えているけど念のためだ。

 

 

 

「あった。 コ↑コ↓のAエリアの近くにある特殊な部屋で特別な稽古を受けてやるか」

 

 

「あの、サッカーボールは?」

 

 

「(要ら)ないです。 今回は体つくりのために来たからな。 いまはサッカーと関係ない」

 

 

 

それから俺は風丸の無属性習得のために鍛え始めた。 まぁ体つくりと言えども、少し段階を踏んでここが良いと思ったのだ。 いきなり漫遊寺に行っても恐らく耐えれないと思うので…と、言うよりかは漫遊寺よりもナニワ地下修練場の方が機材も設備も整っているので風丸のレベルアップには丁度よい。 そもそも風丸は怪我が治りたてだから、微調整が効くこの場所がベストだった話。

 

でも、体つくりと言う名の"準備運動"である。

 

本命は……彼の心しだい。

 

 

 

「くっ、このリストバンド重い…」

 

 

「今の風丸はしなやかに流れる風が無くなってしまった。 これにて風丸には取り柄が無くなってしまったそこら辺の"普通"の選手だ」

 

 

「!?」

 

 

「さて、耐えれるかな? 長所を削られてしまったそのストレスって奴に君は打ち勝てるかな? 今のお前は何もない空っぽのサッカー小僧なんだ。 その空っぽに何を詰め込む??」

 

 

「ッ…」

 

 

 

 

前日は埠頭で慰めた。

 

しかし今日は彼を追い込む。

 

優しいだけでは強くなんて慣れないのだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…」

 

 

 

破和土さんから"無属性"と言われる力を得るために俺は皆が寝ている早朝にイナズマキャラバンを抜けて、雷門イレブンを福岡に置いて行った。 そのうち戻るのは確かだが、その時の俺は一段と変わらなければならない。 雷門イレブンのために力となれる選手に育たないとならない。

 

だがナニワ地下修練場での修練は非常に苦しかった。俺の長所である風のような速さは殺され、山のように大地を踏みしめることで体は動かなかった。 取り柄や長所を伸ばさず、むしろそれを押さえつけられての長時間。 それのせいで沢山のストレスがのしかかり、焦りを見せる。

 

しかし破和土さんは「焦るな、ちゃんと強くなる」と言葉をかけていた。

 

だから俺は破和土さんの言葉を信じてナニワ地下修練場での修練を積んでいった。

 

 

 

 

ガチャ

 

 

 

「!!……本当にもう夜だったのか。 7時間も修練を受けていたとは思わなかった…」

 

 

 

俺は一日目の修練を終えるとシャワーを浴び、夜ご飯を食べるためにナニワ地下修練場の外へ出てきた。 ここは大阪だから美味しいもので溢れているだろう。 イプシロンを倒すために来たからあまり観光なんて出来なかったが、少しは息抜きを兼ねて歩き回るのいいかもしれない。

 

破和土さんも「楽しいから歩いてこい」と言って夜は自由行動が許された。 本当はこんなことしてる場合なのか疑問に思ったが破和土さんは「体の空気は抜かないとな」と言っていた。 それに破和土は夜の時間に修練を受けさせようとは一切思っていたなかったようだ。 無理はさせないらしい。

 

 

「だが、こんなゆっくりとしていて良いのだろうか? っ、っ、いや、違うな……」

 

 

俺は少しよろめきそうになる。 そういえば7時間ぶっ続けで修練を受けていたんだっけな。 適度に休憩を挟んだがそれでもキツかった。 体に入れたのがスポーツゼリーで良かったと思う。

 

けれど空腹が急に襲いかかる。 体が夜の時間だと確信を得れば、脳みそはこの体に食を求めていた。 考えても仕方ない。 せっかく与えられた時間だ、何か食べあるこう。

 

 

 

「…」

 

 

 

そして俺は賑わう街中を歩き、適当に探す。

 

どれも美味しい香りが漂い、食欲を刺激する。

 

あれもこれも、良いもので沢山、

 

値段も貼らなくて、お金に優し………あっ。

 

 

 

「……マジか…お金、忘れた…」

 

 

 

どうやらナニワ地下修練場に財布を置いて来たようだ。

 

疲れで頭があまり回っていないらしい。

 

最悪だ…

 

 

 

「取りに戻るか…」

 

 

 

俺は一旦この商店街から別れを告げようと思い、来た道を戻ろうと振り返ったその時だ…

 

目の前に見たことある"女性選手"が現れた。

 

 

 

「あら?」

 

 

「!?」

 

 

 

最近、一度試合したことある選手だ。

 

たしか、彼女は…

 

 

 

「あ、あなたは確か…」

 

 

「ふふ、覚えてくれてるかしら?」

 

 

「え!? あ、い、いや、まぁ、なかなか強いチームだったからな」

 

 

「本当に? ふふ、嬉しいわよ。 でも…本当はちょっとだけドキドキさせられたからじゃないかしら?」

 

 

「!?」

 

 

 

そう言われるとあの時の試合で度々投げかけられた仕草に俺はちょっと構えてしまう。 そして目の前の彼女は俺の反応を見て、からかうことを決めたのか少し距離を縮めるかのように接近すると、顔を少し横に向けてウインクをしてきた。 女性の扱いに慣れてないと言うか、俺は少しだけたじろぐ。

 

 

「ふふ、見た目カッコイイのに中々可愛いところあるじゃない」

 

 

「なっ、なっ、…か、からかうのは、よ、よしてくれ…」

 

 

「ふふ、ごめんごめん」

 

 

「……」

 

 

 

どうも調子が崩されると言うか、あの試合以来彼女に惑わされ過ぎているようだ。 でも彼女は確かに可愛いから俺くらいの大体の男性なら簡単に調子を狂わされてしまうだろう。 それを試合にも持ち込んでくるのだから困ったものだ。

 

 

 

「ところで雷門イレブンのあなたが何故ここに?」

 

 

「!!?……そ、それは…」

 

 

「あ、ごめん。 なんか聞いてはいけなかった?」

 

 

「い、いや! そんなことは無い! ……ただ、俺が情けないからと言うべきか…」

 

 

「?」

 

 

「その、大丈夫だ。 俺はちゃんと宇宙人を倒してサッカーを元の形に取り戻す。 だから安心してく…れ………」

 

 

 

安心?

 

 

あんなにもジェネシスにボコボコにされて?

 

 

本当に彼女達を安心させれるのか?

 

 

いや、違う…

 

 

俺は強くなって…

 

 

強くなって雷門のために…

 

 

 

 

 

 

ぐぅ〜

 

 

 

 

 

 

 

「!!!」

 

 

「あ、あら? これも聞いてはいけなかったかしら?」

 

 

「ッ〜!!!」

 

 

 

やばい!!

 

これは恥ずかしすぎる!、

 

まさか女性の前で空腹の音を鳴らしてしまうなんて!

 

 

 

「ええと、お腹空いてるの?」

 

 

「え!? あ!いや! まぁ、お腹は空いてるけど、その……財布を置いてきてしまったから一旦戻ろうと」

 

 

 

財布がどうちゃらなんて今の失態を埋めれるような言い訳にもならないのに俺は変に言葉を放ってしまう。 どうやら本当に俺は疲れているようだ。 肉体も、精神も、脳も、疲労していて、まともな判断ができない。 いや、彼女だからこそ俺は落ち着きを見せれなかった。

 

 

 

「ふふ、良いわ。 せっかく大阪に食べに来てくれたから何か奢ってあげるわよ」

 

 

「ええ!? ちょ、ちょっと待ってください!? そ、そんなことは!!?」

 

 

「厄介なリカがあなた達のキャラバンでお世話になってるからそのお礼の一環よ」

 

 

「いや、だけど奢られるなんて…」

 

 

「良いのよ、ほら、行こう?」

 

 

 

そう言うと彼女は俺の手を掴んで引き寄せると、そのまま腕を組んでしまう。

 

 

 

「っ〜」

 

 

「ほらほら、こっちよ」

 

 

 

俺は人生で初めて女性と肩を並べると腕を組んで街中を歩くシチュエーション。 青春極まりない状況に投げ込まれてしまい思考が停止してしまいそうだ。 何よりも組んでいるその腕には、柔らかな感触が体温と共に感じられていた。 俺と変わらない年代の筈だが、それでも膨よかに成長した彼女の胸が触れていることもあって思考がパンクしそうだ。

 

今の俺は顔が紅く染まり続けているだろう。

 

 

 

「あなたの名前」

 

 

「ぅえ!?」

 

 

「?」

 

 

 

突然声をかけられたことで俺は非常に間抜けな声を発してしまう。 その声を聞いた彼女は少しだけ驚くけど、初々しいその反応を見て「ふふ」と笑う。

 

もう、恥ずかしくて仕方ない…

 

 

 

「か、風丸一郎太…だ…」

 

 

「風丸一郎太くん? カッコイイ名前ね」

 

 

「そ、そんなことはないさ。 一郎太なんて、少し古臭いような。 あ、でもこれは親からもらった大事な名前だ。 嫌だなんて思ってない」

 

 

「ええ、そこも含めてカッコいいわよ」

 

 

「……と、ところで、き、君の名は?」

 

 

「なに? 前○前世?」

 

 

「…え?」

 

 

「あ、ごめんなさい。 大阪のノリで少し反応してしまったわ。 ふふ」

 

 

「い、いや、大丈夫だ。 リカが既に色々とやってるからな」

 

 

「全く、あの人は…ええと、風丸くん。 リカはへんな奴だけど良い奴だからよろしくてあげてね?」

 

 

「あ、ああ。 わかった」

 

 

「……あ、そういえば私の名前も言わないと不平等わよね。 だから私も自己紹介するわ」

 

 

 

そう言うと組んだ腕を離して俺は解放される。 すると目の前にはお店があり、美味しそうな香りを漂わせていた。 そのお店の前に立ち、彼女は柔らかに笑みを浮かべて自分の名前を言い放つ。

 

 

 

「私は御堂 麗華(みどう れいか)よ。 知っての通り大阪ギャルズに所属するサッカー選手だからね。 今日はとことんエスコートしてあげるから風丸くん、よろしくね」

 

 

「!」

 

 

 

そう言うと試合の時のようにウインクをする。

 

流石に四度目くらいになるから慣れたけど、同じサッカー選手ってことになると俺はどこか嬉しさが湧き上がり、少し冷めた顔もまだ紅くなっていたがそこに恥ずかしさは無く柔らかく笑った。

 

 

 

「ああ、よろしくお願いします。 御堂さん」

 

 

「もう、私は麗華でいいよ! それに年代も同じくらいだから敬語はいらないわよ。 ほら、コッチにおいで。 お腹を空かせた男の子はこのお店が一番だから」

 

 

「うわわ!?」

 

 

 

俺は財布がない事と、半端強制な奢られることを思い出すと再び躊躇い始めた…が、残念ながらここは大阪だ。 関西に住まう女性の勢いには勝てず、俺はそのままお店の中に招かれてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおお! 『あびせげり』でヤンス!」

 

 

バチコーン!

 

 

 

「!!」

「!!」

 

 

「おお、栗松! 『クィックドロウ』に続いてとうとう『あびせげり』も習得したな! やったじゃないか!」

 

 

「破和土さんと、マックスの技ですけど、今はこの技を使ってでも強くなるでヤンス! そして次は『烈風拳』でヤンス!」

 

 

「いやいや、兄ちゃんの開発した技は簡単には習得できないね」

 

 

「なにおー! やってやるでヤンス! はぁぁ! れっぷう…いだぁ! 腕を伸ばしすぎて痛いでヤンス!」

 

 

「オイオイ…」

「なにをやってんだ、KRMT」

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 

「吹雪?」

 

 

「? …キャプテン」

 

 

「吹雪、どうかしたのか?」

 

 

「いや、特になんでもないよキャプテン」

 

「まぁ、強いて言うなら兄貴は、基秀と風丸が心配だってよ」

 

 

「なーに、そんな事か。 あの二人なら大丈夫だよ。 まぁ確かにあの二人が急にいなくなったのは少しビックリしたけどそれだけ大事なことなんだろう。 それに瞳子監督もいずれ戻ってくると言ってた。 なら俺達は信じて待つだけだ」

 

 

「!!…うん、そうだね」

 

「兄貴は心配性なんだよ。 それよりもほら、そんなことで突っ立ていないでコッチに来て練習手伝えよ。 今日こそ一人で『ウルフレジェンド』を撃ち放って見せるからな!」

 

「あまり無理しないでよアツヤ」

 

 

 

 

 

「風丸、そして破和土先輩! そして豪炎寺も! またイナズマキャラバンに戻ってくる時を待ってるからな!」

 

 

 

ひとりのサッカー馬鹿は仲間が帰ってくることを信じながら、お気に入りのバンダナに汗を滲ませて今日も練習に励む。

 

 

 

「破和土先輩にヒントを教えてもらった事で『正義の鉄拳』がついに完成したんだ! だから破和土先輩! 早く戻って来てくれ! この究極奥義を見せてやりたいぜ!!」

 

 

 

原作から生み出される"手順"がねじ曲がってしまったが円堂守と言うサッカー馬鹿はなにがあっても変わりやしない。

 

ボロボロなノートを広げて今日もサッカーやろうぜと意気込んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は御堂麗華から強制的に夜ご飯を奢ってもらった。 しかし女性に奢られたままなのは流石に男として考え、返そうと思ったがチームメイトであるリカの迷惑料として本気で奢ったらしく「良いよ良いよ」の譲り合い。 そして最後に「宇宙人からサッカーを取り戻す事で支払ってもらう」と言っていた。 もう大阪の女性に勝てる気がし無くなったので俺は頷き、人生で初めて身内以外の女性と二人で夜ご飯を頂いた。

 

その後、お店を出てナニワランドまで俺は戻ろうとすると何故か御堂麗華が付いてきた。 なんだかんだでヘタレな俺は彼女を追い返したりは出来ず、彼女の行動を好きにさせてしまっていた。 その時にまた腕を組んで夜7時くらいの街を陽気に歩いていた。 賑やかなところだった。

 

そしてナニワランドの道中にある小さな公園のベンチに座り、満腹のお腹を一旦落ち着かせる事にした。 すると俺の隣に御堂麗華が座りって「美味しかったでしょ?」とまたウインクをして戸惑わせてくる。 食事の席でもそうだったけど、こうして可愛い女の子と場を共有するのは非常に恥ずかしい。 初見よりは慣れて来たがまだこの頬は熱を保った状態がまだ続くだろう。 でも美味しかったのは事実なので俺は頷いて彼女に感謝した。

 

それから俺は綺麗な三日月を見上げながら世間話に入った。 この大阪、ココの名物のこと。 そして実は彼女がお偉いさんのお嬢様である事。 でもある程度自由は許されてるため、夜もこうして商店街で楽しんでいるらしい。 そしてエイリア学園のせいで彼女が通う学校が止まった事も聞いた。

 

 

そんな驚異の侵略者を相手にしても勇敢に立ち向かう雷門イレブンに心を打たれている事も話していた。

 

 

 

 

だけど…

 

 

最近また負けてしまったことも話してしまった…

 

 

それで傷ついて…

 

 

弱さのあまりに悔やんでしまい…

 

 

まだまだ強い敵がいる絶望感に溺れた事…

 

 

俺はそれらを御堂麗華に話した…

 

 

 

 

「そう、すごく大変なんだ目にあったのね…」

 

 

「いや、俺なんかに比べたらいまも稲妻町で入院してサッカーできないアイツらの方が辛いさ…」

 

 

「ふふ、風丸くんは優しいのね」

 

 

「仲間だからな。 みんな同じ先を目指して、優勝した仲間なんだ。 だから……俺は許せないんだッッ! 俺たちの夢と思いを侵略の道具にしてるアイツらが!」

 

 

「…」

 

 

「でもッ! 俺たちが退けなければならない最大の敵に勝てなかった! あんなにも、無力を晒して! くっ、俺は情けなすぎる…ッ、クソォォ!」

 

 

 

俺は敗北したあの出来事を思い出したことだ再び悔しさが込み上げてくる。

 

握りしめた拳をベンチに叩きつけ、下に俯き、歯を食いしばる。

 

 

 

「俺は、雷門の仲間や稲妻町のみんな、そしてこれまで出会って来た人たちに希望を託された雷門イレブンの一人なんだ。 だから…だから、俺は、弱くて仕方ない俺自身が許せない……許せないんだよ!」

 

 

「そんなことないわ」

 

 

「!」

 

 

 

彼女はこちらを見て俺の情けなさを否定する。

 

その顔は初めてみる真面目な表情だった。

 

 

 

 

「私はテレビでも見たけど、今までとは次元が違う力で相手を葬り去るあの宇宙人たちはとても恐ろしさ存在だわ。 そんな奴らを相手にするなんて普通は考えたくない。 でもあなたはそんな相手に怯えず立ち向かい続けてくれている。 そんな雄姿ある風丸くんが情けないなんて思わないわよ!」

 

 

「!!」

 

 

「だからお願い、悔みすぎないで。 わたしはそこに居合わせた訳じゃないからあなたが思っているほどの悔しさは計り知れない。 でも、あなたは負けた事が、悔しくて仕方なくて、そしてひどく不安になっている。 めもね! 風丸くんはそんな奴らに負けたくないからこうしてまたナニワ地下修練場で勝つための力をつけようと努力している。 そんな男の子が情けないなんて私は思わないわ!」

 

 

「っ!」

 

 

「だから、そんなに気を落とさないで。 すごくすごく大変なことをしてるけど、私は風丸くんを信じる。 この大阪でイプシロンを倒したように、自分より強い敵に立ち向かうあなたの強さを、わたしは信じるから」

 

 

「っ、御堂…」

 

 

 

 

俺はなんて情けないないのだろうか。

 

女の子に慰められているなんて…

 

 

ははっ…

 

こんな悔しさは破和土さんと話したことで晴らしたつもりだけど、俺は自分が思っているよりも悔しくて、不安で仕方なかったのだろう。

 

 

でもその分、俺はまだ自分が思っているほど諦めきれていないのかもしれない。 彼女の言う通り、俺はジェネシスに負けたくないからこうして居心地の良いイナズマキャラバンを抜けたのだ。

 

そして奴らに勝てるほどの力を得て再び雷門イレブンに戻ると決めたんだ。

 

なら泣き言なんて女の子の前で言ってる場合じゃない。

 

希望をたくされた雷門イレブンの一人として、いまも立ち向かい続けないとならない。

 

 

 

「ありがとう、麗華……俺、自分が思っているほど諦めきれない男みたいだ。 少し目が覚めたよ…」

 

 

「!!……ふふっ、よかった。 うんうん、男の子はそうやって強がらないとね!」

 

 

「っ、ありがとう」

 

 

 

俺は心が軽くなった。

 

おそらく……いや、おそらくなんかじゃない。

 

心許してしまった彼女に辛い想いをぶちまけたからこそ軽くなったのだろう。

 

しかしなんとも情けない男なんだろうか俺ってのは。

 

もうこれはエイリア学園を倒して今日奢ってもらった夜ご飯を多量のお釣りにして返却しないとならないらしい。

 

 

 

「麗華、今日は本当にありがとう。 でもそろそろ帰らないと行けないから今日はこの辺りで失礼する。 本当に、ありがとう」

 

 

「もう、何回ありがとうって言ってるのよ。 気にしなくて良いわ。 まぁ、でも……その代わり…」

 

 

「?」

 

 

「また辛くなったら私が慰めてあげる。 だからそれで許してあげる」

 

 

「!! ……ふっ、もうその必要は無い。 俺は今一度心に強く決心したんだ。 アイツらを…エイリアを打ち砕くと! それまで、もう弱音を吐かない! 絶望しない! だから麗華、見ていてくれ」

 

 

「??」

 

 

「俺はお前のためにサッカーを取り戻す!!」

 

 

「!、!!、!!?」

 

 

「……………?」

 

 

 

 

 

あれ?

 

 

いま、俺……何か言ったか?

 

 

いや、まて、今…

 

 

すごく恥ずかしい事をしたんじゃないか??

 

 

 

 

「そう……ふふ。 ありがとう、風丸くん」

 

 

 

すると彼女は1時間前の俺のよう顔を紅くしながら微笑んでいた。 だがその笑みはすごく魅力的で、見惚れるほどだった。 落ち着いたはずの頬が飽きなく紅くなり始める。 それと同時に心臓の音が急にうるさく弾み出していた。

 

すると彼女は緩やかな足取りで近づき、目を瞑り、つま先で立ち、彼女の顔が横から接近する。

 

 

 

 

__柔らかく触れた。

 

 

 

 

 

「頑張ってね、風丸くん。 みんなのためにも、そして私のためにも…ね?」

 

 

 

そう言って彼女は公園から出るとなにかを思い出したかのように走り去って行った。

 

その時の彼女の顔は、赤く見えた。

 

 

 

 

 

 

「ぅえ?」

 

 

 

 

 

柔らかに触れられた感触を思い出しながら、本日二度目の情けない声が誰もいない公園に響き渡る。

 

それから答えあわせをした俺はとんでもない言葉を受け渡し、そして受け取った事を思い出してしばらく放心してしまった。

 

今日一番顔が赤くなったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

つづく

 

 






この二人すごくお似合いだから孫に囲まれて老衰してどうぞ。



ではまた
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