"世界大会"ってのは名前の通り規模が大きく、注目を受ける量は普通の番組よりも幅広い。 テレビなどを通してあらゆる場所から注目を浴びることに舞台だ。
けれど、俺が踏み込む場所は例外だ…
「ジャッジスルー7!!」
「ぐぁあ!!」
虹がかかるように振り落とされた一撃に選手は吹き飛ばされる。
しかしその虹は赤く濁った薄汚い色だった。
「ジャッジスルー8!!」
ボール越しに顎を蹴り抜けれてヨタヨタとふらつけば、真上からボールを通じてカカト落としが決まる。 八の字に軌道が描かれた足捌きは喉を掻っ切る様に見えた。 それは殺人的に。
「ジャッジスルー114514!!」
バァン(大破)と雑にせっかちにナニかを敵に打ち込む荒技。
それは迫真的だ。
「それってどんだけジャンルがあるんだよ!?」
「うるせーよ。 別にそんなに種類ねーから。 ただジャッジスルー系叫んでりゃ敵さんは警戒して1秒くらい動きが止まるんだよ」
「俺も人のこと言えたことじゃねーがなかなか汚ねぇな!」
「数字も汚いけどなぁ」
今年スカウトした裏日本代表の最年少と足並みを合わせ、ゴールに駆け上がる。
だが…
「真・スピニングカット!!」
「真・ボルケーノカット!!」
「真・デーモンカット!!!」
「「!?」」
相手のディフェンダーが中央に集まると一気に足を振るう。
「「「トリコロールカットォォ!!!」」」
『おおっとぉ!! 裏日本の攻撃を裏フランス代表の合体技で対抗だぁ!!』
「っ!? 基秀! キラーフィ__」
「だめだ! 諦めろ!」
俺はヒールキックでボールを真後ろに蹴り飛ばし、裏フランス代表が作り上げた『トリコールの波』に飲まれて吹き飛ばされる。
痛いし、熱いし、抉られたような3つの感覚を同時に味わう。
「がっは、ごっほ!」
「おい! ちゃんと意識を保てよ!」
慣れない痛みと苦しみにもがく不動にすぐさま近寄って背中のツボを数カ所押して呼吸を安定させる。
「ひゅう…ひゅう……っ、く、くそっ!」
「これが裏のFFIだ。 どうだ? グループ戦の時とは桁違いだろ?」
「ああ!本当にな!くそがぁ!!」
どうやら大丈夫なようだ。
それを確認すると俺は不動から離れてフィールドの後方に下がる。
すると木戸川(高校)から参戦した仲間がサッカーボールを真上に蹴り上げると『ファイアトルネード』を使って地面に叩きつけて爆煙を起こし、裏フランス代表を打ち払った。
更に帝国学園の二人の仲間が『ダブルサイクロン』で爆煙とボールを大竜巻に巻き込み、裏フランス代表を近寄らせないでいた。
その隙をついた元尾刈徒中の仲間が爆炎化したダブルサイクロンの中に突っ込みながら『マジン・ザ・ハンド』の"魔神"と同化して、サッカーボールにライダーキックを行う。
そしてフィールドの中央でひかり…
とんでもない威力を纏ったボールが突き進む。
「ぐぁぁあ!!」
裏フランス代表のキーパーをなぎ倒しながらゴールネットに突っ込んだ。
裏日本代表 2-2 裏フランス代表
「やっと追いついた!」
「危ねぇぇぇ…」
「まぁ追いつくのは計算の内ですがね」
「おいおい、後半ギリギリじゃねーか」
「でもピエローヌがめっちゃ頑張ったから2点で抑えたんだよ。 キーパーに感謝しろ」
「あらやだ、褒めてくれるのかしら?」
「「「そうだよ(肯定)」」」
内心ホッとしてるメンバーを見渡しながら俺は靴紐を結び直す。
「裏FFIは高校生までだからさ、俺は今回で出場最後だから今回の大会で優勝飾りたいと考えてたけど、まさかいきなり裏フランス代表とぶつかるとか運が無いぜ」
「確か優勝候補だっけか?」
「いや、去年の優勝チームだ」
「マジか!?」
「マジだよ、大マジ。 グループリーグ抜けてホッとしたらいきなり裏フランス代表だし。 正直に言うと頭抱えたね。この試合に勝ったとしても裏イギリス代表か裏チリ代表だぞ? まだ後者の方が心なしか良いくらいかもしれないけど。 でも二回戦まで消耗が激しすぎる」
「……」
「だから不動は倒れんなよ。 グループリーグで司令塔が潰れてんだからあんたが頼りだ」
「…俺には荷が重いぜ」
「だとしても、元真・帝国学園の司令塔としての実績は裏FFIで大いに活かせる。 だから誘ったんだよ」
「それは保険としてだろ?」
「その保険が今回活きたんだよ。 無いよりはマジだ」
「……とりあえず、守り過ぎてもラチがあかない。 一度ポジションを動かす」
まぁ、こんな感じに表のFFIに比べて殺伐としている世界だ。 心身ともに軟弱な野郎はさっさとこの世界から手を引くのが賢い。 だが不動明王は鬼道と同じくらいか、それ以上の強さを持ってるためこの世界に踏み込めた。
しかも真・帝国戦の時に使用したエイリア石の補正が、今も身体を強化したままの状態だった。 簡単に説明するならば不動が使用していた小さなエイリア石はトレーニングに使うような重たいリストバンドの役割を果たしていたため、彼をこの世界に通じるまで強くしていた。
そのため充分に戦えると見抜いたから裏FFIに誘った。
え? なんでそんなこと知ってるのかって?
俺はエイリア石の研究をやっているんだぞ?
これでも不動の力は見抜いてます。
そしてこの後、裏フランス代表相手とはPK戦まで持ち込みなんとか勝利した。
…
…
そして高校1年生の出場以来で2年ぶりにやってきた決勝戦だ。 相手は裏ロシア代表だったが、守護神のピエローヌが裏チリ代表の試合で怪我を負い離脱。 しかも俺も右足が損傷していた。 そのままキーパーにスライドして俺は試合に出つづけたが3回目のビーストファングで体が悲鳴をあげて後半戦終盤で俺も離脱。
3-4で負け越してしまい裏日本代表は敗北した。
同じ人数で戦っているのに『人海戦術』と言葉を繰り返しながらの怒涛の攻めはソ連を連想させるようだった。 そして消費している俺たちは裏ロシア代表のサッカーに耐えきれず最後の最後で完全敗北してしまう。
準優勝だけど、悔しすぎる。 荒れ果てたフィールドに倒れ込み、泣き啜るメンバーの声を拾いながら試合中に夕方から夜に変えた夜空を見上げた。 フィールドは殺伐としていたけど見える夜空は平和そのものだ。
「あぁ……もう一度優勝したかったなぁ…」
「ぜぇ…ぜぇ……それって過去にあるって解釈で良いのか?」
「あるよ。 まぁ入りたての頃だった俺は特に大きな活躍もなく、主に先輩達の獅子奮迅の活躍で優勝トロフィーを見せてくれた感じだ。 あの決勝戦は確か裏ブラジル代表だったな。 いやー、5-4に発展するほどの試合は凄かったなぁ…」
「一体何が起こったし…」
「まぁ色々とだよ。 ともかくこれが裏FFIだ。 表なら決まって強いチームが存在してるけど、裏FFIに出てくる国は一年周期で必ず強さが上下する。 ちなみに今年の裏日本代表は20カ国の中から5番目に強いんじゃないのか?」
「なんだよそれ…」
「去年の春と秋大会で目立った損傷もせず、過酷なこの世界でメンタル面も負けず、そうやって生き残ってくれた裏日本代表選手が今年もこのチームに残ってる。 それが多ければ多いほどチームは強いわけよ。 大和魂ばんざーい」
ちなみに裏FFIは一年に1回以上は必ず開かれる。
そしてたまに秋にも開かれる。
年に二回も開催だぜ? なんか凄いだろ?
ちなみに俺が高校二年生だった去年は春と秋に開かれた。 それで俺も参加した裏日本代表は春の大会で安定した勝利を重ねてグループリーグ抜けるも、裏チェコ代表相手に一回戦で敗退した。 そしてエイリア学園の騒動が終えて秋の大会でも俺は参加したがグループリーグだけ出場した。
本当はおひさま園を優先したくて出場はしたくなかったが、監督からはグループリーグだけでも手助けを頼まれたので出場金を倍にしてくれるならと了承した。 出場が決まるも俺は決勝リーグは出ないのでグループリーグ中に全力投入で臨んで、その力を振るって裏日本代表は決勝リーグに進む。 ちなみにその後の裏日本代表は裏オランダ代表に蹂躙されて早々に敗北。 やはり裏FFIの経験者メンバーが多く削られ、新たに投入した裏日本代表選手メンバーの半分が新参だったからだろう。
裏日本代表の監督曰く「破和土基秀の不在が戦力低下に激しく響いた」とか言ってたな。
なんかごめんね。
まぁそれでもリーグ突破の貢献者として多額の出場金が出たから俺は美味かったけどな。 ちなみに母の病院費と、夕弥の学費と、お日さま園の資金に全額ぶち込んだ。 俺自身には不要だ。 そもそも俺の周りがお金に不自由で無ければ多分だけど俺は裏FFIは出なかっただろう。 手を引くことは全然考えていた。
けどお金はあるに越したことないから俺は高校3年生になっても裏FFIに続投した。 エイリアの騒動が落ち着いた時の
そして高校三年生になり秋の裏FFI大会に出場。
しかし2回目の優勝は飾れずに終了。 すこし悔しい。 そんな感じに俺は裏日本代表から引退するのと共に、このままサッカー人生からも手を引くことにした。 残りの全てをこれからお日さま園につぎ込むことを決めてるからだ。 でもサッカーボールはたまに触れている。 なんとなく息抜きにリフティングしていればおひさま園の子供達が集ってそれで軽く始まる感じ。 そのくらいなら今もサッカーは楽しんでる。
まぁ、裏FFIに関しては不動が密かに燃えてたし、今度の裏日本代表はあいつを中心に滾って行くだろう。
さらばだ裏日本代表。
野蛮な世界だったけど楽しかったよ。
♢
「おや? あなたは…」
「お? ラボック・モヒタッカーンじゃねーか」
「私の名前にモヒカンの用語を混ぜないでいただきたい。 あと私の髪の毛はモヒカンと言えるほどでもない」
「冗談だよ。 それにしても裏FFIの警備スタッフで参加してたとはな?」
「おや? なぜ私が裏FFIのスタッフだと思いました?」
「まずあんたらみたいな連中がこの場所まで試合を見にくるなど思わない。 大凡だが今回の裏FFIの主催者を一時的な"主人"として従ってんだろ? 恐らく"本当の主人"による命令とかだろうな。 何せ裏FFIは大いに利用価値がある。 表の目を欺けながらの経済成長は裏の住人にとってうま味な場所だし?」
「……お見事。 やはりあの時確実に潰しておく必要がありましたね」
「バーカ。 テメェら程度に俺を潰せるかよ」
実はエイリアの騒動前にチーム・ガルシルドの"RHプログラム"に関しての実践練習を覗いてしまった事がある。 ほら? 海外旅行のつもりでサッカーボールを持ってうろついてたんだけど、なんかワクワクしそうな暗い場所があったので乗り出したのだ。
そしたらチーム・ガルシルドの連中と出くわしてそのまま荒事に持ち込んでしまう。 その時のRHプログラムについては"まだ"試作段階なんだけど戦争に関わる秘密情報な訳であり『生かして帰さん』とばかりに襲われた。 もちろん逃げた。 その時初めて本気のレイジングストームで大人数を薙ぎ払ったりと俺の警戒度が高まった。 こればかりはやっちまった。
そして逃亡したのだが、まぁ使ってあるホテルを追跡されて見つかるよね?
しかし俺に勝てないことを知ると相手は交渉に入った。 クッソ面倒だったけどなんとか"他言無用"の口約束で済ませた。 まぁ俺も厄介ごとを深めるつもりもない意思を伝えたので一回目は見逃された。 それでも裏FFIが終わるまでは監視されていたな。 だから俺は気づいてないふりして日本に帰った。
それからチーム・ガルシルドとは何も無い状態で終えたけど、裏FFIに参加すると視界に入れたくもないのに彼らをたまに見かけてしまう。 面倒ごとを嫌ってるからこそコ↑コ↓でも俺は見てないふりを続けていた。 恐らくだけど俺が裏FFIに参加するたびに警戒してるのだろう。
だって裏の世界だかな、ここは。
ちなみに間違って対面しても『俺はお前らなんかどうでも良い』って感じで通している。
今このようにな。
「あの時、好奇心で見てしまったのは仕方ない。 でもそれはお前らの落度でもある。 何せ一般に見つかるようなところでやったんだからなぁ?」
「まぁ、そうですね。 ですが密かに鳴っていただろうあなたの心の警告音すらも無視してあの場所に来たことは大概ですがね」
おおっと、これは手厳しい。
「そっちからしたら難しいかもしれないが、それは互いの落度と言うことで済ませろよ。 あとなんども言うけど、俺はあんたらと関わりたくない。 そしてあんたらは俺を関わらせたくない。 こうして話すことも本来なら愚行の極まりだろ?」
「かもしれませんね。 しかし少なからず私個人としてはあなたのその力に興味があります」
「……侍の国の魔境とでも言っておくよ」
「そうですか。 まぁ組織的には関係無い秘訣なので触れようとは思いません」
「賢い判断どうも」
あちらが手を出さなければ俺も手を出さない。
何せ互いに交わり合うべき中でも無いからだ。
「じゃあな。 俺は今回で裏FFIとは絶縁だ。 だからあんたらとはもう二度と会うことも無いだろう」
「ええ、それではサヨナラ」
え? 世界制服に企むチーム・ガルシルド?
別にどうでもいい。
俺はお日さま園だけで沢山だからな。
まぁ……
でも…
もしチーム・ガルシルドやコイツらがお日さま園に災難を振りまくようなら俺も躊躇わないよ?
それこそエイリア石を使ってでもコイツらは滅ぼしてやるさ。
俺にはそれが簡単にできる。
だから、関わるなよ?
絶対にな…
♢
「ん…んぁ……もとひで…」
「ぁぁァァァ…」
「とても、お硬くて…立派ですわ…んんっ」
「ああ、すごくいい……」
「んふっ、この辺りは…どうかしら?」
「ふぇぇ……すごく…気持ちいい…」
「ふふ、お気に召して良かったですわ…」
「………なぁ、穂香」
「?」
「なんでマッサージしてくれる側が声を漏らすの?」
「だって基秀お兄様のお体がお硬いですもの。 少し力が必要ですわ。 特にこの部分は…うんっ…」
「何というかエロティックだなぁ…」
「あら、何か言いましたか?」
「いや、別に。 気持ちいいよ」
「よかったですわ」
背中の筋を撫でる様に押される。
あー、誰かにやってもらうって気持ちいい。
「くんくん……ふむ、基秀お兄様から危険な香りが無くなったように思いますわ」
「おいおい、マッサージするというから無防備に転がってるのに匂い嗅ぐなんて驚いたなオイ」
「なんというか、基秀お兄様は1つだけではなく複数の危険な香りがしてましたが……どうやらお一つ消えたようですわ」
「何その嗅覚、こわっ…」
「ああんっ、もう、そんな引かないでください基秀お兄様」
鋭いな…
てか相変わらずだけど、この子は大人びてる。
本当に中学生?
いやそう言えば今年に入って高校生だったな。
彼女の色香は既に大人レベルだけど。
あとお日さま園の中で一番大きいし。
え? 玲奈?
彼女も大きいよね。
たまに睡眠時の夢の中では今の半分以下の玲奈が出て来る。 でもそれはエイリア事件が起きてない幸せな別の世界線だったりと少し不思議な気分だったな。 しかしそうなるとエイリア騒動時のハイソルジャー化が関わってるかもな。 身体の成長に女性ホルモンも関わって成長したとかそんな感じのだ。 そこに個体差があったとするなら玲奈はそのケースがあり得るな。
え? さっきからなんの話をしてるって?
男のロマンである二つの山だよ。
言わせんな、恥ずかしい。
「もう、基秀お兄様ったら、またお考え事の顔をしてますわ……リラックスできてませんの?」
「え? ああ、いや、そんなことないぞ? ふつうに気持ちいいし、なかなか上手だな穂香」
「…本当に?」
「うん、肩甲骨も良い心地よさでほぐしてくれてすごく気分が良い…」
「そ、それなら良かったですわ…」
皆に内緒で参加してる裏FFIから帰還して2日目。 過酷な試合で痛めた体を自分でケアしていたところを穂香に見つかる。 すると彼女に疲労が沢山溜まってると思われてマッサージを進言してきた。 いつもお日さま園のために動いてくれる俺を労ろうと彼女は考えていた。
微々たるお返しに過ぎないと言ってたが、俺は彼女の申し出に大変心が温まっていた。 微々たるなんてことはない。 まぁそんなわけで彼女からマッサージを受けていた。
「少し後ろ向いて座ってください」
「はーい」
「では失礼して…」
ガシッ
「ふぁ!?」
「少しお顔をマッサージしますわ。 ジッとしてください」
後ろから顔を両手で固定される。
俺の両頬には彼女の可憐な腕に挟まれ、動かないように固定されていた。 そして彼女の指は真上からを頭を下に押す。 強過ぎず、弱過ぎず、痛みを感じさせない丁寧な指の強さ。 指の位置を1つ1つ変えながらグッ、グッっと押していた。
そしてなにより…
ぎゅむぅ、ぎゅむぅ、たゆん…
むにゅ…ぅぅぅ…
「……」
肩に当たる柔らかな感触は変に体を固くさせそうだ。 指で頭皮を押すマッサージは気持ちいいのだけれど、肩から感じる柔らかな2つのモノに意識がなだれ込みそうだ。 漫遊寺の元生徒だけあってその煩悩には耐えるけど。
むにゅ…
むにゅぅ…
これは破壊力がある。
「なぁ、肩の柔らかいのもしかしてワザと?」
「ええ、もちろん」
なんてことなく言ってのけた。
しかも少し楽しそうな声で返してきた。
まったくこの人は…
「穂香ちゃん、そういうのは大好きな男性が出来た時にとっておきなよ」
「では今がその時ですわ」
「likeじゃなくて、loveの話だぞ」
「ええ、愛してますわ基秀お兄様」
「……困ったなぁ。 俺は瞳子さんが好きなのに」
「ええ、知ってますわ。 だからもし基秀お兄様と瞳子お姉様がご結婚なさっても、私は幸せなお二人でいるなら全くもって嬉しいですわ」
「……」
「基秀お兄様の幸せが私の幸せなのですから」
多分その言葉に偽りはない。
彼女なら斜め上な関係でも構わなそうな気がしてならない。
そう思って仕方ないのだが…
「そして瞳子お姉様が終えたら、二番目に私を入れてください」
「」ずるっ
「ああん、もう、腕と自慢のお胸で固定してるのですから動かないでください」
なんども言おう。
この人は大人びている。
そして誰よりも達観して冷静である。
「(ほんの少しだけ苦手かもなぁ…)」
「♪〜」
そういえばイナGOでは重婚あったよな?
ここは日本だけど、ここは超次元な世界だ。
そこら辺は調べた事ないが…
もしかしなくともそれは可能かもしれない。
そうなると中学生……じゃなかったな。 彼女は高校生でそれを理解してる上でそうしようとしてるのだろうか?
「次は寝転がってください基秀お兄様」
「あ、あいよー」
「ふふふ〜ん」
「……」
だめだわからないな。
あ、でもひとつだけわかる事はある。
それは裏FFIの危険な香りが消え、彼女と言う少しだけ危険な香りが纏ったと言う事だ。
「えい、えい、えいっ」
「ああ〜、そこ、ぎぃぐぅぅ…」
違う意味で骨抜きにされてるけど…
とりあえずその時が来たら考えないとだな。
彼女の真剣があるなら俺も応えるべきだろう。
今はこの距離感で彼女と付き合う事を決めたのだった。
これは、あり得たかもしれない一つの物語。
彼女を二人目として添い遂げるかもしれない『世界線』だ。
おわり。
ボニトナ だった 穂香 end
裏FFIの過酷さを新人の不動に教えるとその世界を任せてから引退したり、あと何気にチーム・ガルシルドのメンバーと接触していた裏側の基秀の話でした。
穂香の感情は「2番目でも良いから基秀に愛されたい」と斜め後ろに立つ姿勢で、基秀からしたら少し困りものです。
そんな世界線でした。
次回は"パワフルなあの子'を出して…
それでifルートの番外編は終了します。
ではまた