プロトコル・オメガのメンバーはこの30日間で随分と成長した。 サカマキさんが率いるアンドロイドのパーフェクト・カスケイドと同格以上に戦えるほどになり、またそのアンドロイドも俺の動きを取り込んだシミュレータが活かされたのかステータスの上昇が見込めたらしい。 つまり原作よりも強くなった。 こりゃもしかしたら時空最強イレブンよりも強いんじゃないのか? まだ中学生の頃の風丸や蓮池杏のレベルに近い選手が多い事を考えると相当なレベルなんだと思う。
さて、3回戦も行う事を考えてチーム編成を行った。
でも最初から全力投入。
1回戦からアルファにベータにガンマのリーダー格を入れて俺も加入する。 2回戦はパーフェクト・カスケイドに任せて俺も再びそのチームに加入する流れだ。
え? 3回戦目の編成? そんなの無いぞ。3回戦行う内に2回勝利を奪えばいい訳だろ? なら早々に2回分勝利をとってしまえば3回戦目も試合行わなくて良いじゃん。 そもそも1回戦から負けるようならこのラグナロクで勝利なんて見込めない。 勝つことだけ考える。
「よく来たね、待ってたよ」
スタジアムに到着すればSARUが入り口で迎える。
それよりも…
「まさかこの場所って…」
「そうだね。 君にとっては特別な場所だ」
地図と見比べて何度も確かめた。
間違いない。
この場所はおひさま園があったところだ。
富士山も見えるし間違いなく静岡である。
「随分と粋な真似してくれるねぇ?」
「たまたまだよ。 これは本当さ」
「ふーん? あとその口ぶりだとやはり俺のこと知ってるみたいだな?」
「もちろんだよ。 君ほどの存在はセカンドステージ・チルドレンにとって救世主だった。 でもこの時代に君はいない。 だから……僕がフェーダーのためにこの世界を作り替える。 時代遅れな人類に居場所はない」
「おいおい、今こうして救世主になる予定の俺がこの時代にいるだろ? 安心してフェーダーのボスを降りてしまえよ」
「あっははは! 面白い提案だ! でも、君はこの時代の指導者では無い。 そもそもこの時代で君が指導者など不可能だ。 …たしかにあなたの活動には感謝しているよ。 破和戸基秀って存在が居なければセカンドステージ・チルドレンは大いに苦しんでいたのは事実だ。 君と言う存在は亡くなっても残された者は在りどころになってくれていた。 希望だった。 けど俺たちはその頃よりも更に強大な力を持っている。 だから時代遅れの君がどうすることもできないよ。 諦めて欲しい」
「それでも俺って
「ならやってみろ、過去の指導者…」
「やってやるよ、能力があるだけの
ラグナロクのスタジアムに入る。
そして控室で準備を行った。
「基秀お兄さん、少し顔が怖いわよ?」
「え? そうか? ガンマ、手鏡持ってる?」
「ありますよ。 ほら、怖い顔です」
「……なんや、なかなかのイケメン面やん」
「自分で言いますかそれを? …まったく、そもそも、この鏡に映していいのはスマートで美しいこの僕だけさ」
「あら〜、ガンマったら、今日も素敵な間抜け面よ?」
「なんだとこの猫被り小娘が! お前みたいなやつよりも僕の方が何倍もスマートに美しいんだ! 引っ込んでいるんだな!」
「ああん!なんだと!? 俺の方が美しいに決まってるだろ!! なぁ、そうだろアルファ!」
「…」
「ふっ、なんか言ったらどうだアルファ? スマートのはこの僕だよな? それとも、君は何も言わないと? 無言は好意に値しませんが?」
「……」
「……」
「……」
「……俺は、嫌われてない」
「前回のバエルと言いそろそろキャラ定めろよお前」
「おい、そろそろ始めるぞお前たち」
サカマキさんの声にて緊張感が戻る。
けどガンマを中心に何名か笑っていた。
いい雰囲気だ。
この30日間でもこうして俺を発火地点にガンマからベータに流れて、〆はアルファに俺がツッコミを入れる一連の流れはプロトコル・オメガの雰囲気を柔らかくしていた。 サッカーで誰かを強くするのはそこまで時間かからないけど、この空気を作る事が一番時間かかった。 とても大変なんだよ? チームをチームにするってことはね。
…
…
「あ、メイアじゃん、お久しぶり」
「! ……は、はい、どうもです」
「メ、メイア!? こ、これはどう言うことだ!?」
「ふぇ!? いやギリス! ち、違うわよ! ただ少し前に、会話して…その……ちょっとね?」
「っ、貴様! メイアに何をした!」
これは勘違い受けてる?
しっかり言葉を選んで、誤解を解かないとダメだな……よし!
「別に何もしてない! ただ出口を求めてぐるぐるしているようだから先っちょまで案内しようと思ったら意味深な事を持ち込まれたから俺が壁ドンでメイアに詰め寄っただけだ!!」
「「「基秀! それダウト!!」」」
「メイアになんて事を!? ゆるざぁん!!」
「ちょっとおじいさま!?」
それから試合開始まで残り数分まできた。
皆はフィールドに着いて足首を柔らかくしていた。
あ、そうだ(唐突)
俺は携帯を取り出して写真を画面に出してメイアに見せる。
「メイア、前に遺伝子云々の話をちょっとしたけど、調べてみたらどうやら破和戸基秀で間違い無いみたいだ。 そんでもって姿形は俺の
「!! たしかに、似ていますね…」
「だけどメイアの方が美しい」
「そこは認めたとしても不明な点が一つ。 愛って勉強が苦手な方でむしろ天才とは言えないんだよね。 兄の方は超天才だけど。 そんでもメイアは対照的に頭脳派な訳だろう? そんな俺は頭脳派なのかわからない。 超が付けれるほどの大層な頭はしていない。 けれどSARUの奴はなんで俺を指してメイアに似てると言ったのか? 愛では無く俺にそれを言った意味が少しわからない。 過程で何かがあったと考えるのが普通だろうが、随分と引っかかる。 まぁ…試合を通せばその意味がわかると感じてる訳なので、1回戦目は勝利と共にその意味を得るから……君たちは安心して負けてくれよ」
「!! …おじいさまが相手でも負けないから!」
「……待てよ? あれ? …そうなるとこれはもしや、あなたは私にとって……お、お義父様って事なんで…しょうか?」
「ふん!娘はやらん!」
「そ、そんな!?」
「もうギリス! 試合始めるから位置について!」
試合開始。
前半から流れはあった。
ギリスからパスを受けたメイアのドリブル。
「はぁ! 風神の舞!」
「俺もできるぞ、風神の舞」
「!?」
「
「ドリブル技なのに!?」
「ブロック技でもシュート技にしてしまう俺にその概念は意味ないぞ」
運動量は確実に俺が上回っていたので逆にメイアから奪い取った。
しかしメイアも諦めないのか手元にエネルギーを込めて蹴り放った。
「エアーバレット!」
「烈風拳」
「相殺!?」
「おうよ!」
しかし時間稼ぎになってしまったらしくメイア以外の選手に囲まれてしまった。
「そのまま逃がさないで!」
「いいや! 俺は逃げるね」
「けど遅いわ! ザ・タワー!!」
「!」
驚いた。
まさか塔子の技を使ってくるのか。
でもイナズマキャラバンに居た時に塔子との手合わせで何度もその技に対抗してきた。
雷如き、いま頃だ。
「構え上段から……のッ!!」
「!?」
「掴まえた! サンダーブレイクゥ!」
「嘘ぉォー!?!?」
「「「「うわぁぁあ!!!」」」」
メイアのザ・タワーから放たれた雷を掴み取ってそれを周りに投げつけるとギリスを中心に俺を囲んでいた選手は雷に弾き飛ばされる。 そんなメイアも信じられないモノをみたような目をした後に雷に打ち払われてザ・タワーから弾き飛ばされた。
「陣形崩れた、前に出るぞ」
「あら、基秀お兄さん調子いいわね」
「ふっ、スマートな事だ」
「うっわー、やるねぇ〜」
「規格外もあそこまでやるのか」
アルファが冷静に、ベータは楽しそうに、ガンマはナルシストに、オルカはいつも通り、エイナムが引き気味みに、それぞれのリアクションをしながらも前線を上げてチャンスを作る。
そんな俺は気を失いつつ落下するメイアまで跳んで受け止めた。 着地したのちメイアが気が付いて、なにかを言おうとしたが倒れているギリスの腰の上にポイっと落としてやった。
(お礼に関しては)キャンセルだ。
あとギリス、娘はやる。
それから流れは完全にコッチのものになった。
前まで歪み合っていた筈のアルファとベータとガンマがうまく連携してくれているためスリートップが大変頼もしい。 アルファの分析力、ベータの突破力、ガンマは連携力、コレらがうまくマッチしている。 リーダー格であることを知らしめるように
何アレすごいかっこいいな。
「てっきり一人で決めると思ってたよ、ベータ」
「あら、基秀お兄さんが教えてくれたアトミックフレアも良いけど、3人揃っているならせっかくだもの。 先制点はこの技でって決めていたわよ」
「YES、点が取れるなら誰でも構わないと思ってた。 しかし落としてはならない試合なら確実性を求めるべき。 なら感情論よりも優先される結果を求めてこそのプロトコル・オメガ」
「そこにはスマートに同意だね。 この僕たちが負ける事は許されない」
仲良いじゃん。
微笑ましいし、頼もしい。
だが相手も黙ってはいない。
「
ギリスの反撃だ。
青い色のハートが迫り来る。
ボクはノンケだからホモ要素として受け付けないゾ
「それそれ〜! 旋風陣!」
「はぁぁぁぁあ! レイジングストォォーム!」
「何!?」
「このまま繋げる!
オルカは俺から習得した旋風陣でギリスのシュートを弱めると、ザノウはレイジングストームで完全に無力化した。 更にレイジングストームで弾いたボールをエイナムが蹴り抜いてそのままプラズマボールとして放つ。 あの
前半戦で既に2-0だ。
ギル側の単独のシュートなら俺かオルカの旋風陣と、ザノウのレイジングストームを合わせれば難なく防げそうだ。 ギル側の連携シュートが襲って来ない限りはこのチームに得点を許させないみたいで、あとはスリートップの3人がガンガン点を取ってくれるからこの1回戦は安定しただろう。
それでも黙っている相手でもないようでツートップで前線を張るラブラブのお二人がボールを持ってシュート圏内までやってきた。 しかしこっちも黙ってないけど。 ここはアニメやゲームのようにターン制じゃ無いんだからシュートは幾度なく妨害する。 当たり前だよなぁ??
「デットフューチャー!」
「メイアの想いをッ! 決める!」
メイアがボールにエネルギー込める。 花びらが一枚一枚抜けていくサッカーボールのタイミングを見てギリスがそれを蹴り抜こうとした瞬間だ。 俺もデットフューチャーの元に跳んでサッカーボールにかかと落としを放つ。 その技は…
「あびせげり!」
「「!!?」」
「かーらーの! メテオシャワー!!」
俺がむしろデットフューチャーしてやった。 そのままエネルギーを拡散させるように変化させるとメテオシャワーはギルのチームに降り注ぐ。 急に襲いかかる流星群の雨に回避もできずメイア達の後方にいるギルの選手は爆発に巻き込まれた。 前に出ていたエイナムが即座にボールを回収するとお得意のプラズマボールで低空パスシュートを放ち、そのままベータに繋がった。 アルファもガンマもメテオシャワーのおかげでマークから外れたのか、トップスピードの態勢に入ったベータを追いかけてオメガアタックの体制に入っている。
そして3点目……と、思いきや。
「……な、何だこれ…? 俺さま、の、あ、足が…動かない…?」
「なんだ!? 体がスマートに動き辛い。 おいアルファ、オメガアタックを放つのに代償的なモノはあるのか?」
「NO、そんなモノはない。 3人で放つことで負担はゼロだ。 くっ…」
スリートップの奴らがしんどそうに速度を下げてボールをこぼしてしまう。
これは…
「まさか!あのサルゥ!?」
「……」
試合開始は楽しみにしていたようにSARUのやつは笑っていたが前半戦の流れを見て明らかに笑みは消えた。 今では試合観戦と言う形ではなく、下等生物に手を下すような眼差しで俺たちを見下ろしていた。
しかし試合は続く。
「だったら俺が決める、餓狼伝説!」
身体強化を済ませると俺は一気に上り詰めた。 ギルのディフェンダーがボールを回収してMFにロングパスを行う。 その着弾地点を予測してクイックドローを行うとした時だ、俺にも違和感が訪れる。
「うぷっ…!?」
唐突な目眩と嘔吐が襲いかかる。
俺はバランスを崩して頭から滑り込んだ。
「!? 、!?!?」
なんだこれ…?
嘔吐がドバァーとしそうになって視界が行き所さん無くしてぐるぐるしている。
ああ^〜、たまらないぜ…
じゃなくて…
「お前らマジか…?」
「「「「!?」」」」
俺の問いにギルのチームは誰も答えないけど、反応を見る限り彼らも驚いているようだ。 いや、恐らくプランの一つで入っていたのだろうけど本当に使用するとは思わなかったとそんな感じ。 それにしてもラグナロクは『超能力を禁止』とした約束の元から始まった試合だ。 それなのに早々から破っては試合運びを強引に変えてくれた。
「いてて…アルファ、ベータ、ガンマ、大丈夫か?」
「YES、まだ大丈夫だ。 しかし基秀…」
「ちっ、流石に今のは露骨すぎますわね…」
「スマートじゃない!前半戦終了したら問い詰めるぞ!」
「いや、流石に相手もしらばっくれるだろ。 疲れが残ってるとか、必殺技の反動だとか、あの感じだと絶対に色々誤魔化してくるさ。 とりあえず前半戦は耐えろ! コレを見てサカマキさんが動いてくれる。 すぅぅ…餓狼伝説ッ!」
再び身体強化を使って守備陣に急いで戻る。 攻守両方を勤しまなければならないボランチの忙しさに懐かしみを感じながら必死に攻撃を凌いでるエイナム達と合流。 ギリスは俺の復帰の速さに驚いたのか動きが一瞬止まった。 それを見逃さずにクイックドローを使ってボール掠め取る。 フリーのエイナムにバックパスを行い、エイナムもプラズマボールで前線にパスシュートの流れを感じ取ったのかボール飛びつこうとして……また訪れる。
「「「!!??」」」
プロトコル・オメガの守備陣全員が頭を押さえて膝をついた。 キーパーすらも急激に走る痛みに顔色悪くする。 そしてエイナムもボールに触れれず跪いてしまい、そのまま後方に転がったサッカーボールは……ゴールネットに入ってしまう。
オメガ 2-1 ギル
「ウッソだろ!
俺にも後から襲いかかってきた。
ああもう、むちゃくちゃだよ!
「はー、しんどい……おえっ…」
上にいるSARUの方を見る。
ああ、目が笑ってない。
完全にやりやがった顔だ。
しかしSARUからも焦りが見える。
俺たちがここまで強くなる事は想定外だったのか知らないが、試合の流れが明らかに悪くなったため超能力による妨害を考えたのだろう。
だからこちらが追い込んだのは確かな話し。
でもお前それで良いのか??
そして前半戦は終了。 相手の点数を一桁に抑えてるとは言えそこそこ点を取られて負け越している。 それで生身の俺たちからしたらかなり苦しい現状だ。 あと何人か戦意喪失の一歩手前まで来ている。 いつも調子の軽いオルカも少しだけ震えていた。 それもそうだ。 未知なる攻撃が突然襲ってきて、それで不意に体に異常を起こすのだ。 コレに恐怖を持つのは間違いじゃない。
「サカマキさん、このままだとやばいぞ…」
「今SARUに掛け合った。 しかし『何も手を出していない』と返ってきた。 清々しいほどにな」
おいおい約束どこいったんだよ…?
まさかこちらが上回ると思わなかったのか?
そりゃ怒涛の先制点だ、焦るのはわかる。
けど妨害はダメだろうよ?
「……そうなるとこのチームじゃダメですね」
「ああ。 だから基秀を除いて出場メンバーを一気に変更する」
「「「!!??」」」
もしものために考えたサカマキさんの案。
それはアンドロイドの選手を使うことだ。
サカマキさんはアンドロイドに超能力を打ち消すためのシステムを細工を施していた。 しかしまさか一回戦目からフェーダー達が露骨に超能力を使ってくるとは思わなかったようで、急遽メンバー変更に追い込まれる。 当然ながらエイナムやオルカを含めた守備陣のメンバーは抗議する。 けど身の危険があるためそれを却下。
だがなによりも…
「わたし達はダメで、なんで基秀お兄さんは良いのですか!?」
「YES、わたしも同意見だ」
「僕と基秀をスマートに戦わせないのか!?」
「ダメだ。 基秀はこの1ヶ月間のメンバー調整と強化に努めた中核だ、試合から外す事は大幅な戦力低下だ。 スリートップの君達が出ているならともかく編成から抜けてしまう以上は基秀を外せん」
「けど! けど!! 基秀お兄さんが危ないわよ!」
「YES、ベータの言う通りだ。 それに戦力の話ではない。 基秀が危ない…!」
「僕も同意だね! 基秀のスマートは幾度なく妨害を受けるだろう! ノンスマートに朽ちるぞ!」
「まぁまぁ、落ち着けよ3人とも。 そう何も対策してない訳じゃない。 俺は試合を続行する。 大丈夫だ、任せろ」
「「だけど基秀!!」」
ベータとガンマが俺の試合出場を抑えるように前に立ちはだかる。
身を案じて心配するように…
「ありがとうな、二人とも」
「「ぁ…」」
俺はベータとガンマを抱きしめて落ち着かせる。 心の底から心配してくれるコイツらが可愛くて本当に仕方ない。 おひさま園の生活を思い出してまた軽くホームシックになっちまいそうだけど今は右腕と左腕の二人を抱きしめる事にした。 ガンマはどう反応したら良いか戸惑い、ベータは少しパクパクしている。 初々しい反応に満足して俺は離れて頭を撫でる。
大丈夫だ、任せろ…と。
「基秀…」
「アルファ、今は出番を無くしたけど後から訪れる事も考えて試合分析を図り続けろ。 再び出場した時のことを考えてな」
「……YES」
後半戦が始まろうとする。
控えていたアンドロイド達が一気に出てきた。
正しくはパーフェクト・カスケイドの選手だ。
「レイ・ルク、早い出番だな。 一応控えにいたとは言え2回戦も出るんだろ? 連戦は問題ないのか?」
「問題はない。 ノーマルダイブモードは持続時間が長いことが強みである。 2回戦も3回戦も可能だ。 では基秀、あなたにコーティングを始める」
「「「始める」」」
俺を囲うようにパーフェクト・カスケイドのアンドロイドが円陣を組んで両手を前に出す。 そしてバチバチと電気が流れると一瞬だけ俺を包んだ。 アンドロイドは手を下ろして元の位置に戻る。 どうやら終わったらしい。
「サカマキさま、アレは?」
「気になるかベータ。 アレはプロテクトコーティングだ。 基秀に外部から超能力が届かぬようする電磁波をアンドロイドが放って纏わせた。 人間故に効果は半分程しか出ないが無いよりはマシだろう。 その代わりあまり素早く動くとコーティングが外れてしまう。 故に餓狼伝説は使えない」
餓狼伝説抜きは少し辛いか。
でも超能力を受け辛くするのはありがたい。
俺もある意味ノーマルダイブモードだろう。
「また出てきたのね…」
「それならメイアがSARUを説得して超能力の使用を止めてくれてもいいんじゃよ?」
「そ、それは…」
「使ってんだろ?外部から誰かがさ。 丸わかりなくらいに前半戦で見せられたから誤魔化しはきかないよ。 それでも…この試合は負けない」
「なんで……なんで…」
「?」
「なんであなたは超能力者を恐れない?? どうして怖がってくれない?? 普通は私たちを恐れるのよ?? どうして普通でいられる? この試合で震えて後ろに退いた者もいるわよね? 例え体が強くても生身の人間に変わりない。 そこに力強さは関係ない! あなたはどうして立っていられるの?」
「役割だから」
「…え?」
「後ろに人がいて、俺がその先頭に居て、そうやって誰よりも前を進むことばかりしていたから、ああ今回も俺はそうして行くのだろうって思っていて、自然とそうなってるだけだ。 深く理由を求めてない。 けど強いて言うなら…」
「言う…なら?」
「俺が漫遊寺の聖者だから」
電子的なホイッスルがなり響く。
「澄んだ空気に聖者は息吹を重ねて道を示してあげるんだ。 そのためには誰よりも一番前に立って示さなければならない。 吐く息も、刺す指も、見る眼も、進む足も、聞く音も、説く口も、全ての役割を
「!!」
使う事はないだろうと思っていた。
覚える事は無くて、求めないと思っていた。
でも餓狼伝説を使えない今は必要する。
身体強化ではなく超次元による強化。
だから、GOにいるからこそ成果を見せよう。
「化身!
背中にはギース・ハワードの形をしたオーラが巨大として現れる。
存在は本物では無いが紛い物な俺よりも悪夢を表すように悪のカリスマが大きな存在として現れる。
どの化身よりもそれはすごく大きな怪物だ。
「はぁぁぁぁあ!!羅生門!!!」
何もない空間に羅生門を放つ。
フィールドを震わせるような大音。
感じたことのない風圧と威圧感。
それだけがフィールドに浸透する。
しかしそれ以外は何も起きない…
…と、思われたその時だ。
ギルの選手に異常が訪れた。
だが体に外傷的ダメージはなく無事だ。
何が起きた?と、騒ぎ出す。
その違和感はすぐに理解した。
「な、なんだと!?」
「化身が!? 消えた!?」
「いや!化身が弾き飛ばされた!!」
「なっ!? 情熱のラヴァーズが!!」
「鉄板のギガドーンが崩されただと!?」
俺の化身の名前はナイトメアギース。
放たれる羅生門の力は化身使い全員の化身をその試合で『二度と使えない』ように"破壊"する技だ。
「さて、コレで俺達の方が……」
「「「「人工化身プラズマシャドウ、アームド」」」」
「「「「「!!!!????」」」」」」
「強いよな?」
超能力による妨害を受けないアンドロイドのパーフェクト・カスケイドは、人工化身プラズマシャドウによる超能力強化によって、化身が使えないギルは術もなく蹂躙された。
まるでセカンドステージ・チルドレンが力無き者達を侵略するかのように、今はセカンドステージ・チルドレンが力無き者達としてパーフェクト・カスケイドに侵略を受けてしまう。
「なんだ…あれは!? なぜこうなる!? どうしてこうなっている!?…くっ、基秀ッッ!」
SARUはありないモノを見るかのように震え、怒り、そしてそれは俺に対して怯えているようにも見えた。
試合結果は…
キャプテンであるメイアが試合放棄を言い渡した。
こうしてプロトコル・オメガは1回戦を勝利する。
__悪夢に怯えるか? 惰弱な……
俺の化身がそう言葉を残して俺は上を見る。
電子版に書かれた 14-4 の悲惨な数字。
超越したの者達の心をへし折った瞬間だった。
つづく
SALUは結構自分勝手なので約束とか簡単に破ると思ってます。
本編でもフェイの念力とか止めないし(ホモは嘘つき)
それだけ人類を見下している。
今回の話では普通に敵が強すぎてヤバいと思ったから平気で妨害してきました。 まぁエルドラドもミサイルの準備してるくらいだし、どっちもどっちですが。 ともかく基秀が悪いよ。
そもそも原作では松風天馬が光属性過ぎてフェイとかSALUを真っ向から改心させれたんだよ。 円堂守もそうだけだ天馬に関してはクソつよメンタル光属性アルティメットプレイヤー過ぎて普通におかしいんだよ。 基秀は有無言わせない強さで砕くタイプだから心を交わすとか絶対にしないので天馬の真似は出来ません。
円堂や天馬が純粋にすごい。
アレスの主人公は……ナオキです(白目)
後、GOの世界なので不意に化身の事を思い出して、それで気づいたらやってしました。
基秀の化身は『ナイトメアギース』です。
本編ではエイリア石に少し触れてこんなことしてました。
羅生モン(MUGENネタ)でも良かったけど原作にした。
効果は相手の化身を破壊します(圧倒的チート)
そんで持ってパーフェクト・カスケイドは全員化身持ちな上にめちゃくちゃ強くて長持ちだから……メイアもそりゃ心折れますわ。
(試合描写は長いと書いてる側もダレるし、面白くないからバランスブレイカーは必須だった。 後悔も反省してない)
あと普通にメイア可愛いですね?
ギリスとお似合いで、てぇてぇ…(ノンケ)
次回ラスト