イナイレップーケン   作:つヴぁるnet

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第5話 〜 漫遊寺その5

〜 漫遊寺 〜

 

 

前半が終了すると漫遊寺メンバーはベンチに集まっていた。 飲み物でクールダウンしている後輩たちの視線は俺に集められていた。 次の指示を仰ごうとしている。

 

でもどこか疲労の顔を見せていた。

 

 

 

 

「ここでアイツらを叩き潰したいところだが……些か実践経験の無さが仇となったな。 あと実践において施行回数の少なさもね」

 

 

「「「はぁ……はぁ……」」

 

 

 

必殺技タクティクスの餓狼伝説はかなり強力だ。

 

大昔、漫遊寺をフットボールフロンティアの決勝戦まで上り詰めたことも証明している。 だけど使いすぎは厳禁なことはいまの後輩達を見てよくわかる。 強い力にも代償が伴うのはどこも同じ理なんだろう。

 

俺はまだまだ平気なんだけど、後輩達がまた餓狼伝説を発動してしまえば身体に負担がかかって後に大変なことになるだろう。 これだけ危険だからこそあの書物の名称は空白になり、奥に仕舞われていたんだ。

 

 

 

「ま、まだ、やれます!」

「私、なら大丈夫、です!」

「せ、拙者も!」

「ま、また、餓狼、伝説、を!」

 

 

「ダメだぞ」

 

 

「「「!?」」」

 

 

「体を壊したら本末転倒だってそれ良く言われてるから」

 

 

 

この戦い、本当は勝ちたいけど、後輩達を壊してまでやりたいとは思わない。 だから餓狼伝説に付き合わせた俺が責任持って頑張らなければならない。

 

 

 

「はぁ…はぁ…兄ちゃん、オイラは大丈夫…だ…はぁ…」

 

 

「いいや、これ以上の餓狼伝説は無理だな。 あまり使うと身体を壊しかねない。 だから後半戦は餓狼伝説は無しだ」

 

 

「しかし、それだと…」

 

 

「あとはあと俺がワンマンプレーで凌ぎきるつもりだ。 チームプレーに反するからあまりよろしくないけど手段はこれしか無いね。 だから後半戦は君たちで守備構成で組み上げるぞ。 そうじゃなきゃ勝ち筋ないぞ」

 

 

「っ…私たちが不甲斐ないばかりに…」

 

 

「おいおい、それは違うな影田? 君たちは充分に頑張った。 だって餓狼伝説をこの前半戦を耐え切って発動を続けた。 緊張感はハンパなかっただろうに前半戦終了のホイッスルが吹かれるまで餓狼伝説で戦いきった。 それは君たちがひたすら己を極めるために訓練を続けたからこその成果だ。 紛れもなく君たちの賜物だ。 だから俺は優秀で勤勉な後輩を持って嬉しい限りだ」

 

 

「「「っ!」」」

 

 

「だから……あとは俺に任せろ。 なーに、そんは心配すんな。 何せ俺はお前らの先輩だぞ? それに漫遊寺の数少ない聖者で、どんなに厳しい舞台も戦い抜いてきたサッカー選手だ。 サッカーで支配しようなど政治的に無理なことを気付かない哀れな宇宙人如きに俺が倒されるかよ」

 

 

 

しかし一人で前線はキツイだろうな。

 

裏のフットボールフロンティア経験者の先輩方がもう一人か二人いたらまだ何とかなったと思うけど生憎招集が追いつかなくて俺一人の参戦だ。

 

だから俺は『勝つ』と言わずに『凌ぎきる』と少し控えめな感じで覚悟決めてる。 負ける気は無いけど…

 

いやー、おひさま園のやんちゃ供を一人で相手するのは厳しいね。 だって四年前のアイツらはどこにでもいるようなパワフルなキッズだったんだぞ? まず俺が遊び疲れたくらいだし。 この試合もそんな展開になり得るね。

 

……これ、体力持つかな?

 

 

 

「とりあえず夕弥、お前はシュートブロックの役割が多くなるだろう。 だからセンターバックやれ」

 

 

「!! …わ、わかったけど……できるかな?」

 

 

「影田はMFで下がり目に夕弥のサポートをしてやってくれ。 あと天神兄弟は俺の後ろあたりにつけ。 そしてボールとったら敵のコーナーの方に蹴り飛ばしていい」

 

 

「わかりました」

 

「「あい、承った」」

 

 

「ここからの試合展開は漫遊寺らしく無いけど、勝ち負けで正義がハッキリする。 だから気を抜くなよ!」

 

 

「「「「オッス!!!」」」」

「「「「わかりました!!!」」」」

 

 

 

あとの細かい指示はこの漫遊寺を理解してる影田に任せ、俺は敵のフィールドで戦おう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

漫遊寺 2 - 0 イプシロン

 

・2分 破和土 基秀

・5分 破和土 基秀

 

 

3分で終わらせると言ってこのザマだ。

 

完全に出鼻も挫かれ、予想外の展開に流れを持っていかれた。 前半戦の終盤は持ち直したが、あまりにも初手は大きく揺さぶられたな…

 

 

 

それも全て……

 

 

 

「デ、デザーム様……あ、あの人って…」

 

「………クリプト、言いたいことはわかる。 間違いなくあの人だ」

 

「マキュアも、直ぐにわかったよ。 あの人だって…」

 

「ギャヒャヒャ、まさかココで出会うとは全く……わからないものだな」

 

 

 

ファドラの言葉は最もだ。 最初は三度傘を被ったそこら辺にいる高校生の助っ人だとしか考えなかった。 そして試合になると邪魔になり三度傘を脱ぎ捨てれば……そこには懐かしき皆の兄貴分が姿を晒した。

 

そしてそこからだ。

 

私たちがあの人の登場に驚きを抑えれず、前半戦は終始崩され続けたのは…

 

 

 

「後半戦で挽回だ。 例えあの人が相手だろうとも私達はひたすら勝利のために戦う。 良いな!」

 

 

「「「「はっ!」」」」

 

 

 

そう、例えあの人が……まだ、おひさま園がお日様のように暖かだった頃の皆から「もとひで」と親しまれていたとしても今は関係ない。

 

 

私たちには関係ないのだ…

 

 

 

 

 

 

 

___よーし! フットボールフロンティアごっこ開始だ!

 

 

___いけー! おさむ君! やっちまえー!

 

 

___ヤメロォ(建前)ナイス(本音)!!

 

 

___良いぞ! さすが主催者だ! かっこいいぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

どうだっていい…

 

もう、あの時とは…

 

関係ない、こと、なのだから…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、餓狼伝説を発動できない状態の仲間に頼るのは辛たんである。 ここからはワンマンプレーの嵐になると思うが一騎 対 多数 になる。

 

それでも点を取るにも方法は2つだけある。

 

 

まず1つ、シュートはせずにドリブルでキーパーすらも抜いてゴールネットに転がす。 一応これはプロの世界でも有効な手段であり、ドリブル力と突破力の高いプレイヤーなら可能な話だ。 恐らく俺の実力なら可能。 しかし後半戦で体力が持てば…の、話だ。

 

 

次に2つ目の方法なんだが、これはかなり強烈なプレーだ。 アニメでも良くあったパターンだ。

 

 

それは『キーパーを負傷させる』こと。

 

 

戦力を削る意味では、ペナルティカード覚悟でキーパーをズタボロにすることだ。

 

 

そもそもキーパーは超次元必殺を正面から受ける役目を持ってる。 例え相手が故意で負傷させて来てもそれを耐え忍ぶのがイナイレのキーパーであら。 それほどに覚悟しなければならないポジションだ。 だから合法的にキーパーを潰せる。

 

 

しかしそんなラフプレーを漫遊寺でやるのは些か引ける。 あと相手は宇宙人ごっこしていても中身は中学生だ。 まだノーマルプレーでのボール強奪だったり、烈風拳で弾き飛ばしたりと、まだこの程度なら良心的だし、俺はさほど気にならない。

 

だけどデザームを退場させるほどに討ち倒すなら、かなり強力な技をやらないとダメだね。 だがそれを皆の前でやると一体どっちが悪役だって疑問になる。 それでも中には『エイリアざまぁ!』とか捻くれて喜ぶ奴もいると思うけど、世間的に考えてやる価値はあまりない。

 

ただ俺自身は聖者と謳わられても中身は綺麗じゃないし、むしろ裏のフットボールフロンティアを楽しんでる狂人だ。 もしキーパーを負傷させると言うならば全然俺はやってやれるけど、まず『イメージ』ってのも守らなければならない。

 

 

あ『漫遊寺のイメージ』ってことね?

 

 

俺自身は別にイメージとかそこら辺の評価は全然構わないぞ?

 

どんな風に言われてもヘーキヘーキ。

 

……ごめん少し嘘ついた。

 

ホモとか野獣とか生理的に無理なのはやめてほしい(切実)

 

 

でも俺のプレーで漫遊寺のイメージを落として穢するのは大変よろしくない。 だって俺が強くなったのはココの存在があったからそこだ。 恩を仇で返す立ち回りはダメだ。 だから俺の故意あるイキスギィ⤴︎たラフプレーは断然控えなければならない。

 

なのでキーパーを潰すと選択技から排除される。

 

ドリブルかぁ…

 

 

 

 

「うわー、随分と分厚い守備層……ここぞとばかりに俺を警戒かよ」

 

 

 

本来のイプシロンが展開するドットプリズンのフォーメーションは選手同士の区間を大きく開けてる筈だ。 余談だが人操作だとかなり強いフォーメーションであり、ロングパスの応酬ゆえに情報量が多く操作が追いつかない程に強力。

 

しかしイプシロンは後半戦になれば俺に好き勝手させまいと味方同士の区間を詰めてガチガチに固めて来やがった。

 

 

そのかわり前線は薄いけれど、FWはりゅういちろう君(ゼル)とマキちゃん(マキュア)辺りで充分だと判断したようだ。

 

まぁ、こちらは餓狼伝説はもう使用できないから試合中のステータスは随分と低下してる。 だから次からメテオシャワー辺りで漫遊寺は苦しめられるな。

 

唯一、夕弥は旋風陣で対抗できるけど……

前半戦の反動で少し疲労してるね。

 

これでも疾風拳で真上からの攻撃に対抗できるように俺と訓練(2話)しているが、後半戦は疲労によって義弟も厳しいだろうね。

 

 

あと……あまり大きな怪我はしないで欲しい。

 

 

さもないとお兄ちゃん泣くぞ。

 

 

 

 

 

「影田……ホイッスルと共に後ろへボールを強めに転がせ」

 

 

「え?」

 

 

「いいから…」

 

 

 

ピー! っと後半戦スタートのホイッスルが鳴り響く。

 

BGM『星の使徒』

 

 

 

 

「破和土さん!」

 

 

 

影田は俺の言葉を信用してくれたため、ボールを後ろに流してくれた。

 

 

 

「ありが……とうっ!」

 

 

 

そして俺はそのままボールをダイレクトで蹴り飛ばした。

 

 

 

「!?」

 

 

 

中央からダイレクトにロングシュートを行う。 しかも無回転で飛んでいくロングシュートは見た目よりも早く、デザームは目を見開いた。

 

 

 

「ワームホール!」

 

 

 

だが冷静にワームホールを放ち、ただのシュートは緑色のネットに飲み込まれて消える。

 

そして真上から落ちてきた。

 

チャンス。

 

 

「烈風………」

 

 

 

烈風拳を放とうとしたが、俺は手を止めた。

 

 

「なるほどね…」

 

 

 

「二度は喰らわぬ」

 

「「……」」

 

 

 

ワームホールは最後、地面にサッカーボールを埋め込む。 これを利用して俺はまた烈風拳で弾いてやろうかと思ったが、ボールが通り過ぎた場所にDFが速やかに配置され、烈風拳の壁となった。

 

 

「まぁ、賢いかな? ……って思うけどさ。 ワームホールの最後ってワープさせたボールを手元に移させるなりすれば安全で良いじゃねーの? 一体何の考えで格好つけて地面に埋め込むんだ? 宇宙人でも厨二病は卒業しろよ」

 

 

「……」

 

「デザーム様」

 

「ふむ、次はこちらの番だ」

 

「ゲヒャヒャ」

 

 

 

「無視かーい」

 

 

 

煽っても敵を乱そうとしてもダメらしい。

 

こりゃ本格的にプレーで競わないとか…

 

苦労するなぁ……

 

 

 

え? それよりも今煽ったセリフこそ漫遊寺のイメージダウンになるのではないかって?

 

ああ、それは大丈夫だよ。

 

俺ってみんなから聖者と謳わられてるけど普段は気さくでどこか少し変な先輩って感じに受け止められてるから。 おそらく部外者である雷門のメンバーも雰囲気で理解してくれてると思う。 数名ほどあんぐりとしていたが吹雪士郎はクスクス笑っていてアツヤは呆れ顔だ。 まぁあの頃は散々煽ってやったからな、俺のことは理解してるのだろう。

 

あと瞳子監督の目がキツい。

 

ホモにも強烈に効くなコレ。

 

 

 

あと俺はホモじゃない(ココ重要)

 

 

 

 

 

「って! ぞろぞろと鬱陶しぞテメェら!」

 

 

 

「もとひ……あんたは危険だ、好きにさせない!」

 

「そうだぜ、もとひ……あんちゃんは俺らが徹底的にな! アギャギャギャ!」

 

「ええ、その通り。 もとひ………あんたの好きにはさせないようにしっかりマークわ!」

 

 

 

宇宙人ごっこしてる皆んなが俺の名前呼びそうになっててなかなか面白い。

頑張れ、頑張れ!

 

しかしイプシロンレベルの選手から四人くらいに徹底マークされるとキツイなこれ。 いっそレイジングストームで吹き飛ばしてやりたいけど、正直あの技を中学性相手に使うわけにもいかない……か?

 

 

いや、別の方法を試すか。

 

 

 

「わかった、わかった、そんなに欲しいなくれてやる。 あとで返せよ」

 

 

 

俺は優しくパスを行う。

 

 

 

「え?」

 

 

 

パスした相手はイプシロンのスオーム。

 

だから受け止めたスオームは呆気にとられる。

 

 

 

「はい時間切れ、さっさと返せ」

 

 

 

次の瞬間俺はボール目掛けて一気に踏み込んだ。

 

 

 

「『クイックドロー』!」

 

 

 

刹那、居合抜きのような速度でボールを掠め取る。

 

 

 

「はい、ありがとう」

 

 

「うわわわ! ぐえっ…」

 

 

 

原作通り、クイックドローでボールを奪われたため、足の支えがなくなった事で地面にべチャリと倒れ込む。

 

痛そう(小並感)

 

 

 

「すごいぜ兄ちゃん!」

 

「あんな攻略法があったのか…」

 

 

 

簡単に言えば『ジャッジスルー』のような技。

でも、金! 暴力!(ピー)みたいな荒々しいことはしない。

 

ちなみにこれ、原作ゲームでも可能だぞ?

 

ドリブル技持ってない場合は、迫り来る敵キャラにわざとボール渡して『ザ・マウンテン』とか強力なブロック技でボールを返してもらうやり方とかね。 まぁ、これについてはCPUがアホだからできた方法だけど。 対人には向かない。

 

まぁそれはともかく、普段やらない方法でやったお陰でイプシロンは対応できず、突破を許してくれた。

 

あとはデザーム、テメェだけだ。

 

 

 

「烈風拳(シュート)!」

 

 

「グラビテーション!(シュートブロック)」

 

 

シュートブロックも厚いな。

 

 

 

「ワームホール!」

 

 

 

そしてデザームの必殺技。

 

二人掛かりか、キッツい。

 

そしてちゃっかりとワームホールの出口を手元に変えていたようで、ボールはデザームの手元に収められていた。

 

 

後半戦は厳しさを物語る。

 

 

いやー、キツイっす。

 

 

 

 

つづく

 




やはり試合とか書いてると長くなるから試合の描写は嫌いだわ。
試合は正直に言うと面白くするためのアイディアとか浮かび辛い。
でも基秀が"このくらいやる"って人物であることを知って貰うためだからイプシロンは清々しいほどに(基秀だけの)踏み台ですね。
まぁ、イプシロンが勝つんですけど(ネタバレ)

↑露骨に真面目さをアピールする作者の屑


ちなみに基秀は漫遊寺の"聖者"とか言われるけど本人にその単語は見合わず、彼の本質は真・帝国みたいな選手だぞ。
簡単に煽ったりするもんコイツ。
でも基秀の事は漫遊寺でそんな人物である事は周りも知っていて、漫遊寺に通う生徒にしては精神論をあまり語らない現実主義で特質な人だから周りに慕われたりと人気なんですね。
コイツもしやホモじゃなくてなろう系じゃねーの?
もうこれわかんねぇな。


ではまた

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