気付いたら周りが百合色になってた   作:まもなう(旧ノリあき)

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なんとかこの2月中走り切りたい


お風呂に入る黒髪さんとイケメンさん 5

「と、いうわけで。行こっか」

 

「くじ引きならしょうがないな……」

 

私の作ったくじに不正などない。というか今回はやりようがない。

荒木さんと二人でその風呂場に行く道すがら、どんなお風呂なのか聞いてみることにする。

 

「ねぇ荒木さん」

 

「日向でいいよ。もう遠慮は無しね。と言うかしてる感じ全くないけど」

 

「あそう?じゃあ日向君」

 

「君付けは予想外かな……」

 

「それでさ、お風呂って実際どんな感じなの?ここって滅茶苦茶豪邸だし、正直期待してるんだけど」

 

「うん、期待には応えられると思う。大きいヒノキ風呂で、外には露天もあるよ」

 

「やっぱりここお高い旅館じゃないの?」

 

「……もしかしたら、私が来ない間はそうなっているかもしれない」

 

いやだってこの豪邸使ってないの絶対勿体ないもん。その手の旅行マニアからは隠れた名旅館だって話題になっているはず。

 

「あ、ほら此処だよ」

 

「いや隠す気ないじゃん。男湯と女湯に分かれてる時点でもうそういうことじゃん」

 

思いっきり宿泊施設だって自己主張してるんですけど。

 

「あれ、おかしいな……前はこんなことなかったはずなのに……」

 

「……今日一日でよくわかったけど、日向君真面目だから凄い苦労してそうだよね」

 

「うん、今日私がした苦労の半分ぐらい君だからね」

 

「またまた~」

 

「そういうとこだよ……はぁー」

 

ため息をこれ見よがしにつく日向君を連れて、女湯に突入。

脱衣所にデカい鏡に壁にあるドライヤーとコンセント。あの大浴場でしか使わないような大きな籠の入った棚みたいな奴。どこからどう見ても宿泊施設……温泉旅館だ。

 

「完璧に誰がどう見ても商売にしちゃってるね」

 

「これは言い逃れできないな……」

 

観念したように頭に片手を当てて俯く日向君を置いて、取り敢えず籠に上着を放り込む。

実はさっさとお風呂に入りたいのだ。帰ってきたときにタオルを貰って多少は拭いたけど、完璧じゃない。早くシャワーを浴びて、湯に浸かりたい。

 

「早く入りたい……って、えっ」

 

「?」

 

隣で着替える日向君の露わになった上半身の一部に、思わずビビる。

待って?夏だから薄着だったはずなのに、なんで昼間より大きくなってんの?

 

「え、何。日向君でかくない?この三十分で巨大化した?」

 

「え?あ、胸?あー……ちょっとブラでつぶしてるからね。苦しいけど、私の好みの服装するときには邪魔になっちゃうから」

 

寄せてあげるんじゃなくて自らつぶす人初めて見た。

 

「いや、私から言わせればその胸を潰してしまうなんて超もったいないことしてる。絶対武器にした方がいいと思う」

 

「そうかな……私、あんまり女の子してる方じゃないから、似合わないんじゃないかな?」

 

いや日向君が似合わないとか言っちゃダメよ。全世界の女子敵にまわしちゃうよ。

 

「日向君はイケメン顔だけど、可愛くないわけじゃないんだよ。超美人顔だから!……うわー一回愛美と橋本さん辺りに本気で化粧してもらいたい……日向君を女の子にしたい……!」

 

「今の私は女の子じゃないの……ああ、精神的な話ね」

 

「自信つけてあげたい……あわよくば甘ロリ着るようになってほしい……」

 

「私どうなっちゃうの……」

 

アホなことを言いながら、待ちわびたお風呂への戸を開けた。

 

「これは……凄い。売りに出来るだけあるよ」

 

「わ、シャワーとか一杯増えてる……」

 

「早く浸かりたいから体洗お」

 

「賛成」

 

取り敢えず頭からシャワーを浴びて、全身を温める。はぁー気持ちいい……

 

「いい湯だわ」

 

「うん、まだ浸かってないよね」

 

うーん。どうしてもこうやって鋭いツッコみ入れてくれる人が居ると、口が勝手にボケてしまう。

チラッと横目で見れば、ひょっとすると愛美より大きい乳房から水が滴っていて大変エロい。

どうしよう脳までボケてきたぞ。

 

「本当大きいし勿体ない。だから触っていい?」

 

「何がだからなんだ?……まぁいいけど」

 

「あ、ごめん。今は体洗ってるもんね。後でいいや」

 

「急に正気に戻るな」

 

ヤバイ。わかってたけど私日向君好きかも。いや好きだわ。勿論likeで。

 

「ふぅ……」

 

一通り洗い終えて、髪をまとめて湯舟に浸かる。

隣に腰を下ろした日向君の胸はやはりぷかぷかと浮いていて、これも風流だなとしみじみする。

 

「何。視線が気になるんだけど」

 

「あ、おっぱい触らせて」

 

「……いいけど。変な触り方するなよ」

 

「乳首摘まんだり?」

 

「するなよ!」

 

「やんないやんない。……おー凄い。ハリあるのに柔らか。愛美と勝負できるよこれ」

 

「褒めてんの、それ」

 

実際スゴイ。こんな素晴らしいものが日常的に潰されていると思うと非常に悲しくなる。

 

「……ほら!もういいでしょ!終わり」

 

「ああん。……仕方ないな。ではお返しに私のも揉ませてあげよう」

 

「いらない……」

 

「何故だ。愛美なら速攻で飛びつくのに……」

 

「そりゃ私は愛美じゃないし。由真以外のには興味ないよ」

 

「よく言った!日向君にならウチの由真ちゃんを任せられる!頼んだぞ」

 

「どこ目線なんだ……」

 

一通り喚いて一旦落ち着いて、ゆっくり浸かる。

 

「……そういえばさ。日向君て愛美と何時から友達なの?なんか小さい頃来たーみたいに言ってたけど」

 

「ああ、小学校からだよ。小さい頃は今みたいに夏休みにここで毎日遊んだっけ……」

 

「じゃあ、そんな昔から一緒に居てあの愛美の魔力に抗えてたってこと?すご……」

 

「なんでそこで感心するのさ……別に普通に友達だったことしかないよ。そんな雰囲気になったこともない」

 

「へぇー」

 

心が鋼鉄で出来ていたんだろうか。或いは近すぎてそういう関係性になりようがなかったとかそんな感じか?まぁ何にせよ、

 

「でもそんな日向君を文字通り電光石火で陥落させた宮永さんやばすぎない?」

 

「……いや、もうあれは仕方がないと思う。可愛すぎるからもう」

 

「なるほど。清楚で純粋な優等生女の子がドストライクだったから愛美は外れていたのか。よかったー」

 

「なんか冷静に分析されると恥ずかしいな……」

 

「まぁわかるよ。宮永さん可愛いもん。顔もそうだけど、天然であの性格してるのがすごいよね」

 

あの嫌味なく俗に言うぶりっ子ができるのはもう才能。ある種尊敬するとこある。

 

「そうなんだよね……あの最初の一週間程度で凄い密度の爆撃食らったら耐えられない。いや正直一目惚れだった」

 

「わ、過剰攻撃じゃん。尊さの暴力で死んじゃうよ。日向君良く生きてたね」

 

「寧ろ生き返ったまであるね。由真と会ってから気力が溢れてしょうがないよ」

 

「はー……お互い救われてんね」

 

私は愛美に居場所と未来を貰ったし、日向君は癒しやら日常を貰ったと。

 

「確かに」

 

「……大切にしような、お互いさ」

 

「言われなくとも」

 

初めて二人きりで話したけど、有意義な時間だった。

後の二組はどうなるかな。

 

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