円城 慎太郎の自宅は、鎌倉の鶴岡八幡の近く雪ノ下一丁目にあった。
慎太郎は、鎌倉に来て34年になる。東京から鎌倉は遠いところだった。だが今は家も多くたち、通勤圏になっている。東京がぐんと近くなったのだ。
慎太郎は41歳、かなりの人気の小説家である。
「さて、今度は何を書こうかな。」
「あなた恋愛サスペンスもいいんじゃない。」
「なるほど、推理物か。」
と、アイデアが浮かびました。
そして、妻があらすじを見せた。
「小説のあらすじが出来たよ。」
「どれどれ。」
と、原稿を見た。
「舞台は、冬の北陸、彼女は寝台特急「北陸」に乗って能登半島へ向かい、そして置手紙の残して旅に出た。」
「ねぇ、凄いだろう。」
「そして、犯人は。」
「それは秘密だよ。」
「そうね。」
「今、続きを考えるよ。」
「そう。」
そう言って、彼は取材へ行く事になった。
そこへ、雑誌の出版社の人がやって来た。
「先ほど、あらすじと序章が完成しました。」
「そうですか。」
「私は、シナリオの付つぎを書くので取材に行きます。」
「それじゃあ、今度創刊する作品でよろしいんですね。」
「はい。」
「それでは、取材旅行は何日ですか。」
「えーとね、4-5日ぐらいかな。」
「そうですか。」
「じゃあ、気を付けて。」
「はい。」
そう言って、慎太郎は自宅を出発した。
彼は、フリーライターの牧野五郎がやって来た。
「炎上、これから取材ですか。」
「ええ。」
「ええ、金沢へ。」
「そうですか。」
そして、金沢へ到着した円城は早速ネタを考えた。
「彼女は、ここで七尾線に乗って輪島へ行った。」
と、メモを書いた。
「さすがですね。」
「ああ、今回は女性の失踪で謎を追う事に。」
「中々、小説になりそうだな。」
「ええ、原稿はファックスで送ったから編集長も驚きますよ。」
「うん。」
次の日、金沢駅で22時08分発の寝台特急「北陸」上野行に乗って帰京することにした。
「えーと私は、個室のB寝台だな。」
と言って、個室に入った。
ピィーッ!
と、警笛を鳴らし「北陸」は金沢を発車した。
車掌が改札にやって来た。
「はい、結構です。」
「どうも。」
上野から金沢へ結ぶ寝台特急「北陸」は夜の金沢へ発車し、翌朝に上野へ着く。金沢を発車した寝台特急「北陸」は22時08分に発車し、高岡、富山、魚津、直江津、長岡、高崎、大宮、終着上野には6時19分に着く、約8時間11分の旅である。
そして、事件が起きた。
「おい、牧野、牧野さん。」
と、起こそうとしたが、返事がなかった。
そこへ、車掌がやって来た。
「おいっ、どうした、どうした、しっかりしろっ。」
と、声を掛けた。
「おいっ、何だこれは。」
何と、個室B寝台で殺人が起きるとは。予想もしなかった。
そして、寝台特急「北陸」で殺人が起きる
次回は、上野駅を舞台に事件が起きた。