蘇りし最後の虎   作:ローズライン

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プロローグです。

もう一方の小説が落ち着いたら、本格的に取り組みます。


ティーガー237号車

ドイツ第三帝国、ルール=ライン地域

 

ここを巡って1945年春、連合軍とドイツ軍の間で戦闘が発生した。

 

連合軍はブラットレー将軍の第12軍と根幹として、戦車1万7千・航空機2万8千・兵員450万の大戦力だ。

 

対するドイツ軍は、フランス北部ファレーズでの包囲から脱したB軍集団の半数とまともな訓練すらしていない部隊が主力を為す、と言う劣勢の極みだった。

 

 

◇◇◇

 

 

ティーガーはとても優秀な兵器だ。熟練した戦車兵の操るティーガーは、容易く敵の地上戦力を蹂躙出来る。

 

「熟練した戦車兵」ならば・・・・・・だが。

 

 

それだけではない、確かにティーガーは「兵器」としては優秀かもしれない・・・・だが、工業製品として評価するのなら、ティーガーだけでなく大戦中期以降に戦線に投入された大半のドイツ戦車は、同時期のアメリカやソヴィエトの戦車と比べると、どうしても見劣りしてしまう。そんな工業製品だ。

(兵器としても、工業製品としても、完成した兵器と言う物は本当に数える程しか無いのだが)

 

 

ティーガー237号車は、それらと同じ様に「兵器」として完璧な方に分類される代物だ。

 

ペーター・ミュラーは、そのティーガー237号車の車長を務めている、スペイン内戦や地獄の東部戦線を生き残ってきた歴戦の戦車兵だ。

 

 

ただ、彼は疲れ果てていた。怯える新兵や狂信的な親衛隊、共に戦った戦友。そういった者の屍を背負い続けてきた。

 

負の感情が彼を覆い尽くしたが、彼はそんな自分を拒絶し、鼓舞するかの様に嘘を吐き続けた。

 

つまり「自らの義務を果たせ。」と、

 

 

しかし、そんな彼も死んだ戦友の前で、まるで決意するかのように、自らの制服の鉄十字を千切り棄て、両手を上げ降伏しようとした。のだが・・・・

 

 

彼は死んだ・・・・・味方から向けられる短機関銃が放つ狂気の弾丸に撃たれて。

 

彼を撃った味方は何を思ったのだろうか・・・・・

 

祖国を裏切った者に制裁を下す為なのか、自らの信じ続けた「嘘」を裏切った車長が許せなかったのか・・・・

 

今となっては、最早その真意は分からなくなってしまった・・・・

 

 

◇◇◇

 

 

だからこそ、何も分からない人生を過ごさせてはいけない。

 

誰もが心の奥底に、神から授かった「生きる意味」と言う物を抱いている。

 

彼には人生がそんな素晴らしい物だ。と言う事に気付いて貰わねば、「神である私の示しか付かない」からな。

 

彼には酷かもしれないが、今回は楽にはさせるわけにはいかない・・・・

 

彼には、また別の人生を頑張って貰おうか。

 

 




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