今回のお話、三つの出来事。
一つ、新しく物語が始まる。
二つ、他の作品を放り出して作者は正気か?
三つ、オレハショウキダ
雄英高校……それはこの超人社会で生まれたヒーローと言う職業が広く一般的に広まった結果、ヒーロー飽和社会となった社会の中、恐らく最も受かるのが難しいと噂されている高校。
その理由はその社会の中でも特にトップとして活躍しているプロヒーローは皆、この高校の卒業生だからに起因する。
それ故に学校ではヒーローを育成する科目、ヒーロー科が人気でそれ故にその難しさに拍車をかけるように受かるにはさらに難しい。受かる者はまさに針の穴と言う合格枠に糸と言う自分自身を通した者達の事を言うのだろう。
そしてそのスタートラインである試験会場にある一組の男女がいた。
「遅いと置いてくわよデクゥ」
「そんなに急がなくても試験までには時間があるよー」
「遅れるよりもマシでしょー、大丈夫大丈夫」
お気楽な少女が先に行く光景を見送る少年は薄く緑の入った髪色をしているが平凡をそのまま容姿にしたような男。その表情は自信に満ち満ちているが目の前にいる女の子を目にするたびにその表情は曇って行っている。
「あはは……本当に大丈夫かな?」
そして少女の方は……なんと言うかその~……
「さぁ~って、どんな厄災があたしを待ち受けているのかしらぁ~」
なんだか物騒です。
※※※
どうもぉ~こんにちわの方はこんにちわ、初めましての方は初めまして。あたしはW……に、転生してしまった転生者です。
いやぁ~個人的にはビックリしました。だって直前までアークナイツやってて次に目を開けると見知らぬ土地で呆然と立ってたんですから、本当にびっくりしましたよ、えぇ。
暗い夜道の中、右往左往とここは何処だと迷っていは途中偶然カーブミラーで自分の姿を見ればびっくり、まさかまさかのWちゃんの姿が映ってるじゃありませんか。なんだかちょっとどころかかなり幼女だけど。
ここはアークナイツの世界で私はWなのか!? と驚いているのも束の間、普通に補導されました。
それから私は交番へと連れてかれ、そこで待っていたであろう大泣きしている女性から抱き上げられると不思議と安心? でしょうか言葉に合わせない感情に襲われてコッテリと寝てしまいました。
その後、事情聴取などをしたのですが……何と言いますかこう、頭に結構酷めの打撲跡があったらしくすぐさま病院へと連れて行かれ検査するハメに。
でもそのおかげか今生過ごしてきた記憶が無い、つまりは記憶喪失だと言い訳がついたからヨシって事でお願いします。諸々の事を終えて家へと連れてかれた私はそこで世界事、そして今生での自分事を知りました。
まず、私の本名ですが
そしてあの女性ですがどうやら母親らしくて私が行方不明になったことにより大層心配していたと涙ながらに父に語られ、何してんだ私が芽生える前の私とか心の中で悪態をついたものです。……通りで記憶喪失だと聞いて崩れ落ちたはずです、自分の娘の記憶が無いと聞いて取り乱さない母親はいないでしょうし。
その後は紆余曲折ありながらこの特殊な世界に対応していきました。この世界はアークナイツほど世紀末では無いものの、殆どの人間に個性という何らかの特殊能力が芽生えているらしくカオスです。
私が通う幼稚園でもドラゴンのような花が生えた子や指を伸ばせる子、火を吐いたりカメレオンのように周囲に同化出来る子など文字道理個性豊な幼稚園児で溢れていました。
だからでしょうか……そんな中、一人明らかに目付きの違う子が居たのを見逃さなかった。
「ん?」
気になって何となく目を向けてみると驚いた事にその子は何と言いますか目に光がありませんでした。まさか幼稚園児でここまで絶望? のような感情を垂れ流している子がいるとは思わず他の子と話している最中にも関わらず絶句していると。
「おまえ無個性だってなぁ」
「やーい! 無個性! 無個性!」
と、他の子達がバカにし始めたじゃありませんか。急いで先生達は止めるのですが中々止まらずにその子を馬鹿にします。
なるほど無個性だからこんなにも絶望した表情をしていたのかと、納得しながら私はそれを辞めさせようと動きます。
今の世の中、無個性というのは将来かなりの足枷になるはず。なのに幼少期からこんな風にいじめられてトラウマを植え付けるのは流石に可哀想と考えて動いたは良いのですが……
「ほんとに面白いわねー、他人の事をバカにできるほど自分が上だと思っている雑魚がいるのだから」
「ふぇ?」
掛けた言葉が最悪でした。いや、言い訳をさせてください。故意的にこんな酷い言い方をしたわけではなく、何故か自分が発する発言には強制的に修正力のような物が働いてかこのような酷い言い方に……
今回だってただ「いじめるのは良くない」と言いたかっただけなのですが何をどう修正したら相手をバカにできる内容になるんですかね?
「俺達をバカにするのか!」
「無個性よりもオレらが下だと!?」
案の定いじめていた子達は私の発言に対し怒り、こちらへ襲い掛かろうとしてきますが寸前のところで先生方に止められてこちらを睨みながら他の部屋へと連れてかれました。ところでよく幼稚園児なのに私の発言した意味がわかりましたよねまさか……天才?
内心この世界の教育レベルの高さを驚きながら先生からのお説教を左から右へ、戻って右から左へと聞き流し、終わった後にその子の元へと向かいました。
「ひっぐ……」
その子は未だ泣いていているのですがなんだか様子を見るに涙を我慢しているような気もします。気の弱そうな子に見えますが意外に強い子ですね。
「貴方……大丈夫?」
私は手を差し出します。その子は少し怯えながらも。
「だ、だいじょうぶだよ」
その手を……取ってくれました。
これが無個性で誰よりもヒーローに憧れている幼馴染、緑谷出久との最初の出会い。
それから友情を育み、小学校に上がり私の個性の関係で大問題が起こるも更に仲良くなって親友に──その後は紆余曲折あり今、雄英の前に共に立つ私の親友。
「遅いと置いて行くわよ」
「だから待ってて!」
これから始まるんだ、欠陥を抱えた私の唯一無二の
「校門を潜るときは一緒にって約束したのは誰だったかしら?」
「それは僕だけどそんなに急がなくてもいいじゃないか……まったく」
そして、その
「はへ?」
「きゃ!?」
──二人して踏み外したのであった。
次回予告
始めの一歩を揃いも揃って踏み外した緑谷と爆豪。
しかしその時、救世主が登場する。
「踏み外すのはなんかいかんけんね!」
次回【雄英高校の入試】
次回もお楽しみに!