その爆発に笑顔を添えて   作:サソリス

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前回と今回の主人公の服装はWのスキンと同じような物とイメージしてもらえればいいですよぉ~

その笑顔前回のあらすじ!

一つ、試験会場へズッコケた二人はポジティブ女子に救われる。
二つ、説明会場でやたらテンションの高い先生の説明を聞いて……
三つ、実技演習の会場に向かったらメガネに絡まれた。


スタートを祝福する爆発音

 グレネードランチャー、それはこの超人社会となり必要性が薄れつつある銃火器という部類の武器である。

 薄れて行っている理由としては個性持ちの中には弾丸の貫通力よりも硬く、分厚い装甲や皮膚に覆われ全く効果のない者だったり携帯できる銃火器よりも危険性の高い個性持ちがゴロゴロといる為に銃火器の有効性か低下して行ったことに起因する。その結果現在では国へ出す個性届けの内容次第では外国のように個人での所有が許可されていてそれ故にまだ中学生と言う年齢である彼女がこんな物騒な物を持てる理由でもある。

 しかし

 

「爆弾生成。榴弾×スモーク、ミックス」

 

 人によっては

 

「装填よし、安全確認よし、セーフティー解除」

 

 その武器は個性持ちの強力な攻撃型の個性よりも凶悪な物となる場合がある。

 

「前に出過ぎると巻き込まれるわよぉ」

 

 ポンッと圧縮空気の抜ける音と共に飛来する物体。それは大きく円を描きながら飛翔しそして受験者を待ち受ける仮想ヴィランの大群へと着弾。

 耳を裂くような爆裂音と共に強烈な高温に熱しられた白色の爆風が一気に広がり同時に、着弾地点にいたヴィラン達をまとめて吹き飛ばした。

 

「アハハ、楽しいわね!」

 

 そして、その惨劇を起こした本人は終始不気味な笑顔を浮かべたまま徐々に広がる白色の煙の中へと突っ込んでいった。

 

※※※

 

 個性:爆弾生成。それが私の個性。

 体内にある糖質を対価に榴弾、地雷、携帯できる大きさの爆弾と三種類の爆発物を生み出す事が出来る個性です。

 その他にも色々と規制や特性などがあって若干ながら扱いにくい能力ですがゲーム内のWのような能力なので私は嬉しいですね。

 白く染まる視界の中私は持参していた高性能なゴーグルを使ってその中を進んで行きます。その途中に

 

「ぶっころーす!」

 

 仮想ヴィランの襲撃にも会いますが

 

「ばぁ〜ん!」

 

 私の視界内であれば自由に地雷を設置出来るので問題ありません。

 

「それにしてもこんなに単純だなんて、これじゃ仮想ヴィランじゃなくてただのポンコツね」

 

 どうやら仮想ヴィラン達は目立つ物に集まるようプログラムが組まれているようで、私が出した派手なスモークに反応して沢山のヴィラン達が群がまた来ています。今のところ最大数まで地雷を設置し処理していってますがこのままだと先に私の体内にある糖質が切れてしまいます、他の方法を考えなくては……

 

「あは♪ そうだ、面白いこと思いついちゃった」

 

 よく考えたら地雷にこだわる必要もなく、地雷以外の爆発物で処理した方が効率的ですね。

 次々と突撃してくるヴィラン達の攻撃を躱しつつ、生成した固形爆弾にポーチに入れていた信管を刺した物を貼り付けて行きます。こちらの方が地雷と比べて糖質の消費量が少なく、そして威力も高いですからね。

 でもここで問題となるのが個体別で爆破すると一撃目の爆発でスモークが晴れる為に私の居場所が気付かれる危険性があるんです、だからやるとしたら……

 

「同時爆破、これが一番綺麗かしら?」

 

 あらかた爆薬を貼り付け終わりスモークゾーンから離れて様子を伺っているとスモークは風などの要素で晴れて行き、スモーク内に屯していた沢山のヴィラン達がゴーグル無しでもよく見えるようになりました。

 

 一ポイント個体は勿論の二ポイントや三ポイントの個体がうじゃうじゃと……パッと見一や二ポイントよりも三ポイントの個体の方が多く集まっているように感じますね。

 そんな割りとどうでもいい事を考えながら全体を見渡せるポイントへと移動、適度な大きさの瓦礫へと腰を下ろしポーチから起爆装置を取り出すんですが……

 

「おい! あっちにヴィランが固まってるぞ!」

「囲め! 囲め!」

「ポイント、ホスィぃぃぃぃ!」

「煌めき!」

 

 他の受験者達が私が集めたヴィラン達に気付き、それを目当てにこちらへとやって来ます。なのでさっさと爆破しようと試みたのですが……ここで私のWとしての性質が()()()発揮されます。

 

「三つ数える間に、逃げた方が良いわよぉ」

 

 私のWとしての性質はとにかく性格が悪く、そして快楽主義でもあるようで。

 

「3!」

 

 目の前で他の受験者達がポイントを稼ぐ為に

 

「2!」

 

 我先にとそれぞれの個性を使いデットヒートを繰り広げ

 

「1!」

 

 ようやく先頭等の受験生、恐らくあのマジ眼鏡君らしき人の放つ蹴り技がヴィランへと放たれるその瞬間。

 

「バンッ!」

 

 起爆装置のスイッチを押してしまいました。

 

 それはまるで芸術家の如き美しいほどの同時爆発。

 光も去る事ながら同時に鳴り響く轟音と爆風、それがさらなるアクセントとして作用し一つの作品へとまとめ上げ、一つの芸術へと昇格していく……貴方も爆裂道、一緒に始めませんか? 

 

 などと現実逃避をしたいぐらいに酷く外道な惨劇を私は行いたくは無かった……

 受験者達は目の前に最大のポイント(ご馳走)を向けて走り出し、ようやく手に入れられると思った瞬間、優々とそのご馳走を目の前で刈り取られ騒然としている。幸い一番前にいた受験者達に怪我が無くてよかったと思ったけどその絶望に染まった顔を見ては本当に無事だったのか疑いたくなるほどです。ボーナスタイムかと思って参加しようとした瞬間、その対象が全て爆発して消えたのですから精神的なダメージは相当なものでしょう……本当にすいません。

 

 

「アハハハハ!」

 

 

 お通夜よりも重い空気の中、静寂に染まりつつある空間に私の心底楽しそうな笑い声が響き渡りました……自身でやっていて何ですが本当に性格悪いですね。

 

「クソが!」

「あいつか! あいつが全部掠め取ってったんか!」

「チーターだ! チーター!」

「あれはチーターやない、ビーターや!」

「エレガントじゃないね」

 

 私の笑い声から察したのでしょうポイント獲得に動いていた受験者達は揃って睨みつけ私への敵意を丸出しにしています……うぅ、体が勝手に行った事だと言うのに。何で見せ付けるように爆破しちゃったのですか! 

 

「だから言ったじゃない、3つ数えるうちに逃げた方が良いって。逃げておけばそんな悔しい思いする必要もなかったのにねぇ〜 本当に傑作よ! アハハハハ」

 

 そして煽りを追加していくぅ〜、そこに痺れぬ、憧れぬぅ! 

 その後は先生の残り時間を告げるアナウンスをBGMに地雷や先ほどの爆弾を使いつつポイントをゲットしていく。

 途中他の受験者の攻撃の影響でビルが倒壊し、下敷きになりそうだった人たちを助けたりとトラブルに見舞われつつも順調に60ポイント目を稼ぎ終わったあたりで状況が一変する。

 

「なんだ?」

 

 他の受験者達の疑問の声をあげた次の瞬間、轟音が鳴り響き始める。次々と建物が崩れ出しただ事じゃない雰囲気が漂い始めそして、それがこちらを覗いた。

 

「なるほどね、アレがギミックというわけね」

 

 こちらを覗く者の正体は演習場に設置してあるビル群よりもバカデカイロボットでした……これは確かに逃げる事を推奨するはずです。

その質量からなる一撃は重く、私の爆発ほどではありませんが攻撃余波が私達の肌を撫でますね……おぉ怖い怖い。

 

「あんなの勝てるはずねぇ」

「ぎゃああああ!」

 

案の定、その迫力に屈した者達が逃走を開始し始めます。私もその大きさに驚いたものの直感的に倒せないわけではないと……

 

「逆に挑む利点がないのよね……所詮0ポイントだし、無視するのが一番賢い選択よね」

 

相手するにも明らかにめんど……ではなく体内の糖質の量が少なく倒せるだけの火力が出せないと判断したからでして、確かに無理をしたら恐らく倒せなくはないでしょうが後が大変なのであまりやりたくないですね、緊急時は持ちろん除きますが。

回れ右して私もゆっくりと私も避難をしようとしたのですが……その右ができない理由が生まれてしまったのです。何人もの受験生とすれ違う中私は見てしまった。1人、その流れの中を逆らいヴィランへと全力疾走する見覚えのある姿を。

 

「デク!?」

 

その姿は突然視界から消えると突風が吹き荒れる。まさかと思い振り返るとそこには空高く飛び上がるデク君の姿が。

 

「もうすぐかしらね、あたしの助けが要らなくなるのは」

 

あの巨大ヴィランを吹き飛ばすその姿はまさに、彼の理想としていたあのヒーローの片鱗そのモノであった……って。

 

「う、うぁあああああ!」

 

落ちてるぅー!?

 

「着地方法ぐらい考えておきなさいよぉ!」

 

訂正、私の助けはまだまだ要りそうです。落下するデク君の姿目に凄く焦りながら私は中々しない猛ダッシュを慣行するのでした。




はえ~、もうすぐイベントが始まりますね~……今度こそはモスティマ当てるぞい!

次回予告

正直余裕だった市街地演習を終えて筆記を行い次の日、ある手紙が届く。

「当然の事ね」

次回【新たなる日常】

次回もお楽しみに!


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