Aqoursとコート上の少年   作:スタビ

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え〜…お久しぶりでございます。遅くなりました…
それでは第16話、どうぞ


第16話 始動

「うーん…」

 

理事長室から出てきて、練習に合流した後。さっき言われた廃校がずっと引っかかっていた。俺はこの地で生まれ、育ってきたわけじゃないが廃校というのは寂しいものだ。出来れば阻止したいが一個人の高校生がどうにかできる問題ではない。…訳でもないが流石に厳しすぎる。

 

「……ん!」

 

言われた通りAqoursが頑張ったとしてもどうにかできるかは分からない。なんとかできる確率は限りなく低いだろう。それで心に傷を負ってしまったらそれこそ悲惨だ。

 

「…くん!…とくん!」

 

流石にAqoursに頼るのは無理だろう。となると別の案を考えないといけなくなる。何か効果的な方法はあるのだろうか…

 

「…和人くん!」

「うわぁ!?な、なんだ?」

「なんだ?じゃないよ!さっきから声かけてるのに何も返してくれないんだもん!」

 

そうだったのか。随分と考え事をしちゃってたみたいだ。

 

「ごめんごめん。で、どうした?」

「最後のポーズ見てもらいたいの!」

「わかった」

 

千歌が少し下がり、ステップを踏む。最後のダンスを踊った後、足をクロスさせながら腕を横に開き、笑顔を向けてくる。

 

「どう?」

「うーん…左腕が少し下がっちゃってるかな」

 

左右のバランスが少し悪くなってしまっている。

 

「こんなくらい?」

 

今度は上がりすぎている。

 

「あー…ちょっと失礼」

「和人くん!?」

 

千歌の腕を直接動かし、一番いい位置に持っていく。

 

「よし、ここが1番いいかな…って、どうした千歌?」

「いやっ?なんでもないよ?」

 

明らかになんでもなくはなさそうだけど…まあいいか

 

「じゃあその位置覚えといて」

 

そう伝えると、千歌はそれを忘れないうちに練習するのかまた離れていった。

 

「ねえ和人くん」

「ん?どうした梨子?」

 

今度は梨子が来た。

 

「さっき千歌ちゃんに声かけられても全然反応しなかったけど、どうしたの?」

「あー…ちょっと考え事をね」

「考え事?」

 

そう疑問を言ってきた。けど廃校をみんなが知ってるのかどうか分からないし、機密事項かもしれないから言ってしまっていいのか判断がつかない。しばらく俺が黙っていると

 

「…さっき呼ばれたときに言われたこと?」

 

的確に言い当ててくる。

 

「…まあ、そうだね」

 

自分でも自覚があるが、かなり歯切れが悪くなる。

 

「…言ってみてよ」

「え?」

 

そう言われ、梨子の方に顔を向ける。

 

「1人じゃ無理でも、相談してくれたらなんとかできるかもよ?」

 

優しく声を掛けてくれる。それに揺らぐ。

 

「1人より2人、2人より3人、3人よりそれ以上。そっちの方がいいと思わない?」

 

優しい笑顔で話しかけてくる。俺はその優しさにつられ、話すことにした。

 

「…さっき、理事長室で鞠莉にさ」

「うん…」

 

どんな反応をするのだろうか、少し怖い。

 

「…浦の星の廃校について言われたんさ」

 

ああ、言ってしまった。驚きか失望か、何を向けられるのだろうかと考えていたが、それらとはまったく違った反応が返ってきた。

 

「…知ってるよ」

「…え?」

 

梨子の方に顔を向ける。

 

「みんな知ってるよ。ね?みんな?」

 

他のみんなに聞く。5人全員から肯定と取れる返事が返ってきた。

 

「知ってたのかよ…」

 

一息つく。変に緊張して損した。

 

「それで廃校をどうするかで考え込んでたってこと?」

「そういうこと。けど何にも考えつかなかったよ」

 

流石に規模が違いすぎる。

 

「そこは私たちの出番だよ!」

 

千歌が言う。

 

「Aqoursが廃校を救うの!」

 

鞠莉の言ったとおりになってしまった。

 

「…できると思うのか?」

「んー…わかんない!」

 

わかんないって…いくらなんでも打算的すぎる。

 

「流石にハードルが高すぎるんじゃないのか?」

「でも、あのμ`sと同じ状況なんだよ?燃えないわけがないじゃん!」

 

ずいっと顔を近づけてくる。

 

「そして輝くの!μ`sみたいに!」

 

離れたと思ったら、今度は善子ちゃんを連れてきた。千歌が右手の人指し指を空に向かって高く掲げ、左手で善子ちゃんを支える。善子ちゃんは千歌に体を預け、左腕は完全に伸ばし、左足は畳んでいるとまるでフィギュアスケートのペアの最後のキメのようなポーズを取る。

 

「なんか、見たことあるわ…」

「ははは…私も」

 

梨子と曜の2人が苦笑いをしている。しかし、μ`sみたいに…か。

 

「ハードルはかなり高いぞ?求められるものだって生半可じゃない」

「でも何もやらないで、このまま待ってるよりはいいんじゃない?」

 

確かに梨子の言うとおりだ。最後まであがきたい。俺自身も。

 

「学校の危機を救いたいの!廃校にはしたくない」

 

千歌が真剣な顔で見てくる。その瞳の奥には覚悟のようなものが宿っている気がした。

 

「…みんなはどう?廃校を阻止したいのか?」

 

他の5人に促す。ちゃんとグループ内での意見が合ってるか確認するためだ。

 

「「「「「うん!」」」」」

 

力強い返事で返された。よかった、メンバー同士の意見が乖離していなくて。

 

「…それなら俺もしっかりサポートするよ」

 

俺に出来ることはそれだけだ。

 

「じゃあ、廃校を阻止するとなると…何か一気にアピールできるような場が必要かな」

「そこはラブライブで優勝すれば、廃校もなくなるに違いないよ!」

 

やっぱりそこに行き着くか。ラブライブはいまや絶大の知名度を誇る。メインとなるターゲットは若い人だが、小さい子供からお年寄りまで老若男女が知っているコンテンツだ。そこで優勝すれば知名度はグンと上がる。

 

「なら、練習メニューを少し変えるか」

「必要かな?」

「もちろん。今までは特に優勝とかを狙うタイプじゃなかったからね」

 

今まではあんまり強度は高くないメニューだった。

 

「多分、ちょっときつくはなると思うよ」

「え!?」

 

千歌があからさまに嫌な顔をしている。他の5人もなかなか渋い顔をしている。

 

「大丈夫だって。そんなにやばくはならないと思うから」

「和人くん、笑顔が怖いよ」

 

む、和らげようとしたのに怖いとは失礼な。

 

「まあ帰ってから、情報を集めつつ、メニューを組み替えてみるよ」

「うん!よろしく!」

「任せろ」

 

新たな船出だ。廃校を阻止できるかは分からないけど、やるだけやってやる。




前回から1週間くらい開きましたね。モチベがねえ…
今後はなるべく早く投稿できる様にがんばります。
お待たせしてすいませんでした。
感想、評価お気軽にお願いします。
次回もよければどうぞ。
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