学校から帰宅し、夕飯も食べ、夜も深くなり、これから寝る人も増えてくであろう時間帯。そんな時間に和人は何をやっているかと言うと
「う〜ん…」
何やら唸っていた。シャーペンを持ち、頬杖をつきながら、1枚の紙と睨めっこをしている。
「どうすっかな〜」
その紙の横には一冊のノートが開かれて置かれている。そこにはランニングや腹筋や階段ダッシュ、位置別練習など、何かの練習メニューが書かれている。
「流石にμ'sのメニューをそのまま使うのはキツすぎるかな…」
そう。そのノートは何を隠そう、μ'sが実際にやっていた練習や1人1人の癖などを書いたμ'sに関わるノートなのだ。因みにμ's時代の練習メニューは最初は海未が考えたものだったが、いかんせん鬼畜だと。俺が見ても思い、少し変え、メニューとして使われた。まあそれをAqoursに流用しようと思うと、少しキツイな。
「単に量を減らすだけでいけるか…?」
効率とメンバーの伸びを考えると変に量を減らさない方がいいのかもしれない。それだったらメニューを一部組み替える必要がある。
「だったらここをこうして…それよりこれを変える必要があるか?」
「とりあえずこんなもんかな…まだ完成とは言えないかなぁ…」
一息つく。あと少し
「…げ、もうこんな時間か」
時計をふと見ると、日にちが変わってしまっていた。
「流石に寝るか。遅刻したくないし」
とりあえず今日はここまでにしておこう。練習メニューを書いた紙をファイルに入れ、しまっておき、俺は明日に備えて寝た。
場所は移り今は放課後の学校。
「和人くんメニューは完成した?」
「いや、まだだね。あともう少しってところ」
千歌に聞かれそう答える。
「なかなか組み替えるのが難しくてね」
あと、少し情報不足感が否めない。
「なら、これを参考にしてみれば?」
梨子が携帯を見せながら言ってくる。その画面には何やら複数のパターンの練習メニューが書かれている。
「これは?」
「とあるスクールアイドルのブログでね、そのグループの大会の結果とか一日とかが載ってるんだけど、その中に練習メニューが載ってるページがあるの」
梨子の携帯を貸してもらいその項目に目を通す。パターン別に3つ書かれており、3つとも上手く組み合わせられている。そこで俺が気になったのはμ'sの練習メニューとは大分違うということだ。おそらく年を重ねるごとにスクールアイドルとして必要なものや求められるものが変わってきているのとトレンドがかなり流動的に変わっているからだろう。俺も新しいのを取り入れた方がいいかもしれん。
「これ参考にしてみれば?」
「そうする。これのリンク教えてくれない?」
「うん。えっと…」
「え〜と…たしか…あったあった」
学校で梨子に教えてもらったリンクでサイトに飛ぶ。そこから練習メニューが載ってるページに飛ぶ。
「しかし、上手いこと出来てるなあ」
かなり無駄が省かれ、効率よく出来ている。同じ高校生が考えてるとは思えない。
「まあ盗めるところはガンガン盗むか」
そのページを参考にしつつ、元のメニューからいらないのを削除したり、変更したり、新しいのを追加したりして完成に近づけていった。
「おーい、千歌出来たぞ~」
「ありがとう和人くん!早速見せて?」
「OK、ほれ」
千歌に手渡す。千歌は他のみんなも呼び、練習メニューを確認している。
「これは…」
「なかなかに…」
「キツそうだね」
花丸ちゃん、曜、梨子が言う。
「そうか?そこまでじゃないと思うけど…」
ちゃんと無理のない範囲で組んだつもりだが…
「いや、これは結構…」
「まあ最初だけだから。慣れれば大丈夫だって」
「うーん…とりあえずやってみよっか」
梨子がそう提案する。みんなそれを聞き散らばっていく。さあ、みんなはどのくらいこのメニューをこなせるだろうか。よく見ておこう。
「はあ…はあ…やば…い」
「キツ…すぎる…」
今は休憩中。みんな息を乱しながら床に横たわってしまっている。千歌と曜はそれぞれ感想を声に出しているが、他の4人は声も出せずにいる。
「あらら、大丈夫か?」
そう確認しながら、みんなに飲み物を配っていく。流石にキツかったかな。
「大丈夫じゃないよー!ほんと死ぬかと思ったよ!」
「大丈夫だって、人間そう簡単に死なないから」
「和人くん…鬼」
おい。誰が鬼じゃ。元祖鬼畜の海未よりは優しいわ。
「流石に減らした方が…いいんじゃない?」
「…まあ、みんなこんな状態になってるしそれも考えた方がいいかもな」
この俺の言葉を聞き、みんな少し顔色が明るくなった。
「けど、いいのか?それでも?」
「え?」
「このメニュー、俺が自分で考えたのもあるけど、結構な数他のスクールアイドルのメニューを参考にしてるんだぞ?」
そう、昨日梨子に見せてもらったサイトを参考にしながら作ったため、そのまま流用したのもある。その中には実力も人気も備わってる有名グループのもある。
「他のグループはラブライブを目指してこのくらいのメニューをこなしてるんだ」
少し高圧的に、わざと煽る様に言う。
「これで無理なら、ラブライブ優勝なんて夢のまた夢だぞ」
飲み物を片付けながら静かに言う。
「で、どうする?メニューを楽にするか?」
「……このままでいいよ」
千歌がまっすぐ俺を見てくる。
「これで無理なら、学校は救えない。だったらやるしかないよ!」
よく言った。
「他のスクールアイドルに出来るのなら、Aqoursにもきっと出来るよ!」
「ふーん…みんなはどうする?続けるか、やめるか」
5人を見る。表情がかなり迷っている。ただその中でも梨子は他の4人よりも早く何かを決めた顔をしていた。
「…私もやるよ。それくらいこなさなきゃラブライブ優勝、学校を救えないのなら、やらないといけないでしょ」
梨子の決意を聞く、それを聞き他の4人の表情も変わっていった。
「梨子ちゃん……私もやるよ!」
「マ、マルも出来るかどうかは分からないけど、やってみるずら」
「ルビィも…がんばり…ます」
「ヨハネもやるわよ!」
曜と善子ちゃんは力強く、花丸ちゃんとルビィちゃんは返事こそ弱弱しいが、表情はその決意を物語っている。
「OK!じゃあ後半のメニューをやろう」
「うん!いくよー!」
「「「「おー!」」」」
「はあ…はあ…やりきったー!」
後半のメニューも無事こなし、みんなかなり疲れ切った表情をしている。ただその中にもやりきり満足したようなものが見て取れる。
「お疲れ、全部出来たじゃん」
飲み物を飲んでるみんなに声をかける。
「けど、明日の学校にも影響ありそー」
「そこは疲労軽減とかのマッサージ教えるよ」
疲労は残したら大変だからな。
「けど、やっぱりもう少し楽にした方がいいな」
「え?でもさっきこのままって…」
確かにさっきはそう言った。
「言ったけど、流石にこれじゃ疲労が残りすぎる。休日ならまだしも、平日は流石に学校生活にも影響が出そうだしね」
「じゃあ、さっきあんなに問いたただしてこなくてもよかったじゃん!」
千歌がそう言ってくる。
「まあね。ただ思いがどこまで本気なのか気になってね」
「思い?」
そう。廃校を救いたいという思いがどこまで本気なのか知りたかった。その覚悟があるのか見たかった。
「ああ、けど十分わかった。みんな本気だって」
途中こそ弱音を吐いていた。けど、すぐに立ち直った。誰か1人の気持ちが先行しているわけではなく、みんなの気持ちが揃って。
「もちろん!いつだって全力だよ!」
「そうだな。さあ、クールダウンしよう。ついでに効果的なマッサージを教えるよ」
疲労を残さないようにストレッチやマッサージをしていく。それをやっている最中俺はAqoursがもしかしたらμ'sのようにラブライブ優勝が出来るかもしれないと、ほんのちょっとだけ考えていた。
前回から1週間ですね。
今後の執筆を活動報告の方に書いておいたので、読んでいただけると幸いです。
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次回もよければどうぞ