Aqoursとコート上の少年   作:スタビ

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今回でプロローグ編は終わります。予想以上にかかってしもた…
それではどうぞ


第5話 出発

「さて…行きますか」

 

自室から出て、玄関に向かう。親は一足先に出発している。だから今この家には俺1人だ。いろんなことがあった。嬉しかったことも、悲しかったことも、思い出はたくさん詰まっていた。それともお別れだ。

 

「行ってきます」

 

晴々とした天気の中、駅に向かうために歩を進めた。

 

──────────────────

 

「新幹線は…あと30分くらいか」

 

時計と時刻表を照らし合わせながら確認する。内浦に行くには新幹線、在来線、バスを乗り継いで約2時間くらい掛かる。

 

「…時間潰すか」

 

とりあえず…本屋でも行くか。そう思った俺は改札口から踵を返し一旦来た道を戻ろうとした。その時…

 

「カズくーーん!」

「ん?」

 

誰かから呼ばれた。ただ呼ばれた声には聞き覚えがある。記憶の中から呼び起こし、その名前を呼ぶことにした。

 

「ほのぐっほ!」

 

体を向き直した途端に突撃されました。割と強めに

 

「穂乃果。落ち着いてください」

「カズくん大丈夫?」

「ああ…なんとか」

 

体を持ち直し、声を掛けてくれた3人を見る。

 

「久しぶり。穂乃果、海未、ことり」

「久しぶり!」

「久しぶりだね」

「お久しぶりです」

 

三者三様。若干ではあるが反応は違うが、向けてくる笑顔は3人とも一緒だ。

 

「他のみんなはいるのか?」

「うん、いるよ!一緒に来てたし。おーい!こっちこっち!」

 

穂乃果は後ろにいるグループを呼んだ。そのグループの一人が気づき、そのグループごとこっちに来た。

 

「穂乃果。急に走り出さないでよ」

「えへへ、カズくん見つけたら居ても立っても居られなくなって」

 

穂乃果は笑っているが、もう1人は呆れ顔をしていた。そしてこっちに顔を向けた。

 

「久しぶり。和人」

「久しぶり。絵里」

 

絢瀬絵里。長い金髪をポニーテールにしている。すらっとしたモデル体型で周りの人の視線を集める。ただポンコツだったなあ。意外と振り回された。

 

「エリチ。顔緩んどるよ?」

「え⁉︎ほんと?」

「ほんとやで。にへーってしてた」

 

絵里がペタペタ顔を触ってるけど別にそんなに緩んでなかったと思うけどなあ。

 

「そんなに顔緩んでたか?希」

「んー…そうでもなかったかもね」

 

あ、完全にこれ遊んでますわ。このやりとりも懐かしい。

 

「まあ…改めて。久しぶりやね。カズくん」

「ああ、久しぶり。希」

 

東條希。紫の髪を結っている。絵里ほどのすらっとした体型ではないが、それでも男を魅了するものが詰まっている。一見おっとりしてる風に見えるが、見かけとは裏腹に結構腹黒い。俺でも見分けがつかないときがたまにあってあれは本当にやめてほしい…

 

「ちょっと。私も忘れないでよね」

「忘れてないって。見えなかっただけ」

「ちょっと!その手のいじりをするんじゃないわよ!」

 

しばらく会ってなかったけど、このいじりがまだ通用するとは。流石にこのままいくとブチギレられかねないからもうやめよう。

 

「ごめんて。機嫌直してくれよ。にこ」

「ふん、しょうがないわね。今回だけよ」

 

矢澤にこ。絵里や希と同年代だけど、身長の低さか幼く感じてしまう。けどいざって時には頼れる人だった。いわゆる姉御肌ってやつだろう。

 

「こっちも見なさいよ。和人」

「先輩たちばっかりずるいです」

「そっちの方がいいのかにゃ?」

 

3人がいっぺんに話しかけてくる。何かあらぬ心配をかけてしまっていたみたいだ。

 

「そういうわけじゃないよ」

「久しぶりに会えたのに、私も見てほしいです…」

「花陽…」

「へー、かよちん積極的だにゃ」

「ふぇ!?そういうことじゃ…いやそういうことかもしれないけど…」

 

花陽の顔が赤く染まっていき、俺にはよく聞こえない音量で何かぶつぶつ言い始めてしまった。

 

「まあまあ凛、そこまでにしといたら?」

「えー、カズくんが言うんならそうする」

 

小泉花陽と星空凛。花陽は結構大人しめで人の後ろに回ってしまうような、そう言うこともしばしばあったけど、μ’sの中でちょっとずつだけど変わっていった。凛は元気って言葉が似合う。最初こそ似合わないっていう理由から引き気味だったけど、吹っ切れた後はμ'sの一員として相応しい活躍をしてた。

 

「真姫は昨日ぶりか」

「ええ、そうね」

 

西木野真姫。西木野病院っていう病院の病院長の一人娘で、ピアノの腕前も一流。ただそれらの重圧からか、俺が会った時はつぶれかけていた。が、μ'sに加入してからは考え方に変化があったのだろう。今では医学生とピアノの両立を果たしている。

 

「えー!真姫ちゃんカズくんに会ってたの!?」

「ずるーい!ことりも会いたいのに!」

「私も和人に会いたいんです!」

「流石に見過ごせないわね」

「抜け駆けはダメやんなあ?」

「そうだよ!真姫ちゃんずるいよ!」

 

穂乃果、ことり、海未、絵里、希、花陽が一気に真姫に詰め寄る。真姫はかなり困惑した表情をしている。

 

「まあまあみんな落ち着いて。ここ駅だから」

「流石に落ち着いてはいられないでしょうね」

「え?なんで?」

「はあ。相変わらず鈍いにゃ」

 

鈍いかなあ。部活で必要だから他人には割と敏感な方だと思うんだけど。

 

「はいはい。あんたたちそこまでよ。和人といれる時間が短くなるわよ」

 

にこが間に入り、ドタバタを止める。こういうところは本当に頼りになる。しかしなぜ俺をだしに使うんだ?

 

「そういえば和人新幹線あとどのくらい?」

「ん?えーと…」

 

時計を確認する。さっき確認したところから短針が10分ほど進んでいた。

 

「あと20分くらいだね」

「あんまり時間ないわね」

 

新幹線が出発する10分前には車両に乗っておきたい。だからあと10分くらいしかみんなとは一緒に居れない。確かに時間がない。

 

「ええー!もっとカズくんと一緒にいたい!」

「いや、流石に乗り遅れるのはまずいから」

「じゃあ穂乃果も一緒に行く!」

「よりダメだわ!」

 

小さい子供みたいに縋り付いてくる。その目にはうっすら涙が浮かんでいた。

 

「穂乃果…お前…」

「ねえ…カズくんまた会えるよね?」

 

いつ会えるか…か。正直俺にはわからない。会えるのは1週間後かもしれないし、1ヶ月後かもしれない。それとも1年以上会えないかもしれない。けどこれだけはわかる

 

「大丈夫。絶対また会えるよ」

 

会えるということだけはわかる。確かな確証はないけれど、それでも言い切れる。

 

「本当だよね?嘘じゃないよね?」

「ああ嘘じゃないから。なんならたまに遊びにくればいいよ」

「じゃあ…ん」

「ん!?」

「「「「「「「「は!?」」」」」」」」

 

いきなり穂乃果に引っ張られたと思ったら、いきなり唇にキスをされた。何も予測なんてできなかったから俺はされるがままだったし、他のみんなもすごい顔をしている。

 

「約束だよ?」

「ああ、約束するよ」

 

約束は絶対に守る。俺が親から常々言われていることだ。どんなにかかっても約束は果たす。悲しませないためにも。

ただね、さっきから正面から何かすごい圧を感じてます。これ触れちゃいけないやつだろうな。うん。

とりあえず時計を確認する。そろそろ新幹線に向かった方がいい時間だ。

 

「えーと、そろそろ時間だから」

「そうね…向こうでもがんばってね。バレーも」

「あ…うん」

 

バレーについては真姫以外には言っていない。だから絵里もだけど他の7人も知らない。これが心残りではあるが、これは俺の問題だから。自分でけりをつけるしかない。

 

「それじゃ、いってきます!」

「「「「「「「「「いってらっしゃい!」」」」」」」」」

 

さあ新しい生活の始まりだ。何が起こるか不安ではあるが楽しみでもある。

そんなはやる気持ちを抑えながら改札をくぐり、新幹線に乗りこんだ。

 

 

 

 

因みにこの後穂乃果はみんなからすごく詰め寄られたらしい。

 

 

 

 

 




μ's全員集合でした。9人の口調やれなんやれがちゃんと合ってるかどうかは不安です…
今回もお読みいただきありがとうございました。
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