Aqoursとコート上の少年   作:スタビ

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1000UA突破しました!読んでくださった方ありがとうございます!
今回1年生組と接触です。
時間軸はアニメの第6話付近だと思っておいてください。
それではどうぞ


第8話 見学

「ここだよ!」

 

千歌に連れられやってきたのは体育館の横にあるスクールアイドル部と書かれた部室。

 

「部室だけど…練習見るんじゃなかったのか?」

「練習の前にメンバーのみんなに会ってもらいたくて」

 

梨子ちゃんがそう言う。3人だけで活動してる訳じゃなかったのか。

 

「ヨーソロー!みんなー!おつかれー!」

「あ、曜さん」

 

部室にはすでに3人の女子生徒がいた。

 

「あれ?その後ろの人は誰ずら?」

 

3人のうちの1人が聞いてくる…ん?ずら?

 

「紹介するね!今日転校してきた和人くん!」

「初めまして、新城和人です。よろしく」

「で、こっちが1年生のメンバー!」

「国木田花丸です。和人さんよろしくお願いします」

 

茶髪の女の子がそう挨拶してくる。ただ語尾に付く、ずら、が気になったので聞いてみることにした。

 

「よろしく。その、語尾に付くずらって?」

「えと、変でしたか?方言みたいなものでたまに言っちゃうんです」

 

なるほど方言か。

 

「いや全然変じゃないよ。気を遣わせちゃったみたいでごめんね?」

「全然大丈夫ずら」

 

普通に話してる時の窮屈さがなくなっている気がする。やっぱり方言を使っていた方が楽なんだな。

そしてさっきから花丸ちゃんの後ろに隠れて、こっちをちらちら見てくる子がいる。

 

「えーと、後ろの子は?」

「ぴぎっ!?」

「え?」

 

なんかすごい震えている。怖がられたか俺?

 

「あ、ルビィちゃん人見知りの上に男性恐怖症で。嫌ってる訳じゃないから安心してくださいずら」

「なるほど」

 

それはしょうがない。苦手なものはしょうがない。

 

「えーと、少しずつ慣れていってくれればいいから」

 

ルビィちゃんとやらが今度はさっと後ろに隠れてしまった。声を上げていないだけマシか?

そしてもう一人、なんかさっきから変なポーズをとってるけど。

 

「フッフッフ…私は堕天使ヨハネ!」

「…え?」

 

なんだって、堕天使?混乱していると、曜が補足をしてきた。

 

「そういうキャラなんだ。本人は好きでやってるから。本名は津島善子っていうんだ」

 

本人が好きでやってるんなら俺がとやかく言う権利はない。俺自身もそういうキャラは良いと思うし。

 

「なるほどね。えーと、よろしく」

「クックック…よろしく頼むぞ。リトルデーモンよ」

 

なんかすげー様になってるなあ。

 

「じゃあ自己紹介も終わったし、練習いこー!」

「そういえば練習ってどこでやってるんだ?」

「学校の屋上を使わせてもらってるの」

 

屋上か。同じだな、あいつらと…

 

「じゃあ行くよー!」

 

そう千歌が合図して、全員一斉部室を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ワン、ツー、スリー、フォー…」

 

今は練習を見せてもらっている。曜のリズムに合わせて他の5人が踊っている。踊りにはキレもあるし迷いもない。ただ

 

「違和感あるな…」

 

踊りに対してではない。5人の中で確実に何か違和感があった。もう一度よく見てみると、その違和感の正体がわかった。

 

「梨子ちゃんちょっと来て」

「?どうしたの和人くん?」

「ちょっと座ってもらっていい?」

 

梨子ちゃんはきょとんとしながら座る。

 

「ちょい失礼」

「ひゃ!?な、何するの!?」

 

足を触るこの行為に抗議の声が上がるがそれを無視して続ける。違和感の正体がわかった。これはおそらく…

 

「疲労か」

「え?疲労?」

 

千歌がそう聞いてくる。

 

「さっきまで見てて少し違和感があったんだ。なんか足が他の人よりも少しだけど動きが悪い」

「え?でも休憩とかはちゃんと取ってるよ?それにそうは見えないけどなあ」

「目に見えるレベルでの違いじゃないからね。休憩だけじゃ足りないこともあるから」

 

疲労を回復させるには十分な休息だけじゃなく適切な治療法、つまりマッサージとかストレッチが必要だと俺は思う。

 

「…よし。これで割とマシになると思うよ」

 

マッサージは終了。特に時間がかかった訳ではない。せいぜい十数秒だろう。

 

「ちょっと動いてみて」

「う…うん」

 

梨子ちゃんはダンスのステップを踏んだり、軽くジャンプしたりして確かめる。

 

「確かに、さっきよりも良い感じかも」

「よくわかりましたね和人さん」

 

花丸ちゃんがそう聞いてくる。

 

「まあ部活で必要だったからね」

「和人さんは…部活何やってたんですか?」

 

ルビィちゃんが聞いてくる。確かにその疑問は当然だろうな。というか話しかけてくれたっ。少し嬉しくなりながらその疑問に答える。

 

「バレーだよ。今は諸事情でやってないけどね…」

「和人さん…」

 

これはあんまり詮索しないで欲しい。

 

「ほらほら早く。練習再開したら?」

 

その意味合いも込めて練習を促した。

 

「あ、うん。それじゃ次やるよー!」

 

 

 

 

「次は神社で階段ダッシュ!」

「神社?」

「うん!淡島神社でやるんだ!」

 

淡島神社…おそらく名前から察するに淡島にあるんだろう。しかし神社か、まあ単なる偶然だとは思うけど。

 

「じゃあ移動しよ!」

 

 

──────────────

 

「ここが淡島神社…」

 

学校から移動して淡島神社に来た。目の前には割と急な階段しかも階段数は結構ありそうだ。確かにこれは良いトレーニングになりそうだな…

 

「もしかして俺も走るのか?」

「もちろん!」

 

ですよねー。まあ一応毎朝走ってるからいいけど…

 

「じゃあ、よーい、ドン!」

 

合図で一斉に階段を駆け上がる。じゃあ俺は一番後ろでついていくかな。

 

 

 

 

 

 

「はっ…はっ…はっ…」

 

おそらく登り始めて半分くらいだろうか、俺は体力はまだ余裕あるけど、千歌と曜以外の4人のペースが落ち始めている。その中でも顕著なのが花丸ちゃんだ。少し呼吸が荒くなっている。

 

「大丈夫?」

「大丈夫…ずら」

 

花丸ちゃんはそう言ってるが、とても大丈夫そうには見えない。

 

「呼吸を意識してみて。一定のリズムで2回吸って、2回吐く」

 

俺のアドバイスを聞いた花丸ちゃんは早速実践する。何段が上った後呼吸に慣れてきたのか、少し顔色が良くなった。

 

「だいぶ楽になったずら」

「あとは自分のペースで、ゆっくりでもいいから」

 

俺はそのまま花丸ちゃんに並走して頂上を目指していった。

 

 

 

 

「…うし、着いた」

 

無事頂上についた。俺は疲れてはいるがそこまで息は上がっていない。ただみんなは座り込んじゃっている。

 

「みんな大丈夫?」

「大…丈夫…なんで和人くんは平気でいられるの?」

「まあ体力が無きゃどうしようもないからな」

 

バレーは走る、跳ぶを何回も繰り返すスポーツだ。体力が無くなれば終盤での動きに影響が出るし、その分他がカバーしなくちゃならなくなる。だから体力が必要なのだ。

呼吸を落ち着かせた俺は周りを見渡す。

 

「しかし良い景色だな」

 

木々の間からその絶景が現れてくる。

 

「でしょ!ここからの眺めが私は好きなんだー」

 

広い海と浮かぶ船舶。大小様々な島々、点在する街々。都会では絶対に見られない、この地ならではの絶景だ。

 

「私も最初に来た時同じこと思った」

「梨子ちゃんもか。都会人にはあんまりなじみがない光景だな」

「東京だとあんまり見れないの?」

「見れないこともないけど…ここまで自然豊かで綺麗なのはないかなぁ」

 

東京はビル群だし、郊外に行っても開発されているから人工的に生み出したものが多い。自然由来っていうのが多いのは田舎の良いところだろう。

 

「じゃあ船も出ちゃうし帰ろっか」

 

曜が先導してみんな走ってきた階段を今度は歩いて降りる。

 

「和人さん」

「ん?どうしたの花丸ちゃん?」

「さっきのありがとうございました」

 

さっきの…ああ、あのアドバイスの事か

 

「あれくらい別にお礼を言われるものじゃないよ」

「でも助かったずら。オラは体力がないから…いつも一番後ろなんです」

 

少し目を伏せがちに言う。おそらくみんなに対しての劣等感のような気持ちを持ってしまっているのだろう…

 

「でもみんなと何が劣っているかはわかってるんでしょ?」

「はい…」

「だったら十分だよ。自己分析がちゃんとできればそれを克服しようと努力すればいい。前を向いて懸命にね」

「和人さん…ありがとうございます!」

 

さっきまで少し暗かった顔が明るくなった。うん、やっぱり笑ってる方が可愛いね」

 

「うぇ!?あの、その…えっと…」

 

花丸ちゃんが顔を赤く染め、しどろもどろしている。

 

「…もしかして声に出てた?」

 

無言でうなずく。やっちまった…

 

「その、ごめんね?」

「い、いえ!その…うれしいですし…」

 

途中なんて言ってたか聞きとれなかった。なんかきまずい空気になってしまった。

 

「2人とも早くー!」

 

先に進んでいた千歌に急かされる。

 

「さ、さあ早く行こ?」

「あ、はい!」

 

花丸ちゃんと一緒に急いで千歌たちのところに向かう。

 

「和人くん練習見てみてどうだった?」

 

梨子ちゃんが聞いてくる。ここまでをまとめると…

 

「すごいよかったと思うよ。なんか、こう…輝いていたって言えばいいのかな?」

「よかった。和人くんにそう言ってもらえると自信になるよ」

「和人くんにもお墨付きもらったし帰ろー!」

 

そう言って船に乗り込んでいく。

 

「ねえ和人くん?」

「どうしたの?」

「私の事も名前は呼び捨てで呼んでくれない?」

「呼び捨てで?」

「千歌ちゃんと曜ちゃんは呼び捨てで呼んでるでしょ?」

「まあ呼んでるけど…」

 

まあそれは2人から言われたから呼んでるだけで…もしかしてうらやましかったのか?まあ呼び捨てくらいならお安い御用だ。

 

「じゃあ改めてよろしく。梨子」

「うん!よろしくね和人くん!」

 

その笑顔がとても眩しかった。




文字数めっちゃかかった…
善子が最初の挨拶以外で出てこないのは俺が全然キャラ掴めてないせいです。
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次回もよろしければご覧ください。
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