「ブリッジに集合せよ」
シナプス艦長からの指示に皆は作業を止めてブリッジにあがる。
「どうやらエゥーゴが作戦を開始したようだ」
そう言われて上部スクリーンにデータが表示され目的地はグリーンノア、
「情報送ったよな」
AEから送ったデータで十分ではと思うが、
「どちらかと言うと実機の情報収集だろうな、我々が得たデータで実機を製造するのにかなりかわっているとエゥーゴは考えているのでは」
軍人であるシナプス艦長が言うのをAE連中は、
「大幅に変更するなら再設計した方がよい結果が出ると思います」
「一番はフランクリン技術大尉が設計が終わった段階で興味が失せたと言うことがあげられます」
私が言うと納得して、
「いずれにせよ支援に動こうかとも考えてはいるが」
「艦長、申し訳ありませんニューネクストとエゥーゴが提案している新型機の製造に入りたいので、特に特殊な部品製造は精密加工を必要とするので」
納得してもらい直ぐにマーガレットに製造を命じる。
ムーバブルフレームについては両方とも終わっておりおやっさんに監督を頼みながら他のパーツとユニットもコーズと双子がフレームに合わせての設計を行う、
「問題はこれか」
サイコミュ受信増幅チップ、チップと言ってもかなり大きくいずれ改良を加えることになるが改良をしていくしかない、
「マーガレット、これを製造するのにどのくらいかかる」
「特殊な素材が必要になりAEに調達依頼をかけるので1ヶ月」
設計変更から素材の変更を繰り返していたので仕方がないと思いながらエゥーゴ用のZガンダムとネクストの次世代機η(エータ)ガンダム、エータはリック・ディアスの技術をフィードバックした機構は同じだがクイーンを小型化したコンセプトで作られており重装備で運用するように設計をしていた。
「ここと、こことここ、なんのユニットを入れるんだ、リニアシートの周囲に」
コーズと双子に聞かれて、
「未だ研究段階の感覚向上ユニットといえば言いかな」
サイコミュなんてジオニック社からの技術でもなかった白物で説明に困るもの、言葉的には間違ってないが深い説明はあえてしない、
コーズが出ていったあと双子と3人で作業をしていると、
「そう言えばおじいさまがビスト財団のおじ様から会いたいって、連絡をわざとしないからめんどくさい事になってるからよろしくね」
祖父の知り合いであり全てを握っているビスト財団の名前に恐怖を感じながら設計を進めていると、
「AEからの搬入だ、お客さんが来ているぞ」
そう言われてドックに向かうとあの貨客船が到着しており総出で受け取りを行っておりエアーロックに向かうと旧知の女性がヘルメットを脱いで挨拶してきた。
「お久しぶりです。AEから命じられました」
「クリス、いやクリスチーナ・マッケンジー大尉命じられたって」
そう聞くと、
「元々出向だったんだけど例の件で何だかんだで退役してAEのテストパイロットになったはいいけどヤコブ、あなたこそいきなり退職したと思ったらこんなところに」
「ヤコブと呼ばないでくれ」
そう言うと頷き、
「とにかくテストパイロットが必要と言うことでよろしくねレビル」
そう言うと久しぶりに会った双子と話をし始め改めて紹介すると言い搬入作業の指示をするためコントロールルームへ向かった。
「わかりました急ぎ地球へ降ります」
画面の老人は頷きながら画面は消えデータで指定された移動手段で降りる。
「こちらです」
乗客の到着カウンターに向かうのを横目で見ながらVIP用の車両が到着しておりそれに乗って航空機に乗り換えて北米大陸へと入った。
「警戒が厳重だな」
GMスナイパーカスタムの改良タイプが森の中に隠れており緊張がため息にかわり湖畔の館に到着した。
「よく来てくれた」
「カーディアスさんお久しぶりです」
ビスト財団の2代目であり1年戦争時は戦闘機を操縦して戦い抜いた私にとっては兄貴分の様な存在であり緊張が少しだけほぐれる。
「すまない、目覚めると急ぎ呼ぶようにと言われてな」
私は頷き中へ通され一番奥の部屋に通された。
「お久しぶりです」
「来てくれたか」
ベットに横たわる老人こそビスト財団の創設者であるサイアム・ビストであり裏社会での地位を築き、AEと手を組みいまの勢力を築いた権力者であり祖父のレビルも連邦軍の改革を進めるために裏で手を組んだ仲である。
「色々としてくれているようだが1つ設計をしてもらいたい、無論資金も手助けもできうる限りおこなう事を約束しよう」
そう言うと今私が開発を行っているニュータイプ関連の可能性とその対抗策を盛り込んだMSであり数年では開発が終わるとは思えないような話でまた眠りにつく間に完成をといわれて約束をした。
「なぜ必要かと言う話をしなければならぬな」
そう言うとUCの幕開けにあったラプラス事件に関与した一人であり、その時に入手したある物の扱いで必要になるだろうといい、
「あの1年戦争をも防げたものを開示しなかった結果人類に大きな傷を残してしまった。そしてしばらく続くことになるだろう」
私を見ているが焦点はその向こうを見ているようで、
「レビルやその他の意思を受け継ぎお互いを受け入れる下地をつくれることを願う」
そう言うとゆっくりと目を閉じ私は部屋を出た。
「少し時間はあるかな」
カーディアスと居間に入り座る。
「しかし大人になったものだな」
「中身はあまり変わってないようですが」
カーディアスの父親はマネーロンダリングで裏社会を仕切りそれに嫌気を指した息子は、私の祖父が手配してくれた名前で連邦軍へ入隊し戦闘機乗りとして活躍し祖父を慌てさせた兄貴分であり、祖父であるサイアムに気に入られ当主としての指名を受けた。
「だいぶ活躍しているようだが」
「手のひらの上で目一杯暴れてるだけですよ」
そう言うと少し笑い、
「祖父の願いを頼むぞエイパー」
「目玉が飛び出るほどのコストのMSをつくりますよ」
そう言うと家族の話になる。
「たしか息子さんは大学卒業後にAEに」
「姉とは違い大人しいからな、財団を継ぐよりはだな」
確かに人のよいと言うか冷徹になりきれない彼には重すぎると思いながらつい最近も話をした妹を思い出す。
「マーサさんも相変わらず元気ですよ、カーバイン家に嫁いでこないだも急に連絡してきて試作を作る段階のMSを連邦軍に納品すると言う事で引き渡されましたから」
カーディアスの妹でありリアリストな彼女には最近では会長よりも裏の指示が多くなり始めているがそれ以上に気を回してくれ助かっている。
「そうだな妹がとも思うが両家に食い込みすぎている。何もなければ良いが心配だ」
そう言って話していると1つお願いされる。
「実はな1年戦争のおりにエミリではない女性と愛し合い戦争終了時に生まれた息子がいるのだが」
「それは、確かにモテましたからね」
「まあそう言うな、それで生まれた息子を養育したいと言うとビスト財団の影に怯えて拒否されてしまったのだ」
正直に話したらしいがビスト財団と言えば裏の顔の方も有名であり確かにそう言う事になるかと頷くと、
「それでつい昨日、アンナが倒れたと言われすまないが行ってもらえないか」
アンナ・リンクスと言う女性がバナージと言う息子を抱えて生活をしていたが病院から知らせを受けたと言うことで、
「本来、私が行きたいのだが祖父を宇宙へと戻らなくてはならない、なので頼む」
そう言われて了承すると連絡先をもらい宇宙へ戻ることになった。
「色々頼む」
「必ず、任せてください」
そう言うと別れて宇宙へと戻った。
「了解した。サイドへ向かう最大戦速でコースの算定をマーガレット」
「了解しました。63時間で到着予定」
カーディアスから託された親子の元に向かった。
「お帰りなさい」
双子のユイとケイが自室に戻った私のところに顔を出す。
「留守ありがとう、元気だったよ」
「そう、もう100才は越えたかなと思うけど、寝てるから気楽に会いに行けないし」
「そうよね、お願いして行けば良かったかな」
そう言われて苦笑いをしながら、
「直ぐにお休みになられたからね、ところで今回のは」
「二人に言うのは問題ないし、色々お願いすることになると思う」
そう言ってカーディアスから託された親子の事を伝える。
「おじさま精悍だったしね、息子の一人や二人ね」
「そうそう初恋はおじさんだった、うんうん」
何時もの双子のペースになりつつあり空笑いから今後の行動を確認した。
「シャトル発進します」
私と双子で改装時に搭載された10人乗りのシャトルでコロニーへ向かう、
「ビスト財団のコールなんだ超VIPじゃん」
政府からも軍からも自治政府からも横やりが入らない待遇で、VIPの秘密ベイに誘導される。
「お待ちしてました」
送迎の車両が待っておりそのまま乗り込むと病院へ向かった。
「アンナ・リンクスの主治医と院長を」
中規模の病院でありビスト財団の名前を言うと沈黙し直ぐに呼び出してくれる。
「どの様なことで」
「病状を、それによっては自治大の病院に転院させるつもりだ」
「転院は賛成ですがリンクス様はすでに重篤な状態でありますので」
マーガレットに医療データを送信してマーガレットにも他の医者にも確認をするが今までの無理がたたったのか体力の回復をしなければ手術も無理と言うことだった。
「あれ試せるんじゃないかな」
「あれって無重力のカプセル」
そう言うと双子は端末からデータを取り出し医者に見せると、
「これなら体力の消耗が押さえられ回復の希望も」
そう言うとメールを打つと連名でサインを頼まれ輸送されることになった。
「これってサイアム・ビストの」
「そうそうコールドスリープの」
そう言うと双子は直ぐに手配をおじさんに頼み私はその息子に会うこととなった。
「おじさんはだれ」
未だ幼い男の子が病室の前に座っており私は黙って横に座る。
「おじさんじゃなくおにいさんさ、君のお父さんの弟、お母さんが苦手らしく会えないので倒れたと聞いて僕を寄越したんだ」
「お母さんは助かりますよね」
血縁と聞いて安心したのか必死に聞いてくる。
「出来る限りの事は兄と共にするから安心して、ご飯まだだろう」
そう言ってお腹がなったバナージを連れて近くのお店でテイクアウトすると病室に戻った。
「先生」
看護士の声にバナージが走り私も追いかける。
「かあさん」
計器のアラームがなっており私が見ても危篤と言うのがわかりバナージの横に立つと優しそうな女性が苦しそうにしておりゆっくりと目を覚ます。
「バナージ」
「かあさん」
震える手でバナージの頭に手をのせてゆっくりと撫で色々言い聞かせており私に気づいてこちらを見たので、
「兄から言われて姉さんの様子を見てきてくれと」
そう言うと少し悲しい目になりながら、
「さんざん拒否をしておいて今更ですが、息子をバナージをお願いします」
「はい、必ず一人前になるまで私が助けます」
そう言うと悲しみと安堵を見せながらバナージに色々話をしながら息を引き取った。
「かあさん一人にしないで、おねがいだよ」
そう叫ぶが目を開けることは無かった。
「かあさんを生まれた場所に埋めたいんだ」
ようやく落ち着くとバナージがそう言う、しかし宇宙で人が亡くなると検疫もあり火葬して細かくすると宇宙へ流すことになっているのだが、
「ビストの名前使っちゃえ、丁度使えなかったコールドスリープあるし」
「そうそう、せっかくだしバナージの願いを叶えよう」
そう言われて母親を引き取りVIP扱いで出港するとフェーベに合流をした。
「そうか、母親を埋めるためにな」
シナプス艦長にバナージを会わせて説明をすると直ぐにマーガレットに進路の変更を伝える。
「おにいさんありがとう」
「出来ることはするから安心してくれ、それとしばらくはこの艦にいてもらうから、ウェンディー部屋を頼む」
そう言ってバナージの部屋はマーズとオレルと3人部屋にしたようで寂しくないようにと言う配慮だった。
「他の二人と違って素直に勉強してますよ」
キシリアに様子を聞くとそうかえってくる。
「何かあれば対応してくれ、急ぎなら私に了解を得れば良い」
そう言うとキシリアは目を輝かせ、
「夜でも良いんですか」
「何時でも」
「バナージの件がなければただの夜這い、それしたら間違いなく嫌われるな」
コーズが横でボソッと言うとキシリアがこちらを見るので頷くと床で転げ回っていた。