「本機をご利用いただき有難うございます。本機は60分ほどで大気圏へと降下いたします」
「マデユィのおじさま、お久しぶりね」
「おやまあ美しくなられた双子のお孫さんにさぞや喜んでるでしょう、会いに行かれるのですかな」
連邦の議員の一人であり妻でない若い女性を連れており笑顔で会話をしている。
「そうね、顔を出せってうるさく言われるからエイパーを連れていくの」
ほっといてほしかったが双子にふられて小さくため息をつきながら体を起こし、
「議員、お久しぶりです。不法移民強制送還の時限立法成立おめでとうございます」
「ありがとうレビル君、皆君とそれに連なるものに助けられていつからね、あの方にもよろしく伝えといてくれ」
そう言って頷くと双子とマデユィは話を続けている。
「そうか、ジオン残党狩りを積極的にと言うことですね」
横に座っているオードリーが私を見て呟く、
「降下作戦でコロニー側から不法移民が旧式のシャトルやHLVを使って降下しましたからね」
母なる大地の上に戻りたいと言う人もおり、戦争が始まり地球連邦軍が劣勢になればブローカーに大金を支払い地球に帰還しようとするものは多い、
「素直に宇宙に上がった人間が割りを食うことになると考えるか、人類の進化をUCの時代にとたくした、これは言い過ぎましたな」
禁句を言うのを双子が美しくも冷徹な目にかえ、
「まあ、権力を得るためには身内さえもですからね」
「権力を知るものは何にかえてもね」
この二人はその血を分けられており、策謀をと言われればどれ程の犠牲おもいとわない、
「ローナン・マーセナスは、おじさんとも会うつもりかい」
「まあ、リディにも会いたいわ、未だにいじけてるんだから」
マーセナス家は大統領を輩出したビスト財団を結果的に作り出しこの混乱が続く世界を権力の為に続けさせているといっても過言ではないが、
「裏が表に出れば」
「わかってるわ私達は」
そう言いながらスペースポートに到着しプライベートジェットで離陸する。
「相変わらず過保護ね」
「まあいいわ、心配と言うか抜け目がないから」
自分達の身を案じているのかアッシマーに追加のプロペラントタンクを取り付けた2機にエスコートされ目的地についた。
「お帰りなさいませ御嬢様」
執事がリムジンに乗ると舗装路を専用の道を走り抜け大きな城に到着する。
「シャワー浴びて着替えをするわ、お客様の事よろしくね」
そう言うと私はオードリーと別室に通される。
「私はいいです」
シャワーを浴びるため隣に部屋で着替えとともに済ませると双子がいつも以上に派手なドレスに身を包み、
「相変わらずねオードリーは、まあいいわ一緒にいらっしゃい」
そう言って四人で長い廊下を抜けて一番奥の大広間だった部屋に入った。
「お帰り我がワルキューレの双子よ」
「お祖父様お久しぶりですわ、未だに生きておられるなんていい加減諦めが悪いですわよ」
ジョルジュ・マーセナス、この男こそリベラルを嫌い今の地球連邦をつくりあげた男であり、双子は孫に当たるがローナン・マーセナスと違い太陽の当たる場所には出てこず、デギン公王そしてギレンに進行ルートを教え早期の戦争終結をことごとく阻止した人物である。
「レビル、いやエイパーか、呼んではないが孫に免じて」
「どうのはありません人類にとっての死神のあなたは祖父の仇ですからね」
わざと挑発するように言うが、
「本心であって本心でない、相変わらずだがどうだ二人と結婚しワシの後を継ぐなら命くらいやろうかな」
そう言われ大きく息をはくとオードリーが、
「貴方はニュータイプの革新を何故それほどに否定されるのですか、怖いのでしょうか」
そう言われ死神は、
「運良く生き残った操り人形か、生かされていると言う自覚はあるようだが」
そう言いながらこないだの戦いの画像が表示され、
「これを見よ、たかだかMSに長けているだけの小僧がお互いの精神を感じ、このエイパーでさえも感化されている」
怒りも殺意も何もかもを感じそれに対する気持ちを周りに感じさせており、サイコフレームの共振で戦意を剥き出しにしていたティターンズのパイロットも徐々に感情の影響を受けはじめる。
「人類の進化は戦いであり、管理された地球連邦政府が最終的に民衆を戦いに導かせる。それにより1年戦争から先、MSを含め急速な発展そうライト兄弟が飛ばし一気に発展した航空機以上に発展しているが」
そう言いながら画像が消え、
「それでは無政府状態と一緒でありわかりあえると言う幻想は権力を行使するものに必要ではない」
感情を出さずに相変わらず淡々と話す。
「それでは貴方はこれからも変えるつもりはないと」
オードリーが言うのを、
「お前の祖父も小さな権力を欲し私の誘いにのってジオン・ズム・ダイクンを殺害したのだからな、ニュータイプは兵器として認めておったがそれ以上に第2のダイクンが出てくるのを恐れてた」
こんな饒舌な死神をいままで見たことはなかったので自分は戸惑いながら二人を見続ける。
「それより何より、デギン公王とレビル将軍を葬るためにお前の父を売ったのだからな、ギレンもキシリアも間に合わなかったのか、その方も知っているであろう」
ソロモン攻略戦では本来間に合うはずの援軍が到着せず、あの性格ならば玉砕しようとギレンは考えており、そこはくんだキシリアもと言うわけだが、
「そうですね、エイパーから色々教えて貰いましたが、それは過去でありいまどうすれば人の子として前に進めるかでしかありません」
そう言うと鼻で笑い、
「今までもこれからも人は国家があるからこそ生きていける。何処かの愚かなリベラルの様に国家は人に奉仕し等と戯言をすれば幾つもの主義思想を掲げた国家に再分裂し殺し会うだけだ」
確かに冷戦後に自由を勝ち取った国家は、その中で人種と言う便宜上決められた人の違いで殺し合いをはじめ、終わることなき殺し合いを続けてきておりそれは終わることを知らなかったのは確かだが、
「ニュータイプはその主義主張さえお互いでわかりあえると、それも可能性のひとつなのです」
「それは人類にとって不要で危険なだけだと我々は結論を出した。お前がザビ家の血をひいていても私にとってはなんの考慮も必要ない存在なのだ」
手をあげそれ以上の話をさえぎり話を終えた。
部屋を出ようとすると後ろから、
「エイパー、あれを指示通り封印した事は評価する。後はあの息子に愚かなきっかけを与え今一度主要な議員や官僚に見せろ」
そう言って扉が閉じられた。
「少しはお祖父様の感情を引き出せたわね」
「あれってネイル・ジオングのこと」
双子から言われて成功したとは自分では思わないが孫としての洞察力に少しだけため息をつき、
「ネイル・ジオングさ、コックピット周りだけじゃなく張り巡らせたラインも変形して結晶化したからね」
「でも、お祖父様は手下に見せろと言うのかしら」
「ひとつは保守派の議員と官僚やAEの特に会長にニュータイプの危険性を知らせ宇宙移民の管理をすすめたい口実だろう」
そう言うとオードリーが、
「と言うことはジオンを含めた自治権のということですね」
「オードリーからしたら後退と思うだろうけど歴史は絶えずゆらぎ民衆が支持すれば形はかえても存続していくわ」
「そう簡単に切り捨てることが私の立場ではできません」
そう言うとオードリーは考え込み双子は関係ない話をしはじめた。
「じゃあ、先帰ってるわクリスによろしくね」
プライベートジェットで宇宙港に向かう3人を見送り私はクリスの静養する療養施設に向かう。
「これを見せるとは、箱を奪取したいと言うことか」
ビスト財団の根元は全ての権力者が欲する力だと勘違いしているが、ジョルジュは中身を知ってうまく操ったはずの男がそれを使い力をつけたのを気にくわない事もありAEやビスト財団の身内さえも権力と言う至高と勘違いさせる力をと言うわけで大きな花畑が広がる高原にある木造の巨大な施設に入った。
「エイパー、ここってすごいわね」
クリスが会うなり窓から見える景色を見る。
「一般の人は入れないところだから荒らされないからね」
「これを見ると人は地上にいてはいけないって考えちゃうんだろうな」
ここを作った創設者はその考えで作ったのを知っておりクリスがそう言う影響を受ける事に同意しながら、
「いずれにせよ良くなったら空に上がるんだろ」
「そうね、エイパーこれからもよろしく」
「ああ、よろしく」
そう言って主治医と話をしてお願いをすると地球連邦政府の中枢に見せるために大陸間の音速航空機に乗って向かった。
忙しくなってきたので更新の間隔が開きます。よろしくお願いします。