「ネイル・ジオングⅡを2機同時に問題は無さそうだな」
茨の園に戻る間に改良の場所等を計画通りに作業を行っており、今回の乗艦はブライト艦長と双子のみで他のクルーは昼夜を問わず2機のMAを組み立てしている。
「ダウングレードだが問題になることは」
封印したネイル・ジオングとは違いサイコフレームはコックピットと背面のビットと両腕であり、ベルマン少佐としては実験とはいえ暴走はと言うこと。
「その為に私が後方から督戦するのですよ、もし手に終えなければテストをかねてシステムを起動すれば良いのですから」
そう言うと同意して暗礁宙域へと進入するのを確認してVIPルームに向かった。
ベルマン少佐がソファーに座りその奥で双子がフロンタルとプルとコミュニケーションをとっており二人とも戸惑っている。
「簡単なことだ、MAで敵殲滅せよ」
そう言ってネイル・ジオングⅡ1機とFAZZやその他のコストの割にはごてごてし過ぎたMSの編成を表示する。
「わかっているのはこれだけだが、どんなのが他に出てくるか」
プルは言い知れぬ恐怖を感じ怯えた表情でベルマン少佐と私を交互に見て、横に座るフロンタは顔色も表情も変えずに、
「それぞれが戦力比的に言えばお話になりませんが」
私はベルマン少佐が何も言わないので、
「ニュータイプを、過大評価しているのかな。何れにせよ作戦通りに」
そう言うとベルマン少佐にプルと言う少女と話をさせてくれと言い他の皆は出ていった。
「君には姉妹がいたのを覚えているかい」
表には出せない人体実験のデータが残っておりモルモットとしてニュータイプ研究に貢献させられてきたのだと言うことがわかる。
「そうか」
クローンとして生み出されたが姉妹の情等は余計な事だと言うことであろう。
「マーガレット、彼女に関して類似するデータを表示してくれ」
そう言うと画面には少女と同じ姿のパイロットがニュータイプ専用機でのテストをこなしており少女も自分と同じ者が写っているのを物珍しく見続けた。
「出撃した者は全員戦死か」
結果はわかっていたので少女を見て、
「7日程あるから自由に艦内を歩き回って良い、作戦が完了した暁には限定だが自由も約束しよう」
そう言うと不思議な顔をしてる。
「注射をしたりやなことはしない」
そう言うと笑顔で頷き双子を呼ぶと、
「へえ相変わらずだわね、いいわ結果でしかないでしぃうから」
そう言うと笑顔で連れていきベルマン少佐が入ってきた。
「貴方も聞いてはいましたが怖いお方だ、力を出しきらせるために何でもと言うことが」
私はグラスをマーガレットにウィスキーのダブルを2杯頼みベルマン少佐を見る。
「参謀本部ではない、マーセナスとマーサですか」
後ろに居る者をあえて名前を出すがわざとだろう口を少しだけ歪めウィスキーを飲む、
「軽井沢1960ですかな、このような骨董品に近いのをよくも」
少しだけ皮肉を、ただの高級士官でないと言いさらに、
「RXシリーズをこちらにも完成の暁には」
「何をもって完成と」
「すべてが動き始める時にですよ」
そう言われ大きくため息をつき、
「マーサは当て馬か」
「まああなたが思っている方々を煙たがっているのはおられますからな、あなたを含め」
そう言われて穏健派の見知っている者の顔を思い出しながらゴップを最後にと思いながら予想以上にからまった蛇に考えるのを保留して琥珀色を飲み干した。
「ねえちゃんだめだな、卵も割れないんじゃ」
「だってはじめてだもん」
キッチンではちび3人とプルが料理をしており大騒ぎしているのを大人たちが遠巻きに嬉しそうに見ている。
フロンタルが現れ私を見つけるとキッチンの4人をいちべつしながら、
「貴方は私に、いや私達に希望を与えくれているようだが」
「あなたの考えてる通り、その先にですよ、人は自分が願うことを希望と言いそれが愚かな場合にもすがり付く」
そう言うと少しだけ眉間にシワをよせ、
「地球から人類をと言うのをよく思っておられないようだが」
この男の洞察力に少しだけ笑みがこぼれる。
「地球には人類の30%が残ったが1年戦争でどれ程の人々が失くなったか、そのお陰で一部の人口密集地域以外は自然の力に浸食されつつあるのだよ」
そう言うと怪訝な顔をするフロンタル、
「地球の現状を都市だけ見れば人類の英知で保っているが、ひとつ外に出てみればコンクリートはすでに森にかえりつつある。そして何より不毛な砂漠はその周囲から人々を遠ざけたが拡大し砂に町を飲み込みつつある」
そう言いながら地球をつぶさに映し出したのを見せる。
「それではなぜ、ネオジオンやティターンズそしてエゥーゴまで」
「それは母に抱かれている嫉妬、スペースノイドは新たに宇宙に母なるコロニーを建設しそこを大地としたが、所詮は紛い物であり人工の大地、自分達の土地から見える青い母なる地球を見続ければ、住むものに嫉妬をそして手にいれることのできない物を独り占めしていると思ってしまう」
そう言うとフロンタルは小さく笑い、
「しかしニュータイプとして覚醒すれば宇宙での生活を己の足元にすることはできると」
「出来る。だがこれは理屈ではないのだよ、自分達が育まれた子宮を無意識に求める事はいくら否定をしても母親から産まれてきた生き物には必然だと思っている」
そう言うとフロンタルは大きく笑い向こうではしゃいでいるプルを見て、
「私やあの少女は試験管から産まれた者達であり、あなたの言うことが間違いなければ」
私は頷き、
「スペースノイドとして母と言う存在から離れ宇宙での自主独立出来る者達だ」
私はそう言ったが、呪縛をたちきれるのは人権を無視したモルモットとして育てられた人類から見れば居ないのと同じであり、ニュータイプと呼ばれ特別視される事は実はその呪縛から放たれた人々であり地球を無視出来る生活をおくれる事に無意識のうちに知り恐怖している。
「私は何をすれば良いのですか」
もしこのクローンの元になる男が失くなれば、求心力のため引き出されるだろうと言うのは本人もわかっている。
「ラプラスを追え、それでスペースノイドとアースノイドの呪縛を解くことが出来る」
そう言うとそれが何かはわからないがその言葉に自分の自分達の進化を瞳にうつして話は終わった。
「先陣は私が」
感情は表に出さず自分の未来を掴むためにフロンタルはネイル・ジオングⅡに乗り込み出撃する。
「よく見ておくが良い、君達の未来おも背負っていこうとする男の背中を」
プルは恐れもためらいもなくブースターを加速させていくMAを見続け、先制攻撃のミサイルが残党の穴蔵からMSやMAを吐き出させネイル・ジオングⅡは獰猛に襲いかかった。