アクシズ、アステロイドベルトにあるジオン軍の資源採掘を行っている小惑星の1つであり今は1年戦争で逃げてきた残党がこの寒い宙域に遠く地球の光を見ながらその時を待っている。
「出力そのまま、不穏な動きがあれば迎撃せよ」
もしものために火は落とさずグワデンの後に続き入港する。
「マーガレット、あとは頼む何かあれば救出を」
ハスラーの保証があるとは言えジオンの残党がこもるこのマイニングキャンプにメラニー会長が何を託すのかと思いながら隣接するモウサに移動しながら状況を確認する。
「データベースへのアクセス完了、データダウンロード」
眼鏡にはハッキングでマーガレットが何時ものようにデータをアクシズ側から引き出していくのを表示しておりいくつかの情報が表示される。
「穏健派と強硬派の争いがあり穏健派が勝利実権を握っていると言うことです」
それを聞いて少しだけホットしながらも何があるかわからないので緊張しながら進む、
「こちらに」
モウサ内に到着後ハスラーは報告に向かい私は一室に留め置かれながら待つことになる。
眼鏡型の情報端末にはマーガレットが解析した情報が表示され現在のアクシズはミネバ・ザビを頂点にハマーン・カーンが摂政としてついたと言うことを知り未だ16才の少女がと思いながら時間を潰した。
「お待たせいたしました。お会いになるそうです」
ハスラー自らが迎えに来てくれ謁見の間に通される。
私は立礼をして挨拶をする。
「AE社から全権を委任されておりますレビルと申します。以後お見知りおきを」
空席である王の席の隣に立ちこちらを見つめる女性、美しいが最近精神的に何かあったのだろうきつめの顔でこちらを見下ろし、
「信書ご苦労だった、我々もAEと技術交流が出来ること嬉しく思う」
これで目的は果たせたと言うことで安堵をするが、
「しかしティターンズと言う連邦の強硬派に対する協力はすぐにはできぬ」
私は動揺を表に出さず見つめる。
「我らは人的にも物資的にも直ぐに行動を起こせるほどの力はないのでな」
信書にはAE社が物資の供給もと書いてあるはずだが先程見た情報の中でアクシズにいる軍人は1万人をきってはいるが反ティターンズ組織の戦力になり得る。
「それではこのまま傍観されると」
そう言うとその横にいた軍人が、
「AEが信用ならないと言っているだけだ、自分達は直接手を汚さずにいると言うことに死の商人としてそう言っている」
「ゆりかごから墓場まで、確かにAEはスペースノイドに寄り添っております。さらに戦争に負け破産しようとしたジオニック社やジィーマット社に救済の手を差しのべた私達に死の商人と言われますか」
「貴様」
「もうよい、レビルと申したな我らは未だに余力もなく帰還したいが核パルスエンジンの完成も、数年後には帰還したいと思う」
「そう言っていただけると幸いです」
そう言って会見は終わり一室に戻されると後は地球圏に戻って報告をするだけかと思っているとドアが開き一人ハマーン・カーンが現れ椅子に座った。
「レビルとはあのレビルの孫とはな何の皮肉か」
確かに初戦の勝利によりジオン優勢での講和条約を結ぶはずが祖父が手引きにより脱出を計り「ジオンに兵無し」と言う言葉で戦争が継続され結果、
「こんな場所に押し込められる事もなかったと、しかしそれを結果的にしたのは公王共々我が祖父を葬ってくれたジオンですからね」
あの事を思いだし少しだけ熱くなる。
「まあよい、それが戦争と言うものだからな」
私はこの少女はこうも歪んだ感じを受けつらい経験をしたのだと思い出しながらふと思い出した。
「たしかマレーネと言う女性がこちらにいると思いましたが」
データベースにはその名前はなく聞いてみようとハマーンを見ると眉間にシワを寄せ怒りが出てくるのを感じ説明する。
「祖父が亡くなった直後、月の周回軌道にいたパトロール艦隊に乗ってア・バオア・クーに向かっている最中、そこから脱出してきた艦の中におられた女性で数日間拘束したのち私の勝手な判断で解放したんですが」
祖父の死に強い怒りと哀しみを覚えそのまま自家用のシャトルで宇宙に上がりパトロール艦隊の指揮官を強引に祖父の名で従わせ向かわせたことを思い出す。
「マレーネは私の姉だ、ここに到着する前に亡くなった」
それで何処か似ていると思いながら、
「それは残念です。ようやく解放されたと言っておられたのに」
そう言うとハマーンは問い詰めてくるのでその時本人から聞いたことを話す。
「父の保身としてドズル中将に差し出されましたがドズル中将は正室がおられ仲睦まじくされており身を引きたいと思ったが父の事とギレン総帥からの子をもうけるようにと言うプレッシャーに体調を崩されており重圧から逃れられた、美しくはかない女性でした」
少しだけ考えていたハマーンは唐突に、
「マレーネと寝たのか」
そう言われて沈黙で答える。
「ならなぜ連れていってくれなかったのか」
そう言われて美しかったマレーネを思い出しながら、
「残れば同乗していたジオンの船は拿捕するしかなかったから、そうせざるおえなかった」
マレーネ一人ならどうとでもなるがマレーネにお願いされ見逃すが指揮官から、
「レビル将軍のお孫さんとは言えそれは自重してください」
そう言われて送り出したのを昨日のように思い出した。
ハマーンとの話を終えると、その夜はあてがわれた一室で就寝することになる。
電気を消して寝ているとスライドドアが音もなく開き誰かが入ってくるのを感じてドアが閉じた後に明かりをつけると、
「やはり起きていたか」
ナイトガウンを着たハマーンであり、
「夜這いと言うわけでは」
起き上がるとベットに座ると部屋には椅子はなく手をベットへそこにハマーンが座る。
「紳士の顔でどうするつもりだ」
少女の中に挑戦的な顔を見せる。
「さあ、どう思っているのか知りませんが、何か話があるのでは」
ハマーンは少しつまらなそうな顔をしたが直ぐに戻り、
「お前は何をしたい祖父が祖父だしAEではあり得ないことをしているようだが」
確かに表立ってはどこにも所属しない艦を操りアクシズにさえ来ておりこの先どうなるのかもわからない、
「一つは祖父を殺した連邦内部のティターンズを含む者への復讐と、新たなMS等の技術研究が出来ると言うことです」
全ては話さないがそう言うと少しだけ笑われ、
「そうかお前はそんな私的なことで動くか、しがらみもあるはずそこは言わぬか」
しがらみはあるがそれ以上にそれを使っていると自覚はしているので、
「しがらみは使われるのではなく目的のためには使えばいいだけ」
1年戦争から数年たったがレビルの名は無視するのは未だ不可能でありその人脈を使っている。
「そうか」
何かを言うかと思ったら父をなくしシャア・アズナブルは責任を投げ出し地球圏に逃げこの少女に全てを背負わせたと言うことに自然と腕をハマーンの肩に手を回しハマーンもこちらに体を任せて夜は更けていった。
「レビル、これを頼む」
ハマーンはMSの未完成の設計書を渡してくる。
「アクシズには貴公の様に設計の専門家は居ないのでなどうしても中途半端になってしまう」
「お預かりします」
サイコミュシステムについても1から調べなければならない事に嬉しく思いながらハマーンを見る。
「地球圏に戻りますが設計が完成しだい戻ってくるようにします」
「楽しみに待っているぞ」
少しだけ元気を表に出したハマーンの差し出す手に口づけをしてフェーベへと戻った。
「出港準備完了」
マーガレットの報告にフェーベをアクシズから離脱させ地球への進路をとり加速をする。
自室に戻り画面を展開してハマーンからもらったデータ等を画面に表示していくと1年戦争時のグラウブロやエルメスの大きさにこのシステムの重大な欠点と思いながらノイエジールがこれを搭載する前提で大きくなったのかと思いながらMSに搭載できるように改良をと1人でしなければいけない事に考えてしまう、
「夕食です」
双子からの連絡で食堂におりた。
「お疲れ様です」
キシリアが嬉しそうにトレイの食事を持ってきてくれ私の前におくと横に座る。
「何か良いことありましたか」
横から顔をのぞきこんでくるが気にせず美味しい食事をとる。
「そりゃさあアクシズで良いことがあったんだろうさ、なっ」
コーズが余計なことを言い私は表情を変えたつもりはないが、
「本当ですか」
それで食事が終わるまで食いつかれたのを無視しながらコーズのちゃちゃに焦ったキシリアに何度も言われたのを受け流してから皆を集めて報告をする。
「それではまず反ティターンズ組織をと言うのが今後の目標と言うことなのだな」
おやっさんに言われて同意すると機体テスト等を繰り返す日程をたてて地球圏へ戻る間繰り返し行うことになった。