「母さん・・・何で・・・!!」
「この人が傷無のお母さん。」
傷無はレイン・ミューゼルの携帯に映っていた那由多を見て驚く中で傷無は
もう一人の・・・恐らくハートハイブリットギア使いであろう人間を見ると
こう言った。
「こいつは何処の所属だ?」
「他国・・・かな?」
傷無の言葉を聞いてクラウもそう答えた。
紺色の髪で長身の女性。
だが何処となくおどおどしているような感じがしたこの女性を見た。
何故だが・・・嫌な予感がするからだ。
「取敢えずこの事は姉ちゃんに報告することとして今後についてだが
あの《ギドラ》型を倒さない限り『ゼーガペイン』だって只じゃ済まなそうだし。」
「となると・・・後は一つだね。」
傷無とクラウはお互いに今後について話が決まると傷無は
レイン・ミューゼルに向けてこう聞いた。
「取敢えず今後の確認も兼ねて司令官と話したいんだけど?」
いるかと聞くとレイン・ミューゼルは・・・少し顔を俯かせてこう答えた。
「・・・司令官は死んだよ。」
「え?」
「第2次異世界大戦の時に全員を逃がすために自分の側近と一緒に囮になって」
「悪い。」
それを聞いて傷無はそう答えるがレイン・ミューゼルはこう続けた。
「なあに、何時か人間死ぬんだぜ?だったらよ、軍人として最後に後ろにいる
民間人を守って天国にイケれるならこれ以上の幸せなんて贅沢だろ?」
「・・・司令官は私の叔母だったんだ。」
「だからこそ・・・残されたアタシらがその意志を受け継いで戦ってやるさ」
「例え道端でくたばろうと・・・それで守れる命があるんならよ。」
そう言ってにこやかに笑っていると傷無はこう聞いた。
「それでもう一つだけど、ここには日本人は何人いるんだ?」
一応参考までにと聞くとレイン・ミューゼルはこう答えた。
「ええと確か・・・373人いるって所だな。丁度ツアーとか観光に来ていたり
仕事の都合で来ている連中だったからな。」
「今はどうしているんだ?」
「さっき言った村で暮らしているぜ、あそこ迄はあいつらも来ていないしな。」
「他の国は?」
「後はアジア系に中東、アフリカ系って所だな。」
ユーラシア関係の人間たちもそこだぜと言うと傷無は少し考えてこう答えた。
「詰る所ここには1000人以上の人間がいるんだな?」
「正確に言えば4280人て処だな。・・・本当なら1万人くらいいたんだけど
病気や自殺とかでな。」
嫌になるぜとそう言うと傷無はこう言った。
「それじゃあ今の戦力はどの位だ?」
「戦力ねえ・・・戦闘機が50機とレギオンが120機。後は歩兵が10個大隊程。
後は戦車とか装甲車とかが80台ほどだけどそう言うのは殆どが避難民に移動用に使っちまったからなあ。」
大体そんなところだなとそう言うと・・・ユリシアから通信が来た。
「どうした?」
傷無がそう聞くとユリシアは慌ててこう言った。
《大変なのよ!ハユルが起きたと思ったらいきなり出撃しようとして‼!》
「はあ!?」
「どいてください!私はあの魔導兵器を!」
「無茶言わないでよ!アンタのその体で立ち向かえるとでも思ってんの!?」
「それにハイブリットカウント見たの?貴方あと5%しかないのにそんな調子で向かって行っても返り討ちに会って今度こそ死ぬわよ!!」
「その前に決着を付けます!!」
「だーかーらー!!」
ユリシアが何か言いかけていると・・・傷無が現れるとこう言った。
「一体何してるんだお前は!」
「飛騨君・・・」
ハユルは傷無を見ているとハユルは傷無に向けてこう言った。
「飛騨君!貴方からも何か言ってください!!今すぐにでもあの《ギドラ》型を倒すために」
「それで・・・作戦はあるのかよ?」
「・・・へ?」
ハユルは傷無の言葉を聞いて言葉を閉ざすが暫くしてこう答えた。
「あの《ギドラ》型を倒します!」
「それじゃあ作戦なんて言えねえよ。それにアルディアが出てきたら
どうするんだ?」
「その時は先に彼女を倒します!!」
「自身は良い事だと言いたいところだがお前のは只の暴走と妄想だ。
作戦なんて無しで突っ込むなって・・・死にに行けって言いたいのかお前は!!」
「ひっ!」
ハユルは傷無の大声を聞いて少しだが怯むと傷無はハユルに向けてこう聞いた。
「なあさ、お前《ギドラ》型を見てから様子が可笑しいが・・・もしかして
あの時に《ギドラ》型と戦ったのか?」
異世界大戦の時にと聞くとハユルはこくりと頷いてぽつりぽつりと話し始めた。
第2次異世界大戦の際にアマテラスのメンバーの内、自分一人で
日本全体をカバーしなければならないこと。
然し数が多く圧倒的な敵を前に自分がやってきた事は焼け石に水で結局のところ逃げなければならないこと。
そして・・・。
「あの時に港の防衛で私がいたのに・・・私は一人も守れなかった!!」
「それとは反対に貴方は多くの戦果を挙げて異名を与えられ、それでも尚
戦い続けて・・・守り切っていた!!」
「姫川」
「貴方には・・・『レガリア』と言う特殊な力があるのかもしれませんが・・・私には何もない!!」
「あるのは只の力で守れていなかった!!」
「なあよ、姫川。お前の気持ちは」
「気持ち!貴方に私の気持ちなって分からないわよ!!」
ハユルは傷無に向けて・・・ある事を口にした。
「何も守れなかった虚脱感を味わった事のない貴方には分からないんです!!」
「!!!」
「ハユル!貴方」
ユリシアはハユルの言葉を聞いて落ち着かせようとして・・・・。
パンと大きい音が鳴った。
「・・・・へ?」
ハユルは自身の頬を摩った。
それには痛みがあるからだ・・・・。
そしてそれをしたのは・・・・・。
「貴方に・・・傷無の何が分かるって言うんですか!!」
半泣き状態でハユルを引っ叩いたクラウがそこにいた。
この世の中に・・・挫折した人間何て一人もいない。