「行方不明って・・・何でって何時から!?」
傷無はそれを聞いて取り乱している中で京はこう答えた。
『ある日気が付いたら何処にもいなかったんだ。調査した結果、
このギガフロート日本においてどこにも存在しない。』
「・・・他のギガフロートはどうだ?それか他に探していない場所とか」
『それも考慮したが然しあの博士ならばセキュリティシステムを
改ざんさせることなど訳ないし、それに禁止エリアも含めて調べてみたが
何処にもいなかった。』
「・・・何考えてんだ?あの母さんは」
それを聞いて傷無は呆れ顔でそう言った。
確かに昔から自由奔放な所はあったがあんなでも母親だと思っていた。
例え・・・切り捨てられたとしても。
「それで、俺はこれからどうしたら良いんだ?もし総理大臣に会うなんて言ったらあいつの顔に思いっきりぶん殴り倒しかねんぞ。」
『それを自分で言うあたり中々度胸があるな。それは怜悧がやってくれるから君はアタラクシアの学園にある大講堂に来て就任の挨拶と何か1,2言喋ってくれ。』
「俺喋るのって苦手なんだよなあ・・・まあ、仕方がないか。」
傷無はそう言ってため息つけながら到着した潜水艦から荷物を引っ張り出して
行こうとするとクラウが傷無に向けてこう聞いた。
「大丈夫?傷無。」
そう聞くと傷無はこう答えた。
「まあ・・・何とかかな?・・・正直な話何か目の前で話すのって
苦手なんだよなあ。」
「ううん、お母さんの事。」
「!!」
それを聞いて傷無は目を丸くするがクラウを見て・・・こう言った。
「正直な所、会わなくてほっとしている自分がいるんだが・・・
それとは逆に落ち込んでるような感じがして何て言うか・・・
ごっちゃごちゃになってるんだよなあ。」
そう言っているとクラウは傷無の右手を・・・自身の左手で握りしめて
こう言った。
「大丈夫。何があっても私がいるから。」
「クラウ・・・ありがとう。」
「どういたしまして♪」
傷無とクラウはそう言いながら・・・お互いに握りあっている手の指が
絡み合うかのように繋がりながら・・・歩いて去っていった。
世に聞く・・・恋人繋ぎである。
それを見ていた整備員の内男性陣は血の涙を流し、女性陣は良いなあと
思いながら指を咥えていた。
そして京と怜悧はと言うと・・・。
『青春だな。』
「・・・・・・」
京はそう言いながら見ているが怜悧は・・・体が白くなって口から
魂を吐きながら呆然としていた。
それを見た京は仕方がないと思いながら怜悧を引きづりながら去っていった。
あの後傷無とクラウはアタラクシアの制服(男性は普通なのだが女性は肩と腋が丸出しであった。)に着替えた後大講堂に向かうと既に・・・千鳥ヶ淵、姫川、ファランドールが待機していた。
すると姫川は傷無とクラウに向けてこう聞いた。
「貴方達が先ほどの機体に乗っていたパイロット達ですか?」
そう聞くと傷無はああと答えると姫川はこう答えた。
「私は日本特務隊及びこのアタラクシアの風紀委員兼ハートハイブリットギアチーム『天地穹女神(アマテラス)』の隊長をしています
『姫川 ハユル』です。」
そう言いながら敬礼すると傷無とクラウも同じく敬礼した。
そしてお互いに敬礼を解くと姫川がこう言った。
「先ほどの戦いには感謝します。《ヴァイキング》をあの場所で撃滅してくれたおかげでギガフロートを守ることが出来ました。」
ですがと言うと姫川はこう続けた。
「今後はこちらの作戦に従ってもらいます。貴方達は教導官とはいえ
このアタラクシアの一員になります。そして異世界軍相手と
戦う事になっていますから必然的にこの『アマテラス』に所属することと
なっておりますので」
「生憎だが俺は君の指揮には従わない。」
「何かある時には私に報告ってナンデスッテ!!」
それを聞いてハユルは目をまんまるにして驚いた。
「き・・・傷無」
クラウはそれを聞いて慌てているが傷無はこう続けた。
「俺は君よりも長い間戦場で戦い抜いてきた。正直な話君よりも
戦闘における知識は高いほうだと自負しているし状況把握能力もそれなりにあると思ってる。あの時に君は《ヴァイキング》が上陸してきた際に何していた?」
「そ・・・それは、あの時は《アルバトロス》が未だ多くいたので
その対処にと」
「それならそこにいる外人さんに指揮権を一時譲渡してから移動すれば良かったんじゃないのか?」
「そ、それは」
「はっきり言えば君の戦い・・・いや、ここにいる全員がまとまっていないと思ってる。」
「「「!!!」」」
それを聞いて姫川だけではなく千鳥ヶ淵とファランドールも目をきっと
傷無に向けて睨みつけるが傷無はそれでもこう続けた。
「良いかよく聞け。戦場はゲームみたいに戦って勝ったから経験値が溜まる訳じゃない。戦場においては例え個々の戦闘能力が高くってもチームとしての
連帯感がなければ勝てる戦いも勝てないし被害が増えるばかりだ。」
「そういういうのは『英雄』じゃなくて『蛮勇』って言うんだ。
正直な話自殺志願者かとでも言いたいほどだ。」
「手前が良くても周りが被害被ればその分リスクが増えるし物資にも
限界が来る。」
「それでも自分勝手に戦うって言うんならさっさと一人で死んでろ。」
「ナンデスッテ・・・・・!!」
「俺はそう言う奴らを何人も見てそいつらが仲間事くたばるのも見た。」
「良いか、これは警告だ。死にたくなかったら周りを信じろ、自分の実力を
過信するな。驕りは自分を見失うぞ。」
そう言って傷無は黙って座った。
然し彼女たちはと言うと・・・・怒り狂っていた。
正直な所殴り飛ばしたいのに何故か動けない・・・自分がいるのだ。
次回は自己紹介です。