自分には好きな人がいるッス。これが人を好きになる事になんすかね。一度も人を好きになる何て事は無かったから分からないッス。
その人はやる気が無くて何事に対しても本気になる事をしない人。だけどいざという時には少し本気になるッス。そして彼が本気になる瞬間が何よりも好きッス。普段はやる気のない彼だけど自らの命が脅かされた時だけ見せる一面。所謂..ギャップというやつだと思うッス。
だけど彼とは一度も私は話したことがないッス。いつも遠くから見ているだけで決して話さない。いつも監視している自分だから分かるッス...彼は決して人と関わる事を望んでいないと思うッス。それなのに自分の事を好き何て言われたら嫌な顔をするに決まってるッス。嫌われるぐらいなら自分は片思いで良いッス。報われないと分かっていても彼を見ている時間だけは自分にとって何事にも代えられない大切な時間ッスから。
そして今日もそんな毎日が続くと思っていたッス.......まさか、あんなことが起きるなんて思いもしなかったッス。
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自分は任務を終えて学園長に報告して..久しぶりに彼を監視するために彼がいつもいる部屋に向かう事にしたッス。経った三日ぐらいだけど監視が出来ないとこれほどまでに喪失感があるものなんすね。一秒でも早く彼を確認したいッス。そして今日は一日中彼の事を見ていたいッス。それが今の自分の一番の癒しッス。
いつもの場所に着くといつも通り彼はいたッス。ここは空き部屋の教室で少し前までは教室として使われていたけど最近になって使われなくなり物置替わりになってしまっているところッス。そこでいつも彼は昼寝をしている。彼の寝顔はいつ見ても飽きないから良いッスね。自分は天井に隠れながらいつものように彼の寝顔を見ていた。いつもは彼の寝息以外は何も聞こえなくてとても静か。
「.....これ..いいな」
寝言ッスか。これは貴重ッスね。録音しておかないとッスね。自分は急いでポケットから録音機を取ろうとした時に急ぎすぎて録音機を落としてしまったッス。
そしてその録音機が運の悪い事に彼の頭に直撃してしまった。
ゴーン
「痛!.....何...なんか頭にぶつかった気がしたけど..これなんだ。....録音機かな?でも、何でこんなものが頭上から降ってくるんだ?天井に誰かがいるわけでもないし.............いた」
彼が天井を見上げた瞬間に目があってしまった。普段だったら絶対に見つからない自身があるッス..けど今回は録音機を落としてしまって焦ってしまった。
「見つかってしまったら仕方ないッスね」
自分は覚悟を決めて天井から降りて床に着地した。このまま逃げる事も出来るッスけどそれをすると彼に自分は変な人と認識されてしまうかもしれないッス。それだけは勘弁ッス。
「君は一体誰?」
首を傾げながら彼は自分の方を向き尋ねてきた。よく見ると彼の頭には寝ぐせが出来ていた。それがあまりにも可愛らしくて「可愛いッス!!」と叫びそうになってしまったけどそれは必至に堪えた。
「自分は忍者ッス」
「忍者?」
「はい。忍者やってる風間レヴィッス。よろしくお願いするッス」
この学園の生徒なら自分の事は知っていると思ったッスけどどうやら知らないようッスね。まあ、人に興味を持つ事をあまりしない彼なら知らないのも無理はないかもしれないッスね。
「これはご丁寧に。僕は
「あ..それはですね........しゅ..修業をしていたッス」
「修業?」
「はいッス。忍者は日々鍛錬が必要ッスからね」
後から考えればおかしいだろうけど今はこの場をどうにか切り抜けないと...監視(ストーキング)をしている何て事が本人にバレたらマズイッスからね。
「そうなんですね。忍者も大変ですね」
何かこんな風に言われると嘘を付いている罪悪感がくるッスね。元々、彼の声色はとても優しい方ッスからね。
「そうなんすよ。それじゃ今日はこの辺で帰らせてもらうッス」
自分は急いでこの場から姿を消した。あの場に長い間いると本心がいつ漏れてしまうか分かったもんじゃないッスからね。だけどまあ、落とした録音機は回収できたし一安心ッスね。