原作を視聴したことがある方ならどのシーンのことなのか大体予想はつくはずです。
勿論、原作には全く無い妄想展開ですのでどうかその辺、御了承くださいまし。
こんな感じで擬人化妄想短編はシリーズ化する予定なので何卒よろしくお願いいたします。
タグにもありますが、発狂ものなので閲覧注意です。
彼女の目に映るのは果てしなく続く孤独の海に浮かぶ小さな楽園、地球。
かつて滅びの危機に幾度となく瀕していたとは到底考え付かないほどに星は輝いていた。
その星は夜でさえも美しく、果てしない大空に一杯に広がる光は広大な孤独の海において、その星がいかに小さなものなのかを暗に知らしめているようにも見えた。
それは人も例外ではない。
その星を見つめ、ある覚悟を固めていた少女も、そういったこの海、つまりは宇宙の巨大さに押し潰されそうになった内の1人だった。宇宙は広大でなんと美しいことか。それに初めて気付いたのは幼い頃に父に連れられて行った天体観測だった。彼女はそこで初めて満点の星空を見た。街では決して見られない純粋な
彼女が初めて宇宙に足を踏み入れたのは16歳の時だった。実り多き同期たちと共にシャトルで初めて宇宙へ上がった日のことを、彼女は一時も忘れたことはなかった。その時、彼女は宇宙の美しさと、こここそが自身のいきる場所であることを確信した。
自分は、フネになるために生まれてきたのだと。
その確信は半ば当たっていた。彼女は同期の中でも頭一つは飛び抜け、競い合う仲間たちと共に自身を高めていった。人類史上初の宇宙戦争が勃発した時は憧れの人物と共に戦線を駆け抜け活躍。彼女はこれを機に出世街道を駆け抜けていき、二度目の宇宙戦争が終わる頃には宇宙艦隊旗艦娘にまで上り詰めた。
誰もが彼女を羨んだ。誰もが彼女を称賛した。誰もが彼女を目指した。彼女は有頂天だった。
ところが、三度目の宇宙戦争ではそうも行かなかった。
初の異星人の襲来、初の本土爆撃、初の総力戦。何もかもが桁違いで、そして無意味だった。
彼女は敗けた、敗け続けた。むしろ勝った経験をあげる方が難しいほどに彼女は敗け続けた。それは同時に、屍の山を自ら築き、その上に立っていることを否が応でも自覚させた。何度自決を図ったか、何度生き残らせる強運、というよりもはや悪運を呪ったか、何度殺してくれと願ったか。しかし、全ては無駄だった。
挙げ句の果てには親友の妹を見殺しにした。
命に優劣や順位をつけるのは全く馬鹿馬鹿しく、不謹慎極まる行為だとわかっているが、これが唯一のそれを破った事例となった。親友はひどく落ち着いているように見えたが、取り繕っているだけにも見えた。
私は辛かった。死んでしまいたいと思った。もし穴があるならそのまま入って土を盛り、そのまま生き埋めにしてもらった方がよっぽと楽だった。
しかし、私は生き残った。生き残ってまた性懲りもなく艦隊を率いている。
いや、率いていた……だ。私はまた負けた。またしても惨敗だ。また多くの屍の山を築いてしまった。
それも今度は敵味方の夥しい数の山を。今までの私の苦悩と山を嘲笑うように軽々とそれを越えた山が現れる。私はより高くからそれを見下ろした。
もはや今までの死にたいだとか、消えたいみたいなそんな生緩いこと等全く頭に入らないほどに、もはや笑いが出てしまいそうなほどだった。
実際、今も笑っている。自分でもわかるほどに異常だ。だが、笑みを止めることをできない。死の恐怖に引き攣るでもなく、人を殺す恐怖でもなく、人の死を量として感覚的に見てしまっている自分に呆れていたのだ。
こんなに可笑しいことはない。どうせならこの感情を親友と分かち合いたい処だが、生憎その親友は先ほど
もはや止まらぬ笑いを堪えるでもなくただただ感情のままに吐き出すそれは、狂気の具現化ともいえただろう。後に振り返ってみてもあれ程笑ったことはないし、何故あんなに笑っていたのか全く考えもつかない。
多分、私の人生で最もクルッていた瞬間だと思う。これを更新することは出来ればしたくない。だが、この仕事を続ける限りはその可能性を全く否定できないのが恐ろしいところで、同時に何か興奮のようなものを覚えた。この感覚を持っているときはある種の性的興奮に似たような状況になるらしく、二度とは経験したくないとも思えるし、逆にそれをもう一度体験したいとさえ思う、歪な感情だった。
私は、それがまるで悪いことであると自覚しているのに無意識に心が求める。とっくの昔に、私はクルッていたのだ。さて、これ以上にクルッてしまうことなどあるだろうか。
目の前にキラリと光る無数の影が見えた。それは人のように見えた。
あぁ、そうだ。まだ私がクルえることがあった。
私の生体情報を使われて作られた完全無欠の殺戮マシーン。命令さえあれば目の前の命を悉く喰らいつくし、後には何も残さない。それがとうとうこの美しき孤独の海に解き放たれた。私を含めそれが一体何を表すか、誰の目にも明らかだった。
あの蒼き星もとうとうクルッたのだ。無限の星空に浮かぶたった一つの方舟さえクルッたのだから私如きの虫ケラのような命がクルッところで誰にも不都合はあるまい。
私は笑った。それほど長くはない人生で最も笑った。これを更新するようなことが後の人生に起こり得るであろうかと自問自答しても答えは見いだせない。ならば誰に聞いても同じだろう。
黒く輝くクルッた戦士たちのワルツの真ん中で彼女は笑う。
その豊かな音色に包まれた笑声は宇宙にこだまする。
地球防衛軍宇宙軍航宙艦隊総旗艦BB-A-0001-01アンドロメダの孤独な戦いの序章にして、彼女の人生で最もクルッた演劇はこうして開幕した。
さて、どうでしたか?
深夜テンションで爆速で仕上げたので誤字脱字あるかと思いますが、御手数ですがその場合はご報告よろしくお願いいたします。
こんな具合にシリーズ化する予定なので何卒よろしくお願いいたします。