ケモ耳刀使いと回復娼姫   作:奈多ナキル

1 / 10
ログホラSSです、気が向いたので書いてみました。
結構やりたい放題なSS主人公達だよな…と書いてて思いました。
では、本文読んで、どうぞ


始まり

 エルダーテイル……剣と魔法のファンタジー世界、世界最大級の玄人好みのMMORPGで20年の歴史を誇り、世界中にユーザーがいる。

 

 

 そして今日エルダーテイルに12番目の拡張パック〈ノウアスフィアの開墾〉が導入される日だった。俺ーナギーは、何時ものように2つある画面を見ながら、代わり映えのしない安心感のあるホームタウンであるナカスを眺めていた。そして気紛れにフレンドリストを見た。

 

 

「やっぱり今日は多いな……フレンドのIN率とナカスの人の量的にも……って直継さんログインしてる、連絡してはこないだろうし、こっちからもやめとこ」と呟きながら、自分のアバターを見た。藍色の眼と髪、ケモ耳と尾のある外見から分かる通り、狐尾族だが鬼のお面を何時もつけていた。まぁ、その理由は放蕩者の茶会にいた時にふざけて、外観再決定ポーションを使って現実に寄せただけなのだが、女顔なのでそれを隠す為にお面をつけていたんだよなぁ、とそんなことを思っていると、珍しい人物から念話ーフレンド登録した相手と会話が出来る機能ーがかかってきたのでとった。

 

 

「久し振りナオさん」

 

 

『久し振りナギ……って前にため口で良いって言ったじゃん』と軽く笑いながら返してきた相手の名前はナオ。元西風の旅団に所属していたが、少し前に抜けてゲームから引退していたはずだが、今回の拡張パック導入に合わせて復帰したんだろうな、と思いつつナオが自分に念話してくる時は大概面倒なのだが、暇潰しになるからいっか、と思い用件を訊くことにした。

 

 

「それで、何の用?」

 

 

『いや久々のエルダーテイルだからさ……勘取り戻したくてさ、ナギ一緒に来てくんない?』

 

 

「暇だし、いいけど」

 

 

『ナギ因みに何処にいる?』

 

 

「ナカス」

 

 

『何でそんなところに?』

 

 

「いいだろ別に」

 

 

『ならアキバに来てよ、ゲート前で待っておくからさ……切るね?』といってナオは念話を切った。

 

 

「ったく……話を聞けっつの」と毒づきながらゲートに向かい、アキバへと向かった。

 

 

 

 

 

 気付いたらゲームの中に俺はいた。ゲートに入るまでは、画面を見ていたのに、今なんでゲームの中にいるだ? 、と思いながらも俺は一方的に待ち合わせ先を指定してきた馬鹿を探した。ゲート近くにあるベンチの置かれているスペースから、異様な雰囲気を感じたのでそちらに向かってみると、山猫と戯れる魅惑的な女性プレイヤー……ナオがいたのだが、一瞬回れ右をしてナカスに帰ろうと思ったが、気づかれてしまった。

 

 

「ナギー、こっちー」と頭が痛くなるような思いをしながら、ナオと少し距離をおいてベンチに座った。

 

 

「どれぐらい現状把握出来てる?」

 

 

「えーっと、私がこのベンチに座ろうとした時は家にいたんだけど、座ったタイミングで気づいたらこっちにいたってこと位……けどアレルギー気にせずに猫じゃれあうの楽しいよ?」

 

 

 と山猫を撫で回しながら、相も変わらず能天気な事をぬかしていた。

 

 

「そう言えばサブ職業娼姫だったけ」

 

 

「そーだよ、でも何で今さら?」

 

 

「雰囲気」

 

 

「えー、私今露出度ゼロだよ?」

 

 

「何で、変なオーラ出しながら言うかな」

 

 

「だってこのサブ職業気に入ってるしさ……って言うか何で私達エルダーテイルの中にいるんだろ?」

 

 

「うん、話聞いてた?」

 

 

「死に戻りすれば良いの? それとも寝れば戻れるのかな?」

 

 

「俺に聞くな、後唐突過ぎんだろ……」

 

 

「いや、ナギに話題会わせただけだよ」

 

 

「そうですか……」と俺は周囲を見回した。GM出てこいだの、帰せだの、とパニックに陥る者に、絶望に囚われる者、俺達みたいに情報をかき集める者に別れていた。シロエなどと連絡を取りたかったが、少し考えて止めておくことにした。そして、現状打破するためにも、外に出ることを提案しようと思った。

 

 

「なぁナオ」

 

 

「何?」とナオは、山猫を撫で回すのを止めてから反応した。

 

 

「一度フィールドに出てみないか?」と言う俺の提案に対して

 

 

「良いよ、私がナギを呼びつけた理由は戦闘目的だし」とあっさりと了承した。

 

 

 そして二人が向かったのは食料をドロップするモンスターが多く沸く場所だった。

 

 

「そう言えば、お腹空いたなぁ」とナオが言うので

 

 

「俺が作ったのでいいなら、ほら」と自分のタザネックのマジックバックから、作っていた食料アイテムを手渡しながら言った。

 

 

「ありがとー、いただきますっ……あむ」とナオは頬張ると、顔色が悪くなった。

 

 

「不味い、味がしない……」と言うので自分も食べてみると、無味だった。1番近いのはふやけた味のしない煎餅って感じだ。そして、嫌な予感がして他にも作っていた食料アイテムを食べてみると、こちらもやはりふやけた味のしない煎餅だった。

 

 

「何で味がしないんだ? ……とりあえずさ、水ナオも飲みな」と水の入ったボトルをナオに渡した。

 

 

「そう言えば飲み物はどうなんだろうね?」と飲みながらナオが言った。

 

 

「それただの水だけど、どうなの?」

 

 

「無味だけど、水は味しないし、飲んでる感覚は水そのものだよ?」

 

 

「いや、ならこの緑茶どうなんだろ……」と自分用にと買っていた緑茶を飲んだが、味がしないと言うより水だった。

 

 

「ナギ、もしかして?」

 

 

「そのもしかしてだね、何を飲んでもただの水、何を食べても味がしないふやけた煎餅」

 

 

「まぁ、私現実で味覚障害なったことあるから言えるけど、甘くないよ?」

 

 

「腹は満たせても、生きてる気はしないよな……っと索敵しにくいな……ブラウニー喚び出すか」そう言って本来戦士職では出来ない方術召喚・ブラウニーを行った。

 

 

「そう言えば、狐尾族は変わり身のスキルで他種族のスキル使えたっけ」とナオが再確認するように言ったが無視して、ブラウニーに自分達の視角外の索敵を頼んだ。

 

 

「一応警戒をしといて……って敵出てきたよナオ」

 

 

「分かった、とりあえずリアクティブヒールかけとくね」

 

 

「ありがと、武士の挑戦使ってヘイト集めとかなきゃ、ナオに向くな」と忘れかけていたので、敵のヘイトを自分に向けた。

 

 

 イノシンの上に様々な野菜が一種類ずつ生えているの敵が合計2体、とりあえずゲームの時の数倍の時間がかかわりはしたが、倒せた。ドロップ品の一部が自分が使っている刀の効果で、ウェルダンになってしまったが、構わず解体し、バックにそれぞれ仕舞った。自分は武士で二刀流スタイルなのだが、片方の刀は妖刀 焰渡(ほむらわたり)と言う幻想級の刀で、白銀色の刀身に炎のような波打が特徴の野太刀だ。刀身からでる炎による火属性攻撃、火傷付与があるのだが、それでドロップ品がウェルダンになったのだが……そしてもう片方は霊刀 黒牢華(こくろうか)と言う刀で、同じく幻想級の刀で漆黒の刀身に赤い線が2本走っている。長さが短刀か打刀か野太刀の長さに変えられると言う変わった刀で、システム上の関係で長さを打刀の状態で使っている。

 

 

「ねぇ、この上手に焼けましたって言わんばかりの食料アイテムさ、美味しそうなんだけど」とナオが言った。言われて見れば、そうなのだが、美味しそうではあるが、気になることがあるのでその用件を終わらせようと思い、

 

 

「ナオさ、少し試したいことがあるからさ……少し安全な所行かない?」と提案すると

 

 

「いいよ……ぶっちゃけるとさっきの戦闘で漏らしちゃうかと思うから足ガクガクだった

から」と笑いながら言ってきたので、

 

 

「漏らすなよ?」と言うと、

 

 

「比喩表現だよ」とぶすくれながら言われた。

 

 

 そんなやり取りをしつつ、安全な所で、焰渡を使って種火を作って、焚き火をおこした。マジックバックの中から調味料と道具、焼けた今さっきの食料アイテム、生魚を取り出した。

 

 

「ナギ今からどうするのこれ?」と訊いてきたので

 

 

「手、出して」

 

 

「はいっ」と言われた通りに出したナオの手に塩を少しのせた。

 

 

「舐めてみて」と言われたナオは、塩を舐めた。

 

 

「……しょっぱっ……って味がする」

 

 

「調味料は味がするなら……ナオこの川魚に串をさして塩をかけて火にかけてみて」と一匹だけ魚を串と共に渡した。

 

 

「分かった」と言って、ナオが魚に串をさして塩をかけて火に当てると、名状しがたい炭状の何かになったので、今度は自分がやると、名状しがたい炭状の何かにならずに焼き魚なった。

 

 

「俺のサブ職業が料理人だからかな……ナオが出来なくて俺が出来るからそれが妥当か」と独り言を呟く自分の手元を美味しそうな目でナオが見てきたので

 

 

「食うか?」と何処かの愉悦神父の真似をしながら訊くと

 

 

「食うかっ、って言い返したいところだけど、猛烈にナギが手に持ってる焼き魚が食べたい……下さいと言うより、寄越しなさいっ」そう言って強引に焼き魚を自分からとって、ナオは頬張って

 

 

「~~~~っ……美味しいっ」と満面の笑みで言った。

 

 

「味はどう?」

 

 

「皮は苦いけど、身はふっくらして、脂が乗ってるし、塩とあいまって美味しい」

 

 

「なら良かった……ナオ当分アキバに戻らないけど良いかな?」

 

 

「何でそんなこと訊くの?」

 

 

「この事はまだ秘匿すべきだし、幸い情報には俺の伝手で困らない……」

 

 

「ねぇ、ナギ話が大分大幅にそれるけど良い?」と焼き魚をペロリと平らげたナオが言ってきた。

 

 

「どうした?」

 

 

「何で、西風にいた時から私がナギにパーティー組もうって言ってて、更に復帰した今日連絡したと思う?」

 

 

「……」想像出来なかったので無言で返すしかなかった。

 

 

「私もさ、今日連絡しようと思ったのはさ、好きだったから……ナギが」

 

 

「ふぇ?」と間の抜けた返事しか、呆気にとられていたので出来なかった。

 

 

「恥ずかしいから2度も言わせないでよ……私はナギがすきなの……ゲームから身を引いてたのにナギに会いたくて、何度もエルダーテイルを立ち上げようとしたけど、大学が忙しくて……やっと余裕が出来て復帰出来たからナギ言おうと思ってたの」

 

 

「あの、ナオさん? サラっとセルフ開示してるけど良いの?」

 

 

「別に……良いのっ、しかも餌付けされて完全におちちゃったのっ……言わせないでよ……は、恥ずかしいんだから……///」そう照れながら言うナオに対して、どうしようかナギは悩んでいた。

 

 

(どうすればいいんだ……今大学って事は自分と同年代だろ……けど間違っても陽キャじゃいし、経験もないからどうすればいいんだか…….)と悩んだ結果、近付いて抱き締める事にした。

 

 

「これが、俺の返答だよ」と抱き締めたままナオの耳元で囁いた。片手はナオの腰にまわしているので、ナオが例え抜け出そうとしても出来ない状態だ。

 

 

「せっ、積極的過ぎない、ナギ?」と照れながらも、抱き締め返してきたナオを自分は、好きだったんだなと理解した。

 

 

「でさ、本題に戻りたいんだけど……ナオ離してくれない? ……作りたいものがあるし」と言うと、ナオは料理とこの状態を天秤にかけた結果、離してくれた。完全にチョロい。

 

 

「多分アキバは当分ゴタゴタすると思う……ギルドに所属していない俺らは尚更面倒事に巻き込まれかねない……だから、この世界と、言っても現実世界で言えば、東北地方を回ってみないか?」と包丁サイズの刃渡りの状態になった黒牢華でウェルダンになった食料アイテム(肉と野菜)を切り、火にかけて沸いた鍋に突っ込みながら、提案した。

 

 

「けど、私巨大烏しかもってないよ?」

 

 

「まあ、そこは俺に任せといてよ……よし、味OK……はいナオ」と軽く煮込んだスープをナオに渡した。

 

 

「美味しい……私さ、今大学って言ったじゃん?」

 

 

「セルフ開示、乙」と茶化してみると

 

 

「うるさいっ……私が引退する前さ、ナギ受験云々言ってたよね?」

 

 

「言ってたなそんなこと……推薦とれたからゲームは辞めなかったけどな」

 

 

「ナギが言っていたタイミングで私も受験だったの」

 

 

「つまり同い年、と」

 

 

「そうだけど、本当に言いたかったのはさ、違くて……私さこのアバター通りの容姿じゃないから……」とナオは自分の胸辺りに手を当てながら言った。

 

 

「ったく……俺は逆にアバター通りの容姿だったからな、けど今から俺はナオを好きになるために、ナオって人間から見つけるんだからさ……因みに今1つ見つけた」と俺はそのナオの妖艶な雰囲気を意思で捩じ伏せて言った。

 

 

「何を?」

 

 

「その幸せそうな可愛らしい笑顔」

 

 

「っく……奇襲はズルいよ」

 

 

「なら、今手に持ってる物返せ」と圧をかけてやると

 

 

「イヤだっ」と拒否されたので、お玉を直すと

 

 

「何これ……焦らしプレイ?」とナオがふざけたことをぬかしたので、本当に没収しようかな、と思ったナギなのであった。




並列進行になるので更新は期待してて(吐血)

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。