ケモ耳刀使いと回復娼姫   作:奈多ナキル

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領主会議と血祭り

円卓会議が低レベル帯のプレイヤーのレベル上げも兼ねた合宿が始まり、それと同時に自由都市同盟イースタルの領主会議が始まった。無所属の俺とナオだったが、シロエからどちらかに付いて来てくれないか、と頼まれて合宿では無く、自由都市同盟イースタルの領主会議の方に付いて行くことにした。理由は大地人との関係を俺が重視していたからだが。

円卓会議の制服を俺もナオも着たが、まぁ分かってはいたが、ナオの雰囲気がわりかしアウトだったので、髪型を変えさせたり何なりをして、ようやっとマシになった。俺の方も、お面がつけられない変わりに、女と間違われられないように、眼鏡をかけた。眼鏡をかける提案をしてきたのはナオだった。言われた通りかけてみると、目付きが若干鋭くなって、男性ぽく見えるらしい。

マイハマに着いてからナオが言ったのは

「ある意味思ってた通りのお城だよね」だった。マイハマは現実世界で舞浜に当たる所だ。つまり某夢の国の城だ。表立って違う部分は、下の方に氷が存在するぐらいだろう。

「一応言っとくけど、俺達は護衛だし、合宿の方で何かあったら、そっちに向かうんだからな?」とナオに釘を刺しておいた。

「分かってるよ」

「後、晩餐会の時とかは、自重しろよ?」と更に釘を刺すと

「ちゃんと抑えるから、そんな目しないでよ」と言われた。

そんな会話をしていたが、城の中に入ってからは、無駄口を叩くことは無かった。

そして、その日の晩餐会ではナオは当たり障りのないドレスを着ていた。妖艶な雰囲気を抑えていたが、若干漏れ出ていたものの、それがアクセントとなり、上品な雰囲気を醸し出していた。

「案外似合ってるな」とナオに言うと

「案外って何よ、案外って…」といじけられたので

「そういう雰囲気もって意味で言ったつもりだけどな…」とフォローを入れた。

「ナギ、頼み事良いかな?」とシロエに小声で訊かれたので

「内容がここでも良いものなら今すぐ聞きますけど、駄目なら場所移します?」

「ここで問題無いから良いよ、ナオと一緒に他の大地人貴族と話してきてくれないかい?」

「了解ですシロエ参謀」と承諾した。シロエのギルドに居たアカツキー暗殺者の小柄な女性プレイヤーーはサブ職が追跡者だったので、この手は得意じゃ無いのだろう、と思いつつナオに頼み事の内容を伝えて、行動に移した。

ナオのお陰で、大地人貴族との会話は悪くならなかった。多少ナオの雰囲気にあてられた貴族もいたが、自分達が無所属だと知ると、勧誘されたが、丁重にお断りした。大地人貴族の子供からは、何故か俺は好かれてたが、適当にやり過ごした。ただ晩餐会が終わる頃には、数日間は慣れない事だったので二人とも結構疲れていた。

「キャバ嬢ってこういう気持ちだったのかもね」とナオは、軽口を叩いたが虚勢を張っていた。

「知らないよ、そんなの…」と眼鏡を外しながら言うと

「私もう寝る…お休み」と言って寝室に行った。俺はバルコニーに出て、夜風に当たっていると念話がかかってきた。周囲を見渡して、確認し終わると

「もしもし」

『ナギ元気か?』

「世間話は今し疲れてるんで後にしてくださいKRさん」

『ナギがそんな事言うのは珍しいな…スザクモンが開いたからこっちも忙しいんだよ』

「冗談がキツいですよ…でも、もうそんな時期ですか」

『やべっ、インティクスにバレる…またなナギ』そう言って念話が切れた。

「ゴブリン王の帰還の時期か…最近忙しかったからな…」と疲れで事の重大さに気付くことが俺は出来なかった。

そして時は少し進み、会議はゴブリン対策で紛糾した。俺とナオは、シロエより先に合宿の方に向かった。

「ナオ、とりあえず外周部から廻るからな」とグリフォンの手綱を握りながら言った。

「分かった…けど低レベル帯の子達頑張ってるね」

「だからこそ盤面に敵を追加させないようにしなきゃな…」

「そうだよね」

そんな会話をしながら、自分はステータスの口伝と書かれた所を見ていた。内容はこうだ、

例外法則〈アンミリデットルール〉

装備条件及び効果などの拡大解釈を可能にするが、効力は最大で同時に3つまで、と言う口伝を会得したのだが、曖昧な定義なのだが、この口伝のお陰で大太刀二刀流が可能になった。残り2つのうち片方は、弓に使っていて、もう片方は、その場に合わせて使っている。何故弓に使っているのかと言うと、元々自分は弓をメインで使っていた。偶然、幻想級の強い刀が手に入ったので、刀を使い始めただけだった。そして弓は何時も持っている。

「ナオ、一旦手綱頼む」

「オッケー」とナオが返事をしてから、器用に前後入れ替わって、マジックバックから魔弓 鬼灯姫(ほうずき)を取り出した。そして矢を3本同時につがえて放ち、地上にいる敵を狙撃した。着陸してからは、刀に切り替えて戦った。

グリフォンから降りて私は、ナギに回復魔法をかけつつ、施療神官が使える数少ない武器である、戦槌ー戦乙女槌(ヴァルギュリーメイス)ーを使った。この武器は私が参加した数少ないレイドで手に入れた物なのだが、武器の効果に光属性魔法の再使用規制時間の短縮があり、火力も申し分無い武器だ。私も口伝を会得した。そしてその内容は、

口伝 神眼看破〈リピールオブゴッドアイ〉

相手が行おうとする行動が大まかに先読みすることが出来る。自身のレベルより対象のレベルが下なら先読みが確定したものになり、使用しているスキルを見ることが出来る。レベル上及びパーティーランク以上になるとあやふやになる欠点がある、と言う口伝だ。私はそれを使い、敵の攻撃のコースや種類を先読みして、回避して攻撃を当てていた。

暫くして、シロエが契約術式を発動させた頃には戦闘が落ち着いた。俺は光を柱を眺めながら言った。

「とりあえず終わったな…」

「そうだね、後は七つ滝の城塞の方達に任せなきゃね」

「あっちには狂戦士がいるんだから大丈夫だろ」

「シロエ参謀に確認したいことがあるから、少し離れるよ」そう言って俺はシロエに念話をした。

「もしもし、シロエ参謀こっちは片付きましたよ」

『ありがとうナギ、先にアキバに戻っていて良いよ』

「了解です、切りますね」

『あぁ』とシロエの返事を聞いてから念話を終えて、俺はナオに

「帰るぞ、アキバに」と言った。

「グリフォンは喚べるの?」とナオに訊かれたので

「無理、だからナオ頼む」と答えた。

「まぁ、ギリアキバに巨大烏でも届く距離だもんね…」

「帰ったら何か食べたいのある?」

「なら…ハンバーグかな…」

「分かった…後は家も買わなきゃな」

「二人で家探すのも楽しみだね」

「そうだな」そんな会話をしながらも、ナオが巨大烏を詠んで、グリフォンに比べると遅い速度で、アキバへの帰路についたのだった。

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