がっこうぐらし!ー絶望、そして希望ー   作:三坂

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(今回はかなり長めになります)

春井達の奇襲により椎子が負傷してしまう‥‥
果たして‥どうなるのか‥


第五十話 絶望・希望

由紀「え‥‥」

 

 

しかも倒れた椎子の周囲の床には血の海が広がっているのを見て由紀の表情がこわばる。

 

 

 

 

 

 

春井「あら?一人生き残っていたのね?」

 

 

 

 

 

 

 

突然声が聞こえてきて恐る恐る視線を向ける由紀、彼女の目に映ったのは複数の特殊部隊‥そして春井やレバン、ウェスカーの姿が‥

 

 

 

レバン「やれやれ‥お前らはアホだよなぁ‥‥発信機さえにも気づかないとはな」

 

 

春井「それよりあんた、隊長のハンクはどうしたの?」

 

 

レバン「あぁ、死神さん?なんか用事があるって欧州に向かったぜ」

 

 

ウェスカー「まあいい、とりあえずはコイツらを制圧するぞ‥今までかなり邪魔されてきたからな‥私はすでにお怒りモードだよ」

 

 

そう言って彼の愛銃であるBeretta92F(サムライエッジ)の銃口を由紀に向ける。春井やレバンも同じようにグロッグ18やMP5で狙いをつける。

 

 

由紀「‥‥」

 

 

このタイミングで逃げ出そうとしていた彼女だが足が震えて思うように動けない。それを知ってか知らずか一同はゆっくりとトリガーに指をかける。

 

 

ウェスカー「安心しろ‥お前の仲間もすぐに逝かせてやる‥‥」

 

 

ウェスカーがそう言い放ち、トリガーを引こうとしたその直後‥‥

 

 

バババババババ!!!

 

 

突然入口隣の窓から閃光が走ったと思えば何十発の弾丸がウェスカー目掛けて飛んでくる。

 

 

ウェスカー「しま‥(ドドドドド」

 

 

ウェスカーも気付いて慌てて退避しようとしたが一番射撃位置に近いところにいたためモロに喰らいその場に倒れ込んでしまう。

 

 

レバン「ウェスカ‥」ダダダダダ

 

 

レバンが気付いて駆け寄ろうとしたが彼もまた射撃の餌食になり何十発の弾を喰らってその場に銃を暴発させながら倒れる。もちろんほかの隊員も銃撃を喰らい次々とやられていく。

 

 

春井「あぁもう!」

 

 

次々やられていく仲間を見て流石に不味いと思ったのか弾丸の嵐の中慌てて春井は離脱していく。

 

 

由紀「ふぇ‥?」   

 

 

一体何が起こったのか理解できていなかった由紀だが銃声が響いた方向に視線を向けるとそこには先程射撃した方向に銃口を向けたM60汎用機関銃が自動射撃できるように仕掛けをされた状態で置かれていた。

 

 

胡桃「由紀!!大丈夫か!!」

 

 

すると背後から声がしたためそちらに視線を向けると銃声で起きていたのか胡桃達が急いで駆け寄ってくる。

 

 

由紀「私は大丈夫だけど‥!!椎子さんが‥!!」

 

 

そう言われて視線を移すと、由紀の膝元に血を流して倒れている椎子の姿が‥‥

 

 

理琉「クソったれ!!アイツらどこまでオレらを‥!!小春!!すぐに手当てだァ!!」

 

 

小春「わかった!!」

 

 

理琉の指示に頷いて小春が巡ヶ丘に来る際に持ってきていた緊急医療キットを持って椎子の元へ駆け寄り治療を開始する。

 

 

小春「‥待ってて!すぐに助けるから‥!!」

 

 

胡桃「アタシも手伝うぜ!」

 

 

圭「私も!!」

 

 

雪「日野!鶴乃ちゃん!美紀ちゃん!私達は奴らがいないか周辺警戒するわよ!!」

 

 

日野「了解!!」

 

 

鶴乃「うん‥!!」

 

 

美紀「わかりました‥!」

 

 

椎子をなんとか救おうとするため各自行動を起こし、動き始める。

 

 

椎子「‥‥ぐ‥は‥‥」

 

 

小春「あんまり喋らないように‥‥傷口が広くなるので‥‥」

 

 

椎子「由‥‥紀‥‥く‥ん‥‥」

 

 

由紀「ふぇ‥?」

 

 

痛む傷で顔をしかめつつ、由紀に手をのばす椎子。それに気づいた彼女は手を取る。

 

 

由紀「‥大丈夫‥‥絶対‥‥助けるから‥‥」

 

 

椎子「い‥‥や‥‥それ‥よ‥り‥‥こ‥れ‥を‥」

 

 

そう言って由紀の手に渡したのは自身のスマホ、何故スマホを渡されたのか疑問に思う彼女に最後の力を振り絞りあることを伝える。

 

 

椎子「そ‥の‥‥スマ‥‥ホ‥‥に‥‥い‥きの‥‥こ‥‥る‥‥す‥べ‥‥が‥‥巡‥‥ヶ‥‥丘‥‥災‥‥害‥貯‥水‥‥‥‥」

 

 

由紀「椎子さん‥‥?椎子さん!!!」

 

 

必死に呼びかけているがどんどん意識が遠のいていく。小春達の賢明な治療も虚しく由紀の目に写ったのは‥‥目を閉じて微動たりとも動かなくなった椎子の姿であった‥‥。

 

 

由紀「う‥そ‥‥」

 

 

あまりにも衝撃的なことのため由紀の表情が止まり頬から涙が溢れる。

 

 

胡桃「‥‥おいおい‥‥嘘だろ‥‥」

 

 

圭「小春さん!!椎子さんは‥!?」

 

 

小春「‥‥(首を振る)」

 

 

圭の必死な思いの質問に一瞬まよったが腕に手を当てて首を横に振る。

 

 

小春「‥‥午後8時05分‥‥‥ご愁傷‥‥さまです

‥‥‥」

 

 

由紀「‥‥‥嘘‥‥いやぁ‥‥ぁぁ‥‥」

 

 

小春の言葉を聞いた途端、由紀の目から涙が溢れるほどたくさん出てくる。それを抑えようとしても全く抑えられない。

 

 

理琉「‥‥クソッタレが!!」バァン!!

 

 

市民を守れなかった悔しさか‥理琉はその怒りを思いっ切り壁に殴りつけてぶつける。 

 

 

理琉「何が‥‥何が特殊作戦群隊長だァ‥!!市民一人も守れねぇのに‥‥!!」

 

 

小春「‥‥理琉‥‥」    

 

 

鶴乃「嘘‥だよね‥嫌だよ‥‥こんなの‥‥って‥」

 

 

雪「‥‥発信機があることに‥‥気づいていれば‥‥あるいは‥‥」

 

 

日野「‥‥現実‥‥ってのは‥残酷‥‥だな‥‥」

 

 

胡桃「‥‥‥なんで‥‥なんで‥ぅぅ‥‥」

 

 

圭「そん‥な‥‥嫌だ‥‥こんなの‥‥いやぁ‥‥‥椎子さん‥‥が‥‥いなく‥なったら‥‥私達‥‥」

 

 

美紀「圭‥‥‥」

 

 

太郎丸「わふぅ‥‥」

 

 

他のメンバーも状況が飲み込めずにいるようだ。まあ無理もない。突然訪れた仲間の死に誰も理解できるわけがないし、受け入れることも不可能。

 

 

小春「とりあえず‥‥どうする‥‥?」

 

 

理琉「火葬するしかない‥よなァ‥‥」

 

 

胡桃「そう‥‥だな‥‥」

 

 

遺体を放置する手もあるがそれだと彼ら化する可用性があるため近くにあった薪を集めて椎子の遺体周辺においてガソリンを薪にかけたあと火をつける。

 

 

由紀「‥‥ありがとう‥守ってくれて‥‥そして‥‥おやすみなさい‥‥」

 

 

燃えている椎子の遺体を見つつしゃがんで手を合わせる由紀、他の学園生活部のメンバーもそれぞれ手を合わせて合掌する。

 

 

日野「それじゃ‥そろそろいこう‥アイツの声が複数してる‥‥」

 

 

雪「了解‥‥」

 

 

合掌を終えたタイミングで彼らの声が少し離れたところからしてくる。どうやら先程の戦闘で釣られてきたようだ。そのため囲まれる前に一同は素早く支度をして車に乗り込んでその場をあとにするのであった。

 

 

 

残されたのは‥未だに燃え続ける椎子の遺体と音につられてやってきた彼らの集団であったのだ。もちろん、ゾンビは倒されたアンブレラの兵士達の遺体を見つけるや否や取り囲んで無造作に貪る。‥だが‥その中にウェスカーの遺体だけはなぜかなかった‥‥

 

 

 

 

 

春井「あんだけ撃たれてよく生き返れたわね‥‥」

 

 

あのあと確かに撃たれて死んだウェスカーだがウィルスの影響で蘇生し理琉達が立ち去ったのを確認してからその場をあとに、公民館から離れてたところに止めてあるハンヴィーの元へ戻るとそこには春井の姿が‥‥

  

 

ウェスカー「そうゆう君も‥‥わかっていたんじゃないのか?帰らずにここで待っててくれたということは‥」

 

 

春井「そりゃ‥あんたは簡単には死なないことは理解してたからね‥」

 

 

それから一言二言話してから二人は本題の話に入る。

 

 

春井「にしても‥‥まさかあんなやられ方をされるとはねぇ‥‥。レバンを含めた四人のアンブレラ隊員は死亡、今頃ゾンビ共の餌になってるでしょうね‥」

 

 

ウェスカー「それに対してこちらは一人やっただけか‥‥惨敗までとはいかないが‥‥さすがに見過ごせないな‥‥。お前にGPSのこともバレた」

 

 

春井「んで‥これからどうするのさ‥?」

 

 

春井の質問に対して腕を組んで少し考えていたウェスカーだがすぐに指示を出す。

 

 

ウェスカー「内容に変更はなしだ、今度こそ彼らの息の根を完全に止める‥‥。部隊を総動員して捜索させろ。そして完封までに叩き込め」

 

 

春井「了解〜‥」

 

 

ウェスカーの指示を受けて無線機を取り出し、本部との交信を行う春井。そんな彼女を見つつ夜空へとウェスカーは視線を向ける。

 

 

ーさぁ‥‥今度こそ終わりにしようではないか‥‥そして‥私が世界の神になるのだ‥ー

 

 

 

 

―――――――――――――――――

翌日

 

 

 

由紀「ん‥‥」

 

 

キャンピングカーの窓からカーテンの隙間差し込む光で目を覚ます由紀、むくりと起き上がるり周囲を見るとまだ他のメンバーは寝ているようだった。しかし‥いつも椎子が寝ていたスペースは開いた状態で机の上にはよく彼女が使っていたノートパソコンや書類、ペンなどが綺麗に置かれており、どこか心の穴がぽっかり開いたような感じに包まれていた。

 

 

由紀「椎子さん‥‥」

  

 

ポツリとそんなことを口にしつつ、ポケットから取り出したのは椎子から預かったスマートフォン。それを大事そうに撫でてから再びポケットにしまい込む。

 

 

由紀「‥‥私達‥どうなっちゃうんだろ‥‥」 

 

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

日差しが照る中、3台は荒廃した市内をゆっくりと走行していた。しかし明るい外とは裏腹に車内は暗い雰囲気に包まれていたのだ‥。

 

 

胡桃「‥‥はぁ‥‥」

 

 

外の景色を見ながら思わずため息をついてしまう胡桃、それが気になったのか鶴乃が後部座席から声をかける。

 

 

鶴乃「胡桃ちゃん‥大丈夫?」

 

 

胡桃「‥‥大丈夫‥なのかな‥‥なんて現せばいいのか‥‥」

 

 

雪「私も似たような感じだわ‥‥」

 

 

胡桃の意見に賛同するかのように雪も会話に加わってくる。それもそうだろう‥、初めて仲間を失ったのだから‥。自分達でもどんな風なのかわからず仕舞いでいた。

 

 

 

 

小春「‥‥衛生兵なのに‥‥助けられないなんて‥‥」

 

 

理琉「‥あンまし自分を責めるな‥‥小春はァよくやってくれたさ‥‥」

 

 

小春「‥‥」

 

 

衛生兵でありながら救えなかったことを引きずっているのかポツリとそんなことを口に出す小春。それを理琉がフォローする。

 

 

小春「‥‥でも‥‥一番辛いのは由紀ちゃんだよね‥‥」

 

 

理琉「だろうなァ‥‥目の前で仲間を失ったんだから‥なァ‥‥」 

 

 

そう言って理琉がバックミラーに視線を移すとベットに寝そべってボヘーッとしている由紀の姿が‥

 

 

小春「しばらくそっとしておこう‥」

 

 

理琉「もちろんだ‥‥」

 

 

 

 

由紀「‥‥」ポチポチ

 

 

そんなボヘーとしているように見えてた由紀は、なにやら椎子から預かったスマホを真剣につついていた。

 

 

 

ーそ‥の‥‥スマ‥‥ホ‥‥に‥‥い‥きの‥‥こ‥‥る‥‥す‥べ‥‥が‥‥巡‥‥ヶ‥‥丘‥‥災‥‥害‥貯‥水‥‥‥‥ー

 

 

 

由紀「これにヒントがあるって言ってたけど‥‥巡ヶ丘‥災害用貯水‥?これがワクチンと一体なんの関係が‥」

 

 

椎子の言っていたことが引っかかっていたのか由紀はいつもにないような真剣な表情でスマホやこっそりパソコンを取って調べていた。

 

 

 

 

日野「‥‥と‥どうやらアソコが目的地のようだな‥」

 

 

あれから数時間ほど走っていると目的地である地下駐車場が日野の視界に入ってくる。  

 

 

美紀「‥‥でも‥入れそうにありませんね‥‥この感じ」

 

 

しかし美紀は地下駐車場の入口の状況を見て眉を細める。入口には大量の放置車両や事故車両がバリケードのように塞がっており、そこ奥にはちらほらだがかなりの数のゾンビが彷徨いていた。

 

 

圭「これじゃ入れそうにないね‥‥」

 

 

美紀「‥あっでも‥‥あっちなら‥」

 

 

そう言って美紀が指さした先には巡ヶ丘ホテルが佇んでいたのだった。

 

 

日野「おっナイスだぜなかなか状態も良さそうだし車を隠せる屋根付き駐車場もある。ここなら良さそうだ」

 

 

そういって日野は各車に巡ヶ丘ホテルに変更することを無線で伝える。3台はゆっくりと動き出して地下駐車場を後に、それからホテルの敷地内へ入る。

 

 

雪「へぇ〜、ここまで状態いい建物あるもんなんだね」

 

 

外観が少し汚れていることや一階の窓ガラスにヒビが入っている以外はかなり状態がいいことに見上げつつ雪が驚きの声をあげる。

 

 

胡桃「どうもこの建物は完成直前でパンデミックに巻き込まれたみたいだな‥」

 

 

入口に貼られているオープンの日にちが書かれたチラシを見つつ胡桃が補足の説明を行う。チラシにはパンデミックが発生した日の一週間後に開店と表記されていた。

 

 

小春「ただ高校に比べると非常用発電施設とか太陽光パネルがないのが痛いけど‥、今はそんな贅沢言えないよね‥‥」

 

 

理琉「だなァ‥‥とりあえず中に入ろうぜ。外だとゾンビ共がやってくるからなァ」

 

 

鶴乃「賛成〜‥‥」

 

 

車の中から武器や食料を持ち出してホテル内部へと入っていく一同。建物内にはゾンビの姿はなく比較的きれいな状態を保っているようだ。とりあえず安全な二階に上がってひとまずそこを拠点にすることに。

 

 

日野「‥やっぱり長距離運転は疲れるな‥‥」

 

 

雪「そうねぇ‥‥それにやっぱ追われているのも効いてるかも‥‥」

 

 

理琉「常に周囲警戒だからなァ‥‥」

 

 

とりあえず安全なところに来たとはいえど、例の件があるためひとまず交代制で夜を明かすことに。少し広めの宴会場になる予定だった大部屋で寝ることにした。

 

 

 

その日の夜‥‥二階廊下の窓にて‥‥

 

 

胡桃「‥‥‥」

 

 

シャベルとM4カービンを壁に立てかけて二階廊下の窓から外の様子を監視している胡桃。だがやはり表情が重そうだ。

 

 

ー確かに‥原作に比べたら生存者は多いし‥‥なにより銃が使える‥‥。けど‥相手はランダルだけじゃなくてアンブレラの奴らまで‥‥おまけに‥あの化け物‥‥ー

 

 

 

胡桃「‥‥こうゆうとき‥‥風さんならどうしたんだろうな‥‥」

 

 

元アンブレラの本拠地の一つとされていたラクーンシティに住んでいて、アンブレラのことについて調べていた風ならどうしたのだろうか‥そんなことを口に溢す。

 

 

胡桃「本当に‥‥あたしらは‥‥たどり着けるの‥‥かな‥‥」

 

 

終わりの見えないパンデミック、さらにはアンブレラという厄介な敵がついたことで希望はどんどん薄れて、絶望が強くなることに嫌気がさしてきていた。

 

 

胡桃「‥‥‥」

 

 

ふと視線を向けると、そこには寝静まっている一同の姿が‥‥すると一角だけ明るいところが目に止まる。

 

 

胡桃「やれやれ‥‥相変わらずだな‥(汗)」

 

 

その正体は由紀、どうやら椎子のスマホでなにやら作業していたようだが寝落ちしてしまったようだ。

 

 

胡桃「‥‥本当‥コイツは成長したよな‥‥」 

 

 

パンデミック直後と比べると見る影もないほど成長している由紀の姿に笑みを浮かべる胡桃。それから電源を落とそうとしてスマホを手に取ると表情が固まる。 

 

 

胡桃「‥‥な‥?コイツは‥!?」

 

 

椎子のスマホに保存されていたデータ、そして由紀がボーモンとまとめた資料を見て彼女は驚愕する。そこに書かれていたのは‥‥

 

 

ー1968年の巡ヶ丘‥‥当時でいう男士市の人口が半減した事件。ー

 

 

ー抗体ー

 

 

ー朽那川ー

 

 

ー那酒沼ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー"簡易"災害用浄水施設ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

胡桃「そうか‥そうゆうことだったんだ‥‥!!道理で異常がない訳だ‥!」

 

 

この5つの文字を見て謎に包まれていたパズルのピースがようやく埋まる。こうしてはいられないと言うことで胡桃は慌てて一同を起こすことに。

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

 

小春「ん〜‥どうしたのさ‥‥胡桃ちゃん‥‥」目を擦り

 

 

鶴乃「丁度気持ちよく寝てたのにぃ‥‥」

 

 

圭「うに〜‥‥」

 

 

由紀「眠い‥‥」

 

 

眠たそうに目を擦りつつポケ〜っといている四人、そんな彼女達の不満を理琉がたしなめつつ胡桃に確かめる。

 

 

理琉「まァ落ち着けッて‥、んで胡桃ィ?わざわざ起こしたってことは何かあるんだろォ?」

 

 

胡桃「あったり前だぜ‥!っとその前に‥‥由紀!お手柄だ!」

 

 

由紀「ふぇ!?」

 

 

まさかの胡桃からの発言で眠たそうにしていた由紀の眠気が一気に吹っ飛ぶ。

 

 

美紀「くっ胡桃先輩‥!?いきなりどうしたんですか!

?」

 

 

日野「まさか眠気でおかしくなったか?」

 

 

雪「あんまし無理はダメだよ?」

 

 

胡桃「‥酷い言われようだな‥‥(汗)まあ聞けって♪」

 

 

混乱している一同をまとめたあと、先程の表情が嘘かのように真剣な表情に変わる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

胡桃「未完成のワクチンができるかもしれない‥!」

 

 

 

一同「「‥‥!!?」」

 

 

先程まで眠たそうにしていた子も胡桃から発せられた衝撃的な発言に一気に眠気が吹っ飛ぶ。

 

 

雪「どうゆうこと‥!?ワクチンができるって‥」

 

 

胡桃「そのままの意味だよ‥♪このワクチンが完成‥いやパンデミックを終わらせる方法を見つけたのさ」

 

 

圭「パンデミックを終わらせる方法‥‥」

 

 

彼女の言葉を効いて一同の雰囲気がどんどん明るくなっていく。理琉が詳しく説明するように促す。   

 

 

理琉「詳しく教えてくれねェか?」

 

 

胡桃「あぁ♪任せな♪」

 

 

彼の言葉に頷いて、スマホの画面を見せつつ補足説明を行う胡桃。

 

 

胡桃「まず、このパンデミックの原因はウィルスっていうのはわかるよな?」

 

 

美紀「はい、そのウィルスをランダルがばらまいたせいで巡ヶ丘だけではなく、世界各国に広がったんですよね」

 

 

小春「んで確かそのウィルスの感染ルートは主に2つ、噛まれたことによる血液感染、それと空気感染の2つがあるらしいね」

 

 

 

胡桃「そうだ、この資料にも同じようなことが書かれている。それを踏まえてみんなにあることを聞きたい」

 

 

 

由紀「ある‥こと‥?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

胡桃「‥‥‥それじゃなんで私達は誰一人"感染"しなかったんだ?」

 

 

雪「あっ‥‥」

 

 

胡桃が発したある疑問、それを聞いて一同も同じような感じになる。このウィルスは空気感染でも発症するはずだ、その影響で世界各国に感染は広がったのだがなぜか学園生活部や穏健派、そして風や鶴乃・理琉や小春を含めたメンバーは誰一人感染していない。

 

 

理琉「確かに‥!そう言われて見ればァそうだ!なんでオレらは感染しなかったんだ‥!?」

 

 

日野「確かに‥‥例え巡ヶ丘に住んでる市民が抗体を持っているならここまで感染は広がらない‥なのにここの市民のほとんどが感染、彼ら化してる‥。でも俺は特に問題ない。」

 

 

圭「偶然抗体を持ってたとかは‥‥」

 

 

理琉「いやそれはありえねェ、例え巡ヶ丘組が抗体を持っていたとしても‥俺や小春、そして鶴乃は市外の人間だ。それならとっくのとうに感染していてもおかしくない。なのに今も問題ないんだ」

 

 

鶴乃「一体なんで‥‥」   

 

 

 

胡桃「‥‥その答えは簡単さ‥、私達は高校にいたとき必然的に感染しないものを口にしていたから‥。言っとくが食料は違うぜ?必ずといっていいほど口にするもの‥‥」

 

 

由紀「‥‥!!水!水だよ!!」

 

 

美紀「そうか‥!!由紀先輩の言うとおり高校にいたときも私達はかなりの割合で水を口にしてた‥!それに確か高校から持ってきた水を風さんや穏健派、そして鶴乃さんにも‥!」

 

 

圭「確か私達が飲んでいた水は災害用貯水タンクのやつだったよね‥!つまりその水にウィルスを浄化する成分が‥!!」

 

 

胡桃「正確にはその貯水槽の元の那酒沼ってところにあるようその成分があるらしいな」

 

 

雪「‥‥ストップ!!ちょっといい?」

 

 

しかしあることに引っかかっていたのか雪が待ったをかけて胡桃に質問する。

 

 

 

雪「那酒沼にその成分があってそこから災害用貯水槽に水が流れていて‥それを飲んでたから感染を防げたってことはわかるんだけど‥‥確か那酒沼って朽那川の水源ですよね‥?その理論でいくともっと大勢の人が助かったんじゃ‥‥」

 

 

理琉「大丈夫だ、それも問題ないぜェ」 

 

 

彼女の疑問に対して胡桃にかわり理琉が椎子の遺品から持ってきたパソコンの画面を見せつつ説明する。

 

 

理琉「確かに雪ィの言うとおり、その考えは間違っていない。那酒沼の水は朽那川に流れている、それはつまり朽那川にはその成分が含まれてるってことさ。」

 

 

雪「それなら尚更‥‥」

 

 

理琉「それにこのパンデミックは過去一度ここで起こっているんだ」

 

 

鶴乃「起こっている‥?それはつまり‥‥」

 

 

理琉「この巡ヶ丘の前身、男土市で1968年に発生した原因不明の人口半減事件。これは知ってるな?」

 

 

日野「その話は聞いたことがある、当時爆発事故かって記事に書かれていたらしいな。‥というかその事件はもしかして‥」

 

 

理琉「そうだァ、コイツはランダルコーポレーションが引き起こした最初のウィルス漏洩事故。すなわちパンデミックだ」

 

 

美紀「この街ですでに起こってたなんて‥‥、でもなんでその時は市外に感染は広がらなかったんでしょうか‥?」

 

 

由紀「確かに‥‥今と比べて医療とかは発達してないはずなのに‥‥」  

 

 

あと少しのところまで来たのはいいものの、なかなか頭に思い浮かばない一同。それを見た胡桃は助け舟を出す。

 

 

胡桃「あんまし考えすぎると答えは出ないぞ?ヒントは水道設備、そしてあの災害用貯水槽は"簡易"だ‥!」

 

 

鶴乃「‥‥!そうか!」

 

 

胡桃のヒントで謎に包まれた壁が崩れたのか鶴乃が勢いよく顔をあげる。

 

 

鶴乃「つまり答えはこれだ‥!!いまの水道設備は昔に比べて性能が上がってる!!だから余計な分は取り除かれるはずなんだけど‥‥高校にあったって言ってた災害用貯水槽は簡易型!本来浄化されるはずだった成分がそのまま、残ってるんだよ♪」

 

 

圭「さっすが鶴乃ちゃん!」

 

 

日野「だがこれで突破口は開けた!サンキュ胡桃!お前が気づいてくれたお陰だ!」

 

 

胡桃「お礼なら由紀に言ってくれ‥♪コイツが資料をまとめてくれてそれをボーモンが整理してくれたから気づけたことさ」

 

 

ボーモン「ミンナ ノタメニ ヤクニタチタイ」

 

 

由紀「えへへ〜♪」

 

 

理琉「流石由紀だなァ♪」ナデナデ

 

 

由紀「ん〜♪」

 

 

理琉に撫でられて嬉しそうな表情になる由紀、そんな二人を微笑ましく見つつ一同は話を纏めることに

 

 

日野「‥目的地は絞られたな。高校か‥直接那酒沼に向かうか‥‥」

 

 

美紀「いえ、ここからなら高校が近いです。」

 

 

小春「なら決まりね。行き先は高校にしましょう!」

 

 

胡桃「だか問題はアンブレラの奴らだ、まだこの辺にはいないが町中をウロウロしてるはずだぜ、ソイツらをどう対処するか‥」

 

 

鶴乃「固まっていると逆に危険だよね‥?発信機がついてたとはいえ昨日の件もあるし‥」 

 

 

圭「‥ということは‥逆に分散したほうがいいのかな?」

 

 

理琉「どうだろうなァ‥‥そうなると互いの援護が‥‥」

 

 

日野「‥‥いや‥ここはイチばちか分散で賭けよう‥‥迷ってるうちそれそこチャンスがなくなる‥‥」

 

 

胡桃「だな‥‥他に方法はないし‥‥アタシは賛成だぜ」

 

 

美紀「そうですね‥‥、日野さんの言うとおり迷っていればいるほど不利になります‥」

 

 

理琉「わかった‥ンじゃそれでいこう。今日は遅いし詳しい話とかは明日やろうぜ」

 

 

由紀「だねぇ‥‥なんか眠たくなってきたよぉ‥‥」ウトウト

 

 

胡桃「ふぁぁ‥‥おやすみなさい‥‥」

 

 

こうして明日の準備に向けて一同は再び眠りにつくことに。布団に潜ると同時にあっという間に寝息を立てて深い眠りにつく。‥‥一人だけ例外を除いて‥‥

 

 

雪「‥‥‥」

 

 

なにやら不安そうな表情を浮かべつつ毛布にくるまる雪、それから少しして隣に寝ている日野の方に顔を向ける。

 

 

雪「‥‥こうやって‥‥寝てられるのも‥明日でしばらくお預けになるの‥かな‥」

 

 

そう思うと恋しくなってきたのか、モゾモゾと動いて日野の布団に潜り込む。

 

 

雪「‥‥」ス-ス-

 

 

彼の隣に来たことで落ち着いたのかそのまま寝息を立てて彼女眠りにつくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

太平洋‥日本近海

 

上陸用舟艇群

その中の一隻にて

 

 

レオン「‥‥あぁ‥そう‥そうだ‥わかった‥頼む」ピッ

 

 

クレア「どこに電話してたの?」

 

 

どうやらどこかと連絡していたようでレオン電話を切るとクレアがやってくる。

 

 

レオン「合衆国政府にだ‥。やはりエイダの言うとおりアンブレラは巡ヶ丘に兵力を集めつつあるようだな‥」

 

 

クレア「結局‥パンデミックが起こっても‥最終的に戦うのは人間どうしなのね‥‥」

 

 

どんなにパンデミックが広がっても結局最後に戦うのは人間という事実にやれやれという表情になるクレア。そんな彼女を見つつスマホをしまう。

 

 

クレア「でもアンブレラを倒したところでワクチンがないし‥それこそ感染を終わらせらられない以上‥どうなるかはわからないけど‥」

 

 

レオン「それでも‥だ‥。俺たちはアンブレラにトドメを刺さなくてはいけない‥。彼らと戦っている生存者のために‥な‥?」

 

 

そんな彼の表情は月の光に照らされているせいかどことなく覚悟を決めた顔をしていたのだった‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして‥‥この物語が終わりに近づいていると言うことに一同は気づかずにいたのだ‥





ーさぁ‥‥今度こそ終わりにしようではないか‥‥そして‥私が新世界の神になるのだ‥ー
ー久しぶり‥ね?雪ー
ーハルちゃん‥‥なんで‥ー
ーやるしかねぇ‥‥決めたんだァ‥‥ぜってェ由紀やみんなは俺が守るってなァ‥‥!ー
ー死ねない‥‥いや絶対死んでたまるものか‥雪と約束したんだ‥‥生きて帰るって‥ー
ーお前らの企みなんて認めない‥!アタシとシャベルが直々に教育しなおしてやるよ!ー
ー圭と居ればどこにだって行ける‥これからも‥この先も‥ー
ー私は絶対美紀をおいていかないよ‥♪だって‥大切な友達だもん♪ー
ー私だってやってやる‥!だてに戦場出身じゃないもの!ー
ー椎子さんの思いは私が‥‥引き継ぐ‥!ー
ー生物兵器だろうがなんだろうが‥!私‥いや!私達はとめられないよ!ー
ーワン!!ー


次回
最終章 明日へ

学園生活部は最後の戦いの火蓋を落とします!
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