‥なぜ彼女がアンブレラに入ったのか‥‥
雪「その‥やらなきゃいけないこと‥ってなに‥?」
春井「‥‥アイツ‥ウェスカーの計画を成功させること‥よ‥‥」
雪「どうして‥‥!?」
なぜ春井がアンブレラの計画に関わっているのか理解ができずにいた。それもそうだろう‥‥訓練生時代一番親しかった彼女のことはよく知ってる。真面目で‥冷静‥なにより正義感が強い子だったのだから‥。なのに今は諸悪の根源とされているアンブレラにいるのか‥それがわからなかった。
春井「‥‥この腐った世界を作り直す‥‥ためにね‥‥」
雪「‥作り直す‥‥?」
春井「たぶんこのことを雪に話すのは初めてかも‥ね‥。」
そう告げるとすこし間を開けて彼女の口からとんでもない言葉が発せられる。
春井「‥‥実はパンデミックが起こる一年前‥‥私は家族を失ったのよ‥‥」
雪「え‥‥?」
春井「‥‥いえ‥正確には殺された‥って言ったほうがいいかしら‥‥」
その言葉を聞いた瞬間、雪の頭の中は真っ白に包まれてしまう。最初は信じられなかったが彼女の拳が震えているところを見るとどうやら本当のことらしい‥‥。
雪「殺された‥って‥‥‥」
春井「そう‥‥正確には同じ警察官に殺されたようなもんだけど‥‥」
雪「ちょ‥!?それってどうゆうこと‥!?」
話が進むごとに状況整理が追いつかなくなる。警察官に殺されたようなもん?それはつまり何らかの形で仲間から裏切られたってことになる。
春井「‥‥その感じだと整理がついてないわね‥‥。大丈夫‥私も最初はそうだったから‥とりあえず‥おって説明するわ‥‥」
ー今から一年前‥‥春井宅にてー
春井「ただいま〜‥‥」ガチャ
このとき千景は19歳で雪と同じ巡ヶ丘警察学校に通っていた。今日は久しぶりに実家帰省できる時間ができたため家に帰ってきていた。
輝津「だから‥!なぜその理由で捜査中止しなければならないのですか‥!!私は納得がいきません!!」
何やらリビングの方から揉め声が聞こえてくる。どうやら誰かと電話しているようだ。
春井「‥‥(チラッ)」
気づかれないようにソロリとリビングに視線を向けるとそこには彼女の父げ巡ヶ丘警察で捜査一課に所属している綾文輝津(警部補)がソファーに座ってなにやら誰かと電話中のようだ。
春井「父さん‥どうしたんだろ‥?」ボソッ
霧野「あら‥?帰ってたのね?」ボソッ
春井「あっ、母さん‥ただいま‥」ボソッ
そんな輝津の様子を見ていると彼女の母で、彼と同じ警察官である綾文霧野(巡査部長)が春井の肩に手を置きつつやってくる。
春井「‥‥あれはどうしたの‥‥?」ボソッ
霧野「なにやら‥上の人と揉めててねぇ‥‥」ボソッ
春井「ふぅん‥‥」ボソッ
霧野から経緯を聞いて特に気にせずにふむふむと頷く春井。というのもこうゆうことは珍しくなく正義感が強い彼女の父はよくああやって上層部とよく揉めているのだ。
輝津「全く‥(ピッ)‥っと‥春井帰ってたか‥!おかえり、すまんな‥帰省そうそう見苦しいところ見せちゃってな‥‥」
春井「大丈夫‥♪いつものことだし、父さんらしいなって‥、それよりまた上の人と揉めたの?」
輝津「まあな‥‥ちょっとゴタゴタがあってそれで揉めてたんだ‥‥。」
霧野「ゴタゴタねぇ‥‥、それよりご飯できてるわよ」
輝津「おっ‥もうそんな時間か‥‥すこしヒートアップしすぎたな‥‥。せっかくだし春井も一緒に食べるか‥!久しぶりにいろいろ聞けそうだし」
春井「うん‥♪」
なんの内容か内心気になっていた春井だったが夕飯を食べつついろいろ話しているとそんなこともいつの間にか忘れてしまうのであった。
春井「んでね‥♪雪ちゃんって子が凄いんだよ〜。男性教官を一発で制圧しちゃうんだから‥♪」
霧野「あらあら‥♪凄いじゃない‥♪私の若い頃より運動神経良さそうねぇ」
輝津「こりゃ女の子だからって気を抜いたら痛い目見るだろうな〜」
ご飯を食べた跡もリビングで楽しそうに雑談している三人。久しぶりの会話というのもありいつも以上に賑わいを見せており普段はクールな千景も笑みを浮かべていた。
霧野「っともうこんな時間ね〜?明日は早いしそろそろ寝ましょうか〜」
春井「ん?明日どこか行くの?」
輝津「あぁ、久しぶりにみんな揃ったからな〜。どこか出かけようと思ってるんだ」
春井「本当‥!?やった♪」
輝津と霧野の提案を聞いて満面の笑みを浮かべている春井。そんな娘をみて二人も微笑ましい雰囲気に包まれる。
霧野「それじゃお風呂湧いてるから入ってきなさい〜?」
春井「うん♪」
よほど楽しみなのか脱衣場に行くときも鼻歌を歌いながら軽い足取りで着替えをもって脱衣場に向かうのであった。
輝津「ったく‥♪アイツは本当わかりやすいな‥‥(汗)」
霧野「いいことじゃない‥♪元気っていう証拠なんだから♪」
輝津「まあ‥そうだな‥♪」
そして春井がお風呂に入ったのを確認したのを確認してから二人の表情は先程とはうって変わって真剣になる。
霧野「‥それよりさっきの電話って‥‥」
輝津「あぁ‥‥いまうちの捜査一課ではとある殺人事件の捜査をしているんだが‥‥それにランダルが関わっているとわかった途端署長から捜査の打ち切りを言われてな‥」
霧野「‥それはたぶんそのランダルと警察が絡んでる案件だからからもね‥」
輝津「ったく‥お前は相変わらず察しがいいぜ‥‥(汗)俺もそう思ったがそんな理由で打ち切りなどできないってさっき抗議の電話入れてたんだ‥‥。まっ結果的に折り合わず‥だがな‥‥」
霧野「それで‥‥これからどうするのよ?」
輝津「‥‥独自で捜査は続けるさ‥‥上が当てにならないならメディアで公表するんだ‥。そうすりゃ上も動かざる負えない」
霧野「‥‥でも大丈夫なの‥?相手はランダルコーポレーションなんでしょ‥‥?」
輝津「大丈夫だ‥そのランダルは現在内部抗争でそれどころじゃない。外部に介入する余力はないさ」
霧野「それなら‥いいけど‥‥」
何やら引っかかっていたのか疑問に思う霧野のだったが輝津が大丈夫というのでひとまず信用することに。実際そのランダルコーポレーションは内部抗争のまっ最中なのは彼女も知っていたため大丈夫だろうと内心は思っていた。
‥‥だがそれこそが落とし穴だというのは二人は知る由もないだろう‥‥想定外のところから裏切られるとは‥‥。
春井「‥‥zzz」
久しぶりの帰省で疲れたのか、ぐっすりと布団に包まっている春井。その様子を扉を少し開けて二人は見ていた。
霧野「ぐっすり寝てるわね‥♪」
輝津「そうだな‥久しぶりのわが家で落ち着いたんだろう‥♪」
ぐっすり寝ているのを確認してから、自分達もそろそろ寝るため扉を締めて部屋をあとにする。
輝津「んじゃ俺たちもそろそろ寝るかな‥」ファア
霧野「えぇ♪おやすみなさい♪」
霧野と一言二言話して別れた輝津は眠たそうにしつつ寝室へと向かっていた。
輝津「さてと‥‥さっさと寝‥‥(ゴソ)ん‥‥?」
自室の扉に手をかけた瞬間、誰もいないはずの室内から物音が少しする。一瞬不思議に思ったが何かものが落ちたのだろうと思い扉を開けて中に入る。
輝津「っと‥これが落ちてたのか‥‥」
床に転がっていたゴルフボールを広い定位置に戻す。どうやら音の主はこれだったようだ。
輝津「今度から落ちないように‥‥ムグ!?」
突然背後かは何者かに口を塞がれる。必死で抵抗しているがいい感じで拘束されてまったために動くことができない。
輝津「なにm‥‥(グザッ!!)‥‥」ドサッ!
それでもなんとか相手の顔を見ようとした彼だったが心臓を一突きされたことで力なく手がぶら下がり床に無造作に倒れてしまう。
ウェスカー「‥‥悪く思うなよ‥‥こうするしかなかったんだ‥‥」
輝津を刺した黒ずくめの男(ウェスカー)はそう口にこぼしたあと無線機を取り出してもうひとりのほうへ報告する。
ウェスカー「こっちは片付いた、そっちはどうだ?」
雪菜「問題ない、こっちも始末したよ」
霧野の寝室、そこで答えつつあるところに視線を向けるもう一人の女性(雪菜)。そこには血を流して床に倒れ込んでいる霧野の姿が‥‥
ウェスカー「それじゃとっとと立ち去ろう‥」
雪菜「えぇ、確かこの二人には娘さんがいたわね。その子が帰ってくる前に行こう」
本当なら春井は家にいるのだが、それを知らないのか二人は速やかにその場を立ち去るのであった。
春井sidebar
明日が楽しみだ‥久しぶりに父さんと母さんの三人でお出かけができる。楽しみにし過ぎてねれないんじゃないかと思ってたけど、布団に入ってみると案外あっさりと深い眠りについた。
ピピピピピ!!!
「ん‥‥」
激しく鳴り響く目ざまし時計とカーテンの隙間から差し込んでくる日差しで目が覚めた。目を擦りながらゆっくりと起き上がり布団を出る。
「そういえば‥静かだね‥‥」
時計を見るとすでに七時を指していた。この時間ならすでに父さん達は起きて活動しているはず‥なのに珍しく今日は静かだ。
「全く‥‥珍しくお寝坊さんだね‥‥」フゥ
まあそんな日もあるかと思い、せっかくだし起こしにいこうか‥。そんなことを思いながらまずは母さんの部屋に向かうことにした私。‥‥まさかあんなことになるとはこのとき思いもしなかった‥‥。
「母さん〜?そろそろ朝だ‥よ?」
母さんの部屋に来て声をかけようとしたが、扉が少し開いていることに気づく。
「もう起きてるのかな‥‥?」
普段は寝るとき扉をしっかり締めている‥けど少し開いているということはもしかして起きてるのかも‥‥
「母さん〜起きてるの〜?そろそろ起きな‥母さん!?」
扉を開けて中に足を踏み入れた私の視界にありえない光景が目に飛び込んだ‥。そこには血を流してうつ伏せで倒れている母さんの姿が‥‥
「母さん!?どうしたのさ!ねぇ!」
頭が真っ白になりかけながらも私は急いで母さんの元へ駆け寄って揺さぶる。けど反応は全くない‥‥
「なんで‥‥寝る前は普通だったのに‥‥はっ!父さんは!!」
昨日は普通に過ごしていたはず、一体寝ている間になにがあったのか‥‥もしなにがあったとしたら父さんも巻き込まれてるんじゃ‥。そんな胸騒ぎがしたため急いで父さんの部屋にいく。
「父さん!!大丈b‥‥」
勢いよく扉を開けて駆け込んだ私だがそんな勢いも一瞬で崩れ去る。そこには母さんと同じように血を流して床に倒れている父さんが‥‥
「う‥そ‥‥」
僅か一夜にして家族を失ってしまう。そんなショックは今でも忘れられなかった。そのあとすぐに救急車を呼んだが‥殺されてからかなり時間が経ったためその場で死亡扱いとなった。それを聞いたときは足から勢いよく崩れ落ちて泣くこともできなかった‥‥。警察によれば何者かが二人の部屋に忍び込んで待ち伏せ、入ってきたところを抑えて殺害したというものだ。兇器はとがった刃物、犯人はすぐに捕まるだろうと思ってた‥‥‥
けど‥現実はそんなに甘くなかった‥‥あれから一週間たっても犯人が見つかったという報告は来なかったのだ‥。
春井「‥‥はぁ‥」
訓練が終わり休憩時間の最中‥なかなか事件に動きが見られないことにため息を零す春井。かなり計画的な犯行のため警察も足取りを掴めないようだ。
雪「どうしたのさ〜珍しくため息なんかついて」
隣の席で休憩していた雪が気になったのか顔を覗きつつ質問してくる。‥どうやらあの件はまだ話していないようだ。
春井「あっいや‥‥ちょっと今日の訓練はハードだったねって思って‥」
雪「あ〜‥確かにそうかも(汗)なんせ男性用のメニューだったからねぇ‥‥祐也なんか燃え尽きてたし‥(汗)」
春井「‥男なんだからもうちょいどうにかしなさいよ‥‥(汗)っと言っても私達がおかしいだけか‥」
普通に考えたら女性警官が男性警官と同じようなにメニューできる時点で常人ではないと改めて自覚する。
雪「でも、頑張らないと‥!立派な警察官になるために♪」
春井「えぇ‥♪そうね♪」
こうやって雪の活発で元気な笑顔にいつも春井は励まされていた。むしろ彼女が支えになっていると言っても過言ではない。
春井「あら?そろそろ訓練始まる時間ね」時計を見つつ
雪「ふぇ?あっ‥本当だ!んじゃ戻りましょうか‥!」
時計を確認すると丁度時間のため二人は戻っていくのであった‥‥。
春井「ふぅ‥‥疲れたわ‥‥」トコトコ
一日が終わり日が落ちた頃、お風呂から上がった春井は眠たそうに寝室へと向かっていたのであった。
春井「早く寝ないと‥‥「そこのあなた?」誰‥!?」
早く寝ようと足早に向かっていたが、突然背後から声をかけられて慌てて視線を向ける春井。するとそこには黒のショートでスレンダーな体型の女性‥‥
春井「あんたは一体誰‥‥?内部の人間じゃないわね‥‥警備員呼ぶわよ」
「あらあら‥物騒ねぇ‥。私は浅野雪菜っていうの、ランダルの職員と思って貰えればいいわ」
春井「‥なんでわざわざランダルの人が私に一体何のよう‥‥?」
少し身構えつつ、なぜここに現れたのか身構える春井。
しかしそんな余裕も次の一言で一瞬で崩れ去る。
雪菜「そうねぇ‥‥しいていうなら綾文春井さんのご両親殺害事件についていい情報を持ってきたのよォ」
春井「‥‥!!?」
雪菜「ふふ‥♪やっぱり雰囲気が変わったみたいねぇ。」
春井「‥‥詳しく教えてくれないかしら‥‥?」
雪菜「えぇ♪いいわよぉ♪っと言ってもこの資料見たほうがいいかしらねぇ」
そういって一枚の資料を彼女に渡す雪菜。それを受け取り春井は真剣に目を通す。
春井「‥‥なに‥‥これ‥‥」
読むに連れて表情がだんだんと曇っていく。そこには警察の裏を知ってしまった二人を嫌って上層部が殺し屋に偽装した警察官を送ったという資料。
雪菜「それがあなたの知りたかった事件の真相ってどこかしら」
付け足すように雪菜が説明を付け足す。もちろんこれはでっちあげの資料。実際はランダルコーポレーションを探ろうとしていた二人を消すためにランダルのスパイ雪菜とアンブレラから派遣されたウェスカーによって消されたのだ。
春井「‥‥ありえない‥‥こんなこと‥‥」ワナワナ
怒りが収まらないようで資料を持っているが震えている。そんな彼女に近寄って耳元で囁く。
雪菜「憎いでしょ〜?それで提案なんだけど‥‥」
「私達と世界を作り直さない?」
春井「世界を‥‥作り直す‥‥?」
雪菜「そう‥、今私達ランダルコーポレーションとアンブレラ社は人類再興計画っていうのを進めているの。理不尽なことがない‥‥完全な平等世界‥‥♪」
しかし普通に考えて見ればこのようなことを言ってる奴はだいたいろくな計画ではないのはわかる。しかしそれをわかっている雪菜はこちらに引き込むためにあえて彼女の両親を殺して誘導させているのだ。
春井「‥‥その話‥詳しく教えてくれないかしら‥‥」
案の定、雪菜の策略通り春井はその話に乗ってくる。それを見て計画通りと言わんばかりに彼女は笑みを浮かべる。
雪菜「‥‥いいわよ‥」ニヤリ
――――――――――――――――
そして‥時は戻り‥‥
雪「‥‥そんなことが‥‥」
春井の話を聞いて衝撃を隠せない雪、それとそうだろう。自分の知らないところでそんな出来事があったのだから‥‥。
春井「雪に相談しようとも考えたけど‥‥心配かけたくなかったから‥‥」
雪「‥‥それで‥‥その復讐と引き換えでアンブレラに入ったの?」
春井「‥‥(頷く)正確には‥パンデミックが発生してからだけど‥」
雪「‥‥‥」
なんて返していいのかわからずしばらく無言になってしまう雪、するとそれを見かねてか春井が口を開く。
春井「‥‥だからあなた達にお願いがあるの‥‥今すぐこれから手を引いてほしい‥‥」
雪「春井‥ちゃん‥‥」
春井「引いてくれるなら‥‥高校に向かわせた部隊やここにいる奴らも引かせる‥‥だか「それは無理」雪‥‥」
しかし春井の提案に首を降って否定する雪‥
雪「もう‥‥引くのは無理なの‥‥そこまで来ちゃったから‥‥‥‥。それにそうじゃなくても‥引かない‥」
春井「そっ‥‥か‥‥」
真剣な眼差しでこちらを見てくる雪を見て本当昔から変わってないなと気づかれない程度の笑みを浮かべる。
雪「それに‥新しく目標ができた‥‥ハルちゃんを必ず連れて帰る‥!!絶対‥‥!」
春井「雪ちゃんは‥本当に変わってないよね‥‥。いいよ‥受けてあげる‥簡単にはやられないわよ?」
雪「私も‥だよ!」
そうしてお互い持っていた拳銃を投げ捨てて拳を構えてしばらく睨み合う。
春井「そういえば‥訓練生時代はどっちが強いか決着つかなかったわよね‥‥せっかくだし‥ここで決めちゃう?」
雪「いい案ね‥!やりましょうか‥‥!」
そう言いあったあと二人は弾かれたように飛び出していくのであった‥‥。
両親を失うという悲しい過去を持った春井
しかしその殺害がアンブレラやランダルコーポレーションの策略だとは知る由もなかった。そしてうまいこと雪菜に言いくるめられた春井はアンブレラに所属することに‥‥。
そんな彼女を連れ戻そうと雪は決心、彼女との対決をすることになる。果たして‥‥無事連れ戻せるのか‥