がっこうぐらし!ー絶望、そして希望ー   作:三坂

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今回は日野の視点ではなく雪の視点でお送りします。
そしてある人物との出会いも‥


第五話かいしゅう・きゅうじょ

日野たちが遠征に向けて準備している最中‥同じく雪達は‥

 

ーーー

 

「じゃあ出発〜」 

 

「おぉ〜♪」

 

雪と瑠璃の元気な声が車内に響き車はお世話になった一軒家に別れを告げて発進する。

 

「道案内お願いね〜」 

 

「はあい〜」

 

雪の指示に元気な声を返しつつ助手席で地図帳を見つめる瑠璃。車は奴らや事故車両で通れない道を避けつつ住宅街を走り抜けていた。地図には、目的地が示された巡ヶ丘学院の位置が。 

 

「っと‥ここも通れないか‥」

 

「けっこう遠回りしてきたねぇ‥」

 

「前に比べて通れない道が増えてきたかな‥、るーちゃん他の道お願いできる?」

 

「う〜ん、ちょっとまってて〜(探す)」

 

既にパンデミック発生から6日が経とうとしていた‥。

日が立つにつれて、事故車両や奴らの数は増えてきていた。そのため迂回する回数もかなり増加している。

 

「こっちはどうかな?」

 

「ほいほい、了解〜」

 

瑠璃に道を聞きつつバックして進路を変更、再び発進する。事故を起こして放置されている車を横目に見つつ走っていると、ある車に目をつけて近くに止める。

 

瑠璃「どうしたの〜?ゆーねぇ?」

 

いきなり車を止めたことに首を傾げつつ見上げる瑠璃

そんな瑠璃にちょっとまっててといい、車を降りて目をつけた車のところに行く。

 

「これは‥もしかたら当たりかも‥」

 

雪の視線の先には電柱にぶつかっている迷彩柄のトラックの姿が‥。旧73式大型トラック、陸上自衛隊で採用されているトラックだ。周囲を見ると横に突っ込まれた跡が‥、交差点が後ろにあることから移動中に交差点で他の車とぶつかり、その反動で電柱に衝突。乗っていた二人に噛まれた跡がないことから即死だったのだろう。

普通なら自衛隊車両が事故を起こすことはあり得ないのだがこの状況だ、こうなるのも無理はないのであろう。

乗っていた二人に静かに黙祷を捧げ、周囲を警戒しつつ後ろの荷台に上がる。

 

「ビンゴ‥(ニヤリ)」

 

この系統の自衛隊車両はだいたい人員輸送や物資輸送をしていることが多い、そして運転席にあった紙には物資関連のことが書かれていたためもしかしたらと思い荷台に上がり、予想通りと言わんばかりに笑みが溢れる。

 

「しかもいいのがたくさんあるじゃない」

 

彼女の視線の先にはパンデミックに対応している部隊への補給だろう医療物資、食料や飲料水、それに混ざり

銃火器等も揃っていた。

衝突の影響で多少崩れていたが許容範囲内だ。

 

「とりあえず、一旦戻ろうかな」

 

そう言って一旦車に戻り、車を73式の荷台後ろに横付けする。

 

「運ぶの手伝う〜?」

 

瑠璃が手伝おうかと聞いてくるが、小学生が持てる重さではないので大丈夫と言いつつ、医療物資や食料、飲料水を先には積み込みんで、それが完了次第銃火器を回収する。

 

「89式小銃‥、おっSFP9拳銃もあるそれに配備されて間もない20式小銃もあるのか〜、

こりゃ思った以上にいいのがあるねぇ」

 

解説書類があったのでそれで確認しつつ銃火器と弾薬を運び込む。かなりの量があったもののほぼ積み込むことに成功する。トランクを閉めて忘れ物がないか確認してから車に戻る。

 

「おかえりなさい〜、どうだった〜?」

 

「うん〜?けっこういいのがあったよ〜、しばらくは安泰かな〜」

 

そうして空になったトラックを後にして発進しようとすると突如瑠璃が声をあげる。

 

「ゆーねぇ!あれ!」

 

「ふぇ?」

 

瑠璃が指差した方向を見て顔が固まる。その視線の先には大量の奴らに追われて逃げている少女の姿が、制服からして恐らく巡ヶ丘学院の生徒だろう。

 

「どうする!?」

 

「もちろん!助ける!」

 

そう言ってアクセル全開で発進、多少空回りしながらも車は動き出し逃げている少女のもとへ向かう。

 

ーー

 

「ハァ‥ハァ‥」

 

その奴らに追われている少女は後ろを振り返りながら必死で逃げ回っていた。さっきから奴らが集まってきて数が増えてきており、きりがない状態に。

 

「何とか‥振り切らない‥キャッ!?(ズコ)」

 

さっきからずっと走っていており疲労困憊になっていたため、ちょっとした段差で躓き、足を挫く。

 

「いたた‥、早く‥早く逃げないと‥」

 

挫いた足を引きずりつつ逃げようとする、だが足を挫いたのをお構いなしに奴らは追いかけてくる。

 

「いや‥死にたくない‥いや‥助けて‥美紀‥」

 

死にたくないという思いを、ある友人の名を口にした直後‥。

 

パパパパ!!

 

突如どこからかの銃声音が響き、後ろから追いかけてきていた奴らが次々と頭に何かをくらい倒れていく。

 

「え‥?」

 

いきなりの出来事のため少し呆然としていたが銃声に負けない声が響く。 

 

「そこのお姉ちゃん!早くこっち!」

 

声がした方向に振り向くとそこには一台の警察車両が止まっており、後部座席のドアを開けて手招きする少女の姿が、そして運転席の窓からは警察官であろう制服を来た女性が奴らに向けて銃を射撃していた。

 

「早く!時間がないよ!」

 

助かる希望が見えたのか、一心不乱で車めがけて挫いた足を引きずりつつ向かう。だが先程よりも動きは早くなっていた。

 

「っ‥」

 

「ほら!(手を貸して)」

 

瑠璃に手を差し伸べられて何とか車に乗り込む少女、直後に後部スライドドアが締まり始める。しかしもうそこまで奴らが近づいてくる。

 

「乗った!?」

 

「うん!」

 

瑠璃の返答を聞きつつ、銃を助手席に急いで起きつつハンドルを握り、フルスロットルの発進をかます。

またしてもタイヤが空回りし、何とかぎりぎりのタイミングで離脱に成功。後ろには残された奴らの集団が悔し巻きまれのうめき声を上げていたのだ‥。 

 

それから数分後‥

 

あのあと、振り切ることに成功し、誰もいない駐車場に停車。車内では雪が助けた少女を手当していた。

 

「ちょっと痛いかもしれないけど我慢しててね?」

 

「はっはい‥」

 

少し慣れない手付きながら、挫いた足を手当をしている。そして後部スペースの物資の入った荷物を漁っていた瑠璃が医療物資が入った箱を出してくる。

 

「これでいいかな〜?」

 

「うん、ありがと」

 

そして瑠璃から箱を受け取り中身を開けていろいろ出し

挫いた足に薬を塗って包帯を少し巻いて固定する。

 

「よし、これでいいかな。あとは安静にしてれば大丈夫」

 

「あっあの、助けていただいてありがとうございます‥!」

 

治療がおわると少女は安静しつつも二人にお礼を述べる。

 

「いいのよ、人として当たり前のことをしたまでだからさ。私は湯月雪。元巡ヶ丘警察の訓練生

よろしくね♪」

 

「若狭瑠璃って言うの!るーちゃんって呼んで♪」

 

「えっと‥、巡ヶ丘学院高校二年生祠堂圭といいます。」

 

それぞれが自己紹介を終えると少し間が開いて圭が口を開く。

 

「‥実は、私には直樹美紀っていう親友がいるんです‥。その子と喧嘩別れみたいな感じで出てきちゃって‥あんなことに‥。だから美紀も助けてほしいんです‥!リバーシティ・トロンというデパートの5階事務室に今も一人でいると思います‥!」

 

圭の目には別れてしまった親友を心配しているのだというのが見て取れていた。話を最後まで聞いて雪が口を開く。

 

「なるほどね‥、それを聞いたら助けないとね‥!」

 

「ありがとうございます‥!本当に‥!」 

 

雪の返答に涙目になりつつ、何度も頭を下げる圭 

 

「でも無計画に行くのは流石にリスクがあるからとりあえず移動しながら知ってることだけでいいから話してくれない?」

 

「わかりました!」

 

こうして少し飲み物を飲んで休憩、リバーシティトロンに向けて出発する一行であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちなみに今回雪が見つけた旧73式大型トラックは
前線基地に補給するために駐屯地からやってきたという設定です。パンデミック最中なのでこうゆう出来事になりそうと言うのを想像して書きました。
ちなみに銃火器解説はおいおいやっていきます(
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