『本日のターフスタジアム第一の挑戦者は、背番号303!ここまで1匹のみ、しかも全て一撃でジムトレーナーを一掃したコルス選手!対するはジムリーダー、ヤロー!両者使用可能なポケモンは2体までのシングルバトルです!』
ビートに勝利し、ターフスタジアムまでの道にいたトレーナーを薙ぎ倒し、ウールー運びのジムミッションもジムトレーナーを一蹴しながらクリアし手辿り着いた扉の先にあるスタジアムで待っていたのは温厚そうな顔に似合わず首から下がやけにガタイがいい麦わら帽子の青年。通称ファイティングファーマー・ヤロー。
これまでの旅してきた地方とこのガラルで相手から貰ったり拾った物を売ったりして貯めた貯金を一気に使って買った鋼タイプ仕様のユニフォームに身を包み、スタジアムに入ると実況の名乗り上げと共に歓声が上がる。
「僕のポケモンジムは一番初めのジムなので次々チャレンジャーが来るのです。ですからジムミッションも割と厳しめにしとるのですが・・・・・・それをあっさりクリアした上うちのジムトレーナーも全て一撃とは驚きました。君とは手強い勝負になる!僕もダイマックスを使わねば」
▽ジムリーダーの ヤローが 勝負を しかけてきた!
「行くんじゃい、ヒメンカ!」
「切り開け、ヒトツキ!」
草単タイプのヒメンカ、それを知ってるが故にこう指示を出す。
「ボディパージ、空から一気に畳かけろ!」
スタジアム上空に飛び上がったヒトツキの速度が一気に上昇し、刀身部分に黄緑の光を宿すと下のヒメンカに襲いかかる。
「くっ、グラスミキサーで迎え撃つんじゃ!」
ヒメンカから放たれるは木の葉の渦、そのグラスミキサーを切り裂くも無数の木の葉で少し速度が落ちる。全て切り裂くと既にその場にヒメンカはいない。
「もう一度グラスミキサーじゃ!」
「まさか速度が上がったヒトツキをそう躱されるとは思いませんでしたよ。つばめがえし!」
再び放たれる木の葉の渦。しかし今度は渦が完全に放たれる前に一直線に突っ込み、ヒメンカを一閃。ヒメンカは耐えきれずダウンした。しかしヒメンカの特性によりヒトツキの攻撃力が1段階減少する。
「ウオオ!僕達は粘る!農業は粘り腰なんじゃ!さぁダイマックスだ!根こそぎ刈りとってやる!」
手首のダイマックスから送り込まれるエネルギーで巨大化したボールを収穫した野菜のように軽く叩いて後ろに投擲、そこから現れるのはダイマックスしたワタシラガ。ダイマックスはこのガラル独自の文化で、ポケモンが一時的に巨大化する現象を指す。
ダイマックスによって空模様が渦巻くマゼンタ色の暗雲で覆われるのもこの地方では見慣れた光景である。
「さぁ驚けよ、たまげろよ!これがダイマックスの技じゃあ!ダイソウゲン!」
ワタシラガから放たれた巨大な種のような物体が地面に撃ち込まれると、そこから巨大なキノコや草を生やしてヒトツキに襲いかかる。
「ボディパージ!そしてその草をれんぞくぎりで切り刻め!」
ボディパージでさらに速度を上げたヒトツキ。これで素早さ上昇量は4段階。そこから襲いかかる巨大な植物を標的にれんぞくぎりを放ち植物が切り倒される度にヒトツキの攻撃力が上昇していき、とうとう最大まで上昇した。
素早さとサイズの差とダイソウゲンという隠れ蓑になるものがあることでワタシラガが翻弄される。
「ボディパージ!切り裂け!ヒトツキ!!」
3度目のボディパージで素早さも最大まで上昇する。れんぞくぎりで飛び回りながらボディパージしたおかげで狙いをつけられずらい上れんぞくぎりの攻撃力上昇も継続される。
しかしいくら早いと言っても一直線に飛んでくるならジムリーダーとそのポケモンなら問題無く反応できる。
「そこだ!最大火力でダイソウゲン!!」
一直線に進むヒトツキに真正面からダイソウゲンによって放たれる5つの種が襲いかかる。
1つ目の種を横に一閃し切り飛ばし、2つ目、3つ目を直角に曲がることで回避し4つ目を縦に回転しながらぶつかることで切り裂くと残りは1つ。しかし最後の1つを切るには距離が近すぎる。そしてヒトツキにダイソウゲンが直撃したように見えたところでダイマックス技の余波で土煙が起こる。
ヤローは少なくともヒトツキを落とせたことに安心し少し油断した。それによって言い逃れできない隙が生まれる。
「貫け、ヒトツキ」
土煙が起こってから無言で立っていたコルスが小さくそう呟いた。煙が妙な、まるで何かに吸い込まれるような動きをしていることにヤローが気づくもそれはもう遅い。
煙の中からドリルのように回転するヒトツキが飛び出した。上がりきった素早さに後手の指示は意味を成さない。そのまま何にも阻まれること無く回転するヒトツキはワタシラガに激突した。
れんぞくぎりはむしタイプ。タイプ不一致の技とはいえ攻撃力が最大まで上がった状態で弱点タイプの技が直撃して耐えられるわけも無く。ワタシラガは大爆発を起こすと元の大きさまで縮んでボールに戻っていく。
戻ってきたヒトツキを撫でていると、参った、といった顔をしたヤローが近づいてきた。
「草の力みんなしおれた・・・・・・まさかダイマックスを使わない上に1匹だけで勝利するとは。なんというジムチャレンジャーじゃ!」
「タイプ名の響きから遅いと思われがちな鋼タイプでも工夫次第でむしタイプのような機敏が動きができるんですよ。僕はジムチャレンジを通して鋼の強さを見せていくつもりです」
「はは。ほんとに鋼タイプが大好きなんだな。これは完敗じゃ・・・・・・今度はお互い本気で戦いたいもんじゃ」
「そうですね。もし次があるなら私もぜひ戦いたいです」
「・・・・・・うん、君たちはいいチームだ。それじゃぁあジムチャレンジにおいてジムリーダーに勝った証、草バッジをお渡しするんだわ」
その言葉と共にヤローから草バッジを受け取り、どちらともなく手を出して握手する。
「ジムバッジを8個集めるのがジムチャレンジを突破する条件。1つのタイプに拘るなら苦労することもあるだろうけど他のジムリーダーにも挑み、見事勝利を手にするんじゃ!」
「はい。僕は鋼タイプの相棒たちと共にジムチャレンジを突破してチャンピオンのリザードンにも勝利することで鋼タイプの素晴らしさを広げます!」
「頑張ってくれよ。不利タイプと言われるタイプであのリザードンに挑もうとするのは個人的にも応援しとるからな!」
最後に目標を宣言するとヤローさんから激励を貰い、僕たちの初めてのジムチャレンジはヒトツキの大活躍による勝利で幕を閉じることが出来た。
次はバウタウン。水タイプのジムだ。水タイプは鋼タイプだと攻撃する側に回った時に相性が悪い。今度は今回みたいにヒトツキだけで突破するのは少し難しいかもしれないな。
ヤローの手持ち
ヒメンカ Lv24
特性:さいせいりょく
わざ:グラスミキサー
こうごうせい
りんしょう
ひかりのかべ
もちもの:なし
ワタシラガ Lv25
特性:さいせいりょく
わざ:グラスミキサー
エナジーボール
にほんばれ
ソーラービーム
もちもの:なし
ジムリーダーやライバル等のネームドキャラの手持ちポケモンのレベルはゲームの時より最低でも5上がっています。
そしてこの世界ではゲームでレベルアップ以外で覚えさせる技もレベルアップや修行で習得するので普通に使って来ます。バトルの自由度と伝説級の伝説性も上がっているのでゲームよりハードモードですね。