まずやって来たのは第二鉱山。バウタウンとエンジンシティを繋ぐように存在するガラル鉱山に次ぐ規模の鉱山だ。前のガラル鉱山とは違って第二鉱山の中は水源に恵まれ、水タイプポケモンが多く、トレーナー同士の戦いも盛んなところだ。
一応天然のトラップとして機能しているガラルマッギョははがねタイプを持ってるけど今回はパス
そのマッギョを躱しつつ時々相手から襲ってくる野生のポケモンを迎撃しつつ進んでいくと、開けたところで二人のエール団と一人戦っている少女を見つけた。
見た感じ僕どころかこの間会ったユウリよりもさらに小柄なゴスロリドレスを身に纏う年下っぽい儚げな雰囲気の女の子。
そんな子がペンドラーに指示をしてレパルダスとガラルマッスグマの2匹と戦っているけどなかなかに攻めあぐねている。そして周りを見回した彼女とちょうど目が合った。
「助けて」
年下に助けを求められたら答えないわけにはいかないよね。というわけで飛び入り参加。さっきまで2対1だったんだからまさか卑怯とは言うまいな?
「ルカリオ、ペンドラーから引き剥がせ!グロウパンチ!」
ボールから出したルカリオに走りながら指示を出すと一気にマッスグマとの距離を詰め、真正面からグロウパンチを叩き込んだ。あくタイプが混ざってることで格闘4倍弱点になったマッスグマが一撃で倒れルカリオの攻撃力が1段階上昇する。
「ペンドラー、シザークロス」
そして相手が1匹になったことで余裕が生まれたペンドラーのシザークロスによってフォクスライも倒れた。
「くっ、まさか増援が現れるとは。レパルダス!」
「ヤンチャム!」
2匹目はなんとかくとうタイプのヤンチャムを繰り出してきた。エール団は勝手にあくタイプ染めだと思ってたけど進化前ならあくタイプ以外も使うんだな。
「ペンドラー、ヤンチャムにとっしん」
そう思っていると彼女がペンドラーに指示を出しペンドラーとヤンチャム、ルカリオとレパルダスの実質1対1の状態になった。
「ルカリオ、バレットパンチからのはどうだん!」
「ペンドラー、とどめのメガホーン」
そして相手のわざを避けて波動を溜め、バレットパンチを利用して近づいてほぼゼロ距離からはどうだんを放つ。
それと同時に彼女のペンドラーは1度距離をとるとメガホーンを放ちヤンチャムに激突、等倍とはいえ進化ポケモンが放つタイプ一致のむしわざ最高クラスの威力を持つ一撃をタスキ無しで耐えられるはずもなくそのまま倒れていった。
そしてバトルマネーを置いてどこかに走っていったエール団を他所に先に進もうとすると服の裾が引っ張られ引っ張られた方を向くと小さな女の子がこっちを身長差ゆえの上目遣いでジっと見つめていた。
いくら顔がいいって言っても無言で見つめられるのはちょっときついものがある。
「えっと、どうかした?」
「銀の髪に緑の目のはがねつかい。あなたがコルス?」
なぜか僕の名前はこんなに小さい子も知ってるらしい。いやまぁはがねタイプを布教する上で僕自身の知名度が高いのは全然ありがたいんだけどね?
「私はどくタイプつかいのミエラ。もしそうなら、私とバトルして欲しい」
どくタイプ統一使いか。僕がはがねタイプ統一ってことを知ってて挑んできてるわけだし何かしらの策があると思った方が良さそうだ。
「うん、いいよ。ルールはどうする?」
「2対2のシングルバトルでどう?」
「わかった。それじゃあ行くよ。ヒトツキ!」
「ん、よろしくね?いって、ペンドラー」
僕が出したのはヒトツキ、それに対して彼女が出したのはさっきのペンドラー。
「まずはいつもの、ボディパージ!」
いつも通りの指示で身軽になったヒトツキの速度が上がる。
「ペンドラー、メガホーン」
それに対してさっき見たメガホーンを使って攻撃してくるもペンドラー自体が大きいのとヒトツキが小さい上に速度を上げていることによって余裕で回避出来る。
「かげうち!」
今度は影の刃がペンドラーを襲う。
「てっぺき」
しかし当たる前にてっぺきを発動し目に見えるダメージにはならない。なら速度を上げて斬り続ける。
「ボディパージ!つばめがえし!そして後に下がってまたボディパージ!」
3つの指示を一気に出すも1つのミスも無く指示した通りの動きをこなすヒトツキ。最後のボディパージで素早さは最大になった。そしててっぺきを1度積んでもさすがに効果抜群のわざは目に見えて通る。
「一撃当てるごとに下がりながら繰り返しつばめがえし!」
「てっぺき」
2度目のてっぺきを積むも何度も繰り返される攻撃に移れないほどの速さのつばめがえしで着々と体力を削っていく。とうとうペンドラーの体が揺らいだ。残る体力はあと少し。
そこでチラリとミエラの方を見ると口元に弧を描くように笑みが浮かんでいるのが見えた。なんだかこのままだと不味そうな気がする。
「ヒトツキ!もっと!もっと早く!!斬り続けて!」
「・・・・・・もう遅い。そして計画通り」
焦燥感に駆られてそう指示をしたところでミエラがそう口を開いた。
「ペンドラー、バトンタッチ」
ッ!加速バトン、防御が4段階、素早さはわからないけどわざを使う事に特性の加速が発動すると仮定して素早さは3段階上昇。
完全に忘れてた。てっぺきを使って来た時点で警戒すべきだったな。
そしてペンドラーの後に出てきたポケモンはエンニュート。炎と毒の複合タイプ。どくタイプながらはがねタイプにもタイプ一致わざで打点がある数少ないポケモン。しかも特性によっては相手がはがねタイプだろうと関係無しに『どく』『もうどく』の状態異常にしてくる厄介なポケモン。
バトンタッチの効果を十全に発揮される前に少しでもダメージを与える。
「ヒトツキ、つばめがえし!」
「エンニュート、向かってくるヒトツキにおにび」
おにびで攻撃力半減、そんなヒトツキの等倍わざをくらってもてっぺき2積みの補正が乗っているエンニュートは全く応えていない。
「ほのおのムチで打ち落として」
そしてやけどになっているという事実からか少し素早さも足りてない気がする。そう思っていたところでほのおのムチを叩きつけられてヒトツキが戦闘不能になった。
「ふぅー・・・・・・。頼んだ、メタング!」
ここからの勝負は能力上昇無しの4倍弱点と素早さが上がることで手数が、防御が上がることで撃てる回数が上がった2倍弱点の撃ち合いでどっちが最後に立ってるかで決まる。
しかも相手にはほぼ瀕死とはいえペンドラーも残ってる。まさかタイプ相性だけなら圧倒的に有利などくタイプにここまで追い込まれるとは。うん、やっぱりガラルって魔境だな。
「メタング、じしん!」
エンニュートの足元だけが集中して大きく揺れ、体勢を崩すと共にダメージが入る。しかしじしんはバレットパンチやグロウパンチのように連発できないから少し耐える必要がある。
「エンニュート、ほのおのムチ」
「避けて、メタング!」
伸びるほのおのムチをできる限り無駄の無い動きで避けていく。メタグロスに進化する前とはいえその知能はかなり高いからこそ回避の軌道をメタングに任せることも出来る。
そして今、追いかけるほのおのムチと逃げるメタングの状態はメタング自体の素早さで出せる速度の限界。長く続けばそれを繰り返すことで負担が溜まりジリ貧になる。
「その速度を乗せてしねんのずつき!」
だからその勢いを利用する。速さは力、旅行中に会ったかそくテッカニンを使う人も言ってた。
そしてエスパータイプのわざはどくタイプを持つエンニュートに効果抜群。じしんからのしねんのずつきでようやくその体が揺れた。思ったよりてっぺきの恩恵は大きいみたいだ。
ここでまたじしんが使えるようになった。今鉱山内の上空でムチと鬼ごっこしてるメタングを呼び、一直線に地面に突っ込んで再びじしんを起こす。そうしたところで今度は大きくエンニュートの体が傾いた。
ここまで来ればあと1発のじしんとしねんのずつきで倒せそうだ。
何度かほのおのムチに当たったりかすったりしていることでメタングの体力も残り少ない。
鬼ごっこが更に白熱しほのおのムチの軌道が複雑になるとメタングも負けじとこれまで以上に細かな動きでそれを回避していく。
じしんは使えるようになったもののじしん1発で倒しきれるか怪しい今の状況。でもメタングもそろそろ危ない。ならやることはもう1つしかないでしょ。
「これで決める。メタング、残りの力を振り絞って全力のじしん!!」
さっきまでのじしんを超える揺れが発生するがメタングはもう浮いてるのがギリギリと言うようにじしんの影響が無いギリギリの高さに浮いている。
「立って、エンニュート。ほのおのムチ」
しかしエンニュートもエンニュートでこれまでの中で最大威力のじしんにも関わらず、ミエラの声を聞いて立ち上がった。そしてこれが最後だと言わんばかりにほのおのムチを放とうとする。
そして放たれたほのおのムチはメタングに直撃、地面に落ちた。
「メタング!」
落ちたメタングに向けて叫ぶ。するとゆっくりと、少しずつ浮き上がり咆哮を上げた。するとじしんが終わりかけていた地面が突然隆起し、地面と衝撃がエンニュートを巻き込んだ。規模は小さいもののまるでダイアースみたいな絵面。
その衝撃で生まれた土煙はメタングの姿も覆い隠し少しして煙が晴れた。そこに居たのは立っているエンニュートと地面に落ちたままのメタング。しかし落ちているメタングどころか立っているエンニュートすら動かない。
ミエラとお互いに無言で見ていると立っていたエンニュートが正面から地面へ受身を取ることもなく倒れ込んだ。
そして相打ちかと思うとそこからゆっくりメタングが浮き上がった。エンニュートとメタングの戦いはほんの僅差でメタングの勝利に終わった。
そしてその後出てきたほぼ瀕死のペンドラーはバレットパンチを使ったメタングによって気絶しペンドラーが倒れたその直後に完全に気絶したメタングを見て何とか僕の勝ちでバトルは終わった。
「まさかペンドラーバトンしたエンニュートで負けるなんて・・・・・・」
「いやいや、どくタイプであそこまで追い詰めてくる時点で相当どくタイプのことを理解してるからね?」
負けたミエラがそう言ってるけど、はがねタイプに対してのどくタイプって本当ははがねタイプが有利なのにこれだけ追い詰めてきたんだからそこまで落ち込まなくてもいいと思うんだ。
ヒトツキとメタングにげんきのかけらとキズぐすりを使って体力を回復させてから労いの気持ちを込めてヒトツキの刀身部分とメタングの胴を撫でている。
ヒトツキはもう少し経験を積んだら進化できそうな気がするしそれまでワイルドエリアで野生のポケモンとバトルしよう。
「バトルありがとう。これ、リーグカード。これから私はエンジンシジムに行くから、またね?」
リーグカードを渡してきてそう言うと出口の方向に歩いていった。それにしても"またね"か。これでまた一つ負けられない理由が出来た。
第二鉱山の出口に着いたけど先ずすることは、空を飛ぶタクシーでワイルドエリアに向かう。
ワイルドエリア前半にいる手持ちで弱点を突けるタイプ主ポケモン相手なら戦えるくらいになるのを当面の目標にしていよう。
どくタイプつかいとの戦い。実際この子だけじゃなくて戦い方次第でタイプ相性も無視して痛手を負わせてくるような強者はちょこちょこいる。実際のポケモン世界はアニポケ並に自由な戦い方ができる世界なので。
・ミエラ
年齢:16歳(見た目は12、3歳)
年齢に対してかなり小柄で灰色の髪に黒い眼をしたゴスロリっぽい服を着た少女。口数も少なく物静かな性格のどくタイプつかい。カロス地方の割といいところの家出身。(ぶっちゃけると見た目は遊戯王の屋敷わらしが近い)
名前の由来は毒植物のラバナムの学名とその花言葉、そしてとある詩から。
ペンドラー ♀ Lv34
特性:かそく
わざ:メガホーン
とっしん
てっぺき
バトンタッチ
もちもの:きあいのタスキ
エンニュート ♀ Lv33
特性:ふしょく
わざ:ほのおのムチ
おにび
どくどくのキバ
かえんほうしゃ
もちもの:もくたん
メタング Lv34
特性:クリアボディ
わざ:バレットパンチ
しねんのずつき
じしん
れいとうパンチ
もちもの:しんかのきせき
ちなみに今のヒトツキはLv30くらい。もしもペンドラーが剣の舞使えてたら交代してきたエンニュートに余裕で2タテ決められて負けてた。
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