ポケットモンスター 鋼ノ栄光   作:怪猫蜜佳

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ラテラルジム編~完~


7,第2の壁、VSサイトウ(後編)

 ぶつかり合ったつじぎりとじゃれつく。それはクチートにとっては効果今ひとつでネギガナイトにとっては効果抜群なタイプの攻撃。

 ゴロンダのバレットパンチとかみなりパンチの合わせ技程の威力があるように見えず、等倍の攻撃じゃない上クチートの攻撃力は4段階も上昇しているため、一方的に勝つかと思えば、ネギガナイトのわざは出す時に遠心力が加わっていたこともあってか2匹がお互いに弾き飛ばされた。

 

 そしてどちらも体勢を崩すことなく着地し睨み合う。

 

「振り回して叩き込め!ほのおのキバ!」

 

 そして先に動くのはクチート。大顎に炎を纏うとそれを振り回しネギガナイトに近づいていく。

 

「迎え撃ちなさい!リベンジ!」

 

 そして振り下ろされる大顎をネギガナイトはそのネギで受け止め、思い切り盾でクチートを殴り飛ばした。

 

「追撃しなさい!つるぎのまい!」

 

 そしてネギガナイトは周りに剣を浮かべるると、なんとそれをクチートの方へ飛ばす。本来攻撃のための技ではないがわざを使用した時に使われるのはギルガルドのように鋭い剣。だからか1部の上級者になると攻撃にも転用できる。

 

「ほのおのキバで叩き落とせ!」

 

 それに対してクチートは炎を纏った大顎を振り回すことで応戦する。しかしいくつか落とすことは出来ても残ったものもあり、それによってクチートにダメージが蓄積していく。

 

「これでとどめです!つるぎのまいからばかぢから!」

 

 今度は本来の使い方でつるぎのまいを発動し、ネギガナイトの攻撃力が2段階上昇する。そしてそこから放たれるのはインファイトと並んでかくとうタイプの中でノーマルわざ最強のはかいこうせんとギガインパクトのような反動が無いのわざとしては最高クラスの一撃。

 

「迎え撃て!じゃれつく!」

 

 対してこちらは命の珠による威力上昇、、タイプ一致技補正で威力上昇、メガシンカ時の特性による攻撃力上昇につるぎのまい2積みで攻撃力上昇と今の状態で使える最高火力であるじゃれつくを放つ。

 

 そしてネギを横に薙いで放たれたばかぢからと2つの大顎から放たれるじゃれつくが激突する。その直後、激突地点から爆発が発生しそれによって起こった土煙がネギガナイトとクチートの姿を覆い隠す。

 

「クチート!」

 

「ネギガナイト!」

 

 2人揃ってポケモンに呼びかけるも反応は無く、土煙が晴れると仰向けに倒れ込んでいるネギガナイトとうつ伏せに倒れているクチートがいた。

 

「おつかれ、クチート。ゆっくり休んでて」

 

「ここまでとは・・・・・・ふんばりどころです!私も一緒に頑張ります!いきなさい、カイリキー!」

 

 最後に繰り出してきたポケモンはカイリキー。こっちの残りは無傷のポケモンが1匹と少し休養を取ったもののかみなりパンチが直撃していたルカリオ。

 数の上では有利とはいえ相手は弱点タイプという中々に厳しい状況。

 

 けどクチートが2匹も倒してくれたからこその今の状況。たかが弱点タイプってだけで負けを考える訳には行かないしそもそも憧れてるチャンピオンなら普通の弱点どころか4倍弱点すら無視して選出したポケモンで無双するくらいは余裕でやる。

 

「任せた、ルカリオ!」

 

 相手の切り札であるカイリキーに投げるのはルカリオ。肉体の方はゴロンダのかみなりパンチが直撃した分のダメージはほぼ残ってないし精神的にも大体1.5バトル分の休憩でかなり落ち着いている。

 

「もう全部壊しましょう!尊敬を込めて、キョダイマックス!」

 

 ボールから出たカイリキーはその見た目を大きく変える。顔が小さくなり、目は光り輝き、下半身が引き締まり、腕は拳から肩にかけて線が走り、マグマのような光が灯っている。あとどことなく某光の国の戦士を思い出す。

 

「バレットパンチ!」

 

 4本ある腕のうちの1本、下側の右腕にバレットパンチを利用して急接近し拳を叩き込むが目に見えるダメージは無い。だがそれでいい。

 

「そこから顔まで駆け上がれ!」

 

 キョダイカイリキーの腕を足場にその顔を目掛けてルカリオが駆ける。

 

「なっ!?」

 

 フィールドから離れてカイリキーを足場にするという行動とそれを実現させるルカリオ。それに対して観客席が盛り上がる。

 

 基本的にダイマックスにはダイマックスで応戦するもの、そしてダイマックスポケモン同士のバトルは基本的に技の打ち合いというのが常識のガラル地方に暮らす人々にとっては目を見張る事だからそれも当然。

 

「腕で振り払いなさい!」

 

 残り3本の腕でルカリオを振り払おうと腕を薙ぐキョダイカイリキー。

 

「飛べ!そしてはどうだん!」

 

 1本目の腕を飛んで躱し、抜けていった腕にはどうだんをぶつける。

 

 それを見たキョダイカイリキーは、まるで人間が蚊のような小さい虫を潰すように2つの手を広げてルカリオが走る腕へと振り下ろする。そして腕が叩きつけられるその瞬間、コルスの頭に突然鋭い痛みが走り、頭を手で抑えると視界が歪む。

 

「ぐ、なんだこれ・・・・・・」

 

 しかしそれはキョダイカイリキーとルカリオのバトルに集中してる中で一瞬の事だったのでジムリーダーや審判にすら気づかれなかった。

 

 そして顔を上げたコルスの目には叩きつけを回避したルカリオをキョダイカイリキーが下の左手で掴んで投げ飛ばすのが見えた。

 

「避けろルカリオ!左だ!」

 

 それを見たコルスがルカリオに向けて叫ぶ。するとルカリオが力強く踏み込んで加速しキョダイカイリキーの腕を避けた。

 

「っ!?今のは一体・・・・・・」

 

 自分が指示を出す寸前にまるで分かっていたような指示を出されて避けられたことでサイトウも少し動揺する。しかしそれも直ぐに切りかえ、新たな指示を出そうとする。

 

「・・・・・・避けた?いや、確かに僕の目には掴まれるのが見えた、でもならなんでまだルカリオはキョダイカイリキーの上にいる・・・・・・?まさか数秒先の未来、ってやつか?まるで特殊能力持ちラノベ主人公みたいだな」

 

 そしてサイトウを動揺させるような指示をしたコルスもまた同じように動揺している。小声でブツブツと口に出しながら思考して一応自分の中で納得した。

 

 

「私のカラテとパートナーの技を重ねるッ!落としなさい、キョダイシンゲキ!」

 

 そうしたところでカラテの型のようなポーズをとるサイトウさん。

 

 腕に沿うような軌道で放たれるキョダイ技がルカリオに迫る。

 

「避けてカイリキーの顔にはどうだん!」

 

 それに対してルカリオは腕を強く踏み込んで跳躍し両手で構えたはどうだんをキョダイカイリキーの顔にぶつけた。

 

 それにはさすがにダメージ無しとはならず、その巨体を全体で見れば少しではあるものの何とか目に見える程度揺らした。

 

「キョダイシンゲキ!!」

 

 そして体を揺らしながらも放たれたキョダイワザが跳躍したことで空中にいるルカリオにぶつかり地面に叩きつけた。

 

「これで最後だ。頑張れ、メタング!」

 

 最後のポケモンはメタング。これでお互い残り1匹。

 

「ダイスチル!」

 

 3度目のダイマックス技はキョダイマックス技では無くはがねのダイマックス技であるダイスチル。それがメタングを捉え、キョダイマックスが終わったカイリキーの防御力を1段階上げる。

 

「がんせきふうじ!」

 

 それに対してまず放つのはがんせきふうじ。それによってカイリキーの素早さが1段階下がる。

 

「明鏡止水です。カイリキー、インファイト!」

 

「動き回りながらバレットパンチ!」

 

 高速で飛び回るメタングがバレットパンチを打ち込んでは下がり、打ち込んでは下がりを繰り返す。

 

 しかしカイリキーは目を閉じ、されるがままの状態でなお未だに膝を着くことも無く立っている。そしてメタングが正面に来た瞬間、

 

「そこです!カイリキー!」

 

 目を見開き、4本の剛腕から放たれるインファイトがメタングを襲う。躱す間も無いほどの短時間で無数の拳が突き刺さった。

 

「メタング!━━━ッしねんのずつき!」

 

 しかしメタングは倒れずカイリキーの前に浮かぶ。そして効果抜群であるエスパータイプのわざをインファイトで防御力が1段階下がったカイリキーの胸に叩き込んだ。

 

「カイリキー!!」

 

 吹き飛び、地面に激突したカイリキー。それを見て倒れたと思ったところで膝をつき、1本の腕でで体を支えながら再び立ち上がった。

 

「沈め!メタングしねんのずつき!」

 

 そして立ち上がった瞬間、またしねんのずつきが突き刺さり同じように倒れ込む。しかしまるで先の動きを繰り返すように立ち上がる。

 

「カイリキー!10まんばりき!!」

 

 2度目の復活を果たしたカイリキーは2本の腕でメタングを掴むと残る2本の腕をハンマーのように振り下ろす。その衝撃でメタングは地面に激突し、クレーターのような凹みを作り出した。

 

 衝撃を逃がすことも出来ない状態で放たれた効果抜群の高威力技、そして生まれたクレーター擬き、それを見て負けたと思ってメタングのボールを取りだし、クレーターの中央に向けたその時だった。

 

 クレーターの中央から青白い輝きが放たれ、クレーターとカイリキーの体を照らす。そしてその光が空中に浮かび上がると2つだった腕が4つに増え、顔部分にバツ印のようなパーツが生まれていく。

 

 そして光が弾けると、中にいたのはメタングでは無く、その進化系のメタグロスだった。

 

「なっ!?まさかこのタイミングで進化するとは。ですがこれで終わりです!その拳を叩き込みなさい、10まんばりき!!」

 

 4つの拳を打ち鳴らし、カイリキーが再び10まんばりきを放つ。

 

「迎え撃て、メタグロス!しねんのずつき!!」

 

 カイリキーの拳とメタグロスの突進がぶつかり合う。どちらも3段階進化ポケモンの最終進化系同士。

 そしてメタグロスのパワーはメタングの時のそれを遥かに上回る。さらに持たせていたじゃくてんほけんの効果で攻撃力は2段階上昇。攻撃力2段階上昇状態から放たれるタイプ一致の効果抜群わざ。

 

 それは同じ効果抜群わざであるカイリキーの10まんばりきを一瞬の抵抗も許さず食い破り、とうとうカイリキーを完全に戦闘不能に追い込んだ。

 

「参りました。まさかダイマックスを使わない相手に負けるとは。貴方が率いるポケモンから武芸の魂を感じました」

 

 気絶したカイリキーをボールに戻し、目を閉じるとサイトウさんがそう言った。

 

「ありがとうございました」

 

 そしてカラテ式の礼で感謝の言葉を伝えてきた後、

 

「ふぅ。手合わせしてわかりました。貴方達との立ち会いで私・・・・・・思わず心が踊っていたようです。騒がないのも勝負であれば楽しむのも勝負ですね」

 

 口元に笑みを浮かべながらそう言うサイトウさん。

 

「ありがとうございました。かくとうバッジをお受け取りください」

 

 握手するとそう言ってかくとうバッジを渡された。

 

「これからも様々な出会いと試合があるでしょう。それら全てが貴方達の心の糧となりますように」

 

 そう言って締めるサイトウさん。僕もポケモン達と一緒に成長して行けたらいいな。今回のメタング改めメタグロスみたいに逆境の中でも負けないようにしたい。

 

 そう思いながら受付でわざマシンとレプリカのユニフォームを受け取ってスタジアムの外に出た。

 

 

 

 

 




【裏特性】
 ポケモンが独自に発動できる技術。
【技能】
 ポケモンとトレーナーの力を合わせて発動する技術。指示の出し方やポケモンとの絆に依存する能力等。
【異能】
 トレーナー自身が持つ能力。
 任意で発動できるアクティブな異能と対象に常に発動しているパッシブな異能がある。
【特技】
 トレーナーとポケモンが共に修行に励むことで習得する複合技の類。合体技や必殺技の等。
【能力】
 ポケモンの持つ生まれつきの特異性。通常個体とは違う能力。体のサイズが大きい個体や爪の切れ味が鋭い個体などはそのことに由来する能力を持つ。

【名前】コルス
【二つ名】無し
【地位】ガラルジムチャレンジャー
【バッジ】4個
【所持金】キズぐすりと各種状態異常回復薬をまとめ買いするくらい
【異能】■■■■
【技能】無し

ルカリオ ♂ Lv43
特性:せいしんりょく
わざ:はどうだん
   ボーンラッシュ
   バレットパンチ
   かみなりパンチ
もちもの:たつじんのおび

メタグロス Lv45
特性:クリアボディ
わざ:がんせきふうじ
   しねんのずつき
   じしん
   バレットパンチ
もちもの:じゃくてんほけん

ネギガナイト ♂ Lv42
特性:ふくつのこころ
わざ:ばかぢから
   はがねのつばさ
   つじぎり
   つるぎのまい

   リベンジ
もちもの:ながねぎ

カイリキー ♀ Lv45
特性:こんじょう
わざ:バレットパンチ
   かみなりパンチ
   かいりき
   インファイト

   10まんばりき
もちもの:たつじんのおび

【裏特性】
『せいけんらんだ』(正拳嵐打)
 1つの技を発動した時に4本の腕を全て使って攻撃することが出来る。なお4つの技を同時に発動することは出来ない。

『めいきょうしすい』(明鏡止水)
 心を落ち着けることで命中率が上昇し、相手の攻撃にも動じず技を放つことが出来る。

『ふとうふくつ』(不撓不屈)
 自分が効果抜群の技を受けた時、30%の確率で受けるダメージを半減する。自分が瀕死になる時、5%の確率で体力が1残る。自分の体力が1になった時、攻撃力、素早さが1段階上昇する(この効果はこの特性で体力1のまま耐えた時も発動する)
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