ウルトラマンドーズ(打切り)   作:りゅーど

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伝説魔獣 ルーリュガ
叛逆ノ悪質宇宙人 メフィラス星人セイカ



アンチジョーカー

誰も来なくなった祠。静かな空間に、誰かがひっそりと居る。なにかが眠りに就いているのだろうか、地下の空洞音がやけに優しく聞こえる。一人の青年はここを訪れ、祠にお酒とお饅頭を供えた。

「おやすみなさい、良い夢を……」

手を合わせ、ただ一身に祈る。全てはその祠の地下に眠る彼らを成仏させるために。

彼の名はニシキダ・コウキ。

錦田小十郎景竜の子孫である。

◇◆◇◆◇

その頃、USSTの宇野隊では。

「完成です!!!!!!!!」

魔剤のカラを地面に放置し、瞳孔を全開にし、いつも以上に狂った目と上擦った声色で報告する少年がいた。またか!と、隊長の宇野は少年を見る。少年はあるものを取り出し、

「これですよこれ!!!!!!!!ご覧下さい!!!!!!!銃だけでなく、ボタンひとつで剣にもなり、カートリッジの差し替えでハンマーにもなる!!!!!!!!名付けて『カラドクラッカー』!!!!!!!!是非とも転売ヤーに甘々なクソ企業バンダイに売り込みましょうよ!!!!!!(ここまで一息)きっと爆売れまちがいなしです!!!!!!!!!!!!!!(爆音)」

と言った。

「ただの販促じゃねえか」

「はい!!!!!!!!!!」

「はいじゃないが」

「なら押忍!!!!!」

どこかで畠中祐さんや平野宏周さんみたいなくしゃみの声がした気がするのは気のせいだろうか。無論、シュンケルをキメて報告書を書きその反動でものの見事に気を失っていた漆原の怒りを買い、無事と言ってはなんだが蹴り飛ばされて強制睡眠に掛けられたことは言うまでもない。その時、漆原は、

「うるっせぇんだよクソガキャァァア!!!」

と叫んでいたという。

◇◆◇◆◇

まあそれはそれとして。(わかるマン並感)

◇◆◇◆◇

「……え?山の中で怪現象?」

そうだ、と宇野は呟いた。

「怪現象、っつっても人が消えるわけじゃねえが……ちょいと磁場がおかしくなってんのさ」

「磁場ァ?」

漆原はそう言うと、ふいと横をむく。目の下には黒いクマが出来上がっている。多分徹夜していたのだろうと神田は推測した。

「そう、磁場」

氷川はそう言って、モニタに何かを映し出す。寂れた祠である。

「ニシキダ隊員の送ってくれた祠の写真、コレ見て」

「……あぁ!武田って書いてあんぞ!」

「そう、ここは武田軍にまつわる()()()が祀られた祠。これも見て?」

そう言って、氷川は全員に謎のデータを送り付けた。

「これはその祠の周りの磁場をデータ化したの」

「強くなったり弱くなったり忙しいな」

「……そう、それのせいで……対策が取りにくいの……」

「噂じゃ幽霊が出るんだってな?」

神田はそう言うと、ちらっと江口を見た。

「うぇっ!?私、幽霊なんか怖くないもん!もう高校生だもん!!」

江口は強がるようにして神田を軽く叩く。そのむちましい足は震えていた。

「怖いんやな?」

漆原は光の無い目で江口を見る。そして嘲るようにこう言った。

「ざーこ、ざーこ。そこら辺にいっぱい居るのに気づかない()感女、聡ずかしくないの?」

なお「聡ずかしくないの?」は誤字ではない。そういうネットミームである。

「そこら……へん……!?」

江口は青ざめ、倒れた。

「ヨシ!」

「嫌がらせすんなバカ」

会議は踊る、されど進まず。そんな矢先であった。

────────── 一同の意識が暗転した。

◇◆◇◆◇

酒井が起きた時、基地の中はやけに静かだった。宇野隊の全メンバーが寝ている。あの鉄面皮で有名な漆原ですら眠っている。幸せな夢でも見ているのだろうか。

酒井は寝惚け眼を擦りながら、基地を見渡した。

やけに静かだ。酒井(ドーズ)の圧倒的な聴覚でも、足音を捉えられないくらいには。

ガスやフェロモンは感じない。どうせ疲れだろう、と誤認した。

そして酒井は安心してしまった。どうせ来ないだろう、とタカをくくった。

────直後、首に強い衝撃が走り、酒井の視界は再度暗転した。

 

酒井が目覚めたのは、警報音が原因だった。

チーム内では三番目に早く目を覚まし、即座にカフェインを摂取。脳を覚醒させ、状況判断に務める。

漆原は既に目を覚まし、誰かとの応答を試みている。そして宇野はなにかを悩んでいるかのようだった。

「どうしました……」

「細川隊員が失踪した」

「なっ……!」

さらに漆原は何かを操作しながら続ける。

「しまった!鎮守府の方に気を取られすぎたッ」

クソッ!と叫び、漆原は目を瞑る。その直後、神田の叫び声が上がる。

「隊長!何者かに通常兵装のエネルギー抜かれてますよ!」

「なんだと……ッ」

「カラドクラッカーは無事ですがUSSTガンは使えません!」

その時、ショタみのある声が鳴り響く。

『こちら整備班。メカゴモラのバッテリーが抜かれた』

「……頼りになるのは、あるのか……?!」

「俺たちを忘れてもらっちゃ困るぜ、宇野くんよォ!」

若い声がした。

「アンタは」

宇野は振り返る。そこに居たのは、

「……カミザワ隊長!?」

カミザワ・サトルであった。

◇◆◇◆◇

「裏で手を引いている宇宙人がいる」

カミザワはそう言った。

「騙されるかッ」

先日まんまと騙された酒井は、まるで猫のように毛を逆立てている。ふぅーーーーっ、と息を吐きながら、カミザワを威嚇する。どこからどう見ても子猫である。

「嘘をつくわけねえだろ、俺が」

「じゃあ前回はなんなんですか」

「敵を欺くには、まずは味方から、ってよくいうだろ?」

酒井からの信用はないが、不思議と漆原たちからは慕われているようで。

「……その宇宙人って?」

漆原はそう言うと、カミザワは、

「……バロッサ星人だな」

と言った。

「バロッサ星人……!?バルバの野郎やらかしたかッ」

神田は憤慨した。

「あのガキじゃあねえよ」

「そうか……」

人違いだと気付き、少しホッとしたようだ。

「バロッサ星人……確か宇宙の盗賊だったな、しかし何故……」

宇野はそう呟くと、一同を見る。

「よし。これより宇野・カミザワ合同部隊を編成する。細川隊員の救出もだ!」

出動。

やけにその声は震えていた。

◇◆◇◆◇

そんなこんなで、漆原と酒井は探索をしていた。

「くっそー!全然見つかんないよ!」

「諦めてんじゃねえよカス」

漆原は怒り、酒井は諦めはじめる。

「チッ……どこに消えた?」

漆原はイライラし始めた。そして、おもむろに虚空を蹴り抜く──────────

────────────その脚には、確かに『当たった』感触があった。

「バロッ!?」

「よしビンゴ」

漆原はそれを掴み、顔面を殴り抜く。そして首を絞め、投げ飛ばした。

「よし」

「おファックですわバロッ!!逃げるが勝ちですわバロ!」

「……Bang」

酒井はカラドクラッカーの銃弾を放つ。それは逃げる『それ』に突き刺さり、体内にあるものを植え付けた。

「よし!」

「何を撃ったんだ?」

「ナノマシンが入った銃弾です!細胞内で遺伝子にナノマシンが絡みますからGPSでの追跡もバッチリですよ!」

「よし」

漆原と酒井は走り出した。その速度はまるで競走馬のようであった。最初こそ酒井も追いつけていたが、無事に逆噴射。

依然として先頭は卑しき逃亡者バロッサ星人。二馬身離れて青い影の怪物漆原如水。大きく離れてフィクサー酒井幸村となっております。酒井幸村、ここでセグウェイに飛び乗り漆原らを追いかけますがあっとここでなんと漆原加速!バロッサ星人スタミナ切れかガクンと速度が落ちている!ここで漆原バロッサ星人に追いついて長ドスを取り出したッさらに後方から酒井幸村援護射撃であります!第11レースは審議です!!

──────失礼。書き手が取り乱した。

もだもだ、と泥沼の闘いになる瞬間。

「お排泄物共に捕まってなんかいられませんわバロッサ!スタコラバロッサ、ですわ!」

バロッサ星人は煙幕を炊いた。

「げほ、ごほ」

煙を払うと、そこには誰もいない。

「逃げられたッ!」

「……チッ。こちら漆原。今からデータを送る。コイツの追跡をしてくれ」

漆原はバロッサ星人の位置情報を送る。ほかのメンバーに追跡を任せるつもりだ。

さすがに遠すぎる。そして、漆原の直感はその事実以上の事を警告していたのだ。

「……来るぜ、宇宙人がよ」

「……はい」

漆原と酒井は背中合わせに立ち、酒井はドーズの時の構えを、漆原は空手の構えをとる。

ざっ───────

地面を踏み付ける音がした。

◇◆◇◆◇

その頃。

「本部より別働隊へ!本部より別働隊へ!こちら神田!漆原隊員の付けたGPSの情報から、拠点の割り出しが完了しました!」

「データ転送しま……zzzz…」

本部に残った隊員のうち一人使い物になっていないが、それはそれとして。

本部に残って拠点の割り出しをしていたフルカワと氷川は各チームにデータを転送。神田とシノノメの急造コンビが一番近いとの連絡を受け、二人はその方角にバイクで走り出した。

◇◆◇◆◇

「は、早い……!」

「バロッサ星人め……何処までも逃げ足の早い生命体だ……!」

バイクの排気音が空気を震わせる。風を突っ切り、神田とシノノメは街を駆けた。

「バロッサ!バロッサ!!」

「逃がすか!」

シノノメはバイクからレーザーを放った。神田も同じように、バイクからバルカン砲を撃った。

バロッサ星人はダメージを受け失速。しかし煙幕を張ると、また逃走した。

「これでも喰らえ!!」

神田は煙幕の奥にある影を見逃さなかった。新兵器であるカラドクラッカーを放つや否や、バロッサ星人は今度こそ吹き飛んだ。

「ば、ろっさ……」

直後、バロッサ星人の腕にかかるは銀色のリング。

「ヒトマルマルヨン、バロッサ星人確保ォ!!」

シノノメはバロッサ星人に手錠をかけたのだった。

 

そこまでは、よかったのだ。

◇◆◇◆◇

さて、ここで漆原たちの方に視点を移すとしようか。

漆原たちは再度臨戦態勢に入った。

実力のある宇宙人だと脳が警告している。

「死に晒せェッ」

漆原の声が空間を震わせた。拳からは覇気のようにもうもうと煙がたちこめ、その目には青い光が燃えていた。

「動くな!動くとお前達の頭が吹き飛ぶと思え!」

酒井は即座にカラドクラッカーとウルトラガンを構え、発砲準備を済ませる。狙うは勿論頭部と心臓だ。

「あ、ありゃー……。ヨウちゃん、警戒されちゃってるねぇこれ」

「ですねぇ~。怪しい宇宙人じゃありませんよ~」

「黙れ、どうせ侵略宇宙人だろう!?」

ハァルルルァ、と獣のように威嚇する漆原を見て、軽薄そうな宇宙人の少女はお手上げと言わんばかりに首をすくめた。

「あちゃ~……そっちのウルトラマンはどう?」

「………………えっ誰の事ですか(困惑)」

「君だよ、キ・ミ」

酒井幸村、完全に沈黙。

「……僕は人間です!!!!」

「そういう事にしとくよー。さーて、私たちは善良な宇宙人だとは言っておくよ。あのバロッサ星人とは違ってね」

「なんだと?」

漆原は警戒しながら問うた。

「あのバロッサ星人は何人かのチームを組んでるらしくてね、私……メフィラス星人セイカとこっちにいるマグマ星人のヨウカって子でまあ頑張ってやってたのさ」

「そうなんだ……。銃向けてごめん」

酒井は銃をおろした。

「うふふ、いつも街の治安維持お疲れ様です♪いい子、いい子……」

「触るな」

漆原、拒絶。

「セイちゃ~ん……」

「おーよしよし、ドンマイだったねえ」

「漆原先輩??」

「俺は悪くねぇ」

コントやってる場合じゃない、と漆原は前置きし、

「お前らの知っている情報は他にはないか?言わなければこれだぞよ」

そう言って首を斬る仕草をする。

「おお、こわ。もちろん知ってるよ。あのバロッサ星人は呪いの力を活かそうとしているみたいなんだ。人を触媒としてね」

「なんだと……!?」

「じゃあ、細川隊員は……!」

「呪いの触媒になるかもしれないね」

酒井は走り出した。

「行っといで、防衛隊員さん」

セイカはそう言った。

◇◆◇◆◇

漆原たちは現場に急行した。細川の命が掛かっている。

排気音が街を切り裂き、規制のせいで仮面ライダーでは出来なくなったバイクアクションで観る者全ての目を奪い。

「よほど僕達の方が仮面ライダーやってますよ……!」

「まったくだ!」

そう愚痴りながら途中で神田・シノノメチームとニシカワ・江口チームに合流。細川のいる拠点に急ぐ。

それを裏で見る人影があった。

それは男である。左手からぽたぽたと緑色の返り血を垂らしている男である。

「フン、なかなかやるな、あいつら。オレも少しは手伝うか」

赤い眼光をきらり輝かせ、男の影は消える。その跡には、宇宙人の死骸があった。

◇◆◇◆◇

「だっしゃあああおら!!」

漆原が扉を蹴り飛ばした瞬間、そこにいたのは呑気に酒をかっ喰らう宇宙人たち、そして流血しつつ拘束された細川であった。

「USSTの漆原だ。お前達を逮捕する。抵抗は無駄だ、降伏しろ!」

「なっ……!おまえらぁ!嗅ぎつけられた、さっさとやるぞぉ!」

「言い方を変えよう。降伏は無駄だ、せめて抵抗しろ。殺してやる」

「ええっ!?」

そう驚きつつも酒井はカラドクラッカーで命を奪っていく。ぴちぴちと血と脳漿が舞い散り、一人また一人死んでいく。

漆原は細川を回収すると、すぐさま別働隊に明け渡す。

細川は、血を流しながらもこう叫んだ。

「二人とも!ルーリュガの封印は弱まってる!だけど、まだルーリュガは不完全体!メカゴモラなら、ううん!あの兵器ならきっと!」

そう言い残し、細川は意識を失った。

漆原たちは、宇宙人の命を刈り取って行った。

◇◆◇◆◇

その頃、地上には文字列が浮かんでいた。それは人の生命力を奪い取り、やがて怪物の姿となる。

伝説魔獣 ルーリュガだ。

かつて、武田軍が生み出した最悪の兵器。人の怨嗟の力で際限なく強くなる化け物である。

東京のビル街に現れたルーリュガは、手当たり次第に生命力を奪っていった。

人々の悲鳴が怨嗟となり、ルーリュガは力を貯めていく。

『ギシャァアアアオ!』

そんな電子音が流れ、ルーリュガは吹き飛んだ。

そこに居たのはメカゴモラ。ルーリュガ討伐の為に、江口隊員が搭乗したのである。

先に動いたのはメカゴモラだ。チェーンナックルを飛ばし、ルーリュガの顔面をぶち抜く。そのままルーリュガに掴みかかり、投げ飛ばす。

そしてメカゴモラはエネルギーチャージを開始し、胸部の砲口から光弾を放った。

放たれた光弾はルーリュガを直撃し、爆発する。

それでも終わらない。ルーリュガはすっと立ち上がり、メカゴモラを蹴り飛ばした。

「なっ!?」

衝撃で倒れるメカゴモラ。その隙を突き、ルーリュガは再び飛びかかった。

爪を振り下ろすルーリュガに対し、メカゴモラは腕をクロスして受け止める。

火花が散り、押し込まれるメカゴモラ。しかし次の瞬間、空中から鉛玉の雨が降った。

カミザワ隊の操る戦闘機、クロムチェスターである。

『今です、カミザワ隊長! 早く!』

通信機越しの声を聞きながら、カミザワは操縦桿を動かした。

「シィッ」

ミサイルと弾丸を受け、よろめくルーリュガ。その隙に、メカゴモラは体勢を立て直す。

『おおお!!』

雄叫びを上げ、突進するメカゴモラ。ルーリュガはその勢いのまま殴り飛ばされ、倒れ込む。

それを見たカミザワは、更に指示を出した。

「総員、一斉攻撃!」

クロムチェスターが一斉にビームやミサイルを放つ。無数の攻撃を受け、ルーリュガはとうとう倒れた。

だが……。

 

「ゲァアアアアアゥウ!」

 

────────ルーリュガは、怨嗟の声で復活するのだ。

ルーリュガはメカゴモラを軽々と吹き飛ばし、クロムチェスターにレーザを放つ。

回避に精一杯になる彼らを見て、ルーリュガは笑っていた。

◇◆◇◆◇

その頃、USSTの整備班では、試作機を使うかどうかで揉めていた。そんなときである。

「切り札を倒すには切り札しかないのです……」

そんな声がした。整備班が振り向けば、そこにいたのはマグマ星人ヨウカとメフィラス星人セイカ。

宇宙人としての姿を見せ、ヨウカは語り掛ける。

「いいですか、あれはかつての切り札。呪術で動くロボットのようなものです」

「ロボットだって!?」

「ですから、同じく命を持たぬロボットで戦う必要があるのですよ」

「だがメカゴモラでダメだったんだ!たとえ新機体でも……。ろくに、使える状態じゃないぞ!」

「それでいいんだよピーキーでないと、切り札でないと。切り札を打ちのめす切り札(アンチジョーカー)でないと、奴は倒せない。絶対にね」

その時、放送越しに凛とした声が響く。

「なら、俺達が行くよ」

「カミザワ隊が、しかしなぜ」

「ロボットじゃないとダメなんだろ?なら、あれを使うしか手段はねえだろ」

「…………」

宇野は何かを確信したように頷き、

「カミザワ隊に()()()()の使用を許可する。存分に暴れろ!」

◇◆◇◆◇

「宇野っちは話が早いな」

カミザワはそう笑うと、叫ぶ。

「各機所定の位置に付け!フォーメーション・フェスターだ!」

「「「「「了解!!」」」」」

三機のクロムチェイサーが縦に並ぶ。

ドーズは何かを察し、必死でルーリュガを抑え込む。

瞬間、クロムチェイサーが変形しだした。

それは三機ごとにそれぞれ違った形になり、そして一つずつドッキングしていく。

まるでその形はウルトラマンダイナを苦しめたロボット、デスフェイサー。

「完成!クロムフェイサー!」

◇◆◇◆◇

「デェアアアッ!!」

ルーリュガを蹴り飛ばし、ドーズはクロムフェイサーの隣に立った。目配せ(?)をし、同時に走り出す。クロムフェイサーはそのガトリング砲を撃ちまくり、ドーズは空中からスラッシュ系の光弾を放つ。「ゼェアッ!」鋭い蹴り技で追撃し、直後ルーリュガに突き刺さるは無数の銃撃。クロムフェイサーのバルカン砲である。『……っ!』

「シュワッ!」

ルーリュガがよろけた瞬間を狙い、ドーズは大きく跳躍した。そのまま着地と同時に拳を振り上げる。その動きに合わせるように、クロムフェイサーも飛び上がった。

そして――二人の攻撃は見事に直撃する!

『うああああっ!!』

叫び声と共に吹き飛ばされたルーリュガはそのまま地面を転げまわった。そこへすかさず追い打ちをかけるように、ドーズが迫る。

ドーズが繰り出したのは強烈な右ストレートだ。

「セェヤッ!!」

『くぅ……』

しかしルーリュガはそれを左腕で防いだ。ダメージはそれほどでもないのか、すぐに立ち上がると右手を差し出し、そこにエネルギーを集める。そしてその姿勢のまま、指先から光線を放った。それは真っすぐ伸びてルーリュガの胸に命中する。

『ぐああぁっ!?』

胸部に大きな穴を空けられ、ルーリュガは再び地面に倒れた。

「ネオマキシマ砲スタンバイ」

カミザワはそう命令を降す。直後、シノノメは配列系統を変え、ネオマキシマ砲のチャージに入る。

追い詰められたルーリュガは、全力の呪いを光線にして放った。ドーズはバリアを貼ったが、そのバリアは破壊され、ドーズは呪いに捕われる。

ネオマキシマ砲のチャージには時間がかかる、いよいよクロムフェイサーもダメだろうかと思った瞬間、()()()()()()()()()()()()

誰がやったかはすぐに分かった。

錦田小十郎景竜の子孫、ニシキダ隊員である。漆原から押し付けられたカラドクラッカーを用いて呪いを断ち切ったのだ。

「今だ、カミザワ隊長!!動けるだろ、奴を撃ってくれウルトラマン!!」

そう叫ぶニシキダに信頼の微笑を浮かべながら、カミザワはネオマキシマ砲発射の指示を出す。

「最大出力・ネオマキシマ砲!行けぇえええっ!!」

クロムフェイサーの胸にある赤い結晶体――単装ネオマキシマ砲が激しく点滅を始めた。それを見て、ルーリュガは慌てて駆け出そうとしたが、瞬間ドーズはスペシウム光線を照射し足止めする。

そして、ついにその時が来た。クロムフェイサー最大の必殺技、ネオマキシマ砲が放たれたのである。

「ハァアアア……ッ!」

赤い極太レーザーがルーリュガの身体を焼き尽くす。

直後、ドーズは腕をL字に組み、ドーズの誇る必殺技のバルビウム光線を放つ。緩慢に死をもたらす光線と、圧倒的熱量を誇る光線。二種類の強力な光線を浴び続け、ついにルーリュガは爆散した。

その瞬間、ドーズの目は何かを目敏く見つけた。

爆発の中から現れた黒い塊を、ドーズは左手で掴み取る。そしてそのまま握りつぶすと、その中から何か小さな物体が出てきた。

「何だ?」

───────おぞましく禍々しい箱であった。

◇◆◇◆◇

箱は地下深くに封印された。

そして禁足地として指定された。

また誰も入らなくなる『入らずの森』。

また誰も来なくなる祠。静かな空間に、誰かがひっそりと居る。かつての強者たちが眠りに就いているのだろうか、地下の空洞音がやけに優しく聞こえる。

一人の青年は特例としてここを訪れ、祠にお酒とお饅頭を供えた。

「今は君たちの時代じゃなくなったんだよ。おやすみなさい、良い夢を……」

手を合わせ、ただ一身に祈る。全てはその祠の地下に眠る彼らを成仏させるために。

彼の名はニシキダ・コウキ。

錦田小十郎景竜の子孫である。

どうか静かに眠っててくれ、と祈るニシキダであった。




とある中学校の音楽室で、幽霊による殺傷事件が発生!音楽室に乗り込んだ僕達を待っていたのは、非業の死を遂げ悪霊へと変貌してしまった哀しき少年であった……。
次回、ウルトラマンドーズ!
『レーイレーイ』
「ふぇえん……成仏して下さい……」
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