ホロ学園の「俺」君物語   作:零円

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登場ライバー
白上フブキ
大神ミオ
百鬼あやめ
天音かなた


依頼4

「たっだいまー!」

 

 意気揚々と、百鬼が生徒会室の扉を開けると、生徒会室の中には、天音先輩が死んだ顔でテーブルに向っていた。

 声に気が付き、天音先輩が顔をあげる。

 

「あっ! 会長! もう、何やって――」

「お邪魔します!」

「失礼しまーす」

「お疲れ様です」

「どうだ。助っ人連れてきたぞ」

 

 文句を言おうとしたらしい天音先輩の言葉を遮る形で、俺はフブキ部長とミオ先輩とともに天音先輩へ挨拶。

 そんな俺達の前に立つ百鬼は、恐らくはどや顔を浮かべているのだろう。胸を張っていた。

 

「……この件、一般生徒に手伝わせていいんですか?」

「ん? まあ、大丈夫だろう。1人は今更だし、この2人は私の友達だからな。信用していいぞ」

「はぁ」

 

 ちょっと不安になるやり取りをする百鬼と天音先輩。

 最後は天音先輩が折れ、「分かりました」と呟く。

 

「……とりあえず仕事に戻ってください。生徒会長が居ないと処理できない書類もあるんですから」

「……かなたちゃん。ちょっとは褒めてくれてもいいんだ余?」

「終わったら褒めてあげます。3人には私から仕事振っておくので」

「……」

 

 露骨にがっくりと肩を落としながら、百鬼は自分の席へとつき、仕事を始めた。

 それを見た天音先輩が立ち上がり、入口に立ちっぱなしだった俺達の方へと近づいた。

 

「ごめんなさい、白上さん、大神さん。無理にとは言わないので、少し手伝って下さると助かります」

「大丈夫。そのつもりで来たんだし」

「そうそう。気にしないで」

「ありがとうございます」

 

 そう言いながら天音先輩は頭を下げた。

 数秒して、先輩の頭が上がり、視線は俺の方へ向く。

 

「君もありがとうね」

「いえ。先日は大変だったと聞いたので」

「あー……うん」

 

 視線を向ければ、百鬼は書類で顔を隠している。自覚があるようで何よりだった。

 

「でも、今回の事、ココに言ったら駄目だからね。まだオフレコなんだから」

「そんなスパイみたいなことしませんって」

「……」

「すみませんでした」

 

 素直に謝る。

 

「とりあえず入って、好きな椅子に座ってください。今日は他の生徒会のメンバーは来ないので」

「来ないんですか?」

「外回り中なの。もう時間が無くて」

 

 生徒会の仕事で外回りというのがぴんと来ず、何だろうかと首を傾げる。とりあえず俺はいつもの位置へと座り、フブキ部長とミオ先輩も思い思いの席へと座った。

 俺達の前へ、天音先輩が書類の山を置く。心なしか、俺が1番多い気がするのは気のせいだろうか。

 

「実は、来月の学園祭なんですけど、近隣の学校と合同でやることになってまして……そのための調整でてんてこ舞いなんです」

「すごーい! 楽しみだね!」

「そうだねー」

「学園祭……展示……徹夜……う、頭が」

「「ごめん」」

 

 昨年の学園祭の部活展示の準備を思い出し、頭を抑える俺。

 そんな俺からフブキ部長とミオ先輩は目を逸らした。

 ホロ学園の学園祭は、全生徒強制参加なのは勿論の事、各部活も大会間際等の理由が無ければ、何かしらの活動をしなければいけないルールがある。

 その為、フブキ部長率いる我々すこん部も取り合えず何か適当に展示作ろうかーという話になったのだが、準備期間直前にフブキ部長とミオ先輩が学校に来なくなり、連絡もつかなくなった事件が発生した。

 とはいえ、準備しないわけにいかず、一応展示テーマだけは決まっていたので、数日間ほぼ徹夜で調べ、まとめ、書き上げ、部室の飾りつけをしたのである。

 結局次に2人が登校したのは文化祭明け。何故来なかったのかと聞いたら、当時は実家に呼び出されたからと言われたことは、今でも覚えている。

 

「今年は大丈夫ですか?」

「いざとなったら、ミオは置いていくから」

「いや、流石にそういう訳にはいかないでしょ」

「大丈夫大丈夫。彼の事はきちんと報告してるから、それ関係っていえば、とりあえずミオを連れてかなくても怒られないから」

 

 そういう問題なんだろうか。

 

「まあ、あの会合自体、緊急招集だったから、大丈夫だと思うけど」

「はい、フラグ立ったー。ミオのせいー」

「ミオ先輩……ひどいです」

「うちのせいなの⁉」

「……んん」

 

 咳払いが、会話を遮る。

 ジト目の天音先輩がこちらを見ていた。

 

「もういいかな?」

「「「すみませんでした」」」

「全く。とりあえず、君は白上さんとその書類を纏めてください。大神さんは僕を手伝ってくれますか?」

「「「はーい」」」

 

 同音の返事をして、3人そろって仕事に入った。

 

***

 

「じゃあ、お疲れー」

「お疲れ様でしたー」

 

 黙々と仕事をする事、数時間。

 一先ずのノルマは済んだ為、今日は解散となった。

 後片付けにもう少しだけ残ると言う天音先輩と百鬼を置いて、3人で帰路につく。

 

「いやー、やっぱり慣れない仕事は大変だね」

「そうだねー」

「その割に平気そうですけど」

 

 今日の仕事の量は、幾らか手伝い、慣れていた俺でも大変だったのだが。

 フブキ部長にもミオ先輩にも、まだ余裕が見て取れる。

 

「まあ、家の仕事手伝ってるからね」

「家の仕事に書類整理があるんですか?」

「そうだよー」

 

 家の仕事で書類整理と言われても、ちょっとピンとこなかった。

 

「白上家は大名みたいなものだから、陳情とか揉め事の対応とか色々してるんだよ」

「へー……滅茶苦茶偉いのでは?」

「だから、そう言ってるでしょ」

 

 視線をフブキ部長へ向ければ、どや顔を浮かべて胸を張っていた。

 

「……これからは様付けで呼びますね」

「えー、いいよー。今まで通りでー」

「何をおっしゃられているのですか白上様」

「今の一瞬で凄く距離空いたね⁉」

 

 嘘だろお前という表情を浮かべるフブキ部長。

 いやいや。そんな顔されても困る。

 

「当方、凡俗の徒であれば、白上家の次期頭首ともあろうお方と、こうして口をきかせていただくことすらおこがましいです」

「すごい卑下したね! 一周回ってわざとらしいんだけど!」

「そうだよ。もっとあがめて。この方こそ天の下を知ろしめす白上フブキ様なんだからね」

「ミオ⁉」

「……」

「膝をつこうとしないで!」

 

 屋内だったら悩まなかったんだけど、流石に屋外だから躊躇ってしまった。

 

「この話おしまーい! 今から様付け禁止! はい、スタート!」

「なんだよ、フブキー。もう終わりかよー」

「距離の詰め方下手か! でもちょっと新鮮で面白いから暫くそれでもいいよ!」

「あっ、もういいです」

「何なのさ!」

「フブキ。どうどう」

「ミオー!」

 

 わっっと、フブキ部長がミオ先輩へ抱き着いた。

 ミオ先輩もおちょくりの一端を担っていた気がするのだが。さっきのなだめ方も、動物相手みたいな所があったし。

 

「でも忙しいなら、今年も家の事を優先して大丈夫ですよ。ミオ先輩も、フブキ部長をお手伝いしてください。学園祭の準備は1人でもできますから」

「んー、そうかもしれないけど、折角の学園祭なんだし今年はちゃんと準備からやりたいな。それに、君だってそれどころじゃないかもしれないし」

「それはまあ、そうですけど」

 

 出来れば準備期間までには頁探しを終わらせたい所である。

 

「……分かりました。学園祭の準備が始まるまでには必ず見つけます」

「うむ、よく言った! じゃあ、私も当日近くに呼び出されないように、今のうちから少しずつ作業しておこうかな」

「なら、うちは2人の手伝い、しっかり頑張るね」

「よーし、すこん部ファイトーオー!」

「「おー」」

 




1日遅れました。すみません。

文章の構成はどちらがいいですか

  • 全部詰める(全話までのやり方)
  • 地文と会話文の間に改行を入れる(今回)
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