進撃の巨人 RTA Titan Slayer   作:オールF

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プチッと番外編が前話にあるから見てない人は見ろよ見ろよー


心臓を捧げよ -獣の巨人-

 

 

 

獣の巨人が来る前に少しでもジーク産巨人を殺す必要があるので、無理してでも倒していきましょう。大丈夫、剣を取って……。マザーズロザリオは使えませんので地道にうなじを削いでいきます。うーん、剣は投石より強しってな(巨人に限る)。どっかの巨人は投石で身体の鎧を剥がされてたんですけども。これがワシのスターバースト・ストリームじゃい!

 

 

「おい、お前! 何をやっている! 早くリヴァイ達と合流しろ!」

 

 

 そうしていると、1人で勝てるわけないだろと親切心を利かせてくれたミケさんが加勢にやってきてくれます。割と無口な方だと思ってたんですが、結構喋ってくれますよねミケさん。人は戦いを辞めた時に敗北するので、戦いを辞めない限り俺の勝ち! なんで負けたか次のRTAまでに考えといてください。ほな! シューッ(うなじから血が出る音)

 

 

「もう十分だろう。残りは2体。潮時だ」

 

 

 いえいえまだですよ(命令違反)。その小さいのにアンタは負けたんだ! どんなに小さい巨人であっても殺しておきましょう。目が合ったらポケモンバトル。金(経験値)を巻き上げるまで戦いは終わりません。こうすることでミケさんの死亡フラグは完全にへし折れます。あとは馬を呼ばせないようにすれば条件は揃います。次にチェックをかけるために近辺を闊歩する野獣巨人を見上げましょう。

 

 

「なんだあの巨人は……? 17m級はありそうだ」

 

 

 しかし、こちらに興味を示さないところを見ると奇行種だと断定しますが、ほんとにそれでいいのか? 最近、ああいう今まで見たことない巨人を見たこと無かったか? 

 

 

「まさかあれがアニ・レオンハートの仲間の巨人だとでも言うのか」

 

 

 そうだよ(適当) しかも、こっちで言うリヴァイ兵長。ついでにいうとリヴァイ兵長被害者の会名誉会長就任予定のジーク・イェーガーくん(○○歳)。その正体はエレン・イェーガーの異母兄弟。父親はエルディア復権サークルのリーダーであり、シガンシナ区を流行病から救った男、その名もスパイダーマッ!(違うだろぉ?)

 

 

「だが、情報が少ない。女型の時のような準備もない今は……」

 

 

流石、ハンジさんのように好奇心もなければ、エルヴィン団長のように覚悟のできない男。いや、貶してるわけじゃないんですよ。でも、女型の時は準備してあのザマだったので、ノーコメント。

 

 

「ここはリヴァイ達と合流するべきだ」

 

 

 くそっ、じれってぇな……俺ちょっと殺伐とした雰囲気にしてきます! 

 

 

「ま、待て! 単独行動は危険だ!」

 

 

 リヴァイ班の小屋まで時間がかかるので待てません! 私は我慢弱い! 私には独自任務のライセンスが与えられている!!(ないです) 獣の巨人は私が倒す! 誰も邪魔しないでいただきたい!! 

 

 

 ###

 

 

 調査兵団が壁内に帰還してから4日が経ったその日、壁は再び破られた。突如出現した巨人たちと、その中に紛れる異質な毛むくじゃらな巨人。武装解除して隔離されていた104期生達は武装したミケ班の人間たちと東西南北に散り、情報の拡散と穴の空けられた場所の確認のため走る。

 ある者は自分の村の惨状を知り、ある者は弓を引き少女を守った。では、とある者は。

 

 

「まさか女型に続いて、このような巨人に出逢えるとは……兵士でよかった!」

 

 

 超大型、鎧、女型とは異なる新たなる巨人の出現に心震わせていた。

 未知の巨人に怯えることなく、近づいていくホライゾンに先輩兵士であるミケは危険だと勧告するも、彼の耳には届かなかったようで未知の巨人の近くまで来ると「名前は?」と巨人に問いかけていた。

 

 

「何をしているっ!? 巨人と意思疎通など図れるわけが……!」

 

 

 出来るわけないと言おうとしたその矢先、ミケが目を見開くようなことが起きた。

 

 

『初めまして』

 

 

 なんと今までハンジが意思疎通を図ろうとして、全て無駄に帰したという結果を覆すようなことが起きたのだ。ホライゾンの言葉に未知の巨人が反応したのである。壁内ではまさに初めての出来事に立ち会うミケであったが、その心中は悪い意味で穏やかではない。

 

 

「し、喋れるのか!? 君は!」

 

 

 逆にホライゾンの方は良い意味で穏やかではなかった。これまでは巨人に一方的に話していた彼であったが、こうしてレスポンスを貰えることは興奮の極みである。しかし、これで敵の巨人が知性を持っており、アニ・レオンハートと何かしらの繋がりがありそうなことはわかった。ミケはこれだけ分かれば十分だろうと指笛を吹かそうとする。

 

 

『あの、それ、腰に付けてるやつ。なんて言うんですか?』

 

 

「む? これか。それを答える前に君の名前が知りたい」

 

 

 前代未聞の巨人と兵士の会話に、己を崩さないホライゾンにミケは二重の意味で驚かされたが、けれども、このまま未知の巨人と交流しても意味を成さないと考え至って今度はしっかりと指笛を吹いた。巨人がホライゾンとの会話に夢中になっている間に馬を呼び、その馬に乗った自分がホライゾンを抱えて逃げようという魂胆である。

 

 

 

『えぇ……、名前なんて知ってどうするんですか?』

 

 

「もちろん、呼びたいからだ。ちなみに私はホライゾン・モルガン。見ての通り兵士だ」

 

 

『モルガン? うーん、でもどうせ……ってアレ?』

 

 

 死んじゃうから知っても意味が無いと言おうとした時、初めてその巨人は気付く。確かに何体かうなじを斬られて死んだのは目視した。木より少し大きいか小さいくらいの巨人は視界より下になるため今まで見えていないと思っていたが、9体は引き連れていたはずの巨人の姿が見えない。そのことを疑問に思った時には首の付け根辺りにチクリと何かが刺さる感覚があった。

 

 

「答えたくないのであれば、その身体に聞くとしよう!」

 

 

 答えが得られないと判断したホライゾンは、巨人がなんですかと聞いた腰の装置から伸びたアンカーのリールを巻いて急接近すると巨人が動くよりも先に目を斬り裂いて視力を奪う。巨人が目をやられたのかと思った時にはアンカーは違う部位に刺さっていた。

 

 

「長い手足だ! これなら身体の何処が痒くなっても直ぐに届きそうだ!」

 

 

 羨ましいという念を込めて言うホライゾンだが、彼の身長は180cmのため羨む程のことでもない。彼も痒いところには余裕で手が届く。そんな話はさておき、わざわざ壁の外から威力偵察のために壁内にやってきた巨人の心境は荒れ狂う海のようになっていた。壁内に無垢の巨人が多数いたのは、以前から知っていた。また、壁内人類が自分の脊髄液を投与すれば、自分が叫ぶだけで巨人化できることも。奇跡の子と称された巨人の中身の男性は狼狽えた。普通、巨人を相手にするとなれば彼の敵国は必ず大砲などの遠距離攻撃を用いる。それに対して壁内はどうだ。腰につけた箱のようなものからアンカーが飛び出し、手にはうなじを斬るためのブレードが握られている。はっきり言って白兵戦など正気の沙汰では無い。

 

 

(な、なんなんだこいつはぁっ!?)

 

 

 そんな巨人の常識を超える行動の数々を繰り返すホライゾンは敵にとって未知数であり、恐怖以上の対象であった。攻撃手段の腕を斬られて、動揺を打ち消して1度冷静になるためにも、逃走を選択しようとするも左の足首が斬られる。バランスを崩して転倒してしまった巨人は怒りに顔を歪めた。

 5年前に送り出した戦士たちが帰ってくることも壁外にある船で連絡を寄越すこともなかったことから、パラディ島での始祖奪還が難航していることは予想はしていた。壁内の兵士たちが巨人に対してこれだけの技量を発揮していたのならば、多少は納得がいった。うなじに本体があることを知られているのなら、そこは無垢でも知性を有する巨人でも変わりがない。ただ無垢と知性巨人……9つの巨人には幾つか違いがある。9つの巨人は知性があり、ある程度の攻撃は予測できる故に対処も容易だ。また硬化能力や蒸気を発したり、無垢の巨人を呼び寄せたりと無垢には出来ない特殊な力がある。

 自分には叫びの力がある。まだ巨人化させていない村の住人たちがいたはずだ。ここからでも叫べば、何体かを巨人化させて自分が回復して逃げる時間はできるはずだと考えた巨人の中身であったが、その叫ぶための喉はいつの間にか裂かれて声も出せない状況に陥っていた。

 

 

「君たち知性巨人は叫ぶことで巨人を呼び出すことが出来るみたいなのでな……話せないのは残念だがっ……!」

 

 

 本当に心底残念という顔で喉を引き裂いたホライゾンの目は僅かに潤んでいたのだが、視界の消えた巨人からすれば思ってもないことをという憤りしかない。

 

 

「声からすると君はオスのようだが、去勢されたのか? 立派なものが見えないが!? それとも、この毛の深くに埋もれているのかな!!」

 

 

 壁内には人類以外にも、猫や家畜などの動物が存在している。それらの生物にも人間と同じように男女の区別がある。その境界線が性器の違いなのだが、獣のような姿をした巨人は、巨人なのかそれとも巨大化した生物なのか。それを確かめるべく、股間部へと執拗に斬りかかるホライゾンに獣の中身はヒュッと呼吸を鳴らし、ミケもゾクリと背筋を震わせた。

そして、兵士が巨人を一方的に蹂躙するサマを見て、ミケは思い出した。リヴァイも確かこうだったかと。彼は地下街出身のゴロツキであったがためか、身体はできておりたった数年で調査兵団の実力者トップにまで登りつめた。一方的に巨人を殺してはいたが、ホライゾンのように獰猛な笑みを浮かべたり、巨人と話せなくなったことに悲観はしていなかった。実力はリヴァイ、思考はハンジと言ったところかとミケは頷く。調査兵団は変人の巣窟と呼ばれているが、その最たる例のハンジと同類ながらも圧倒的な強さを持つホライゾン。まさに人類の希望でもあり、汚点にもなり得る存在にミケは色々な意味で心が震えていた。

 

 

「だが!」

 

 

 彼一人でも勝てそうだからと、先輩の自分が立ち竦んでどうするとミケは自分の太ももを叩いて鼓舞した。人が負けるのは敗北を認めたときではない、戦うことをやめた時だという持論を持つミケは、このままでは巨人にも、あの新兵にも負けたことになる。そんなのはリヴァイに次ぐ実力を持っていると慕ってくれる仲間や、自分を信頼してくれるエルヴィンの期待を裏切ることになると刃を交換して獣の死角に回り込む。

 

 

「ふむ、獣のような見た目だから多少臭うな」

 

 

 ミケがひっそりと近づく間に、手足を切り落としてあとはうなじさえ斬ればいいものをホライゾンはクンクンと巨人の毛深いところを嗅いでは顔を顰めていた。そんなに臭うのかと、嗅覚に自信のあるミケは興味を抱いた。

 

 

「巨人に脳はあるのかと思ったが……斬りすぎてしまった」

 

 

 そのまま頭部へと駆け上がると邪魔な毛を切り落とし、頭を切り開いて巨人の中に脳みそはあるのかという好奇心を満たそうとしたホライゾンだったが、力が入りすぎてほとんど無くなってしまった。そろそろ視覚が戻る頃かと再び目に刃を突き立てる。さらに喉を裂き、指を切り、顔の肉を削いでいく。

 

 

「君にも硬化の能力はありそうだが、何故使わない?」

 

 

(お前の攻撃が早すぎるんだよっ……!!)

 

 

「見た目は獣。はて、その中にいるのはなんなのか、私、非常に気になります!」

 

 

(こ、こいつイカれてる!! この島は本当に悪魔の島だったのか!?)

 

 

 煽ってるのかとも思える質問に巨人は怒りが込み上げ、彼の好奇心には到底理解が及ばない。そもそも理解しようとしたところで負けなのである。巨人は治った手を身体の上に乗られている感覚を頼りにホライゾンの位置へと振りかざす。それが彼にとってチェックメイトをかけられた時であった。

 

 

「ここで中身を見る気はなかったが……刮目させてもらおう!」

 

 

 その腕を後ろから接近していたミケが切り取り、さらに木の幹を利用して反転すると再生し終えた足も切り落とした。そうして再び身動きの取れなくなった巨人を、魚を捌くようにしてホライゾンは解体していく。

 

 

「私はジビエというものには造詣が深くないから、下手かもしれないが許してくれ」

 

 

 謝りながらも巨人を斬る手を止める気はなく、手足以外の毛が6割くらい切られたところで"獣の巨人"と呼称される中身から髭の生えた男性が引きずり出された。

 

 

「ぎゃあああああああっっっ!!!?」

 

 

 眼鏡をかけた男性が髪の毛を引っ張られてホライゾンに引きずられて出てくる。それはかなりホラーであり、金髪の青年がオヤジ狩りをしているようでミケは上手く言葉が出なかった。

 

 

「ホライゾン、そいつが……」

 

 

「獣の中身は獣だと思っていましたが、よもや人間だったとは……」

 

 

 ミケからすればその考えが予想外だったのだが、口にすると何か面倒なことが起きそうだったのでやめておいた。これからどうしたものかとミケは辺りを見渡した。他の巨人の気配も匂いもなく、馬もミケのものが戻ってきている。ホライゾンの馬は小屋近くで待機していることから移動は難しくない。そう考えている時に慣れ親しんだ者の匂いが鼻腔をくすぐった。

 

 

「おい、ミケ」

 

 

「リヴァイか!」

 

 

 よく来てくれたとミケにしては珍しく明るい表情で馬でここまで駆けてきたリヴァイ班と合流する。その中にはエレンとミカサの姿もあった。

 

 

「なんだそのジジイは。手足の断面から蒸気を出してるのを見れば巨人にしか見えねぇが」

 

 

「順を追って話そう。屋外より室内の方がいいだろう」

 

 

 ミケはそう言うと、先程まで104期生達を隔離していた小屋へとリヴァイ達を案内する。その道中でホライゾンの獣の中身への質問が続けられた。

 

 

「君はどこから来たんだ? 私か? 私はトロスト区の出身だ」

 

 

「……」

 

 

「無口なのかな? では、私から一方的に話すとしよう!」

 

 

 相変わらず平常運転のホライゾンを他人のフリして関わらないようにするリヴァイ班に対して、彼の奇行を見るのが2度目のエレンはヒソヒソとミカサに耳打ちする。

 

 

「なぁ、ホライゾンってあんなやつだったか?」

 

 

「さぁ」

 

 

 ミカサがホライゾンと話したのは胸ぐらを掴んだ時とそれに対して謝った時くらいである。まずそもそも、エレン以外の人間にはあまり興味がないので巨人に対して好奇心旺盛なホライゾンを見ても別段感じることは無い。俺ももし敵だったらあんな風に質問責めに合わされたのかと想像するとエレンはホライゾンが味方でよかったと胸を撫で下ろした。

 

 

 

 

 




おじさん可哀想……。この後、チビのお兄ちゃんにも虐められそう。強く生きて奇跡の子。
ジークを仕留めるか仕留めないかで悩みましたが、投石という最大手が無いうちに倒す方が理想的との判断になりました。そのせいでウドガルド城戦がなくなって、そばかすの巨人が出なくなりますがね。HAHAHA!



次回は幕間か、普通にほんへです。



おまけ 壁外調査後のホライゾンへの反応
リヴァイ→普通。男版ハンジ。使えるとは思っている。
ペトラ→悪。自分が人間でよかったと思っている。
エルド→普通。実力はかなり評価している。実力は。
オルオ→悪。兵長より強いのではと思わされたため、やや不服。
グンタ→普通。腕は良いが発言に難がありすぎる。
エルヴィン→良。言うまでもない。
ハンジ→普通〜良。巨人へ並ならぬ興味を持つ者同士シンパシーは感じているが、デリカシーに欠けるところは微妙。だが、自分にもその傾向があるのには気づいてない。
モブリット→無。優秀なのは分かるが、ハンジと同類なので将来的に彼の部下につく人間に対して憐れみを抱いている。
ミケ→良。割といい匂いがする。巨人への発言に目を瞑れば好印象。
ナナバ、ゲルガー→普通。物怖じしない態度には好印象。
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