進撃の巨人 RTA Titan Slayer   作:オールF

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タイトルの割にクリスタは出てきません。期待したノンケのみなさんごめんね。エルヴィン・スミスにするか悩んだ。


クリスタ・レンズ

 

 

 俺が! 俺たちが! 調査兵団だ! 

 分からないこと、知らないことは、調べる! 目の前に出てくる邪魔者は全部敵だ! 徹底的にだ。しがらみなんざ一切どうだっていい。俺らは調査兵団だ。 俺らが同じ先を望むなら道理もくそも関係ねぇ……全て、根こそぎ、叩き潰す。

 

 

 そのためにまずはユミルを地下牢から引きずり出します。まだ朝の6時じゃないかって? バカヤロウ! RTAは一分一秒どころかコンマ1秒の世界なんだぞ!!(憤慨)愛しのクリスタに会わせてやるからとっとといくぞオラァ! 

 あ、戦士のみなさんちっす、ちぃーす! 脱獄の算段は整いましたか? 飯は持ってきてくれると思うから! トイレは……まぁ、しないように頑張ってくれや! これそういうゲームじゃねぇから! ベルトルトからのヘイトが滅茶苦茶溜まってるのんぎもぢいいっ!! 愛しのアニに告白したら付き合えるくらいには好感度高いんだけど、どうしよっかな〜? ボクが、悪魔の末裔です。シクヨロ! 悪魔と相乗りする勇気、あるかな? 

 

 

 まぁ、オドオドして自分をイケメンナイスガイだと思い込んでいる精神異常者(戦士と兵士の境目をさまよってる時点で残当)の腰巾着とか金魚のフンしてるせいで好きな女から仲間の情は持たれてても、男として見られてないのは……お前が悪いわ。このルートではないと思うけど、せいぜい次の継承者を頭ベルトルトにしてくれや。

 

 

 ユミルを連れ出して向かうは調査兵団の宿舎です。調査兵団は女性の数が少ないので、部屋は分けられていても男子も女子も同じ寮ですので行くのは簡単です。でも、ここしばらく宿舎で寝た記憶が無い……無くない? (確認) 最後に温かい布団で寝たの獣の巨人と戦う前くらいな気がする。

 それは他の兵士も同じですが。反して、ユミルと仲がいいからって理由でハンジさんから質問責めにあっていたクリスタは寮でだらしなく寝てるようです。まぁ、武装もなしに巨人が出た壁内を馬に乗って走り回り、人質に取られたりしたからね。……ふと思いついた。この経験はRTAに活かせるかもしれない!

 

 

「ちょ、ちょっと! 何するんですか!?」

 

 

「おいお前まさか」

 

 

 ノックしてもしも〜しなんて時代は終わりだ。男は黙って、失礼するゾ〜^

 

 

「ひゃぁっ! ……あ、あれ? みんなどうしたのこんな時間に……?」

 

 

 RTA走者の朝は早い。呑気に寝ていた美少女の部屋にノーノックで入り込み布団を引き剥がす。寝間着なのか薄着の美少女を見てもホモは狼狽えることも発情することも、匂いを嗅ぐこともせずに話があるとだけ言って部屋を出る。共に来た女性二人からの好感度が下がる音〜! だが、ホモは気にしない。ノンケは男だけにモテていればいいのだ。

 

 

 クリスタが来るまで好感度ランキングのコーナー! 

 まずはノンケの皆様向けに女性陣だ! 

 1位は残念ながら当然的にアニ。最近会っても話さないからか好感度の上昇はなし。一応、敵なので告白してくることは無いだろうが、告白してきてもおかしくない数値。

 2位はクリスタ! 悪ぃな、ライナー、俺の操作キャラがおめぇの好きな人盗っちまった。でも、俺はニファが好きだから安心してくれよな。

 3位はミーナ! ストヘス区の戦闘で助けたのが原因ですね。なお、ここからは上がらない模様(ストーリー的に関わらないし)

 

 

 さてお待ちかねの男性部門だ! こっちは3位から発表だ! 

 3位はジャン。おかしい、前までダントツトップだったのに。後ろに2位だったアルミンが控えている。おかしい。じゃあ、2位と1位は誰なんだ一体……。

 2位、エレン・イェーガー。お前かよ。生まれた時からこうなんだ系主人公。今は純粋な目をしてるが、ある女の子に触れると彼女に手を出してないのにDVしてそうな顔になる。こいつは多分、エレンポイントとかいうあたおかなシステムで好感度が上がるので。ちなみにエレンポイントとは

 ①自分で自分の背中を押して地獄を見る。

 ②加害行為を世界や環境のせいにしない。

 ③自分と同じ後悔や自責の念を持っている。

 なので、全部満たしているホモくんはエレンの中でポイント滅茶苦茶高いんですよね。

 そんなエレンよりも好感度が高いのがこちら。比較的最近出てきたくせに初手から高かったエルヴィン団長になります。なお、試走でもこうだったので驚いておりません。むしろお前じゃなかったらどうしようかと。今作は同性の場合、どんなに好感度が高くても兜合わせとかしなくて済んじゃいます。まぁ、巨人や人と戦っててそんなことする暇ないけどね。エンディングまで生きてたら、エピローグで同じ屋根の下で暮らしてるくらいはあるかもしれない。

 

 

「お待たせ……待ったかな?」

 

 

 クリスタが来たのでこの話はここまでだ。あまりゆっくりもしてられないので、チャチャッとぶちまけて王政ぶち壊しに行きましょう。悪魔はホモくん1人で十分だからね。ハッピーエンドはくれてやれないけど、生きてる間にいい夢を見せるのが悪魔の仕事な気がします。

 てことで、クリスタの出自と本名、真の王の存在について聞きましょう。バカ2人も身内の話なら黙って真剣に聞きます。分からないことがあってもお守りのジャンが教えてくれるので助かるー! 親父が給仕と勝手に作った子供だからって母親には嫌われ、家からも隔離されて、挙句の果てには名前を捨てろだなんて……辛かったよな。

 はい、じゃあ、次はユミルです。2人の話を聞けば知力をSまで伸ばしたホモくんなら察します。孤児だったのに、急に連れていかれてよく分からない宗教の象徴に祀り上げられて、最後には巨人にされて……辛かったよな。

 更にはユミルがライナー達の仲間を食べて人間に戻ったことも聞けました。これで無垢の巨人になった人間が、巨人化能力を持つ人間(正確には脊髄液)を喰らえば巨人化能力を持った人間になれることが分かりました。加えて、壁の外には人を巨人化させる薬があることも判明しましたね。まぁ、壁の中にもあるんだけど。

 判明しているのはロッド・レイスの持っている強力な巨人になれる物とリヴァイの叔父さんがくすねた普通のやつですね。ヨロイの瓶といいなんで持ってんだろ……と疑問には思いましたが、不戦の契りを受け継いでいるレイス家や記憶の改竄を受けなかった一族が薬の製法を受け継いでいて作れると考えれば納得のいく話ですね。

 2人の話を聞いてからこのことをエルヴィン団長に報告しましょう。やべぇな、父親の仮説がエレンの家の地下室に行かなくても証明されちゃった……。試走ではちゃんと地下室行ってからだったし、団長死んでたし。今回の団長は腕もあるし、拷問も受けてないし……犯罪者集団の頭領の汚名は着せられるかもだけど。

 

 

「………………そうか」

 

 

 班を代表してホモくんとジャンで報告を行うと長い沈黙の末、エルヴィン団長が頷きます。割と淡白な反応な気がしますが、実際夢が叶った時って現実か夢かわからなくて一旦考えますし、こんなもんでしょ。

 

 

「ユミルと……ヒストリアの話を聞いても、まだ分からないことが多くある」

 

 

 団長の言う通り、この世界の真実は完全に解明されていません。なんでユミルがその名を与えられて祀り上げられたとか、王はどうやってパラディ島に移ってきたエルディア人たちの記憶を改竄したのかとか。答えはひとぉつ! 始祖ユミルの説明だけで片付くんですが、そこはジーク戦士長あたりかグリシャの手記を見る必要がありますねぇ! 

 

 

「壁内の脅威が消え去っていない今、エレンの家の地下室に行くことは得策ではない。外の敵を捕らえた次は、壁内で自由を求める我々の邪魔をする者を絶たねばならない」

 

 

 そのために心臓を捧げられるかと問われてジャンは当惑しますが、ホモくんは違います。RTAを成し遂げるためには、さっさと終わらせなければならない事案です。前の団長が言っていました! 全て根こそぎ叩き潰せってな! 

 

 

「しかし、団長、そのために壁の中の人類で殺し合うのは……得策では無いと思います」

 

 あ? 酒ばっかり飲んでるツルピカみたいなこと言うなよ、ジャン。シラケるぜ。

 

 

「確かにジャンの言う通りだ。だが、王政が隠している真実を我々は知らなくてはならない」

 

 

 我々というか、エルヴィン団長自身なんですけども。

 

 

「私たち調査兵団の使命はなんだ? 巨人の秘密、さらには壁の外の秘密を解き明かすことだ。その過程で、現王が偽物であることが分かった。そして、この事実を知った我々に……戦いは避けられない」

 

 

「どういうことですか」

 

 

「…………私の父は私が殺した。それは知ることを良しとしない。この壁内が殺したも同然だった」

 

 

 ここでエルヴィンの回想が入ります。昔の人はどうやって壁の外に人がいないって調べたんですかの下りとかはもう知ってるので飛ばします。要点だけ言えば、歴史書が怪しいから壁の外にも人いるんじゃね? てかこの壁の人たち王に記憶でも改竄されたんじゃね? という話を息子にしたら謎の事故死しちゃうんですねぇ。

 

 

「私の父は愚かな息子のせいで、中央憲兵によって殺されたのだ」

 

 

 つまりは壁の事実に近づくと王の見えざる手により、葬られるってことですね。クソ! 中央憲兵のやつ絶対に許さ……ん? は? 

 

 

「なに、君も……祖父母を中央憲兵に?」

 

 

 なんでさ。そんなところで繋がらなくていいから。いや、ホモくんの家族触れられてこなかったけどさ。トロスト区出身だから、特に何もないやんって思うやん! 

 

 

 ###

 

 

「私の祖父母は……壁の外に強い憧れを持っていました」

 

 

 エルヴィン団長の父親が中央憲兵に殺されたと聞いて、ホライゾンもまたじいさんと婆さんを殺されたと口にした。

 

 

「しかし、壁の外に行くのは禁止されていて、今でも行けるのは調査兵団だけです。トロスト区の中では名家だったモルガン家の当主として死ぬ訳には行かなかった祖父は壁の外に行くという夢を諦めました」

 

 

 淡々と語るホライゾンの言葉に俺と団長は耳を傾けていた。当時の調査兵団に今のように巨人の弱点がうなじであるという知識はなく、さらには立体機動装置もなかったらしい。対巨人用兵器も安定性に欠ける大砲だけだったらしい。

 

 

「しばらくして祖父は祖母と出会い結婚し、私の父をこさえました。世継ぎが出来たことで、その頃から祖父は調査兵団に入らずとも壁の外に行く方法を探し始めたそうです」

 

 

 その方法はホライゾンの爺さんの結婚相手が、正面からがダメなら上から行けばいいのでは無いかと提案したそうだ。そこで立体機動装置の動力源に使われている氷瀑石を動力源に空を飛ぶ乗り物を作ろうと至ったらしい。

 

 

「……すげぇなお前のじいさん」

 

 

「だが、運の悪いことにそれが叶ってしまった。祖父母は作り上げたのだ、空飛ぶ乗り物を」

 

 

「……それが中央憲兵に見つかったのか」

 

 

 エルヴィン団長の言葉にホライゾンは頷いた。そこからモルガン家は失墜、トロスト区の名家から追われる身になったそうだ。

 

 

「は? じゃあお前は……」

 

 

「あぁ、生まれはトロスト区だ。育ちは……転々としていたから覚えていないな」

 

 

 じいさん達が殺される前にホライゾンの親父さんは嫁さんと出会ったらしいが、ホライゾンの姉さんを産み、2年後にホライゾンを産んでその1年後にじいさん達が殺されたそうだ。だから、ホライゾンは2人の顔を知らない。

 トロスト区から引き払った後、壁内を転々としながら中央憲兵の目の届きにくいウォールマリア南区に移ったらしい。父親は立体機動装置を作る工場で働き、母親は新聞記者をしていたそうだ。

 

「いい暮らしは出来なかったが、悪くはなかったよ」

 

 

 けれど、両親は中央憲兵への恨み節は欠かさなかったとホライゾンはため息を吐いた。

 

 

「だが、死んだ祖父母の話を聞いて私は思ったのだ。私は壁の外に興味はなかった。けれど、あの大空を自由に飛べたらと」

 

 

 祖父は違うかもしれないが、祖母は私と同じだったのではないかとホライゾンは呟いた。親父さんたちの話を聞いて、ホライゾンも多少なりとも壁の外について関心を持ったらしい。死んだ爺さんの見たかった景色がどんなものだったのか。まぁ、そこは俺にとっては地獄でホライゾンにとっては天国だったようだが。

 

 

「と、まぁ、中央憲兵に恨みはないとは言い切れません。なので、私は"殺せ"と言われたら躊躇う気はありません」

 

 

 祖父母の仇は関係ないと言うホライゾンに団長は「分かった」と首肯した。……そういや、ウォールマリア南区ってことはこいつも壁が破られた日に巨人を見たのか? 聞こうにも話を切りかえたエルヴィン団長によって、俺の疑問は脳の片隅に追いやられてしまった。

 

 

 ###

 

 

「もう時間が無い。以前のようにジャンを使った替え玉作戦による遅延は望めない」

 

 

 そんなことをすれば王に対する反乱だと解釈される可能性もあるが、そもそもそんなことさせなければいいと団長は言います。真の王家の血を引くヒストリア・レイスを王に立てることで現王政の打破を狙うようです。みんなに好かれるいい子ちゃんの次は王様か。クリスタも大変だなぁ(白目)

 

 

「そのためには、彼女が真の王家の血を引くという証明が欲しいが……」

 

 

 難しいなぁ……。原作のクーデターも王政が国民の為じゃなくて自分たちのために動こうとしたから成功したようなもんで、ヒストリアが真の王家っていう証拠はなかったからなぁ。てことで、現王政の醜さを証明することで、国民たちの総意を変えちゃいましょうと提案しましょう。

 

 

「……確かに彼らは真実の判明を恐れた。それが既に証拠になるか」

 

 

 運のいいことに敵さんに記憶を改竄する力とかはないみたいですし? 出来たら多分5年前くらいにされてそうだし? いけるんじゃないですかねぇ? 

 

 

「分かった。君の案を採用しよう。私はこの話をピクシス司令に持っていく。君たちには引き続き独自行動を頼む」

 

 

 ライセンサーかよ。独自行動の任が与えられるとか嬉しすぎんよ〜! なお、好感度はカンストしてしまった模様。倒す巨人も実質2体だからエンディングのことは興味無いし、いいんだけどさ。

 クーデターは団長に任せてホモくんはレイス家跡地で回収すべきものを回収しにいきましょう。なんなら原作通り、ロッド・レイスを巨人化させて、ヒストリアをジャンヌ・ダルクみたいにしてもいい訳ですし。

 やるべき事は手短に、やらなくてもいいことはやらない主義なので、サクッと終わらせますがね。




ホモくんのスキルに『対中央憲兵〇』が追加されました。中央憲兵に所属する兵士との戦闘において、全能力にバフが入るぞ!銃は剣より強し? 私の剣♂に勝てるものか!

ちなみにホモくんはアルミンからアニがマルコの立体機動装置を持っていたことを聞いて、マルコの死の真相を察してるゾ 敢えて言わないのは優しさかもしれないし、そうじゃないかもしれない。


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