進撃の巨人 RTA Titan Slayer   作:オールF

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ランキングウマ娘だらけだなと言われて見てみたらマジだった。なぜ、ウマ娘がランキングを占めているんだ? ? そんなことすぐわかるだろ? なぜなら俺は始祖JRAを信じている!! 俺たちは選ばれしトレーナー!! URAファイナル出場者だ!!(ご覧の小説は進撃の巨人RTAです)


5期 憧憬と屍の道
情景と屍の道へ


 ヒストリア・レイスがオルブド区に襲来した四足歩行型の超大型巨人を打ち破り、彼女がその際に放った言葉によりオルブド区の住民たちは湧き上がった。

 

 

「……私はヒストリア・レイス。この壁の真の王です」

 

 

 民衆は名ばかりの王になびくほど純朴ではない。だからこそ、真の王であるヒストリアが壁の中にある1つの街を救ったという事実は、彼女の女王としての気質と威光を壁内へと知らしめた。

 提案したヒストリア本人は己の持つ剣を掲げ、承認したエルヴィンは沸き立つ民衆を見下ろしながら穏やかな笑みを浮かべる。ヒストリアの最初で最後の親子喧嘩を後押ししたホライゾンとユミルは新たなる女王の誕生に拳を突き合わせた。

 それから数日も経たないうちに、エルヴィン及び調査兵団員達が処刑されるはずであった処刑台にて前王から新たなる王へと王冠が授けられた。新聞社が出した速報を読んだ民衆達は、壁の倍もある巨人を倒し、影の王であった父親の暴走を自らの手で鎮めた若く、強かな王に惹かれた。

 

 

「我が壁の真の王よ!! ヒストリア女王!!」

 

 

 新たなる女王の前で頭を垂れるエルヴィンは民衆からの求心力を得るために、ロッド・レイスに対して自分がトドメを刺したことにしてくれと言っていたことを思い出しながら、まさか本当に仕留めてしまうとはとヒストリアなら、新たなる女王ならこの狭く醜かった壁内を変えることができるかもしれないと感じていた。

 

 

 壁内、というよりは調査兵団に残った問題は多い。この騒動を収める過程で発覚した事実を公表するか否か、対人立体機動装置を用いてきた中央第一憲兵のリーダー、ケニー・アッカーマンの処遇についてもだ。部下を失い、自分の技術や知識を叩き込んだ甥っ子とのタイマンに挑んだケニーであったが、相手の方が若かったからか、あるいは自分には倒すことの出来なかった巨人を倒したという経験の差なのか、甥っ子であるリヴァイに敗れる結果となった。

 礼拝堂にすぐに向かわねばならなかった状況もあり、手足を拘束してグンタと負傷したオルオにケニーを預けていたリヴァイは王の式典の前に、牢屋に捕らわれた叔父へと会いに行った。

 

 

「ケニー」

 

 

「……なんだ、お前かよ」

 

 

「アンタの仲間は俺の班と別の班でみんな片付けちまったぞ」

 

 

 つまり、残ったのはアンタだけだと言い放ったリヴァイにケニーは「みてぇだな」と自身へと嘲笑を向けた。皮肉にも憲兵の首を散々かき切ってきた自分が対人立体機動部隊を率いた。巨人の相手は諦めて、残された人間と領土を巡り争い合うために作られた部隊は、偽りの王政を守るための矛として扱われた。

 しかし、ケニーにも野望はあった。このクソッタレな世界で大いなる夢を叶えるという。神にも等しい力を手に入れた人間は、慈悲深くなれるのかと、一体どんな気分になれるのかと、自分のようなクズでもたった1人の友人と対等な景色が見れるのかと天井を仰いだ。

 

 

「てめぇの持ってたこれはなんだ? まぁ、ホライゾンから聞いて中身の見当はついてはいるが」

 

 

「ホライゾン? ……あぁ、それはロッドの野郎からくすねたヤツだな。そいつを打てば巨人になれたっていうのによ」

 

 

「……それを打つ時間も体力も、俺とやり合ってる時にいくらでもあったはずだ。なぜやらなかった?」

 

 

「うるせぇな。さっきからよォ……殺したきゃ早く殺せよ」

 

 

 どうせ、ロッドも死んで新しい王様が誕生したんだろと悪態づいたケニーは、今の自分に存在意義はないと床に寝転ぶとリヴァイに背を向けた。

 

 

「いや、そうはいかない。聞きたいことは山ほどあるしな」

 

 

 知っていることは全て話してもらう。この壁内のため、リヴァイ自身のために格子を握る。初代王はなぜ人類の存続を望まないのかと聞けば、知らないと返ってくる。だが、アッカーマンが対立した理由はそれだと言う。そこでリヴァイは気になっていたことを口にした。

 

 

「そういや、あんたアッカーマンって言うらしいな。リーブスから聞いたぜ。俺の班にも同じ姓の奴がいるがこれは偶然か?」

 

 

「あぁ……、分家の方のか。なるほど、道理で女のクセに強ぇと思ったぜ」

 

 

 祖父と話したウォールマリア南のシガンシナ区の辺りに移った分家の娘かとアタリをつけたケニーは一族の生き残りがまだいた事に、無意識的に胸を撫で下ろすと同時に、対峙した際に出た感情に納得がいった。

 話してやってもいいかと、ケニーはかつてのアッカーマン家は王側近の武家であったことから語り出した。それがケニーとリヴァイ、そしてミカサのたった3人にまで減らされた理由は、アッカーマンに流れる血が原因であると。

 壁の中には大多数の単一民族と、極少数にそれぞれ独立した血族が存在するのだと。その極少数に入るのがアッカーマン家と東洋人の家系である。そして、ルーツの異なる血族は王の理想とする統治方法の障害となったため、アッカーマン家や東洋人は恐れられ、迫害を受けた。

 

 

「その王の理想ってのは、人類の記憶を書き換えて、過去の歴史を根絶し、一糸乱れぬ平和を実現することだそうだ」

 

 

「……は? 何言ってやがる」

 

 

「ははは、だよな。俺もじいさんから聞いた時はそう思ったぜ」

 

 

 喜ばしいことに事実だとケニーは笑った。何が喜ばしいのかはリヴァイには分からなかったが、ケニーは続けた。王は巨人の力を代々受け継いで保持しており、人類を巨人から守る巨大な壁を築き上げた。けれども、王の巨人の影響を受けない少数の民族は、記憶の改竄を受けないため、過去の歴史を自らの意思で黙っていなければならなかった。王の意思に背いたアッカーマン家と東洋人は当時の当主の処刑をもって、虐殺から逃れたが、時が経つと契約は反故にされ、ケニーが王政に引き入れられるまでは迫害は続いたという。

 

 

「あと、これはちなみにって話だが、偽りの王に群がる役人共も俺たちと同じ王の記憶の改竄を受けない民族って話だ。アッカーマンでも東洋人でもないそうだがな」

 

 

 つまり、この壁の中には多数の民族が入り交じっているが大多数は王の記憶の改竄を受ける者たちで占められており、残りは王の力の及ばない希少種ということになる。

 

 

「最後に1つ聞くぞ。お前は母さんのなんだ」

 

 

「…………それは言えねぇな」

 

 

 少なくても男女の間柄じゃねぇよと呟いたケニーはそれから喋らなくなった。それはリヴァイも同じで聞きたいことはほぼ聞けたから、今回はこの辺にしておこうと牢屋から離れた。

 新たに判明した事実は、エレンの中に王の力が眠っていることを指し示していた。だが、エレンがその王の力らしきものを使ったことはない。ただ巨人になるだけの力が、王の力ではなく、人の記憶を改竄し、巨人達を50メートルもある壁にしてしまう、まさに神にも等しい力だ。

 

 

「うーん、初代レイス王が使えていたってことは、その力は実在するんだろうけど、エレンに使えない理由かぁ……」

 

 

「なんでもいいから思いついたのを言ってみろ」

 

 

 リヴァイはこの話を持ち帰るとすぐに、エルヴィンとハンジへと見解を求めた。ケニーが嘘を言っているようには思えないし、壁の中の巨人や50メートルにもなる壁を3層も作り上げる技術は昔も今も無いものである。昔も巨人の脅威に晒されていたとなれば尚更である。

 

 

「考えられる理由としては2つ。1つは継ぐ毎に力が弱まった。で、もう1つは」

 

 

「血筋か」

 

 

 ハンジが言おうとしたことに、先にエルヴィンが口にする。セリフを取られて不服だったのかハンジは眉を顰めながら頷いた。

 レイス家が代々受け継いできたのも、彼らにしか扱えない力なのだとしたら頷ける上に、ロッドはヒストリアにエレンを食わせようとしていたことからも間違いないという確信を得ることが出来た。

 

 

「でも、壁の修復はエレンだけでもうできるし、記憶の改竄も必要ないよね……?」

 

 

「あぁ」

 

 

 どういうわけかエレンに硬質化の能力が発現したおかげで、最低限の物資でシガンシナ区へとたどり着けることが確定した。これからエレンには2回巨人化しても、硬質化ができるように訓練し、それが終わり次第最短でウォールマリアを奪還することとなった。

 これでついに目指していたイェーガー家の地下にたどり着く算段は整った。壁の外にいる敵は今のところ無垢の巨人のみで、捕らわれた知性巨人の仲間が現れる気配もない。エレンとの実験次第では1ヶ月以内にウォールマリアは取り戻せるだろうとエルヴィンは力強く頷いた。

 

 

 

 しかし、真の女王の誕生と全領土の奪還まであと少しという希望の光の裏で1人の男が自らの願いのために動き出していたことを彼らは知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





休んでいいよと言われたけど書きました。完結に向けて動き出さなきゃってことで。当初の目的通り4年経つ前にRTA終了できそうなので(自己解釈使ったらだけど)。
戦士撃破後は初期プランと大きく変わってしまったので、今日はおまんけに初期プランを大公開しちゃうぞ♡


初期プラン(戦士撃破後のみ抜粋)
王政奪還編は原作の流れに任せるため牢屋で過ごしてスキップ(これで大幅な時間短縮)
ここを変更した理由→エレンが叫びの力を使っていない。壁の中の巨人が露出した場所が原作と異なるため、ニックがいない。そのため、クリスタが真の王であることを聞き出すのに時間がかかるor聞き出せない……など。

王政奪還後→戦士たちを捕らえたことを公表。さらにケニーの持っていた巨人化薬で獣の巨人ガチャ。これにより主人公が鳥or海を渡れる系を取れればマーレに上陸。失敗した場合は超大型巨人+車力食べて1人地ならし(車力食べるのは持久力確保のため) これでは戦鎚に勝てるフィジカルも手に入れられるし理には適ってるかなと思いましたがボツにしました。
なお、このルートでは壁内を侵略しに来た悪魔たちを打ち倒した英雄として、ザックレーをはじめとした上層部にヒストリアと婚約させられる予定でした(新王家の力をより強く誇示するためという理由もあるよ)
なので、このルートに行くと曇るのが何人かいた。書きたかった理由はこれが強かったがルート変更で変わちゃった!


作者「良かったな、ライナー。祝えよ」
ライナー「……っ!」
作者「祝えと言っている」
ライナー「……い、祝え! 時空を超え、可愛さと優しさをしろしめす究極の美の王者。その名もヒストリア・レイス!可愛さの極地へとたどり着いた瞬間である!」




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