進撃の巨人 RTA Titan Slayer   作:オールF

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マーレ上陸

「まさか……5年前に遣わせた4人の戦士のうち、お前だけが帰ってくるとはな」

 

 

「超大型と鎧は捕まって、顎は無垢の巨人に食われたか……ポッコが聞いたらなんて言うかな」

 

 

 私の話を聞いて船に乗っているマーレの軍官たちは紅茶を飲みながら、私たちの失態について話し合っていた。

 

 

「おまけに追加投入した獣と車力も捕まるとは……」

 

 

「まぁ、相手が始祖なら仕方ないという気はするが」

 

 

「まさか壁の王本人が最前線で戦っているとも思わんしな」

 

 

 予想外だったと口々に上官たちが奥の部屋にいるホライゾンを見遣る。確かにあいつの存在は予想外だった。壁内の兵士たちが立体機動装置を使って宙を舞い、近接武器を用いて巨人と戦っていることにも些か驚いたけど、それを使いこなしてマーレの戦士を屠ったのはあいつだ。上官たちはあいつの事を壁の王、フリッツ王だと思い込んでいるから、始祖の巨人の力を使って私たちを倒したんだと信じ込んでいる。真実は、全く違うのに。人間の身でありながら、巨人を地につけた兵士。マーレに伝わる英雄へーロスのようだと今も尚思う。

 

 

「しかし、壁の王がここまで協力的だとは」

 

 

「隣国の脅威が去るまでは手を貸そうだとよ。不戦の契りがあるとは言え、壁の王も心が広いな」

 

 

「だが、本当に壁の王なのかも、始祖の巨人なのかも確実じゃないけどな」

 

 

 向けられるのは私への懐疑的な目。悪魔の民族、ユミルの民の血を引く私と、その歴史を作り出した諸悪の根源、フリッツ王の末裔に対して、純マーレ人の恨み、妬みはただその血を持ってこの世に生まれてきただけの私たちに注がれている。

 

 

「……まぁ、いい。本国に連絡は済ませてある。全ては上に委ねよう」

 

 

 下がっていいと言われて、私はようやくタバコ臭い、オヤジ臭い、まさしくクソみたいな部屋から出ると、肩を下ろす。息も詰まるし、ホントクソだ。さっさと、変態のとこに行こう。あそこも大概だが、あいつは臭くないし、オッサン共のように変な絡み方もしてこない。

 

 

「……は?」

 

 

 部屋に戻ると私をここまで案内させた男の姿が見えない。さすがにこんな海のど真ん中で逃げ出すとは思えないし、というかそもそもあいつに逃走っていう選択肢があるのか謎なんだけど。

 甲板に出ると、そこにやつはいた。金色の髪が潮風で靡いて、太陽光を反射させる海を見つめていた。

 

 

「アンタ、なんで部屋にいないの」

 

 

「あそこは窮屈で何も無いからな」

 

 

「……確かに蹴るのに手頃な棒はないし、模擬格闘するほどの広さもないからね」

 

 

「ここならできるが?」

 

 

「いや、やんないから」

 

 

 急に乗り気になって、シュッシュっと拳で風を切らせるホライゾンの手の甲をペシッと叩く。

 

 

「この船に乗って2日経つが、あちらはどうなっているだろうな」

 

 

「さぁ。アンタがいなくなって大騒ぎ……ってこともないんじゃない?」

 

 

「それはそれで……まぁいいか」

 

 

 いいのか。冗談で言ったんだけど。

 ホライゾンはマーレの戦士5人を沈めた英雄だ。もし、マーレならエルディア人でも讃えられてもおかしくは無い戦績だ。しかも、牢で聞いた限り王政をひっくり返して、真の王様を新しい王にするために奮闘したって話だ。そんな男がいなくなれば、上は知らないけど同期の連中は心配するんじゃないかな。

 

 

「恐らく、彼らが我々に追いつくには1年かかるだろう」

 

 

「……そう」

 

 

 1年か。それまで、私たちは生きていられるだろうか。私は父さんにまた会えるだろうか。いや、会うんだ。会うために、私は……帰ってきたんだから。

 

 

 

 ###

 

 

 悪魔の民族じゃない男が往くR・T・A・は・じ・ま・る・よ〜! 前回はマーレに行く船に乗るところまででしたね。マーレに着くまでは……スキップじゃ。どうせアニとしか喋らないんだし、変なフラグ立つ前にさっさと行くZO。

 

 

 はい、マーレの軍港に着きました。ホモくんは愛想振りまくりです。笑顔のまま手を振るといった、相手の警戒心を解くための姿勢は忘れません。しかし、悪魔の民族が住む島から来た王ということもあって、マーレの皆様はあまりいい気持ちを抱いていない様子。これが始祖の力もなければ、壁の王でもないってなったらどんな顔するんやろうか……。そんな顔を拝む前に死にそうだけど。

 けれど、ここまで来たらノンストップじゃい! 

 

 

「お前がフリッツ家の末裔にして、始祖の巨人の継承者、ホライゾン・フリッツか」

 

 

 そうだよ(便乗)。

 空飛ぶ巨人はいないのかって? そんなの、あと3年は出ないよ……。

 

 

「……我らが戦士を退けて、ここまで来た経緯は既に聞き及んでいる」

「して、我らが戦士をどのように退けた?」

 

 

 はい、ここで選択ポイントです。1つでも間違えるとオワオワリ! ここは迷わず上の『始祖の力を使って』ではなく、『自分の手で』と答えましょう。

 

 

「ほう……巨人の力を使わずに、巨人を……?」

 

 

 そうだよ(適当)。今からそれを証明してやってもいいんだぜ? なんなら、そこに生き証人もいるわけだしね。

 

 

「レオンハート。事実か?」

 

 

「はい。私も、そして他の戦士も、彼と彼の所属する兵団組織によって……捕縛されました」

 

 

「そうか」

 

 

 さて、1つ目の関門はクリアです。始祖の巨人で倒したと答えると、少し厄介なことになります。まぁ、倒すだけなら始祖の巨人でもできるんですけどね!

 

 

「フリッツ王、あなたは我々に協力する意思があるとのことだが、それはどのように?」

 

 

 はい、ここも関門です。こ↑こ↓が1番大事なところです。さっきのはまだ間違っても大丈夫でしたが、ここで始祖の巨人と答えると……ゲームオーバーです。なぜなら、始祖の巨人は使えないからです。

 

 

「……ほう? 始祖の巨人なしにどうやって?」

 

 

 それを考えるのはお前らの仕事だろうがよ(暴言) 不戦の契りって知ってるかい?

 

 

 

 ###

 

 

「……私はここに来るまでに嘘をついている」

 

 

「ホライゾン?」

 

 

 急に何を言い出すんだと、私が目を向けるとホライゾンは私を手で制する。ここは任せろと暗に言うホライゾンから私は視線を逸らす。

 

 

「嘘だと?」

 

 

「えぇ。私は壁の王ではありますが……始祖の巨人の継承者ではありません」

 

 

「なんだと」

 

 

 いや、嘘つきっぱなしじゃないかと顔には出さないが、そう思うも、真実を知る者はこの場には私とホライゾンしかいないため、軍官達はまだ話を聞く姿勢を見せている。

 

 

「どういうことだ?」

 

 

「始祖の巨人は何者かに奪われました。5年前に貴方達が遣わした戦士たちのおかげで」

 

 

 ホライゾンが言うには、壁が破られた日に、フリッツ王の家族は全て突如として現れた知性を持つ巨人に殺され、始祖の巨人もその際に奪われたという。

 

 

「私は妾の子で、本家とは別の家で暮らしていたので殺されることはありませんでした。しかし、壁の中の平和のために、私の母は殺され、私は別の名前を名乗って兵士として生きるのなら見逃そうと言われました」

 

 

「……なるほど。それで?」

 

 

「私はそこでアニ・レオンハートやこの場にいないライナー、ベルトルトと出会いました。壁の王として知ることの出来る権利を用いて……彼らの正体を知りました。この国のことも」

 

 

 不戦の契り。王家が始祖の巨人の力を行使できないこともホライゾンは知っていた。これらの話はホライゾンの話ではないだろう。多分、真の王様を祭り上げる時に知った話を組み合わせているのだろう。昔、ホライゾンが言っていた。嘘をつく時は真実も混ぜ合わせるといいと。そうすれば、嘘をつかれた方は嘘だと分からない上に、わかったとしてもどれが嘘かどうか分からなくなると。実際、上官たちはホライゾンの話に聞き入っている。

 

 

「我々、エルディア人が犯してきた罪は償っても償いきれない……が、それは私だけが背負うべき罪だ。全ては始祖ユミルと巨人の力を利用してきたフリッツ王の罪なのです」

 

 

「だから、なんだと言うのかね」

 

 

「あなた方に協力する代わりに、エルディア人の罪をなかったことにして欲しい」

 

 

「無理だ……と言ったら?」

 

 

「……この国は滅ぶな。確実に」

 

 

 今のマーレにある戦力は、巨人の力に頼りすぎた弊害ゆえの他国より遅れた銃火器性能のみ。パラディ島には私と戦鎚の巨人以外の巨人がいる。もし、パラディ島の戦士たちが他の人間に受け継がれて、調査兵団のようなヤバいやつらがこの島まで来たら……隣国に敵視されているマーレは終わりだ。

 

 

「そうか。分かった」

 

 

 それは上官たちも分かっているのか、ホライゾンを直ぐに殺すことはせずに頷きを示して、銃を持っている兵士たちを下がらせる。

 

 

「ようこそ、悪魔の王。いや、真の悪魔の末裔か? まぁ、なんでもいいか。とにかく、我々は君を歓迎しよう」

 

 

「ハハハ、悪魔の王か。それはいい。感謝する」

 

 

 笑えないジョークを交わして、ホライゾンとこの場において1番上位に位置する上官の1人が手を握り合う。その光景を見て、私はホライゾンが言ったように、もうマーレとエルディア人が争わなくて住む世界が作れるのかもしれない。そう思った。

 

 

 

 

終わり方

  • ハッピーエンド
  • バッドエンド
  • 原作通り
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