進撃の巨人 RTA Titan Slayer   作:オールF

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お説教の時間
だと思っていたんですけど深夜テンションで書いたらおかしなことになったので、冷静になったら消すかもです


ホライゾンの華麗なる攻撃

 

 

 マーレの打ち出した不平等条約に、パラディ島の王、ホライゾン・モルガンは激怒した。どのくらい激怒したかといえば。

 

 

「失礼! ここがマーレの軍議の場か!」

 

 

 マーレ軍の中央会議に乗り込むくらいには怒っていた。

 

 

「なんだ貴様は」

 

 

 捕らえよと入口に待機させていた部下へと命令を下すが、たった2人の人間では知能を持つ巨人を相手取り、勝利してきた男には取るに足らずあっという間に無力化してしまう。

 

 

「失礼と言っただろう! 何回同じことを言わせるんだ!!」

 

 

「いやこの人たちは言われたの初めてだけど」

 

 

 唐突に襲いかかってきた兵士に、怒号を飛ばしたホライゾンに付き添い兼お目付け役を言い渡されていたアニが口を挟む。

 

 

「レオンハート。これはどういうことだ?」

 

 

「……タイバー卿の許可は得ました」

 

 

「なんだと?」

 

 

 アニの返答に元帥は眉根を上げる。この場にはいないものの、マーレをエルディアの魔の手から解き放ったことにより、権力者の中でも最上位のタイバー家の指示とあれば、マーレ軍も強く出れない。

 

 

「……で、貴様はなんだ」

 

 

「ホライゾン・フリッツ。見ての通り島の王だ」

 

 

 だから見ても分からないでしょとアニが小声で突っ込むも、本人は聞く耳を持たず、ズカズカと軍議を行う会議室へと入る。

 いきなりの乱入に、警備兵も鎮圧するという手際の良さを見せられたマーレ軍の士官はざわめき、彼の性格をココ最近で理解し始めたマガトは見て見ぬふりをしていた。

 

 

「で、島の魔王。何しにここにやってきた」

 

 

「決まっているだろう」

 

 

 そう言うとホライゾンは胸ポケットから昨日届いたばかりのマーレ軍から送られてきた書状を広げた。書状にはマーレはパラディ島へ一切手を出さない代わりに捕らえた戦士の返還に、地下資源の譲渡、さらには始祖の巨人の寄与も付け加えられていた。しかもそれを平等条約締結のためと謳っている。

 

 

「何が悪い? ただでさえ生きていても家畜の餌にならないエルディア人の住む島の安全を保証してやるのだ。これくらいの見返りは当然だろう?」

 

 

「そうだ」

 

 

「命に比べれば地下資源など安いものだ」

 

 

 元帥の言葉に、何人かの士官が同意するように頷く。それを見てホライゾンは驚いた様子で呟いた。

 

 

「いやはや、これを本気で言っているとは……道理でたった4人の少年少女に始祖奪還計画を託した軍部の頭はただの飾りらしいな」

 

 

「なんだと?」

 

 

「おい、待て。なぜ始祖奪還計画を知っている?」

 

 

 ホライゾンの挑発に乗りそうになった1人を手で制して、元帥は情報源と思わしきアニを睨みつけながら問いかけた。それにホライゾンは鼻で笑った。

 

 

「敵の兵士を生け捕りにしたのだ。それくらい聞くのは当然だと思うが」

 

 

 しかし、話したのはアニではなく、自分の推察が正しいかどうか確かめるために尋問したジークだと伝えると、再び会議室はざわめきに包まれる。

 

 

「まさか奇跡の子が?」

 

 

「マーレに最も忠誠を誓っているはずの彼が」

 

 

「信じられない」

 

 

「一体どんな拷問をしたんだ」

 

 

 想像もつかない悪魔の末裔にして、その民族を束ねる魔王が行った拷問にジークの上官たちが違った表情を浮かべる。

 

 

「なるほど、流石魔王。些か頭がキレるようだな」

 

 

「はは、全く嬉しくないな。20にもならない若輩者でも愚かだとわかる作戦を立てる人物に褒められても」

 

 

「貴様ッ! 元帥になんて口を!」

 

 

「それ以上、元帥や我々にふざけたことを」

 

 

「私の言ってることが間違っているかなど、その作戦の結末を見れば一目瞭然のように思えるのは私だけでしょうか?」

 

 

 不快なほどに唾を飛ばしてくる男たちの発言を遮るようにしてホライゾンは先程から無言を貫いている士官の方へと視線をやる。

 

 

「……確かに送り出した戦士の1人は壁にたどり着く前に無垢の巨人に食われた。そして、壁を破壊することに成功した戦士たちは貴様が所属する兵団によって捕らわれた」

 

 

 増援で送り込んだ2人も捕らわれたことを含めれば、マーレ軍戦士の大敗と言わざるを得ない。いや、完敗だった。ホライゾンに視線を向けられ、マーレ軍が事実上の敗北を喫したことを口にしたマガトに非難の目がむく。

 

 

「それは戦士を育て上げた貴様の怠慢だぞマガト」

 

 

「そうだ! お前がちゃんとした者を戦士にしていればあんなことには!」

 

 

「……私は彼らを戦士にすることに躊躇いがあった。あんな年端もいかない子供たちに、この国の命運と、敵国とはいえ1つの島を滅ぼすという咎を背負わせることに」

 

 

 悔いるように言い放つマガトに、隣に座っていた士官は立ち上がるとマガトへと詰め寄った。

 

 

「マガト、お前も我々の決定が間違っていたというのか?」

 

 

「それは……分からない。だが……」

 

 

 しかし、マーレの戦士として彼らを徴兵し育てていた当時から思っていたことはある。

 

 

「4人の子供に始祖奪還計画を託すなど、俺には正気と思えなかった」

 

 

 確かに子供なら島の中にも入り込みやすいし、周囲にも紛れやすいだろう。だが、それは彼らでなくてはいけなかったのか。13年しか生きられない呪いを背負い、他者とは違う力を持つ存在になる。その対価が家族の名誉が保証されるだけでいいのか。子供は未来の宝だ。それが例え過去から現在まで悪魔と言われていた人種であっても。

 彼らが奮闘し、血と汗を流した日々を見ていたマガトには、家族や友人、国の誇りのために生きる彼らの方がよっぽど人間らしく見えた。

 始祖を連れて全員帰ってこいとマガトは出発の日にライナーやアニたちに告げたが、その結果が1人は死に、2人は捕らわれのままだという。簡単な作戦でないことはわかっていた。それでも世界は残酷で、マガトはこの事実を、死んだ子供の家族へと伝える時に自身の不甲斐なさを呪った。そして、マーレの愚かさにも。

 

 

「という意見もあるが、元帥。あなたは始祖奪還計画が間違っていなかったと?」

 

 

「あぁ。計画自体に問題はなかった。ただ、その計画を遂行するにあたって人材とその指導者に問題があったようだがな」

 

 

 頑なに自身の非を認めようとしない元帥に、ホライゾンは堪忍袋の緒が切れる程の怒りは湧いて来なかった。むしろ、ここまで開き直れる愚直さに呆れを通り越して感心するレベルに至っていた。

 

 

「違う!」

 

 

 ホライゾンが言い返す言葉を見失う中、元帥の言葉に噛み付いたのは意外にもアニだった。

 

 

「私たちは、家族の、マーレのために! 必死で頑張った! マガト隊長は、厳しかったけど、私たちを育ててくれた!」

 

 

「だからなんだ? 自分の力不足を、上官の不甲斐なさを我々のせいだと? レオンハート、貴様はそう言いたいのか?」

 

 

「……ッ!」

 

 

 元帥の睨みを利かせた物言いに、アニは声を押し殺す。しかし、ここで黙っていては「はいそうです」と認めてしまうことになる。自分やライナー、ベルトルトにジークやピーク、そしてマルセルの決意や努力、時間も否定してしまう。さらには戦士として自分たちを育て、パラディ島へと送り出してくれたマガトも侮辱されたままだ。

 

 

 

「ああそうだよ! 全部あんたらの能無しのせいだろうが!! そんなんだからこの変態1人に台無しにされるんだよ!!」

 

 

 それを認めるくらいならここで全部本音をぶちまけてやると声を荒らげたアニに士官たちの形相が恐ろしいものへと変わる。全員非常時に備えてと携帯していた銃へと手を伸ばしかけようとした時。

 

 

「よく言ったアニ!」

 

 

「何を貴様ァーッ!!!?」

 

 

「ホライゾンラリアーットッッッ!!!」

 

 

 1人の男が少女の独白に賞賛しながら、目の前にいた士官へとラリアットをぶちかました。

 

 

「な、何をっ!」

 

 

「ホラキィーック!!!」

 

 

「ぐああっ!?」

 

 

 上官という立ち位置にあぐらをかき、兵士としてのあり方を忘れて自堕落な生活を送っていた男たち。拳銃を身につけているだけで引き金に手をかけるどころか、それを手に持つ前に現役兵士からの強烈な一撃を貰えば卒倒するのは必至であり、次々と軍議の場にいた士官たちが訳の分からない掛け声とともに放たれる技に倒されていく。

 

 

「ホラチョップ!」

 

 

「ぐぉおぉっ!!」

 

 

「ホラ目潰し!」

 

 

「ぎにやぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

「ホラパンチ!!!」

 

 

「お"お"っ!?」

 

 

 ドサリとそれぞれ頭やお腹、目を抑えながらその場に膝をつく同志のサマを怯えた目で見遣りながら、残った元帥はまだ何もされていないマガトへと口を開いた。

 

 

「おい、マガトやつを止めろ! お前ならできるはずだ!」

 

 

 最前線で敵国との戦いで指示を送っているマガトなら、ホライゾンを止めることが出来るはずだと、不埒者と反逆者を捕らえろと命令を下す。

 

 

「おい! はやくしろ! おい、マガト! 聞いているのか!」

 

 

 しかし、マガトは動かない。胸のジャケットに隠した拳銃を手に取ることもなく、ただただ自身にも何かしらの制裁が下るのだろうと、近づいてくる足音に耳を澄ませていた。

 

 

「くっ! 部下が部下なら上官も上官だな! この裏切り者が!! 悪魔の血に毒されて情でも移ったか!!?」

 

 

 口汚く罵る元帥の言葉に耳を傾けず、自分にはどのような技が繰り出されるのかと、マガトは目を閉じてその時を待つ。けれども、一向にやってこないその時に違和感を覚え、マガトが瞳を開けた時。

 

 

「ホライゾンブリーカァーッ!!」

 

 

 床を貫くほどに強力なバックブリーカーが元帥へと炸裂していた。




ホライゾン○○(ホラ○○)→ホライゾンが使う対人用の技。本人は至って真剣であるため、掛け声の割に威力は高く、運動不足の中年男性にはこうかばつくんだ!

好きな技

  • ホライゾンスペシャル(立体機動)
  • ホラパンチ
  • ホラチョップ
  • ホラキック
  • ホラ目潰し
  • ホライゾンブリーカー
  • ホライゾンラリアット
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