てことで、これ見よがしに投稿です。
そしてこれは予約投稿をミスって来年に投稿される予定でした(白目)
とある少女がいた。
大きくはないけれども、小さく誰もが協力し合って、助け合って生きている部族の中でその少女は生まれ育った。
平和に暮らしていた日常は突如として、槍を持ち武装した男たちの襲来によって崩れ去った。若く屈強な男たちは抵抗虚しく、殺されていき、生き残った女子供や、戦わずに服従を選んだ男たちは手を縄で縛られ、襲ってきた敵の兵士たちに連れていかれた。
生きのびることが出来たその部族の人々は、襲いかかってきたエルディアの奴隷となった。
奴隷に喋る口はいらないと舌を切られ、その国のためにただ働くだけの家畜となった。言われるがままに大地を耕し、道を整備し、物を運び、豚の世話をした。
新たな日常が始まってから数ヶ月経った頃、エルディアの王が奴隷たちを集めてこう言い放った。
「この中に豚を逃がした者がいる」
王の言葉に、奴隷たちは視線を這わせた。
「名乗り出よ。出なければ全員から片目をくり抜く。奴隷に目玉は2つも要らぬ」
肘をつきながら王が言うと、喋るための舌を奪われた奴隷たちは一斉に1人の少女へと指先を向けた。
「豚を逃したのはお前か」
指を指された少女は王の眼前である、最前列へと押し出されると、自分を差し出したこれまで苦楽を共にしてきた村民たちの顔を見た。
様々な感情を浮かべた顔を見て誰も庇ってくれないし助けてくれないと思った少女は弁明する口がないため、そのまま大地へと膝をついて頭を垂れる。
そして、王は少女のその姿を見て「よかろう」と呟いた。
「お前は自由だ」
王はそう言うと少女を奴隷から解放すると宣い、森へと逃げた少女を自分の兵士たちに追わせた。馬に乗り弓矢を放ち、少女を森の奥へ奥へと追い込み、まるで狩りを楽しむかのような獰猛な笑みを浮かべて兵士は矢を射る。
肩に鏃が刺さっても、ふくらはぎに鏃が刺さっても、少女は走り続けた。しかし、逃げるのに夢中なあまり地面に浮き出た樹木の太い根に躓いて、彼女の足は止まってしまう。倒れた先に咲いていた花に頭から流れ落ちた血が滴り、少女は涙を流す。
生きたい。死にたくない。村を襲われ、家族を殺され、死の危険に直面してから心の中で渦巻く生への渇望。再び走り出そうと顔を上げた彼女の前には洞窟のように穴の開いた大きく空へと伸びた木があった。
一旦、ここに身を隠そうと足を踏み入れたその時だった。そこに地面はなく、地球の真ん中まで落ちていくような感覚に囚われながら、少女は水面へと吸い込まれていく。
そこで何かと背中が触れた時、彼女の身体に稲妻が走った。
「我が奴隷ユミル。お前はよく働いた」
それからしばらくして少女は再び王の前に膝をついていた。
「道を開き、荒れ地を耕し、峠に橋をかけた。我が部族エルディアは随分と大きくなった」
少女は生き延びた。豚を逃した罪を許されるほどの功績をあげ、エルディアの王にまたも奴隷として使役されるようになった。
王にも、当の本人にも分からない巨人の力を手に入れたユミルに王は笑いながらこう言った。
「褒美だ。我の子種をくれてやる」
こうしてユミルは王の子を授かった。その間にも王からの命令の下、エルディアに逆らう敵国を巨人の力で滅ぼした。エルディアは豊かになり、ユミルは3人の子供を産んだ。
ユミルが巨人の力を得てから13年後、大国となったエルディアには多数の兵士が徴兵されていた。その中には敵国の優秀な若い男も混ざっていた。故郷と家族を奪われ、憎きエルディアに従わざるを得ない現実に抗いながらも反撃の刃を研ぎ澄ましていた1人の兵士は、上機嫌に髭を弄る憎き王へと槍を投げた。心臓目掛けて正確なコントロールで投擲された槍は王の心臓を穿つことはなく、王を守るために飛び出したユミルの肩を貫いた。
娘が母の名を呼びながら泣き叫び、槍を投げた兵士とその仲間たちを王の側近たちが瞬く間に刺し殺している間は、ユミルに息はあった。
槍の先端は容易に背中へと達してはいるものの、頭や心臓は無事であるため彼女に生きる気力さえあれば巨人の力でどうとでもなる些細な傷だった。
死にたくない。生きたい。そう願った少女の手に入れた力を、自分を必要としてくれる人のために使う。少女の願いは全て叶う。王が、感謝を、労いの言葉を口にするだけで。
「何をしておる、起きよ」
この世界は辛く、厳しいことばかりだから、みんなから愛される人になって助け合いながら生きていかなければならない。
だが、男はそんなこと知らぬとばかりに無慈悲な言葉を投げかける。
「お前が槍ごときで死なぬことは分かっておる。起きて働け。お前はそのために生まれてきたのだ。我が奴隷ユミルよ」
世界は残酷だ。少女は奴隷になって、母になって、王のために尽くしてもなお、家畜のように扱われるくらいならばとその生涯に蓋をした。
時間も、死の概念もない、大地を埋め尽くす砂だけがある場所へと逃げ込んだ。けれども、死んでもなお、ユミルの奴隷としての人生は終わることは無かった。
「食え。娘たちよ」
死んだユミルの身体を部位ごとに切り分け、ユミルの血を引くユミルの子供達の前に置いて、エルディアの王は子供たちに命令した。
「何としてでもユミルの力を引き継ぐのだ。ユミルの体をすべて食い尽くせ」
マリア、ローゼ、シーナと呼ばれたフリッツ王の血とユミルの血を流した子供たちが、母の亡骸を父親の言うままに咀嚼する。肉を噛み、血を啜り、口元や服が母の流したドス黒い血に染まろうとも、父の言葉に従ってその身に取り込んでいく。
ちょうどその頃、ユミルが逃げ込んだ場所に木の幹のような柱が伸びた。
「娘たちよ、子を産み、増やし続けよ。ユミルの血を絶やしてはならぬ」
王は死する前に遺言を残した。
「娘が死ねば背骨を孫に食わせよ。孫が死ねばその背骨は子から子へ。我が後生においても、我がエルディアはこの世の大地を巨体で支配し、我が巨人は永久に君臨し続ける。我が世が尽きぬ限り永遠に」
そして、エルディアに9つの巨人が生まれた。
王の血を引き、ユミルの血を引く者の記憶や身体を思いのままに操り、巨人を操る最強の巨人・始祖の巨人。
硬質化を利用して武器を作ることができる戦鎚の巨人。
地球上の人間以外の動物の能力が使用出来る獣の巨人。
鉄の刃では傷1つつけることの出来ない分厚い皮膚を持つ鎧の巨人。
四足歩行で持久力の優れた車力の巨人。
50mを超える体躯と発熱量を誇る超大型巨人。
俊敏な動きができ、鋭く硬いキバとツメを持つ顎の巨人。
他の巨人の能力を発現させやすい女性の姿をした女型の巨人。
いかなる時代も自由を求めて進み続けた進撃の巨人。
他にも、ユミルの血を持つものが巨人化する脊髄液を注入されることで生まれる無垢の巨人。人間に興味を示さず、奇想天外な行動をとる奇行種が生まれることとなった。
それらの骨子や肉を作るのが、ユミルの新たなる仕事になった。
だが、ここしばらくはそのようなことも無くなり、ユミルは変わることの無い景色をただひたすら眺めていた。
始祖の巨人もフリッツ王の血を持つ者の手から離れ、ユミルが従うべき者はおらず、死ぬこともない空間でただ虚空を覗く毎日が続く。
「……あぁ、会いたかった。会いたかったぞ」
そう思っていた矢先だった。ユミルの耳に聞き覚えのない声が聞こえたのは。
ご都合主義とか「いやそうはならんやろ」と言われても、俺は書き終える。書き終わらせてみせる。見ててくれよクサヴァーさん! 俺の……変身! ターンアップ
結末とかは決まってんだけど、過程はスっ飛ばそうかなと思ってます(二次創作者にあるまじきキング・クリムゾン)
女型の能力、他の巨人の脊髄液の摂取で能力が発現させやすいんだったら
無垢を呼び寄せる→王家の血を持つジーク由来
硬質化→鎧
持久力→車力
になるので、女型の能力は女の容姿だけになるのでは……?
(一応、一部の部位だけを集中的に治したのは女型だけだけど、どうなんだろうか)