ライ虐が好きな方たちは申し訳ない。
壁に囲まれた島であり、ある種の国であったパラディ島。
初代レイス王の力により巨人の恐怖に怯えることなく過ごせていたパラディ島だったが、レイス家の持つ巨人の力と地下資源の獲得を目的にやってきたマーレからの侵略によりその平和は崩れ去った。
しかし、そんな侵略がなかったかのように穏やかな時間が流れていた。
「見たか今週のホライゾン戦記」
「巨人とワルツを踊ろうとしたって話か? さすがに創作だろ?」
「んな事言ったらトロスト区の穴を塞ぐときに巨人を足場代わりにしたって話も大嘘だろ?」
「作者ご乱心か?オレが新聞社になんか面白みのない主人公だなとか言ったからか?」
「まぁ聖人君子ってやつか?誰でも好きみたいな発言、俺は好きだな」
世界を救った英雄、パラディ島に平和をもたらし、パラディ島に牙を向いた諸外国を蹴散らした魔王と自称したその男の活躍はジャン・キルシュタインが新聞社に寄稿しているホライゾン戦記によって一般市民達にも伝聞されていた。
彼の特殊行動班の副班長を務めていたジャンによって書かれたその物語に嘘偽りはなかった。
訓練兵団、調査兵団時代ともに同期だった国王はもちろん、他の同期たちも「こんなこともあったな」と笑みを零すほど詳細な話が綴られていた。
パラディ島内の兵団組織を束ねる総統や彼と関わりの少なかった各兵団のトップも思わず唸るほどの武勇伝には脚色や誇張があると思われているが全て事実であった。
話の始まりはホライゾン達の教官であったキース・シャーディスの通過儀礼から。
ここで作者は教官からの頭突きを食らうが、ウォール・マリアの破壊を機に発生した地獄を見たとされるホライゾンはこの通過儀礼を受けていなかった。
その後も訓練兵時代は紳士的で、体術、座学、立体機動術について高い成績を収めていたことが語られており、よくある優等生像そのものといったもので、読者からは面白みのない男というのが総評であった。
しかし、彼の評価が大きく動いたのは壁内人類にとっての2度目の転機となるウォール・ローゼの破壊であった。
訓練兵としての全ての訓練を終えた104期訓練兵達が壁上固定砲台の整備中に突如現れた超大型巨人により、ウォール・ローゼは破壊された。
その際、同班に所属していたエレン・イェーガー、サシャ・ブラウスからは超大型巨人の右手の指を切り落とし、壁から落下した仲間の救助に尽力したと語られている。
ここまでは優等生そのものだが、問題はその後だった。
駐屯兵団から壁内に入ってきた巨人の掃討を命じられると、ホライゾンは仲間たちから1歩引いた距離で立体機動装置で移動し、建物下から飛び上がりトーマス・ワグナーを食おうと襲いかかった奇行種を、そのトーマスを踏み台にして討伐。
また、他の仲間たちを襲った巨人たちもホライゾン1人で討伐した。
これにはいくら優秀でも初陣で奇行種、それも仲間を踏み台にして討伐できるものかと読者たちは訝しんだ。
しかし、その時の当事者であるトーマスが新聞社のインタビューに答えたことで事実であったことが確認される。
また、ホライゾンに助けられたとされる他の仲間、ミーナ・カロライナやナック・ティアスといったもの達からの証言もありこれは事実ではないかとするものも現れる。
だが、証言者が全員同期であったこともあり、調査兵団がホライゾンを担ぎあげてるのではないかと疑問視するものは少なからずいた。
今のところ、巨人には真っ向から挑み打ち倒す清廉潔白な兵士というのが読者からの評価であったが、それも今日発刊された『第57回壁外調査』において覆ることとなる。
調査兵団を襲った知性を持った巨人、女型の巨人と相対したホライゾンのセリフは今までの彼からは考えられないようなセリフばかりだったからだ。
「初めましてだな! 一緒にワルツでもいかがかな!?」
「あまーい!!!」
「ふはははははは!!! これではもう叫べまい! 喉をズタズタに引き裂いてくれる!!!」
「さぁ、次はどこにこの刃をご所望かな!?」
「ふむ、今までの巨人には乳房は無かったのに君にはある! 何故だ! 私、気になります!」
「全ての生命は女性からやって来る。つまり、君が全ての巨人の母なのかな!?」
「性器がないのに、乳房はある。妙だ。しかも、立派なものだ。中の人間もさぞかしご立派なものがついているんだろうなぁ!!」
この回で104期訓練兵団の中に女型の巨人の中身がいたことが語られるのだが、唐突な狂喜乱舞に作者のジャンの気が狂ったのかと読者達からは困惑の声が上がった。
だが、情報源がこの時女型の巨人からエレンを守っていた調査兵団兵士の中でも精鋭たちが集められていたリヴァイ班だったこともあり、ジャンへの心配の声は少し収まった。
それでもホライゾンの奇行は奇行種を凌ぐもので、読者達は今後の展開の予想や感想を平和になった壁の中で語り合っていた。
その話題の中心である男は過去にエルディア人が犯した罪を1人で引き受けると言い、エルディア人を恨む全ての国の軍事施設へと攻撃を行った。
逃げるものは追わない。向かって来るものは拒まず殺す。
ユミルの血を引くものであれば、彼の一挙手一投足が瞳を閉じ、見たいと願うだけで瞼へと映し出され、彼の容赦のない報復という名の虐殺が、エルディア人の脳裏に焼き付けられる。
魔王と戦う戦力を失い、無力になった各国に魔王は言い放った。
『これは慈悲だ。君たちがこれ以上戦う意志を見せなければ、パラディ島は何もしない』
50mある壁に備えた超大型巨人も使わない。これ以上、他者を傷つけることはしない。
戦争を助長する行為や兵器開発もしないと。
不戦の契りを交わせる者にはパラディ島は何もしない。破ればその国を魔王自ら滅ぼすと伝える。
すると、その提案にいの一番に賛成したのは最もパラディ島に攻撃を仕掛けていたマーレであった。
マーレ軍上層部が何者かの手によって鎮圧された後、マーレの指揮はテオ・マガトとヴィリー・タイバーに移っており、2人は魔王の言葉に即座に賛同した。
『我々はこれ以上、パラディ島を攻撃はしない。エルディア人がしたことは許されることでは無い。しかし、それは我々マーレも同じだった』
『何も変わらない、仇を討っても、過去の過ちを糾弾しても、誰も生き返ったりしない。悲しみが増えるだけだ』
マガトとヴィリーはパラディ島と和平を結ぶ際に、尻込みする他の国々に向けてそう綴った。
最後のヴィリーの言葉に反応するようにマガトはこうつけ加えた。
『こんなことしていたから、どいつもこいつもどんどんおかしくなって、どこにも行けなくなって、そして手の付けようのない魔王が現れた。報いを受ける時が来たのだ。虐げられたから虐げていいことにはならない。簡単なことだったんだ』
その言葉の直後にヒィズル国が和平を受け入れ、そこから徐々に他の国々もパラディ島と和平を結んでいった。
武力を放棄したものの、パラディ島に屈するわけではなく、それは平和な世界のためだと言い聞かせて。
しかし、魔王は常に見ている。
エルディアとの和平を受け入れなかった国が密かにパラディ島強襲を計画していたのを、国内にいたエルディア人の座を通して知るとすぐさま行動に出た。
再び9つの巨人の複合体を差し向けると研究施設や関連施設へと攻撃し、すぐに無力化させるとその国の首脳部を壊滅させた。
武力介入により、戦う力を失ったその国の人々には考える機会が与えられた。
そうしたことが2年繰り返され、絶対的な力を持つパラディ島に反旗を翻す者はいなかった。少なくともあの魔王が死ぬまでは手を出さない。それが諸外国の共通認識となった。
また魔王の力は普通の人々には知り得ないところにも影響を与えていた。
人知れずユミルの呪いは消え去り、ユミルの血を引くものが脊髄液を注射されても巨人化することはなくなった。
それは9つの巨人の力を有する者も例外ではなかった。彼らの呪いは消え去り、寿命が本来のものに戻っていた。
それは魔王の口からではなく、魔王の行動を全て視たエレン・イェーガーから語られた。
その事実に、エレンを恋い慕う少女は歓喜した。
パラディ島を襲い、返り討ちにあった戦士たちは魔王の計らいにより咎めを受けることは無かった。
なにかしようとしたところで、どこからか見ている魔王や三白眼の男とその叔父により無力化される事が目に見えていたのであろう。
無駄なことはせず、マーレの使者と共に故郷へ帰るものもいれば、そのまま島に残った者もいた。
しかし、この島を救った英雄だけがいなくなった。
その事実に心を痛めるものたちが、彼がいるのであろう地平線の彼方を見つめていた。
ジャンがホライゾンの活躍を後世に残そうとするかは置いといて、しそうなのがジャンとエルヴィンくらいしか思いつかなかった
ホモくんとかいう奇行種の傍にずっと居たせいでおかしくなったんだよジャンは。
可哀想なの
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ライナー
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クリスタ(ヒストリア)
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アニ
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エレン
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ベルトルト
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エルディア人
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マーレ
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ジャン
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サシャ
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コニー
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ジーク
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ホモくん
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全員
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可哀想な奴なんていない