異世界転生のすゝめ   作:アルピ交通事務局

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撃っていいのは殺る覚悟があるやつだけ

「っ!!」

 

 秦広王が俺の死因を教えてくれると突如として頭痛が走る。

 

「自分の死因を知ったので失っていた記憶を思い出そうとしている」

 

 この頭痛の正体を教えてくれる秦広王。

 数分ほど激痛に悩まされたが、なんとか乗り切り自分が死んだ最後を思い出すことが出来た。

 

「……あまりにも、呆気なかったな」

 

 もっとこう、人助けとかをして死んだのならば若干の納得がいく。そこまでの善人じゃないけども。

 自分が死んでしまった瞬間を無事に思い出すことが出来たので、胸の内に溜まった靄の様なものが少しだけ晴れていき、気分が楽になる……楽になるだけで、最悪な状態であることには変わりは無い。

 

「そう落ち込まないでくださいよ。世の中にはもっと酷い死因の人達がいるんですから」

 

「もっと酷いって、他殺とか?」

 

「いえいえ、自殺ですよ。知ってますか?若者の死因の大半は自殺なんですよ」

 

 とんでもない事をサラリと教えてくる紫煙さん。

 自殺……確かに若者の自殺が年々増えてるって言うけど、それと比べれば……俺は事故死に分類されるのか?

 

「ですが、他殺の場合が酷い時もあります」

 

「それってテレビでやってるヤバい事件のこと?」

 

 子供が子供を殺したとか、親が子供を虐待の末に殺したとかヤバい事件は時折ニュースで流れる。それと比べれば俺の事故死なんて物凄く軽いものだ。

 

「それもありますが、些細な事件扱いにされたり、ニュースに取り上げてくれさえしなかったり事件が特に酷いですね。免許を返納しに車で役所に行った帰りにアクセルとブレーキを踏み間違えた老人に跳ねられて死亡したり、アレルギーなんて甘えだと言う古い考えを持った老人にアレルギーがある物を無理矢理食べさせられたりと」

 

「それは世間的に老人じゃなくて老害と言った方がいいと思う部類です」

 

 2ちゃんねるとかネットのスレとかでまとめサイトで見る感じの出来事って本当に起きているんだな。

 そう思うとなんだか自分が死んだ理由が他人事の様に思えてくる。

 

「それで俺はどうなるんですか?」

 

 紫煙さんとの談笑の合間も巻物に書かれた俺の経歴を読んでいた秦広王。

 たった十数年とはいえ今までの出来事が書かれているのだから、一気に読み切るのは難しいんじゃないかと思ったが、そこは流石と言うべきか一瞬で読みきった。伊達に1番最初に裁判をする人じゃないな。

 

「ふむ……どうしたものか」

 

「え、そんな長考する感じですか?」

 

 特に変わったことの無い刺激的な人生を歩んでいるわけでもないのに悩む秦広王。

 なんかやらかした事があってそれを忘れているのかと慌てていると違うと否定してくれている。

 

「実はこの十数年の間、地獄の制度が変わってきたのだ」

 

「地獄の制度?」

 

 地獄の制度って、今行ってる裁判の事じゃないのか?

 

「汝の経歴から見て、裁判をグダグダと行わなくても問題ない。次の初江王(しょこうおう)に回さずとも天国行きは確定だ」

 

「だったら、なんでそんなに悩んでいるんですか?」

 

 頭を抱えている訳ではないが言うべきか言わないべきかと悩んでいる秦広王。

 俺の天国行きが決まったので落ち着いていられるが、いったいまだなにがあるって言うんだよ?

 

「お前の年齢ならば天国に行かない手もある」

 

「は?」

 

 秦広王から出た言葉に思わず声が出てしまう。

 天国と言えば極楽な世界で、それに行けるのは良い行いをした人とかそんな感じのイメージがある。対して地獄は苦しみを与える場所だ。秦広王は俺に地獄に落ちろと言っているのだろうか?

 

「秦広王、それだと地獄に落ちろと言っているみたいなものです。もう少し分かりやすく説明してください」

 

「我輩の口から語るよりも、紫煙、お前から語ってくれ。こういうの得意だろう」

 

 どういうことだと困惑していると呆れる紫煙さん。

 秦広王はどうやって説明をしようと悩んでおり最終的には紫煙さんに匙を投げた……地獄に落ちるとも違うってなんだ?

 

「では、分かりやすくお教えいたします。貴方には今、3つの選択肢があります」

 

 右手の薬指、中指、人差し指を立てる紫煙さん。

 

「1つはこのまま天国に行くこと。日本の天国はEUやギリシャの天国と違って住みやすい場所です」

 

 1つ目の選択肢を教えると薬指を曲げる。

 

「2つ目は賽の河原と呼ばれるところで石を積み上げて転生するのを待つことです」

 

「転生!?」

 

「ああ、この場合の転生と言うのは転生で最近流行りの異世界転生ではありません。記憶とか全て1からリセットして赤ん坊に生まれ変わる感じのやつです」

 

 紫煙さんは中指を折り曲げる。

 

「そして3つ目、コレが最も困難な道ですが踏破することが出来れば極楽浄土よりも最高なプラン、転生者養成所に入校していただく事です」

 

「転生者養成所?」

 

 なんだその面白げな場所の名前は?

 

「転生者養成所とは異世界転生をする為に転生者を鍛え上げる場所です」

 

「え、異世界ってあるの!てか、そんなのあんの!?」

 

 天国に行くとか賽の河原とか色々と地獄っぽい事を教えてくれてる中でのまさかの異世界転生があった。

 そもそもで異世界って存在してたのか。そうなるとビックバンとか神様が7日間で世界を創成したとの考えが否定されるんじゃないのか?

 

「落ち着いて話を聞いてください。異世界転生と言っても本当の異世界に転生をさせるわけではありません」

 

「え……じゃあ、なんですか転生者養成所って……まさかお坊さんになれと?」

 

 この世の法則というか輪廻から解脱することが最終目標だった筈の仏教。

 転生者ってまさかお坊さんや尼になって輪廻の法則から外れろって言うのか?いや、無理だぞ。俺、肉と魚が食えない生活なんて絶対に無理だ。

 

「異世界と言うのは私達が今いる世界とは文字通り異なる世界、ではなく所謂創作物の世界に転生するのです」

 

「創作物……小説家になろうみたいな完全な異世界じゃないのか?」

 

「そうですね、分かりやすく言うならばアニメのポケットモンスターの世界やFateの世界と言った二次創作の題材に使われてそうな世界の住人に転生します」

 

「え、じゃあラブライブ!とかワールドトリガーの世界にも?」

 

「転生することが出来ますよ」

 

「マジか!!そんなコースがあるんだったら、それ一択でしょう!!」

 

 本物の地獄で異世界転生をする日が来るとは思いもしなかった。

 そもそもで小説家になろう的な事が起きることすら思ってもみなかったし、地獄と思いきや天国だよ。

 

「話を最後まで聞きなさい。喜ぶのはまだ早いです」

 

 紫煙さんは人差し指を折り曲げて、喜ぶ俺を静める。

 

「貴方は異世界に転生する転生者になるのでなく転生者養成所に入校して転生者候補生になるのです」

 

「……なんだそれ……あの、もっとこうすんなりと言うか転生特典と言う名のチートをスパッと渡して終了的な感じじゃないんですか?」

 

 転生者養成所って言うからには転生者として大事なことを色々と教えたりするんだろうけど最近の小説家になろうとかでもチートってあっさりと貰えるじゃん。一見、チートじゃない能力でも実はそれが物凄いチートだったってパターンとかもあるじゃん。

 

「昔はそういう感じだったんですけどね……」

 

「昔はって、どう言うことですか?」

 

「この転生のシステムが出来た頃は好きな世界を選ばせて欲しいチート能力を与えるだけで済ませていましたが、それだと転生者になる子供が人として育たなかったり転生先でちょっとやらかしたり順応出来なかったりと色々とありまして……まぁ、コレを見て頂いたら早いですね」

 

 そういうと大きな楕円形の鏡を持ってくる紫煙さん。

 鏡には俺や紫煙さん、秦広王が写っておらず代わりに映像の様なものが写し出される。

 

「これは……ラブライブ!の世界だな」

 

 無印のラブライブ!の主人公である高坂穂乃果と仲良く恋人繋ぎをしている転生者と思わしき男性。

 後からやってきた園田海未はもう片方の手を繋ぎ、南ことりは背後から抱きついている……なんだ、ただのハーレム野郎か。

 

「え~この人はですね、原作開始前に2年生組を口説いてしまった結果ラブライブ!の原作がはじまらないと言うとんでもない事をしでかしました」

 

「ええっ!?そんな事があるのか」

 

「ありますよ。そもそもでラブライブ!って主人公が色々とやって物語が動いてるのに、その主人公を惚れさせてしまって夢中にさせてしまってるんですから。因みにですがアイドルマスターの世界ではアイドルに手を出してパパラッチに写真を撮られてアイドルマスターの夢を失うと言う話もあります」

 

 な、なんか悲惨な未来しか待ち受けてないな。

 いやでも、言っていることに間違いは無い。アイドルマスター、エロ同人的な事をすればPを絶対にクビになる。

 

「転生特典と言う名のチートを与えるだけでそのままっぽいと転生させた人達はこういった不祥事を多く発生させています。こういった事案を減らしたり、どんな世界に転生しても問題が無く順応して生きれる様にする為に転生者養成所が発足されました……ご理解頂けたでしょうか?」

 

「まぁ、なんとなくでは」

 

 異世界転生物が色々とスパッとしているからあんまりピンと来ない。

 創作物の世界に転生してなにかやらかさない為に転生者養成所で訓練をすると言われても何をするのかが分からない。

 

「具体的になにをやるんですか?」

 

「基本的にはどんな世界に転生しても問題ないように鍛えたりしますね……こればかりは口で説明をするよりも、自分達で実際に体験をしてみないと分からない事だらけなので私の口からはなんとも」

 

「紫煙、代価の説明を忘れておる」

 

「ああ、そうでした」

 

「代価って、金ならないですよ」

 

 ここに来る時にお金を要求されたが、お金と一緒に火葬はされていないのでお金は持っていない。

 

「そんな生ぬるい物は要求せん……名前をいただく」

 

 千と千尋の神隠し?

 

「今、千と千尋の神隠しを連想しただろう」

 

「なんで分かるんです?」

 

「皆、大体それをイメージするからだ。本来、前世の記憶を持ったまま異なる世界への転生等と言った事は禁忌に近い。故に代価として自分が生まれ持った名前を頂く。名前と言うものは人を現す。その者にとって最も大事なものだ」

 

「でも、最近キラキラネームとか流行っていてどうぞと喜ぶ人も居るんですよね」

 

「名前を奪われたら、どう名乗れば良いんですか?名無しの権兵衛?」

 

 名前の重要さはイマイチ理解できないものの、大事なものなのは分かった。

 それをこの場で売ったとして、それなら新しく名乗る名前が必要になってくる。

 

「その辺りに関しては転生者養成所で色々と習います」

 

 気になるところを教えてくれない紫煙さん。秦広王も黙りで、そこから先は商法をしてくる。

 

「……3つに1つか」

 

 新しく生まれ変わる、天国に行って極楽な生活をする、異世界転生をする。

 

 3つの内の1つを選ぶことを迫られており、頭を悩ませる。

 今までの人生を走馬灯の様に振り返ってみても普通の人生で面白いこともあるにはあったが、たかが知れている。

 新しく生まれ変わると言っても記憶を失って人格そのものがリセットになるっぽいし、賽の河原に行くのは止めよう。

 

「まだなんかメリットとデメリットってありますか?」

 

「その辺りは後々、分かるが……そうだな。そもそもで創作物の世界に転生をしようとしているのだから1つだけ言えるが、狂うぞ」

 

「狂う?」

 

 デメリットについて秦広王は答えてくれたが、曖昧な答えだ。狂うとはいったいなにを意味しているんだ?

 

「バトル物の世界に身を置けば戦いの日々だ。日常系の世界に身を置けば学生ライフはそこに注がれる。どんな世界であれ、今までの日常とは比べ物にならないほどの非日常を体験して平穏な時を過ごせなくなる」

 

 漫画やゲームと言った創作物の世界に転生すると言うことは非日常が日常と化す。

 天国に行けば極楽の日々を過ごし続ける事が出来るがそれだけであり、それ以上もそれ以下も無い……だったら、選ぶのは簡単だ。

 

「俺は転生者養成所に入る」

 

 このまま普通に死後の世界を迎えるのは嫌だ。

 もっともっと遊びたかった、もっともっと笑っていたかった。もっともっと生きていたかった。自分を保ったまま第二の生を謳歌する事が出来るのならば、多少のデメリットがあろうとも頑張ってみせる。

 

「そうか……紫煙、あれを」

 

「はい……どうぞ」

 

「これ……どうしろと?」

 

 リボルバータイプの拳銃を渡してくる紫煙さん。

 中には実弾と思わしき物が入っており、どうしろと言うんだ?

 

「転生先は基本的には選べん。もしかしたらバトル物の世界に転生するかもしれん。そうなった時、お前は誰かと戦いと言う名の命の奪い合いをしなければならん」

 

「戦うことが出来ない、人を傷つけることが出来ない……悪いですが、そんな人間は篩にかけさせてもらいます。私達に向かって、その弾を私達に撃ってください。それが転生者養成所に入るための試験です」

 

「……」

 

 紫煙さんや秦広王の言っていることに間違いはない。

 転生先は選べない以上、FAIRY TAILの様なファンタジーなバトル物の世界の方が転生する可能性が高い。そうなると人を傷つけることが出来ないと言うのは致命傷だ。

 最近だと女性は殴れないとかそういう感じのキャラがあるが、地獄ではそんなものはお構い無し。男女平等パンチが出来る人を求めている。

 

「っ……」

 

 震える手で拳銃を持つ。

 この持ち方があっているのか分からないがハンマーの部分を引いて何時でも打てる様にし、秦広王に向ける……。

 

 

 ダメだ。いざ撃とうとしても撃てない。

 

 

 コレが的当てだったら簡単に引き金を引くことが出来たのだろうが、相手に向けてしまっている。

 もし当ててしまったら、人が死んでしまったらと考えてしまう……きっとこれが試練なんだろう。バトル物の世界の住人は能力を手にして相手を傷つけることを厭わない。作品によっては躊躇いなく命を奪っている。

 

「この引き金を引いた人達は居るんですか?」

 

 引き金を引くことは出来ず、ふと気になった事を聞いてみる。

 

「ええ、かなりいますよ」

 

「マジか……くそ、こうなったらヤケクソだ!!」

 

 色々と考えていたって無駄だ。実弾が入ってて撃ってこいって言ってくるならば、撃つしかない。

 俺は実弾が入った拳銃の引き金を引くとズドンと重苦しい音が響き渡り思わず目を閉じてしまった。

 

「あらあら、まだまだですね」

 

「っ!?」

 

 紫煙さんが可愛がる様な声を出す。

 いったいなにがどうなったんだろうとゆっくりと閉じていた目を開くと俺が撃った弾を紫煙さんは掴んでいた。

 

「撃った瞬間に目を閉じてはいけません。威嚇射撃等と言うものがありますが、拳銃とは本来は人殺しの兵器、拳銃を撃つと言うことは人の命を奪うと言うことです」

 

「……あんた、弾を掴んでるじゃん」

 

「リボルバータイプの拳銃の弾を掴む事が出来なければ、十王の補佐官は務まりません」

 

 凄いな、十王の補佐官。

 鬼だから出来る芸当なんだろうか?

 

「紫煙、十王の補佐官はそんな事をしなくても出来ると言うか変なイメージを持たれたらどうする!?」

 

「いいじゃありませんか。彼はこれから色々と修行しバトル物の世界に転生しても問題のない様に鍛え上げられたりします。私がやったことがどれだけスゴいのかを後々になって理解します」

 

「えっと……」

 

「ああ、すみません。遅れましたね……貴方は転生者候補生として転生者養成所に入校を認めます」

 

 拳銃を撃った時も撃つ前も震えていて、目の前で起きていることを見ることが出来ずに怯えていたものの認められた。

 認められた事を言葉で聞いて俺は少しだけホッとする。

 

「ホッとしている場合じゃありませんよ、ここは謂わば入学試験の様な物。これから転生者になるために様々な困難と言う名の試練が待ち構えています」

 

 普通逆じゃないのか?

 

「転生者養成所に入ってもあまりの過酷さに根を上げて諦めるものもいますが、頑張ってくださいね」

 

「はい、頑張ります!」

 

 何はともあれ最初の試練は突破することが出来てよかった。

 紫煙さんもこれから頑張ってくれと後押しをしているので頑張らないといけない……いったい、なにが待ち受けてるんだろ?

 

「では、こちらに付いてきてください」

 

 俺の裁判はここで終わりで、来た時とは違う門を開く紫煙さん。

 この先に転生者養成所があるのかと緊張しながら門を潜ると、ネットカフェの様な場所に出た。

 

「……え、あのここって……」

 

 見た目は何処からどう見てもネットカフェ。

 漫画だけでなくライトノベルや公式設定集みたいなのも置いており、どう見ても転生者養成所とは思えない。

 

「転生者養成所は日本の学校とかと同じで入学する季節が決まっています。それまでここで原作知識を蓄えたりしながらゴロゴロと生活をしててください」

 

「ゴロゴロ、ですか?」

 

「はい。思う存分に遊んでください。漫画だけでなく最新からレトロなアーケードまで様々なゲーム機器も揃えていますので体を動かす事が好きな人以外には最高の施設です。あ、白堤さん新しい候補生です……では、授業の際に会いましょう」

 

 受付にいる鬼に俺の事を託し去っていく。

 

「えっと……」

 

「ま~た、あの人、説明不足なんだな」

 

 後を託された鬼こと白堤さんに声をかけると大きなため息を吐かれる。

 

「俺はこれからゴロゴロしておけばいいんですか?」

 

「言い方はあれだけど、大体それであってるんだな」

 

「そうですか……バッティングセンターとかスポッチャ的な施設って無いんですか?」

 

「無いんだな」

 

 さっきまで色々とあったせいでいきなりゴロゴロしろと言われても、難しい。

 もう少し体を動かして色々と気持ちを発散させたい思いはあるのだが白堤さんは無いと言う。

 

「なんでこんな大掛かりな施設があるのに体を動かすところが無いんですか?」

 

 ネットカフェを作れるんだったらボーリングやカラオケ、バッティングセンターの1つでもあってもいいのに。

 

「体を動かす機会は養成所での訓練が始まれば嫌でもある。それよりも原作知識の1つでも蓄えておいた方が損にはならないって方針で作ってないんだな」

 

「原作知識……そうか」

 

 俺達は全員がラブライブ!みたいなアイドル系のアニメに転生出来るわけじゃない。

 マイナーな漫画の世界に転生することもあるかもしれないし、バッドエンドな終わりを迎える漫画に転生するかもしれない。出来たら安全で面白そうな世界に転生したいな。

 

「自分のブースに行ってこの漫画を読み終えたら好きにするんだな」

 

 白堤さんは鬼灯の冷徹と言う漫画を俺に渡した。

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