百合ゲー世界なのに男の俺がヒロイン姉妹を幸せにしてしまうまで   作:流石ユユシタ

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一巻発売ss 十年後千夏

 千夏は最近誕生日を迎えて22歳になった。小学、中学、高校を卒業して社会人となり、ゲーマー配信者となっていた。意外とお金は稼げているのだが、彼女は家の引きこもりになっていた。

 

「魁人ー、洗濯するの面倒よー」

「分かった……でも、下着とかは脱ぎっぱなしにするのは止めてくれって、言ってるだろ?」

 

 

 千夏の部屋にはゲームや、ベッドが置いてある。家の二階には3つ部屋があり、一つは魁人、一つは千夏と千春、もう一つは千秋と千冬が使っている。

 

 ベッドの上には上着、下着が脱ぎっぱなしで千夏が寝ている。裸体の千夏を魁人は見ないようにしながら、散らかっている服を回収している。

 

「疲れたー、抱っこしてよ」

「千夏はもう大人なんだから……」

 

 

 千夏は甘える猫のような声を出すが魁人はそっぽを向いて、彼女を見ないようにしていた。千夏は体つきも昔とは違い過ぎている。元々娘のようなものだと思っていた魁人は彼女の姿を見るのに少し抵抗があった。

 

 

「えー、いいじゃない。私もまだまだ子供なんだし」

「そんなことはないと思うぞ」

 

 魁人は洗濯物を回収して下に降りて行った。洗濯機に服を入れて、洗濯を回そうとする。すると後ろから急に誰かが抱き着いてきた。

 

「だーれだ」

「千春か」

「もう、私って分かってたでしょ! なんで春の名前を言ったの!」

「すまん。ただ、ちょっと動きにくいんだが」

「えぇー。いいじゃん」

 

 

 彼女はグイグイ迫って魁人に抱き着きながら甘える。包んでいるのは自分なのに安心感に包まれて、千夏の顔がにへぇと笑みで崩れる。

 

「ねぇ、そろそろあの話考えてくれた?」

「……あの話って」

「私と結婚するって話。私お金稼いでるし、もう大人なのよ? 心も体も……そのうえで魁人が好きって言ってるのに」

「あ、あー、そうだな……えっと」

 

 

 魁人は思わず、気弱な子供のような反応をしてしまう。千夏から、まさか娘と思っていた子から、自身に対して結婚を匂わせる言動をされてしまうとは彼も思ってもみなかったから。

 

「そんなに、私のこと嫌い?」

「千夏の事を嫌うなんてあるはずないだろ」

「じゃあ、結婚して」

「飛躍しすぎというか……」

「魁人全然、手を出さないんだもん……もう、無理にここまでしないと……」

「千夏、取りあえず離れてくれ。洗濯があるから」

 

 

 魁人がそう言うと膨れっ面で千夏は離れた。魁人が洗濯機のスイッチを入れて、リビングに戻るとラフな服を着て、彼女はゲームをしていた。

 

 

「あ、魁人」

「千夏は今、なんのゲームをしてるんだ?」

「厳選するゲームよ」

「そっかぁ、大変だなぁ。でも、千夏はよく頑張ってるよ」

「えへへ、ありがと……まぁ、それはそれとして、結婚の話なんだけど」

「あ、まだ覚えてたのか」

「昔みたいに煽てられて、誤魔化される私じゃないのよ」

 

 

 ソファの隣を2回ほど叩いて、千夏は魁人を呼んだ。何とも言えない苦笑いのような表情で魁人は隣に座った。

 

「それでだけど、私の事が嫌いじゃない、私も好き。文句ないでしょ」

「凄い迫ってくるな……ちょっと無理やりすぎるんじゃ」

「何年も告白をはぐらかされたら……こうするしかないのよ」

「あー、それは」

「まぁ、私以外にも結婚してって逆プロポーズされてるみたいだし? そこは考慮して、許すけど」

 

 

 千夏はフッと笑った。頭の中には親しい間柄のシルエットが浮かんでいた。

 

「……でもね」

 

 

 千夏はグイッと顔を引きつけつつ、ソファに魁人を押し倒した。馬乗りになり耳元で声を出した。

 

 

「あんまり我慢できそうにないから……押し倒しすのも悪くないって最近思ってるの」

「そ、そうか」

「もう、力だって強くなった。子供じゃないの、でも、魁人がいつまでも子供としてしか見えないってウなら……大人だって、教えてあげる。今、ここで」

「ちょ、ちょっとま」

「待たない……」

 

 

(やったことないけど、やり方くらいなら知ってるし……大丈夫よね?)

 

 

 二人きりの部屋。誰も居ない。大人と子供の関係を彼女は脱したかった。そう思って魁人を千夏は押し倒してしまった。

 

 その時、家のドアが開く音がした。

 

「ただいまー! 我が帰還したぞー!」

「秋姉、声が大きいっス」

「でも、うちの鼓膜に千秋の声が響いて、うち的には得だね、千冬の怒る顔も可愛くて、うちに得だね」

 

 

 家族が返ってきた。

 

「あーあ、まぁ、今日はこの辺で良いか」

「びっくりしたぞ……あのままならどうなってたか」

「そう? 私は全然あのままで良かったけど? ふふふ」

 

 

 すぐさま魁人から離れて、ソファに座った。だが、小声で言ったのだ。薄らと笑って居る彼女は何処か神秘的で官能的だった。

 

 

「チャンスなら、まだまだあるしね……」

 

 

 これは、なんやかんやで魁人が千夏の答えを渋りつつけた事で、千夏が超肉食系になり、魁人を襲ってしまうかもしれない。一つの未来である。

 

 

 

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