百合ゲー世界なのに男の俺がヒロイン姉妹を幸せにしてしまうまで   作:流石ユユシタ

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98話 進撃

 千春達が学校の教室で雑談をしている。4つ子なので仲も良く、一緒に居ると更に楽しい。千秋が両手を広げて、厨二チックな演説をしていると……

 

「あ、おはよう」

 

 うち達4人に挨拶をするのは千花ちゃんだ。お隣に住んでいる栗色の髪の毛の可愛い女の子。不思議な雰囲気を感じる独特の子だ。

 

 

「おはよう、千花! 我と同じ、千の字を継ぐ者よ」

 

 

 千花と千秋、名前に『千』が入るからか、千秋がこの子を妙に気に入っている。千秋に挨拶を返されると、千花ちゃんは何故か、止まった。

 

「……」

 

 千花ちゃんは千秋の頭上を見た。可愛い千秋の顔よりもさらに上、一体全体何を見ているのだろうか。

 

「コントンはボクのナイメンにアルノダー、深淵を覗く時、シンエンもまたボクをノゾイテいる」

「お、おおー! ノリがいいな!」

 

 明らかに千秋の頭の上にある文字でも読んでいるかのような目線の動きだった。しかもめっちゃ棒読みだし、本心では厨二的な事を思っていないんだろうなと言う感じがした。

 

「おはよう、千春ちゃん」

「おはよう、千花さん」

 

 

 彼女は一通り挨拶をすると、コホンと咳をしてから、何かをよそよそいく告げようとする。

 

「そう言えば、魁人さんはどんな感じ? あんまりメール返してくれないから気になってるんだけど」

「「「「え?」」」」

「もしかして、家の事で忙しいのかな? ならしょうがないけどさ」

 

 そう言えばお兄さん連絡先を交換してたって言ってたけど……何その彼女面的な感じの奴。

 

「魁人さんは、忙しいの?」

「えっと、どうなのかしら?」

「魁人さんのおじいちゃんとおばあちゃんが来てたから……もしかしたらそれで返事が遅れたのかもしれないっス」

「なるほど、そう言う事ね」

 

 

 ふーん、なるほどなるほど、と千花さんは頷いた。その様子を見て、千秋がおろおろしながら口を開く。

 

「千花は魁人のこと好きなのか?」

「……ふふ、言いえて妙だね……気になってるからね」

「お、おぉ……ど、どこら辺が?」

「……そうだね。選択肢を無効化するところ、大人っぽくて余裕ある所とか……あとは声かな? 僕、声フェチなんだけど、結構好み」

「……声フェチ? よく分からんが……魁人は銀髪の女の子が好みだから諦めた方が良いぞ!」

 

 

 お兄さんが銀髪が好きとは聞いたことがない。言っていた覚えもないし……千秋の髪が綺麗とか言っていたと思うけど、銀髪が好きとは言ってない。

 

 

「そっか、魁人さんは銀髪が好きなんだ。じゃ、僕、銀髪に染めようかな」

「な、なんと! その手で来るか!」

 

 

 千秋が千花さんの言葉にやられた! と渋い顔をする。

 

「ち、千冬もそ、染めたいな……」

「千冬は茶髪だから良いんだよ! 自分のアイデンティティと失わないで!」

「は、春姉が急に来たッス」

 

 

 うちとしては銀髪の千冬も良いけど、結局は今の千冬が一番だと思う。だって今の千冬が一番だから。

 

「あ、秋姉が言ってたの本当なんスかね?」

「秋の嘘でしょ。気にしなくていいわ」

「夏姉がそう言うならそうするっス」

 

 

 うんうん、それで良いと思うよ。千花さんとの会話はそこで終了した。その後、体育の授業、体育館でうちが一人で休んでいるとき、千花さんが寄ってきた。

 

「千春の妹は全員可愛いね」

「でしょ」

「うん……でも、千春も可愛い」

「どうも」

「千春達は魁人さんの娘みたいな感じなんだよね?」

「そうだね」

「ふーん、僕が、魁人さんと結婚したら皆、僕の娘になるのかな?」

「何言ってんの?」

「ママって呼んでみてもいいよ」

「何言ってるの?」

「冗談だよ」

「その不思議系のキャラうちとキャラ被ってるからやめてね」

「キャラ被りとか気にするんだ」

「まぁね。なんか、薄くなるのいやじゃん」

「魁人さんからの印象が薄くなるから?」

「……さっきから何言ってるの?」

「冗談だよー」

 

 

 千花ちゃんは、それだけ言うとまたどっかに行ってしまった。ミステリアスな不思議系キャラはうちだけで十分!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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