戦姫絶唱シンフォギア〜雷を纏いし装者〜 作:saint shine
〜クリスside〜
「あの、ユノアさん何かあったんですか?それに湊君もいないみたいですし」
「済まないねセレナちゃん、君にも知る権利があるだろうからね」
ユノアは特訓を辞めて戻って来たセレナにそう言う
「それであのエデルガルデとか言う獣人があたし達を受け入れない理由洗いざらい話してくれんだよな」
「雪音もう少し口の聞き方をだな「出来っかよそんなの」雪音?」
先輩は心配した声であたしの名前を呼ぶが今は関係ない
「エデルガルデの奴と出て行く時チラッと湊の顔が見えたんだ。あたしは…あたしは彼奴のあんな顔を見たのは初めてだ。凄え悲しそうで酷え顔してた。湊がそうなる理由にはあんたが関係してんだろ」
「君は本当に湊君の事をよく見ているね。直接関与はしてはいないけど僕の不注意が引き起こした事だよ」
「テメェ!よくもぬけぬけと‼︎」
「止めろ雪音‼︎気持ちは分かるが止めるんだ‼︎」
「離してくれ先輩‼︎」
ユノアに殴り掛かろうとするあたしを先輩が羽交い締めにして止める
「ユノア氏一体湊君と彼女達獣人族との間に何があったんですか」
「そうだね、獣人族達との和平が確立したのは5年前に起きた内戦の後なんだ」
「内戦って…何処と何処がですか」
「僕達人間と獣人族達の間にだよ」
その事実はセレナも知らなかったらしい信じられない表情で話を聞いて居る
「内戦のそもそもの原因は獣人族と僕達人間の関係性にあった。5年前の和平が確立するまで彼女達は人間の奴隷のような扱いを受けていたんだ」
(奴隷…か)
あたしの頭にはかつての自分の姿が思い浮かんだ
「それはいつ頃から」
「僕も書籍の中でしか見た事が無かったが5000年前には既に彼女達は奴隷のような扱いを受けて居た事が分かって居る」
「5000年…そんなに前からエルザちゃんやルナちゃんみたいな子達が奴隷みたいに扱われていたんですか」
「こちらに不都合な書籍は殆ど処分されていたが事実だろう」
「はっ!そうだろうよ、これだから大人は信用出来ねえんだよ。自分達に都合の良い事ばかり公表して都合の悪い事は全部ひた隠しにすんだ」
先輩に拘束されながらあたしが皮肉を込めてそう言うとユノアからはあたしの予想の斜め上の言葉が出て来た
「ああ、本当に僕もそう思うよ」
「ユノアさん…」
そう言ったユノアの手はあたし以上に震えて居た
「悪いあたしはもう何も言わねえ」
「済まないこちらも少し取り乱してしまった。そんな獣人族に救いの手を差し出したのは湊君とリュー・クリスティアの2人だったんだ」
そこにあたし達の知らない名前が出て来た
「リュー・クリスティア…思い出したマムが話してたわ。雪音湊、彼のパートナーだった少女の名前それがリュー・クリスティア」
「でもそれってイガリマを持ち出す為のF.I.S.の所為だったんじゃ」
「彼らはそこまでしか話して居ないのか、確かにリュー・クリスティア彼女を殺しイガリマを強奪したのは間違いなくF.I.S.だ。そして遺憾だが裏でF.I.S.を手引きしていた人物がフランスにいたんだ」
そいつはもう死んだらしいが問題は誰が殺したのかだった
「彼女の死が報告された時湊君や獣人族の子も数名居たよ。だがそれが獣人族と人間との内戦が起るひきがねとなったのはあそこで彼奴の放った言葉だろう」
「その言葉とは」
「僕も今でも良い物だとは全く思わないけどね。道具が1つ壊れた程度で喚くな彼は湊君や獣人族の子達の前でそう言ったんだ」
(そいつは死んだ人間の事を道具と言って罵ったんだ)
「先程その人物は亡くなったと言いましたが一体誰が」
「湊君…彼が殺したんだ」
『‼︎』
ユノアの歯切れは悪かったがそれでもはっきりと分かった
(嘘…だろ…彼奴が…彼奴が殺したって言うのか)
「雪音…」
「大…丈夫だ…先輩」
あたしの頭の中はもう何も考えられないくらいに一杯になっていた
「湊君がその人物を」
「ああ、エルザちゃんとルナちゃんが湊君を止めてくれなければもっと多くの被害が出ていただろう」
「何で…何でテメェはそれを止めなかった‼︎テメェが止めていれば彼奴が…湊がそいつを殺す事もなかっただろ‼︎」
あたしは先輩の拘束が緩くなって居る隙を突いてユノアに掴み掛かった
〜クリスside out〜
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