戦姫絶唱シンフォギア〜雷を纏いし装者〜 作:saint shine
「どう思う?」
「えっと…一杯ですね」
立花はモニターに映るノイズの発生地点の印を見てそう言う
「ははは、全くその通りだ。これは此処1ヶ月のノイズの発生地点だ。ノイズについて響君が知って居る事は?」
「テレビのニュースや学校で教えて貰った程度ですが、先ず無感情で機械的に人間だけを襲う事、そして襲われた人間が炭化してしまう事、時と場所を選ばずに突然現れて周囲に被害を齎す特異災害として認定されて居る事」
「意外と詳しいな「丁度一昨日出されたレポートの題材がノイズだったからな」成る程な」
俺がそう言うと風鳴司令は響がある程度詳しい事を理解する
「そうね、ノイズの発生が国連で議題に上がったのは13年前だけど観測そのものはもっと昔からあったわ、それこそ世界中に太古の昔から」
「世界の各地に神話や伝承に登場する数々の偉業はノイズ由来のものが多いだろうな」
「それとこっちはフランスでのノイズの発生地点だ無理言ってユノアに送って貰った」
次にモニターにはフランスのノイズの発生地点が映し出される
「さっきのに比べると少ないですね」
「そうね、本来ノイズの発生率は決して高くないの普通であればフランスの発生率が平均ね、だから最初に響ちゃんに見て貰ったのは誰の目から見ても明らかに異常事態、だとするとそこに何らかの作為が働いていると考えるべきでしょうね」
「作為って事は誰かの手による物だと言うんですか?」
「中心点は此処私立リディアン音楽院高等科、我々の真上です。サクリストDデュランダルを狙って何らかの意思がこの地に向けられている証左となります」
デュランダルあれが此処にあったのか
「あの…デュランダルって一体」
唯一デュランダルに関する知識のない立花が風鳴司令にそう聞く
「此処よりもさらに下層アビスと呼ばれる最深部に保管され日本政府の管理下にて我々が研究して居るほぼ完全状態の聖遺物それがデュランダルよ」
「翼さんの天羽々斬や湊君のサンダルフォン、響ちゃんの胸のガングニールは装者が歌ってシンフォギアとして再構築させないとその力を発揮できないけれど完全状態の聖遺物は一度起動した後は100%の力を常時発揮し更には装者以外の人間も使用出来るであろうと研究の結果が出て居るんだ」
「それがわたくしの提唱した櫻井理論、だけど完全聖遺物の起動には相応のフォニックゲインが必要なのよね」
櫻井了子にそう言われた立花は頭を抱える
「まあ詰まる所、完全聖遺物の起動にはそれ相応のエネルギーが必要なんだよ」
「成る程、何となくだけど分かったよ」
本当にわかってんのか此奴
「あれから2年、今の翼の歌であれば或いは」
「そもそも起動実験に必要な日本政府からの許可って降りるんですか?」
「いやそれ以前の話だよ、安保を盾にアメリカが再三のデュランダルの要求をして来て居るそうじゃないか」
なら今回の件はアメリカの仕業の可能性も考えられるが時期が時期だ。1ヶ月前それは俺や立花達がリディアンに入学したのと大体同じくらいだ。だとすると、確実にデュランダルを狙ってて事は言えないかもな
「仕方ない奥の手のつもりだったんだが俺の持ってる物も話しておく」
「君の奥の手か?」
「ああ、完全聖遺物インドラの槍の事を」
俺の発言にその事をあまり理解していない立花以外が驚く
「あの…皆さんどうしてそんなに驚いてるんですか?完全聖遺物を起動させるにはそれ相応のエネルギーが必要なんですよね?だったら湊君が偶々その完全聖遺物が使えるだけのエネルギーを持って居たってだけなんじゃ」
「その必要するエネルギーが常人のそれでは無いからだ。2年前、翼は1度デュランダルを起動させようとしたがそれは失敗に終わって居る」
「そもそも、完全聖遺物の国外への持ち出しは厳禁だった筈ですが」
そう基本的には完全聖遺物の国外への持ち出しは厳禁だ
「なんせインドラの槍が発見されたって事はフランスの上層部の中でも本当に限られた数人だからな。見つけたのも俺だし、それにユノアには研究をさせるかさせないかは俺の好きにしろっ言われて居る」
「つまり相手が君の完全聖遺物インドラの槍を狙って来て居るとすれば」
「ああ、十中八九フランスの上層部の中で俺がインドラの槍を持つ事を良しとしない奴が雇った何者かだろうな」
そうなって来ると外交問題云々も絡んでくるから俺がそいつを片付ける必要が出て来る
「だが相手の狙いがデュランダルでない可能性が消えたわけじゃない。何より調査部からの報告によると此処数ヶ月の間に数万回に及ぶ軍のコンピューターへのハッキングを試みた痕跡が認められて居るそうだ。流石にアクセスの出所は不明、それらを短絡的に米国政府の仕業とは断定できないが、もちろん痕跡はたどらせて居る本来こう言うのこそ俺達の本領だからな」
「風鳴司令」
「あっそうか、そろそろか」
「今晩はこれからアルバムの打ち合わせが入って居ます」
翼にそう言う緒川を立花は困惑して見る
「表の顔ではアーティスト風鳴翼のマネージャーをやってます」
そう言って緒川は俺と立花に名刺を渡して翼と一緒に出て行く
「私達を取り囲む脅威はノイズばかりでは無いですね。何処かの誰かが此処か湊君を狙って居るなんて考えたくありません」
「だとしてもインドラの槍を狙って来て居たとしたら俺1人で対処する他無いがな」
「どうしてですか?」
立花はその事に疑問を覚えたのか風鳴司令に聞く
「万が一我々や翼そして響君が原因でインドラの槍が消失してしまった場合には外交問題に発展しかねないんだ。だから湊君には1人でインドラの槍を守って貰わなければならない。何より湊君自身インドラの槍を他国に持ち出す時点でその件での協力が難しい事を理解した上で持ち出したのだろうしな」
「そう言う訳だ」
「そっか、そう言われると余計に心配だな〜」
「大丈夫よ、何てったって此処はテレビや雑誌で有名な天才考古学者櫻井了子が設計した人類守護の砦よ?先端にして異端なテクノロジーが悪い奴らなんて寄せ付けないだから」
「宜しくお願いします」
立花はそう言って櫻井了子に頭を下げた
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