戦姫絶唱シンフォギア〜雷を纏いし装者〜   作:saint shine

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260話

「全く彼奴らは湊まで巻き込みやがって」

 

「仕方ないわよ、何時かきっとlinkerは完成する。だけどその何時かを待ち続けるほど私達の盤面に余裕は無いわ。貴方もあの子達の過剰な無茶を抑える為に一緒になってしてくれたのよね」

 

マリアの言葉に俺は頷く

 

「方法は有ります。linkerの完成を手繰り寄せる最後のピースを埋めるかも知れない方法が」

 

「最後のピース?」

 

マリアがそう聞くとエルフナインは頷く

 

「ウェル博士に手渡されたlinkerのレシピで唯一解析出来ていない部分、それはlinkerがシンフォギアを装者の脳のどの領域に接続し負荷を抑制しているかです。フィーネやFISの支援があったとはいえ1からlinkerを作り上げたウェル博士は色々は兎も角、本当に素晴らしい生科学者だったと言えます」

 

「素晴らしい…ゾッとしない話ね」

 

エルフナインの言葉にマリアはそう返す

 

「確かにな、マリアや切歌達からすれば良い話じゃないかもな」

 

「あの…難しい話は早送りにして最後のピースの所まで飛ばしてよ」

 

「鍵はマリアさんの纏うアガートラーム、そしてセレナさんの纏うカマエルにあります」

 

「白銀の…私のギアに?それにセレナのギアにも?」

 

マリアの言葉にエルフナインは頷く

 

「アガートラーム、特性の中にエネルギーベクトルの制御があります。対してカマエルには熱エネルギーのみの制御です。土壇場で度々見られたマリアさんのアガートラームの発光現象、脳とシンフォギアを行き来する電気信号がアガートラームの特性によって可視化それどころかギアからの負荷をも緩和したのでは無いかと僕は推論します。これまでずっと任務の合間に繰り返して来た訓練によってマリアさん達の適合係数は少しずつ上昇して来ました。恐らくはその結果だと思われます」

 

「それじゃあ私達の頑張りは無駄ではなかったのね」

 

「ええ、マリアさんの脳内に残された電気信号の痕跡を辿って行けば」

 

「linkerの作用している場所が解明する…だけどどうやって」

 

「それこそウェルの野郎に頭を下げない限りは」

 

姉さんの言う通りウェルに頭を下げない限りは難しいかも知れない

 

「先日湊さんの協力の元完成した装置があります。それを使えば或いは」

 

「確かに、あれを使えばどうにかなるかも知れないが成功するって保証はないぞ」

 

俺はそう言って通信機からその装置を取り出す

 

「それは?」

 

「ウェル博士の置き土産ダイレクトフィールドバックシステムを錬金技術を応用して再現してみました。対象の脳内に電気信号化した他者の意識を割り込ませる事で観測を行います」

 

「つまりこれを使えば対象の頭の中を覗く事が出来るって事だ。そして理論上それは可能だ。だがそれには大きなリスクを伴う」

 

「大きなリスク?」

 

俺の言葉に響はそう聞いて来る

 

「人の脳内は複雑に入り組んだ迷宮だ。最悪の場合、観測者ごと被験者の意識は溶け合い廃人となる可能性も出て来る。だから確実に成功する目処がつくまでは使わない方が良いとは俺は思っている。だが今回それを決めるのはお前だ。どうする」

 

俺はそう言って真っ直ぐマリアを見る

 

「やるわ、ようやくドクターのlinkerの完成の目処が立ちそうなのに見逃す理由は無いでしょ?」

 

「そうか、分かった起動の準備が整うまで少し待っててくれ。それとセレナも同行させるから呼んでおいてくれ」

 

「分かったわ」

 

マリアはそう言ってセレナを呼びに行った




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