マブラヴ・オルタジェネレーション   作:京橋

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 今回から結構原作ブレイク気味になっていきます。
さらにご都合主義全開になっていきますww





第十二話 魔女と呼ばれた女

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 横浜ハイヴでの戦闘中、米国政府からの突然のハイヴ攻略新兵器の投入及び予想効果範囲からの撤退通告。

 

米軍の二発の新兵器【G弾】が横浜ハイヴに落下してきた時、マーク達にとって因縁深い機体が現れた。

 

G弾の爆発に呼応するかのように現われた【SYSTEM-∀99】を内蔵したターンエーガンダムはG弾のエネルギーを吸収し、かつて世界文明の崩壊を招いたシステム、【月光蝶】を発動させて横浜ハイヴを中心にナノマシンハザードを起こそうとした。

 

 月光蝶によってハイヴの周辺にいたBETA及び国連軍と帝国軍の戦術機は次々とナノマシンの餌食になって土くれと化していく中、月光蝶から逃れる為に一緒にいた仲間の撤退の時間を稼ぐ為にマークとエリスは機体を反転させた。

 

 そして自分達が乗っているユニコーンガンダムとバンシィに搭載されているNT-Dを同時に発動させ、装甲の繋ぎ目から露出したフレームから赤色と金色の二つの光が二機から放たれ、ユニコーンガンダムとバンシィのフルサイコフレームは互いに共鳴し合い、二つの光は同じ碧色の光へと変化した。

 

 これはかつて第二次ネオジオン戦争…通称【シャアの反乱】の際にロンド・ベル隊に所属していたニュータイプ【アムロ・レイ】の乗るνガンダムが【シャア・アズナブル】の乗っていたサザビーに搭載されていたサイコフレームがお互いに共鳴現象を起こして地球に落下しつつあった小惑星アクシズの軌道を変えさせた……後に【アクシズ・ショック】と呼ばれる現象を起こした。

 

 アクシズ・ショックと同じサイコフレームの露出部分の装甲から碧色の光のサイコフィールドを発生させたユニコーンガンダムとバンシィは、ターンエーガンダムからの月光蝶のナノマシンによる物質崩壊から後方にいる仲間と元嵐山中隊のメンバーである唯依たちを護ろうとした。

 

 フルサイコフレームによる共鳴現象で発生したサイコフィールドで拡散していく月光蝶をなんとか足止めすることができたが、ターンエーガンダムが月光蝶の出力を上げたりしたら間違いなく飲み込まれることは必然だった。

 

しかし次の瞬間、ターンエーガンダムの機体から突然火花を散らして小さな爆発を起こした。

 

 小規模な爆発を起こしたターンエーガンダムは自機の状態が悪くなったのか、あるいは何処かの機能が破損したのか、展開していた月光蝶を停止させナノマシン散布が消えた事でユニコーンガンダムとバンシィに護られていた仲間達の機体はなんとかナノマシンによる崩壊から逃れる事が出来た。

 

 しかし、月光蝶を停止させたターンエーガンダムはマーク達の機体を見ることも無く、ナノマシンを散布した横浜ハイヴの上空から空間転移で消えてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 横浜ハイヴ攻略作戦【明星作戦】は成功といえるのかどうか不明だったが、地上にいたBETAの群れはターンエーガンダムの月光蝶によるナノマシンによって殆どが土くれと化し、ハイヴであるモニュメントも原形を留めずにただの土くれの山となってしまった。

 

 月光蝶から辛うじて逃げ延びた帝国軍と国連軍は部隊を再編成し、月光蝶のナノマシンに注意をしながらハイヴ地下へと続く門へと向かう。

 

地下への坑道は何故かナノマシンの影響を受けなかったのか残っており、国連軍と帝国軍は残存BETAに警戒しつつもハイヴの動力部分である反応炉へと進んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな中、月光蝶からなんとか逃れた元嵐山中隊のメンバーは残存BETAがいつ地上に再出現するか分からないとの事で作戦司令部の防衛に戻って行き、マーク達ジェネレーションズは元横浜ハイヴから少し離れた場所でとある物体の調査をしていた。

 

「これは…コロンブス級だよな?」

 

「そうね。でも何でこんなものが?やっぱりあのワールドシグナルが原因かしら?」

 

「まあ、中を見てみれば分かるんじゃねぇか?」

 

 マーク達の目の前にあるのは【ファーストガンダムの世界】に存在していた地球連邦軍の大型補給艦である【コロンブス級宇宙補給艦】だった。この艦は月光蝶が消え、その後に発生したワールドシグナルから出現した戦艦だった。

 

 この場所にはジェネレーションズのメンバーしかおらず、ガーベラ・テトラ改はコロンブス級の正面右ハッチの前まで行き、ハッチを開けて中へと進んでいく。

 

その間、マルスとエミリスのFAZZとストライクEは戦艦の外で生き延びたBETAが襲ってこないかを警戒する為にコロンブス級の周囲で警戒態勢を維持していた。

 

 コロンブス級の内部は真っ暗であった為、ラナロウは一度ガーベラ・テトラ改から降りると動力室まで向かい、コンソールを操作して格納庫の電源を入れた。すると格納庫のライトが点灯し、そこに置かれていた物体がマーク達の目の前に現われた。

 

「こっ、これは……?」

 

「巨大な……釜?」

 

 それぞれの機体のコクピットに映し出される巨大な物体は、横筒状の釜のような形をした物体だった。しかもその物体はコロンブス級の格納庫の約半分の大きさで、その奥には二回り小さい同じ形状をした装置が二つ置かれていた。

 

 自身の搭乗していた機体から順次降りてきたマーク達は、目の前にある装置を眺めながら歩いていると装置の操作コンソールを発見、試しにマークがコンソールを叩いて装置を起動させてみた。

 

「こいつは…何かの製造装置…か?」

 

「見た目はそんな感じね。でも詳しい内容などは私達よりケイやアプロディアに聞いてみた方が良いんじゃないかしら?」

 

 コンソールのキーを叩くマークにエリスは装置の調査はネェル・アーガマ改にいるケイとアプロディアに見てもらった方が良いと判断し、一先ず大型の製造装置と小型の製造装置の三つの機械をネェル・アーガマ改へ運び出そうと再びモビルスーツに戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

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 その数時間後……横浜ハイヴの最下層である反応炉のある広いホールへと到着した国連軍のストライクイーグル隊はCPから他の場所で移動中の別働隊が残存BETAと遭遇、戦闘になったという情報が届き、最下層の部隊も広いホールの何処から残存BETAが飛び出して来ないか周囲を全周警戒しながらストライクイーグル隊は奥へと進んでいく。

 

「しかし、ここの詳細のデータを漏らさす報告しろって言っても、俺たちは専門家じゃないってのに理解できるかってんだ……」

 

「隊長、レコーダーは回っていますよ!」

 

「ふっ、優秀だな…全機、周囲の警戒を怠るな」

           

 人類が初めて敵拠点であるハイヴの最深部へと侵入に成功した事により、部隊長にはCPから最深部の詳細なデータは漏らさず報告する事を厳命されていた。それにより部隊長は愚痴を零しつつも、周囲に警戒しながら進んでいく。

 

 暫く奥へと進んでいくと部隊長の目の前に何かの柱のような物体が何本も天井に向かって伸びているのを発見。さらにその柱の中央付近に何か光る物体を見つけ、部隊長は戦術機のカメラを最大望遠で確認した。

 

「…あっ、あれは……くそっ!!なんてこったっ!!」

 

『こちらCP、一体どうした!?心拍数が上昇しているぞ!!』

 

「………人だ……」

 

『人だと!?生存者がいたのか!?』

 

 部隊長の声にCPにいたオペレーターは生き延びた人がいたのかと質問するが、部隊長から返ってきた返事は彼らの予想を裏切った。

 

「人間の……脳だっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

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 明星作戦が終了し、横浜ハイヴの攻略したことで人類はBETA戦争が始まって以来、初めての人類の勝利を飾った。

 

しかし人類側もBETAと米国の新型爆弾と称される【G弾】なる兵器の被害は無かったものの、直後に現れたターンエーガンダムによる月光蝶に巻き込まれた衛士は帰らぬ人は数多くいた。

 

 そのことについてマーク達ジェネレーションズのメンバー全員は帝国軍並びに国連軍に謝罪の意思を示すが、煌武院 悠陽殿下はそんな彼らに「あの白き悪魔の所業を止めてくれてありがとう」とお礼を伝えてきた。

 

 そして横浜ハイヴ攻略を立案した香月博士は、横浜ハイヴのあった場所に国連軍の軍基地の建設を要請。今まで情報が不足していたBETAの拠点でもあるハイヴの研究と調査も兼ねてハイヴ内部のBETA由来の構造はそのままにして着工が始まった。

 

 そんな中、コロンブス級から回収した謎の装置をネェル・アーガマ改の格納庫にてケイとアプロディアはさっそく調査を開始していた。その様子をマーク達ジェネレーションズのメンバーが静かに見守っていた。

 

「それで、この装置について何か分かったか?」

 

『はい。この装置はジェネレーションシステム内での製造装置の一部です』

 

 マークの質問にアプロディアは回収した装置がジェネレーションシステムのMS製造装置の一つであり、大型の方はMS一機分を製造でき、二基の小型装置はMSのパーツや武装、オプションパーツなどの製造が可能であることが判明した。

 

「ってことは、この世界にもジェネレーションシステムが存在しているのか?」

 

『それは不明です……この地球はジェネレーションシステムがカモフラージュしたモノではありませんので、恐らくワールドシグナルによって偶然この世界に流れ着いたものでしょう』

 

「でも、そもそもワールドシグナルがなんでこの世界で発生したのか謎ですよね……」

 

 ジェネレーションシステムの装置があるという事はガンダムの存在しないこの世界にもジェネレーションシステムがあるのかと口にするラナロウ。その質問にシステムの一部であったアプロディア自身でも分からないと答え、ワールドシグナルが発生した原因が何なのかレイチェルは首を傾げる。

 

 そもそもワールドシグナルは暴走したハルファスガンダムが世界を歪ませることで生じる現象であり、アプロディアの制御を取り戻したハルファスガンダムは現在ネェル・アーガマ改の格納庫にある。

 

 だとしたら一体何が原因になっているのか皆黙って考える。

 

「そういえば、ワールドシグナルが発生する前にターンエーガンダムが現れたが、それが原因だとか?」

 

『その可能性はあるかもしれませんね。あの機体は元々ジェネレーションシステム内の防御機構の一部として機能していたので……ですが、なぜあの機体がこの世界に?』

 

 ワールドシグナルが発生したのは横浜ハイヴ攻略中に出現したSYSTEM-∀99内蔵型のターンエーガンダムではないかと推測するが、現時点では何もかも分からないことだらけであった。

 

(それにあの少女の正体……いったい誰だったんだ?)

 

 マークは一人心の中であの真っ暗な空間にいた赤髪の少女が一体何者だったのか考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 明星作戦から数ヶ月後・・・・マーク達ジェネレーションズは横浜ハイヴ跡地に設営する国連軍横浜基地の建設を手伝いつつ、明星作戦でガタガタになってしまった国連軍、帝国軍の部隊が整うまでの間、BETAの進行を警戒するなどを行なっていた。

 

 ジェネレーションズの機体もワールドシグナルで出現したコロンブス級から回収した製造装置【ジェネレーションビルダー】(アプロディアが命名)で不足していた補給物資を製造して明星作戦で使用した機体やバルバトス戦で損傷してしまった機体も少しずつではあるが修復作業が進んでいた。

 

 その間にもSYSTEM-∀99のターンエーガンダムの出現にも警戒していたが、明星作戦が終わってからというものの、一向にその姿は確認されておらず、何処へ行ったのかも不明のまま数日が過ぎた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなある日のこと……煌武院 悠陽殿下から提供された帝国軍のとあるエリアで停泊中のネェル・アーガマ改に、国連軍所属の一台の車がやってきた。

 

「へぇ~、これが異世界から来たっていう空を飛べる戦艦ね~」

 

「・・・・・」

 

 車から降りてきた女性【香月 夕呼】と少女【社 霞】は目の前にあるネェル・アーガマ改を見上げながら当たり前のようにネェル・アーガマ改に近づいていく。

 

 そこへ香月を待っていたのか、ニキとマリアの二人が立っていた。

 

「お待ちしておりました、香月 夕呼博士」

 

「あ~、堅苦しい挨拶はいらないから。私、そういうの嫌いだから」

 

「そうですか…わかりました。ところでそちらの少女は?」

 

「ああ、この子は私の連れよ。一度見てみたいって言ってたから連れてきたの。何か問題でも?」

 

「いえ…問題はありません。ではブリーフィングルームへ案内します」

 

 挨拶を交わしたニキとマリアは香月と霞の二人をネェル・アーガマ改のブリーフィングルームへと案内するために歩き出した。

 

(香月 夕呼……鎧課長の話によれば、オルタネイティヴ計画の第四計画に関わっているという話でしたが……)

 

 ネェル・アーガマ改の廊下を歩きながらニキは数日前に突然やって来た【鎧 左近】が話したことを思い出していた。

 

 

 

 それは香月がやってくる少し前の事……ネェル・アーガマ改のブリッジでゼノンと共に戦艦の修理状況と今後の話し合いをしていたニキの前に突然……鎧課長がやって来たのだ。

 

「実はオルタネイティヴ計画の中で天才と呼び名の高い香月 夕呼博士が、ぜひあなた方と話をしてみたいと申し出がありまして……」

 

 何処から現れたのか突然の来訪に驚くゼノンとニキを他所に、鎧課長は自分の要件を一方的に話し終えると、今度はイースター島でのお土産という謎の物体を艦長席に置いていくと「それではまた何処かで会いましょう」と言い残して姿を消した。

 

 あの時の鎧課長のマイペースさには冷静沈着のニキですら真意が掴めない人物であると再認識された瞬間だった。

 

 

 先日の鎧課長の突然の来訪の事を思い出しながらブリーフィングルームへと向かっている途中、ニキとマリアの突き当たりの廊下から一人の少女が顔を出した。

 

「あっ、マリア姉ちゃん、ニキお姉ちゃん!」

 

「あら、カチュアちゃん」

 

 顔を出した少女【カチュア・リィス】が笑顔を見せながら駆け寄ってきた。マリアは彼女の頭を撫でてあげると、カチュアはニッコリとしながら好意に甘えていると、二人の後ろにいる香月と霞の存在に気づいた。

 

「マリア姉ちゃん、この人たちは~?」

 

「この人達はお客さんよ。ほら、ちゃんと挨拶して」

 

 カチュアはマリアとニキの後ろにいた香月と霞に向かって挨拶をする。その様子に香月は軽く挨拶を交わし、霞は無表情でカチュアの顔をじっと見つめていた。

 

「・・・・・」

 

「あれ?あなた、もしかして……ミーちゃんと同じ?」

 

「!!?」

 

 カチュアの言葉に霞の表情は驚きの顔に変化する。しかしカチュアはすぐに笑顔になると霞の手を取って握手を交わす。

 

「私、カチュアっていうの。あなたのお名前は?」

 

「…霞、社 霞です……」

 

「霞ちゃんか~。なら、かっちゃんだね!」

 

「えっ?かっちゃん?」

 

 カチュアは満面な笑顔を見せながら霞の事を【かっちゃん】と呼び、ニックネームで呼ばれた霞は呆気とたれた顔になる。

 

「カチュア、彼女と一緒に艦内を案内してあげてくれませんか?彼女もこの艦に興味があるようですから」

 

「えっ?」

 

「うん!分かった~」

 

「香月博士、宜しいですか?」

 

「…ええ、構わないわよ」

 

 ニキの提案に香月は了承すると、カチュアは喜んで霞の手を引いてネェル・アーガマ改の案内に行った。そのカチュアの様子に霞は何処か困惑しているように見て取れた。

 

 カチュアと別れた後、ブリーフィングルームへと到着し、室内には艦長のゼノン、MS部隊リーダーであるマークが待っていた。そして皆が席に着いた時、マリアが皆の分のコーヒーを入れてテーブルの上に配り席に着いた。

 

「あら、このコーヒー中々旨いじゃない」

 

 香月は差し出されたコーヒーカップを手に取り、一口コーヒーを啜ると少し驚いた様子で目を見開いた。今回出されたコーヒーはネェル・アーガマ改に備蓄していたインスタントコーヒーなのだが、この世界でのコーヒーと比べるとまだ美味しい方であったようだ。

 

 この世界ではBETA戦争に伴って食料などの物資が何処でも不足しており、マーク達も試しにこの世界のコーヒーを飲んでみたが余り美味しくなかったようで、この世界の食糧事情は酷いと考えていた。

 

「それで博士、今回我が艦にやって来た目的は何なのですかな?」

 

「ええ、まずは明星作戦での参加及び横浜基地建設の支援、ありがとうございました。おかげで我々は初めてBETAの拠点を入手できる事ができました」

 

「いえ、我々は出来る限りの支援を行っただけです」

 

 香月は最初に自分が立案した明星作戦やBETA研究のための横浜基地施設建設に協力してくれたジェネレーションズにお礼を言い、出来る限りのことをしたとゼノンは返す。

 

「それで、今回来た目的なんだけど……」

 

『!?』

 

 香月が本日ここへ来た目的を話そうとした瞬間、彼女の雰囲気が突然変わり、その様子に室内にいたゼノン達も真剣な表情に変わった。

 

「明星作戦で米軍が投下したG弾…あれと同時に出現した白い戦術機…いえ、あの機体はあなた達の世界の機体でしょ?まあ、見るからに私達の戦術機とは違うし、あの蝶の翅みたいなモノも触れた物体を一瞬にして土塊に変えるなんて普通じゃ考えられない……」

 

 明星作戦で出現したターンエーガンダムの事を延々と述べ始めた香月にゼノン達異世界人組は黙って聞いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マーク達が香月とブリーフィングルームで話をしている頃……霞の案内を任されたカチュアはニコニコしながらネェル・アーガマ改の案内をしていた。

 

「さっ、ここがマリアお姉ちゃん達の使っているMSの置いてある格納庫だよ!」

 

「……」

 

 カチュアの指を指した先にはユニコーンガンダムや、その他もろもろのMSを整備しているメンテナンスハロ達の光景だった。

 

 その様子に霞は少し驚いている様子で眺めていた。しかし何処かカチュアの方をチラチラ見ながら何かを窺っているような様子だった。

 

「ねぇ、かっちゃん…」

 

「はい?」

 

「どうして私の中を覗こうとするの?」

 

「!?」

 

 カチュアの問いに霞は目を見開いて驚くと同時に頭から被っているウサミミがピクッと反応した。

 

「かちゅあ、かちゅあ!!」

 

「あっ、ハロ!」

 

 二人の間に気まずい雰囲気になっていたところに、カチュアの名前を呼ぶ丸い物体がピョンピョン跳ねながらカチュアの下へとやって来た。

 

 その球体【ハロ】を受け止めたカチュアはくるりと霞の方に振り返った。霞はカチュアの手に持っているハロに目を奪われていた。

 

「カチュアさん…それは?」

 

「これ?これはハロ!私のお友達だよ!!」

 

「トモダチ、トモダチ!!」

 

 霞の前に差し出されたハロは耳部分のカバーをパタパタさせながら声を上げる。その愛くるしい?姿に霞も自然と口元がニヤけてしまっていた。

 

「あっ、そうだ!かっちゃん、他のハロ達にも会わせてあげる!!」

 

「あっ」

 

 カチュアは先ほどの気まずい雰囲気など何処吹く風か、再び霞の手を引いて格納庫のメンテナンスハロ達のいる整備室へと入って行った。

 

入った整備室には大量のハロが充電用ケーブルに繋がれた状態で待機しており、部屋の中央には何か機械を弄っているケイの姿があった。

 

「ケイお姉ちゃん!こんにちは~」

 

「おや?カチュアじゃないか。今日は何しに……って、客さんかい?」

 

「うん!かっちゃんっていうの!」

 

「あっ、霞…社 霞…です」

 

「霞ちゃんか。あたしはケイ、ケイ・ニムロッド。よろしく、霞ちゃん」

 

 機械を弄っていたケイに霞は自己紹介し、ケイは作業用手袋を取って霞の小さな手を握って握手を交わした。

 

 握手を交わしたケイは休憩も兼ねて霞とカチュアを交えて雑談をすることにした。…と言っても殆どカチュアが話題を振り、ケイが軽く返し、霞は話を聞いているだけだった。

 

 ケイとの話をしているカチュアは、作業台の上に置かれている目つきの悪そうな青ハロの存在に気づいた。

 

「あっ、お姉ちゃん、これって新しいハロ?」

 

「ん?ああ、それは余ったパーツがいくつか出てきたから暇つぶしに作った奴さ。もう少しで完成するからちょっと待ってな」

 

 ケイは作業道具を手に取るとカチャカチャと音を立てながら青ハロの調整を行い、再び振り返ったケイの手にはハロがカシャカシャと音を立てて動き、霞の方を見た。

 

「オマエ、ダレダ?オマエ、ダレダ?」

 

「あっ、喋った…」

 

「かっちゃん、名前を教えてあげなきゃ」

 

 自分に名前を問う青ハロに霞は驚きながらも自己紹介をした。すると青ハロは目をチカチカさせながらケイの手から霞の方にピョンと跳ね上がる。

 

 飛び込んできた青ハロを霞は慌てつつも受け止めると、青ハロは耳パーツをパタパタさせながら霞の名前を繰り返した。

 

「カスミ!カスミ!」

 

「わぁ……」

 

 自分の顔を見て名前を繰り返すハロに霞は笑みをこぼす。

 

「どうやら気に入ったみたいだね。じゃあそのハロは霞ちゃんにあげるよ」

 

「えっ?」

 

「元々はカチュアの赤ハロの相方にしようと思ってたんだけど、ハロも霞ちゃんの事を気に入ったみたいだし……カチュアもいいだろ?」

 

「うん!私とかっちゃんの友達になった記念に、かっちゃんにあげる!!」

 

 ケイが作ったハロを友達になった記念とカチュアからプレゼントされた霞は大事そうに青ハロを抱きしめた。

 

 それからケイは再び整備作業へと戻っていき、カチュアと霞は再びネェル・アーガマ改の案内を始めた。

 

 そして艦内の殆どを案内し終えたカチュアは霞を後部ハッチの外に連れ出した。

 

「わあ~、いい風が吹いてるね~」

 

「はい……」

 

 横風で揺れる髪を押さえながらカチュアは霞。そして相棒の赤ハロと青ハロはピョンピョン跳ねながら二人の周囲を跳ねまわっている。

 

だが、霞は何処か不安そうな表情をしており、暫くした後、何かを決めたように霞は口を開いた。

 

「あの…カチュアさん」

 

「ん?な~に?」

 

「えと……私の事、怖くないんですか?」

 

「怖い?どうして?」

 

「だって……人の心を覗くことができるなんて、普通の人ができる事じゃない……」

 

 霞は淡々と自身の事をカチュアに語りだした……自分が普通の人間ではなく、オルタネイティヴ第三計画でBETAの思考リーディングを図ろうと人工的に生み出されたESP発現体であることを。

 

 そして自分も対BETAと思考を読み取る訓練を受けていた時、研究者達からは“目を合わせれば思考を読まれる化け物”と思われていたことを………

 

「う~ん、難しい事は私には解らないけど、私は別に平気だよ」

 

「えっ?」

 

「だって、私も似たようなものだってエターナお姉ちゃんに言われてたし……え~と、天然サイキッカーだったかな?」

 

 カチュアも霞と同じ……いや、二人の違いは天然か人工かの違いか……だが、そんな事カチュアにとってはどうでもいいことだった。彼女もマーク達と共にガンダムの世界を渡り歩いている際、幾度もなく同じ生まれ方をした人々を見て来ていたのだから……

 

「生まれが違っても同じ人っていうのは変わりないと思うな。だってもう私とかっちゃんはお友達だもん!」

 

「カチュアさん……ありがとう……ございます」

 

 人工的に生み出された霞を一人の人間として見てくれているカチュアに、涙を流しながら彼女に感謝の言葉を贈った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、ブリーフィングルームでターンエーガンダムやマーク達の事を語り終えた香月は一息入れながらコーヒーを啜った。

 

「つまり……香月博士の要望は我々の技術と人員の提供だと?」

 

「ええ、その代わりにオルタネイティヴⅣの総責任者である私が、あなた方に国連軍や他の各国から独立した部隊として何処からも介入できないようにするわ」

 

 彼女がネェル・アーガマ改にやって来た目的……それはマーク達の使用しているMSや異世界の技術…そしてMSを扱うことのできる人員提供だった。

 

その見返りに香月からはオルタネイティヴ計画の総責任者の権限を使って各国からマーク達ジェネレーションズへの介入を出来なくするようにするという。

 

 マーク達からすれば、ターンエーガンダムの捜索に世界中を回ることになったとしても他の国から何らかの介入がある可能性は十分にある。

 

そして明星作戦の最中に起こったワールドシグナル……アレの発生が原因でこの世界にどんな悪影響を与えてしまったのかの調査も行いたい。

 

 その事を考慮すると香月からの申し出は非常にありがたいものだった。しかし、その内容にはメリットもあり、デメリットも少なからず存在していた。

 

「別に今すぐに返事をくれなくても、今日は話を聞いて貰たかっただけだから。日を改めて返事を返してくれればいいわ」

 

 

 話を終えた香月はニキと共にブリーフィングルームから退室すると、カチュアと一緒に歩いていた霞を見つけ、ネェル・アーガマ改から降りていく。

 

「ああ、それと………これを渡しておくわ」

 

「これは?」

 

「あなた達がオルタネイティヴ計画の事を何処まで知っているか知らないけど、どんな計画か知っておいても損はないはずよ」

 

丁度、迎えにやって来た国連軍所属の車が現れた時、香月からニキにオルタネイティヴ計画の情報の入ったデータディスクを受け取った。

 

そして香月と霞は車に乗り込み、横浜基地仮施設へと帰って行った。

 

「あら?社、あなたそれどうしたの?」

 

「これ…お友達に貰いました」

 

 揺れる車内で香月は霞の手に収まっている青ハロの存在に気づき、霞はカチュアとケイがプレゼントしてくれた青ハロを優しく撫でながら嬉しそうな表情をしていた。

 

 

 

 

 

 

 







 ジェネレーションビルダーですが、完全に見た目はガンダムAGEに出てきた
AGEビルダーのパクリです(笑)

 でもジェネレーションシステム内でスパークしただけでMS一機作れるって
どんなチート製造装置だよって思いましたね。まあデータの再現って形だから簡単だろうけど…



 ちなみに赤ハロと青ハロはSEEDでアスランが作ったハロです。あれの跳ねる要素は一体どんな素材で作ったんだろう……青ハロは見た目は00のくぎゅ~ことミーナのハロです。



 
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