マブラヴ・オルタジェネレーション   作:京橋

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 トータルイクリプスのアニメ版第二話で出てきた赤服の中隊長の名前って
無いんですかね?クレジットでも【中隊長】でしたし・・・・


 4月19日 感想で中隊長の名前が如月 佳織と判明したので変更。


第二話 謎のパイロット。進路、日本へ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 謎の空間に飲み込まれ、ガンダムの存在しない異世界へとやってきてしまったネェル・アーガマ改。

 

 艦長であるゼノンは、アプロディアが調査してくれた情報を元に母艦の修理及び補給などの出来る施設などに向かう為に地球へと降下しようと決め、MS部隊のリーダーであるマークも賛成した。

 

 地球へと進路を取り、到着するまでに少し時間があったので、移動している間にマークはユニコーンとバンシィに乗っていたパイロットの事が気になり、医務室へと向かった。

 

 戦艦の通路を通るマークは医務室の前にいるラナロウとエイブラムがいたのを見つけ、二人にユニコーンとバンシィのパイロットはどうなったのか尋ねてみた。

 

 

「ラナロウ、エイブラム」

 

「ん、マークか……」

 

「?どうかしたのか二人とも…それよりあの二人のパイロットの容態はどうなんだ?」

 

 

 二人に声をかけたマークにラナロウとエイブラムは少し驚いたような表情をしたと思えば急に暗い表情に変わった。その様子にマークはどうかしたのかと疑問に思っていると、医務室の扉が開き、そこからエターナが顔を出した。

 

 

「あっ、マーク。ちょうどあなたを呼んでもらおうと思っていたの。いいかしら?」

 

「あっ、ああ」

 

「それじゃあ俺たちは自分の機体の様子でも見に行こうぜ、旦那」

 

「うむ」

 

 

 エターナはマークの存在に気づくと少し表情が曇りながらもマークを医務室へと招き入れる。彼女の様子にどうしたのかと思いつつも医務室へと足を踏み入れ、ラナロウとエイブラムは自分の愛機の様子を見に行くと言ってその場から立ち去った。

 

 マークが医務室に入ると、そこには満足そうな表情を浮かべているカチェアと彼女の頭を優しく撫でているエリスがいた。

 

 

「エリス、お前も呼ばれていたのか?」

 

「ええ、エターナに呼ばれてね」

 

 

 エリスもエターナに呼ばれたと話すとエターナはカチュアに「ちょっとお話があるから自分の部屋に言ってなさい」と母親のような口調でお願いすると、カチュアは「は~い」と言って医務室から自室へと向かっていった。そして真剣な表情で二人を見た。

 

 

「マーク、エリス、二人とも驚くかもしれないけど……あのMS戦で保護したパイロットの事なんだけど」

 

 

 エターナはマークとエリスに話をしながら白いカーテンで仕切っているベッドのところに歩いていき、マークとエリスも後に続く。そしてベッドで寝かされている人物の顔を見たマークとエリスは驚愕した。

 

 

「なっ!?俺だと!?」

 

「わっ、私!?……何で!?」

 

 

 ベッドに寝かされていた人物は今のマークとエリスより若干幼さが残るように見えているが、紛れも無く自分とソックリな人物だった。

 

 

「私も最初見た時は驚いたわ。念のため血液検査で調査してみたのだけど……」

 

「……結果は?」

 

「結果はマークとエリスと全く同一だったわ。つまりこの子達は……」

 

「私とマークのクローンってこと?」

 

 

 エターナはラナロウとエイブラムを退出させた後にパイロットスーツを脱がせてバイタルをチェックし、異常が無い事を確認した後、二人の血液を採取してマークとエリスの血液と比較検証してみた結果、二人と全く同一であると判明した。

 

 

 その事を説明し終えたエターナにエリスは自分たちのクローンなのかと尋ねてみた。その時、医療室のモニターにアプロディアが映し出された。

 

 

『すみません。今、宜しいでしょうか?』

 

「あっ、アプロディア。丁度良かった、実はちょっと尋ねたい事があるのだけれど……」

 

『なんでしょうか?』

 

 

 モニターに映されたアプロディアにエターナは保護した二人の正体は一体何なのかをジェネレーションシステムの一部だった彼女に尋ねてみた。

 

 

『……なるほど、その方々は恐らく過去にジェネレーションシステムが記録していたマークさんとエリスさんの情報を元に生み出した人物でしょう』

 

「それって、俺とエリスが過去に存在していたってことか?」

 

「でも、それって割と最近って事じゃないかしら…あっ、でもそれなら私達より若いって言うのも分かるかも?」

 

『恐らくですが…私があなた方と出会う前に既にシステムが情報を得ていたのではないかと思います。それをシステムが戦闘能力の高いマークさんとエリスさんのデータを使ってクローンを作ったのでしょう。外見が幼く見えるのは戦闘可能な年齢にまで成長させた後に出撃させた為でしょう』

 

 

 エターナの質問にアプロディアはジェネレーションシステムが度重なる戦闘での高い能力を目撃し、過去に存在していた同一人物のマーク・ギルダーとエリス・クロードの情報を元にシステム中枢内で戦闘能力を向上させるために学習させ、最終決戦でのバルバトス戦でユニコーンとバンシィに乗せて実戦投入してきたのだろうと説明する。

 

 その話を聞いたマークとエリスはアプロディアにハルファスガンダムを止めて欲しいと頼んでくる前に自分達が何かの戦いでジェネレーションシステムが既に情報を記録していたという話には驚いた。

 

 

「過去の俺たちか……どうも信じられないが、目の前にこうして存在しているのなら信じるしかないな…」

 

「そうね」

 

 

 マークはアプロディアの話に信じなれないと感じてはいたが、目の前にベッドに眠っている自分とエリスにソックリな二人がいるのなら信じるしかないと決め、エリスもマークの意見に同意する。

 

 その時、医務室内に艦内放送が流れ出した。

 

 

『各クルーへ。本艦は間もなく地球へと到着します。各クルーは自分の持ち場にて待機していてください。繰り返します、本艦は……』

 

 

 通信士であるミラの声が艦内に響き渡り、艦が地球に近づいている事を知ったマークとエリスとエターナは地球への降下が近づいていると悟り、二人はもう一度ベッドで眠る自身のクローンの姿を見た後、医務室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

_____________

 

 

 

 

 

 

 

 ネェル・アーガマ改は暫くの星の海の航海を続け、目の前には青き星が真下に見える地点へと接近した。

 

 

「各クルーへ。これより地球への降下シーケンスに入る!艦を180度回頭、その後バリュート展開!!」

 

「了解!」

 

 

 ゼノンの指示にビリーはネェル・アーガマ改を180度回頭し、エンジン部分が前になるような形にする。

 

 

「バリュート、展開!!」

 

 

 後ろ向きになったネェル・アーガマ改の後部部分からパラシュートのような物が飛び出し、戦艦を覆うように広がっていく。そして母艦は徐々に地球の引力に引かれて大気圏へと侵入していく。

 

 戦艦が徐々に大気圏に侵入していく度にブリッジが激しく揺れ、窓にはシャッターが下り、モニターの画面が時折乱れたりする。

 

 そして暫くした後、艦の揺れが徐々に収まり始め、モニターの乱れもなくなり始めた。

 

 

「大気圏突破完了。このまま降下し、現在位置を確認します」

 

「うむ。どうやら問題なく降下できたようだな」

 

 

 コンソールを操作していたニキの報告にゼノンは「ふう」と一息する。無事に大気圏突破できた事でシャッターが開き、外の景色が見えるようになった。

 

 雲を抜けて目に入ったのは暗い空だった。どうやら降下した地点は現時刻では夜のようで、雲の切れ目からは星空が広がっていた。そして暫く降下し続けていたネェル・アーガマ改は海上約数百メートルのところで降下を止め、そのまま暫く移動せずにいた。

 

 

「現在、我が艦は太平洋のこの地点にいます」

 

「ふむ…丁度、日本の右下の辺りか……こうなると陸地を目指すのなら一番近いのは日本という事になるな」

 

 

 モニターに表示されている地図にマーカーのある場所が艦の現在の位置で、太平洋にぽつんと浮かぶハワイから日本寄りの辺りに降下していた。ゼノンは修理と補給を行なえそうな場所が現在地から陸地が近い日本へと進路を向けた。

 

 

「う~む、こうしてモニターの地図を見ていると“ダブルオーの世界”にいた頃を思い出すな」

 

「確かに…ですが、この世界には軌道エレベーターが存在せず、太陽光発電施設もありません。それは宇宙にいた時から分かっていたでしょう?」

 

 

 日本へと向かっている間、ブリッジで地図を眺めながらゼノンは、ふと世界地図がガンダムダブルオーの存在していた世界に似ていたことを感じていた。だが、そんなゼノンにニキは軌道エレベーターすらないのだから違うと厳しいツッコミを入れる。

 

 そんなニキにゼノンは「厳しいねぇ~」と思いつつも再びモニターに目をやる。暫くした後、日本近海まで艦が近づいてきた時だった。突然アプロディアがモニターに現われた。

 

 

『失礼します!現在、日本で戦闘が起きているのを確認できました!』

 

「何っ!?それは本当か!!?」

 

『はい。映像を出します』

 

 

 アプロディアの言葉にゼノンは驚きの声を上げ、すぐに日本の状況がどうなっているかをアプロディアは映像として表示してくれた。

 

 モニターの映像には、暗い夜空を赤く染めるほどの火の手が上がっており、数本の扇状に飛来する何かが着弾と共に爆発を起こしている所を見ると、明らかに戦闘が行われている感じだった。

 

 アプロディアはさらに状況を調べようと艦のカメラを最大望遠で見てみると、何か動き回る物体が何百……いや、何千体とも言える程の数が移動しているのを確認できた。

 

 

『最大望遠で確認してみましたが、現在の位置では詳細までは把握できませんでした。ですが、何かの進行を攻撃して阻止しようとしているみたいです』

 

「だが戦闘が行われているということは、あそこに軍事施設の類があると見ていい……ということだな」

 

「では?」

 

 

 アプロディアの報告にゼノンは日本に何がしらの軍事施設があると予測し、艦内放送を使ってマーク及び手の開いているMS部隊をブリーフィングルームに集まるように呼びかけた。そしてニキに「ここを頼む」と一言言ってゼノンもブリーフィングルームへと向かった。

 

 ブリーフィングルームにはラナロウ、エリス、エルフリーデ、レイチェルが集まり、正面モニターの前には艦長であるゼノンとリーダーのマークが立っていた。他のメンバーであるシェルド、マリア、エイブラムはMSデッキでケイの手伝いに行っており、ここにはいない。

 

 

「さて、我々が現在向かっている日本で戦闘が確認された」

 

 

 ゼノンの声と同時に先程アプロディアが確認した戦闘の映像が正面モニターに表示され、その光景に皆の表情が険しくなる。

 

 

「この映像を見る限り、日本で艦の修理や補給を行なう為の軍事施設などがあるようだが、現時点ではそれどころではないようだ。そこで偵察を兼ねて状況を確認しようと思っている」

 

「確かに、この世界が一体どんな世界なのか私達には情報が不足していますし……」

 

「そこで偵察の任をラナロウ、お前に任せたい」

 

「俺がか?まっ、別にいいけどな」

 

 

 映像の説明をしながらゼノンは日本でネェル・アーガマ改の修理と補給が出来る軍事施設があると思われるが、戦闘が起こっているということで偵察も兼ねて日本の状況を確認しようと考え、その偵察任務をマークはラナロウに頼み、本人も随分乗り気で了承してくれた。

 

 ラナロウは激戦区に率先して出撃する傾向があり、どんな危険な状況であろうと無事に生還するほどの実力を持っているため、MS部隊の中で先行出撃する事が多く、それ故に偵察任務の為の先行出撃する担当になっていた。

 

 

「ところで出撃するにしても俺のトールギスⅢは出撃できるのか?バルバトスとの戦闘で結構ボロボロになっちまったと思うんだが……」

 

『トールギスかい?……無理だね。バルバトス戦でもそうだし、今までのガタが来ているみたいだから出撃はできないよ』

 

「そうか……ならガーベラはどうだ?」

 

『そっちなら問題ないよ。さっそく起動準備をしておくよ』

 

 

 出撃する気満々のラナロウだったが、自分の愛機が先の戦闘で結構ボロボロでガタが来てしまっていたらしく、MSデッキのケイとの通信を繋いでケイ本人から機体状況を教えてもらった。

 

 ラナロウはトールギスⅢが使えないのなら、その前に乗っていた【ガーベラ・テトラ改】は使えるのかと尋ねると、ケイはそちらなら大丈夫と答えて出撃できるように準備しておくと言って通信を切った。

 

 

「よし。それではラナロウはガーベラ・テトラ改で出撃!状況が分かり次第、マーク達も随時発進させるようにする。それでいいな!」

 

「了解だ。ラナロウ、頼んだぞ!!」

 

「おうよ!」

 

 

 ゼノンはラナロウを先行出撃し、その後に状況次第でマーク達も出撃させるように皆に指示を出し、ラナロウはマークにサムズアップすると急いでMSデッキへと走っていった。

 

 ラナロウがMSデッキにやってくると、彼の目の前に背中と肩に大型のバーニアを装備した真紅のMSが待っていた。

 

 

「おっ、ラナロウ!こっちだ!」

 

「ケイ!機体状態は?」

 

「問題ないよ!ただ、ちょっと手を加えたところがあるけどね」

 

「手を加えた所?」

 

 

 ケイの一言にラナロウは首を傾げつつも、ガーベラ・テトラ改のコクピットに乗り込み、コンソールを操作して機体のシステムを起動させる。するとコクピットのモニターの一部にアプロディアが映し出された。

 

 

「アプロディア?オメェも来るのか?」

 

『はい。私のニューロの一部をこの機体に移させてもらいました。これでリアルタイムで戦場の状況などのこの艦に送ることも出来ますし、あなたのサポートも行なう事ができます』

 

「そりゃあ、頼もしい限りだ。当てにしてるぜ」

 

 

 なんとアプロディアは自身の一部をガーベラ・テトラ改のコンピューターに移し、ラナロウのサポートと平行して情報などのデータを母艦にリアルタイムで送信できるようにしていた。ラナロウはそんなアプロディアの配慮に口元をニヤけさせていた。

 

 

『ラナロウ!万が一ってこともあるから、ストライクのシールドを持っていきな!』

 

 

 カタパルトへと移動する際に、ケイはストライクガンダムの装備しているアンチビームコーティングの施されているシールドを持っていくように指示を出すと、ラナロウは必要ないと思いつつも、右腕にビームマシンガン、左腕にストライクのシールドを装備してカタパルトへと進んでいく。

 

 

「ラナロウ・シェイド、ガーベラ・テトラ改!行くぜっ!!」

 

 

 ネェル・アーガマ改のカタパルトハッチが開放され、緑色のモノアイが輝くと同時にラナロウの駆るガーベラ・テトラ改は夜空の下を日本に向けて出撃していった。

 

 

 

 

 

 

 

_____________

 

 

 

 

 

 

 

 

 1998年、七月の日本……そこは今、【Beings of the Extre Terrestrial origin which is Adversary of human race】人類に敵対的な異星起源種である【BETA】と呼ばれる生物の襲撃を受けていた。

 

 そして大規模のBETA群は九州に上陸、さらに中国地方日本海沿岸に散発上陸したBETA群との挟撃を受けてしまい、本土防衛軍西部方面部隊が壊滅してしまう。上陸から約一週間で九州及び中国地方を制圧され、西日本は完全にBETAの手に落ちてしまった。

 

 さらに一週間後、西日本から撤退していた日本帝国軍はようやく体制を立て直した日本帝国軍・在日米軍・国連軍は本州中部の進行を阻止するべく、首都である京都前面に防衛線を構築した。

 

 その防衛線の補給基地である【嵐山仮設補給基地】では、12機の帝国斯衛軍の戦術機【瑞鶴】が防衛線を食い破ってきたBETA群を迎撃する為に出撃していた。

 

 

『篁の率いる第二小隊は突撃級の殲滅!』

 

「第二小隊、了解ッ!!」

 

『オレの率いる第一小隊は第三小隊を支援!第三小隊は要撃級を各個撃破しつつ、光線級の殲滅を最優先とする!』

 

『第三小隊、了解ッ!!」

 

 

 斯衛部隊の赤を纏っている【如月 佳織】中隊長の瑞鶴F型が随伴する山吹色の瑞鶴F型と10機の白い瑞鶴A型に指示を出し、それぞれの小隊のリーダーが返事を返す。

 

 迎撃地点に到着した全小隊は、目の前の山間の向こうで真っ赤に燃える炎の先からBETAが向かってくる地点の正面から待ち伏せるように12機の瑞鶴が迎撃体制で待機する。

 

 その内11機の瑞鶴の衛士は殆どが満足な訓練期間を終えずに初陣を迎える者ばかりで、その中で【篁 唯依】【甲斐 志摩子】【石見 安芸】【能登 和泉】【山城 上総】の五人は同期で若干16歳という少女だった。

 

 少女達はそれぞれの愛機のコクピットの中で初の実戦の空気に緊張しながらも深呼吸を繰り返して自身を落ち着かせようとしていた。そして網膜投影に映るBETAの熱源をレーダーが捕らえた。

 

 

「……来たッ!!」

 

 

 唯依の一言に大地を揺るがす音を立てながら、最大で時速170㌔に達する突撃級がまるで闘牛ように突進してくるのが見え、全小隊に緊張が走る。

 

 

「ギリギリまで引き寄せるっ!!戦術高度は100メートル以内!!」

 

『了解ッ!!』

 

 

 如月の指示に全小隊が答え、立ち塞がるビルや民家を破壊しながら突撃級が猛然と土煙を巻き上げながら京都の街を駆け抜けてくるBETA群に、12機の戦術機は突撃砲を構えて駆け出していく。

 

 

「迎撃シフト、楔壱型(アローヘッド・ワン)!!全機兵器使用自由!行くぞッ!!」

 

 

 第二小隊を先頭に敵群突入用の突破力を重視した陣形で駆け出して行く戦術機達。しかし目の前に容赦なく迫ってくる突撃級の群れに、初の実戦による恐怖を感じたのか、志摩子の乗る瑞鶴が突撃級の正面に向かって87式突撃砲の36mm弾を連射して攻撃する。

 

 だが、突撃級の前面装甲殻に劣化ウラン弾は簡単に弾かれ、全くダメージを与えられていなかった。

 

 

「訓練を思い出して!志摩子ッ!!」

 

「あっ!」

 

「突撃級は?」

 

「わっ、分かってる!!」

 

 

 無駄に攻撃を続ける志摩子に唯依は訓練で覚えた突撃級の対処法を思い出させるように声を上げると、我に返った志摩子は攻撃を止め、すかさず他の瑞鶴と同時に突撃級を飛び越えるように跳躍ユニットを起動させて機体を浮かせてやり過ごす。

 

 そして唯依と他の機体は空中で反転、志摩子機は背部の可動兵装担架システムを作動させて、突撃級の弱点である装甲殻のない部分に36mm弾をお見舞いして撃破する。

 

 

「やった!」

 

 

 断末魔の声を上げて倒れた突撃級の姿に撃破できた事に安堵する志摩子だったが、気の緩みか他の機体より高度を上げてしまった。それにより唯依の乗る機体から光線級のレーザー警報が鳴り響き、如月からも「レーザーに注意しろ!」という声が聞こえ、唯依は志摩子に向かって叫んだ。

 

 

「志摩子!高すぎるっ!!」

 

「えっ?」

 

 

 唯依の声に志摩子は呆気ない声を上げ後ろに振り返ろうとした時、遥か後方からの光線級のレーザーが志摩子の瑞鶴を撃ち抜こうと迫る。そして唯依機の頭上で爆発音がした瞬間、志摩子は光線級の餌食になったと小隊の誰もが思った。

 

 

「ああっ!!」

 

「志摩子ォォォッ!!」

 

 

 和泉と安芸の叫び声が響く中、爆発時の煙から何かが落下してきたのが見え、唯依達は無惨に爆散してしまった志摩子機の残骸ではないかと思ったが、煙から現れたのは左肩から左腕にかけて破損してしまった白い瑞鶴だった。

 

 

「あっ、あれ?私、生きて……る?」

 

「しっ、志摩子!?無事なの!!?」

 

「ちょっと待って!あの機体はっ!?」

 

 

 無線から聞こえてきた志摩子の声に、唯依は喜び、上総は志摩子機の隣で彼女の機体を抱えている見たことの無い真紅の戦術機の姿に驚きの声を上げた。

 

 志摩子機の傍にいた見たことの無い戦術機……それはネェル・アーガマ改から先行偵察出撃したラナロウの駆るガーベラ・テトラ改だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 皆さんはOWのカスタムサウンドは利用してますか?
 こういったBGMを変えられるのはなかなか楽しいですよねww
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