“大賢者”と“ガチャ”を得た転生者の冒険譚   作:白の牙

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第13話

 

 

 

 『エクスプロージョン ナウ』

 

 「喰らいなさい」

 

 バックルに手をかざした後、前に突き出すと、魔獣の周囲に魔方陣が現われる。そして、亜空間に圧縮された魔力が一気に解放され爆発を起こし、魔物を跡形もなく消滅させた。

 

 「凄い威力ね。連続発動や複数同時発動もできる。私の使う魔法より性能がいいわ」

 

 ライダーに変身したゼシカが魔法の威力、性能などに感心していると後ろから魔物が襲い掛かる。だが、

 

 「伸びなさい、ブラックロッド」

 

 ゼシカは振り返ると突き出した杖を伸ばし、魔物を貫いた。

 

 「・・・この力があれば素の状態で戦う必要なんてないわね。でも、飛羽真は極力ライダーだったかしら?この力に頼らないようにしているみたいだし、私もこの力に頼らなくてもすむよう強くならなくちゃいけないわね」

 

 「それには同意します」

 

 ゼシカの独り言に、メイジへと変身していたシュテルは同意すると、バックルの端を上下させ、リングをかざす。

 

 『イエス サンダー アンダスタン』

 

 シュテルの前に魔方陣が浮かび上がり、手を振るうと魔方陣から雷が放たれ、魔物を一掃した。

 

 「しぃ!」

 

 一方、飛羽真は生身のまま魔物と戦っていた。手に入れた成長スキルのレベルを上げるため、剣術と格闘術(特に足技)を使って魔物を倒して行っている。

 

 「魔物を倒せば券も手に入り、ステータスの強化、スキルのレベル上げも出来る。一石二鳥、ならぬ一石三鳥だな」

 

 

 

 

 

 

 「厄介な魔物が増えてきたわね」

 

 小休止をするため錬成で作った仮の拠点内でゼシカがホットミルクを飲みながら、呟く。

 

 「そうですね。先程の鳥の魔物は眼にしたものを石化させてしまう。幸い、私達は手に入れたアイテムで石化を逃れることが出来ましたが」

 

 シュテルは小休止に入る前に遭遇した鳥の魔物の能力を思い出す。

 

 「・・・・・」

 

 そして、飛羽真はというと2人との会話に参加せずに手を開いては握り、開いては握るという行為を繰り返していた。

 

 「どうしたの飛羽真?」

 

 「何、2日前に比べて動きのキレがよくなったような気がするんだよな。特別な何かをした記憶何てないんだがな~」

 

 「魔法を主に使っていたから気が付かなかったけど、言われてみれば私も杖を扱いがうまくなったきがするわね」

 

 「・・・・これは私の仮説ですが、成長スキルのお陰かもしれません」

 

 「成長スキルの?」

 

 「どういうこと?」

 

 「私達が覚えたスキルはレベルが上がるごとに能力値が加算されていきます。それと同時に僅かですが、それを扱う技術も上がっていってるのではないでしょうか?」

 

 「(どうなんだ大賢者?)」

 

 『解。彼女の言う通り、スキルのレベルに応じて技術に微補正が掛かっています』

 

 シュテルの仮説を聞いた飛羽真は大賢者の真相を尋ねるとシュテルの仮説が正しいことを教えた。

 

 「(見てみるか)」

 

 飛羽真はその目で確かめるべくステータスプレートを取り出し、表示する。

 

 八神飛羽真 17歳 男 レベル:38

 天職:剣士、錬成師、召喚師  職業:冒険者 ランク:赤

 筋力:1180 [スキル加算+75]

 体力:1180 [スキル加算+250]

 耐性:835 [スキル加算+25]

 俊敏:1120 [スキル加算+50]

 魔力:200000

 魔耐:150050

 

 技能:剣術LV25[+斬撃速度上昇][+抜刀速度上昇]・錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+イメージ補強量上昇]・召喚・格闘術LV25[+部分強化]・魔力操作[+魔力放出]・闘気[+身体強化][+変換回復]・縮地[+無拍子]・火属性適正[+付与]・風属性適正[+付与][+雷属性]・気配感知・言語理解

 

 「・・・これからガチャで成長スキルが手に入ったら積極的に覚えていったほうがいいかもしれないな」

 

 成長スキルの有能性に飛羽真は非常に満足した。

 

 「無い物をねだってもしょうがないんだろうけどお風呂に入りたいわ」

 

 ふと、ゼシカがそう呟く。

 

 「飛羽真、そう言う系の物は持っていないの?」

 

 「残念ながらないな」

 

 「そう」

 

 飛羽真の返答にゼシカが肩を落とす。

 

 「いえ、何とかなるかもしれません」

 

 「え?」

 

 「変身して水をドラム缶のようなものに出し、焚火で缶ごと水を温めれば入れます」

 

 「本当!?」

 

 「えぇ。ですが、水を入れる缶がないとでき・・」

 

 「それならあるぞ」

 

 飛羽真は量子ボックスから錬成で作った五右衛門風呂を取り出し見せた。

 

 「な、なんで」

 

 「前に行った異世界では野宿が多かったからな、俺はまだしも女子は風呂に入って綺麗にしたいだろうから作ったんだよ」

 

 「でも、さっきはないって・・」

 

 「ぬか喜びさせたくなかったから言わなかっただけだ。入るには空間を広げて、換気用の穴も作らないとな」

 

 そう言うと飛羽真は錬成で空間を広げ、湯気で場が曇らないよう通気口を作り上げた。

 

 「後は薪だな。確かまだあったはず」

 

 五右衛門風呂の設置が完了すると飛羽真は量子ボックス内に入っているアイテムリストを投影して在庫を確かめると取り出し、火を起こす準備を始める。

 

 「ほれ。ぼさっとしてないで早く釜に水をいれろ、風呂に入りたいんだろう?」

 

 飛羽真に言われるとシュテルは変身し、魔法で水を生み出し、釜一杯になるまで入れると、飛羽真が火を起こす。数十分待つと釜に入った水が温かくなってき、湯気が立ってきた。

 

 「入っていいぞ」

 

 「入っていいぞっていうけど、飛羽真はどうするのよ?」

 

 「どうするって、火の調整をしないといけないからここにいるぞ?のぞき見はしないから安心しろ」

 

 「ゼシカ、飛羽真は簡易の五右衛門風呂を持っていたお陰でお風呂に入れるのですから、これ以上何かを言うのは」

 

 「分かってるわ。飛羽真、絶対に見るんじゃないわよ?」

 

 「分かってるっての」

 

 ゼシカの念を押しに飛羽真は頷いて答えた。そして、ゼシカとシュテルは満足するまで湯につかり、疲れを取った。2人の入浴中、ちょっとしたハプニングが起こったが、どんなことが起こったのかは当人たちのみぞ知る。

出して欲しいヒロイン (期間は3/7 正午まで)

  • アイズ・ヴァレンシュタイン (ダンまち)
  • 篠ノ之束 (インフィニット・ストラトス)
  • 朝田詩乃 (SAO)

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