「これは・・・力がみなぎってくる」
「“仮面ライダーバルカン・パンチングコング”。その形態が持つ圧倒的パワーならどんなに硬い装甲を持つ相手だろうと関係なく叩き潰せるだろう」
「お前・・・まさか」
「・・・話はあとだ。まずはあの蠍型の魔物を倒す。俺が奴の気を引く。隙を見てデカいのを叩き込め」
男にそういうと飛羽真はライドブックを取り出し開く。
『西遊ジャーニー!』
『とあるお猿さんの冒険記、摩訶不思議なその旅の行方は』
ライドブックを閉じると飛羽真はその本を左のスロットに挿入して、鞘に納めた剣を抜く。
『烈火抜刀!奇跡の西遊ドラゴン!』
剣を抜くと何処からともなく真紅の竜と赤い赤い筋斗雲が現れ飛羽真の周りを回ると、甲冑の左腕と一体化した。
『烈火二冊!ウッキウキのお猿も加わり、火炎の剣が舞い踊る!』
「おぉ!」
目の前で自分ではない他のライダーの派生変身を見た男は歓喜の声を上げた。その声に飛羽真は仮面の下で笑みを浮かべた後、飛羽真は“西遊ジャーニー”のライドブックをタップする。
『西遊ジャーニー!』
「っふ」
音声と共に赤い筋斗雲が何処からともなく現われる。飛羽真はその筋斗雲に乗って飛行し、蠍の魔物の意識を自分に向けるため、時に剣で斬り抜け、時に左腕の手甲から如意棒を伸ばして攻撃していく。
「西遊記に出てくる孫悟空そのものだな」
飛羽真の戦い方に男は感心しながらも攻撃のタイミングを見計らう。そして、
「(ここだ!)」
『パワー!』
バックルに装着し、銃に挿入してたプログライズキーの起動スイッチを押すと、音声が鳴り響く。そして、銃のトリガーを引く。
「うぉおおお!」
『パワー パンチングブラストフィーバー』
男は両腕を振り上げ、地面を殴り、波打ちように揺らして魔物を動きを邪魔すると、跳び上がり、魔物に向け両腕に装備している手甲を巨大化させたものをエネルギーを使って作り上げ、蠍の魔物に上から叩きつけた。
だが、パワーに特化した形態でも蠍の強固な装甲を完全に砕くことは出来なかった
「くそ!?」
「まだだ」
『必殺読破!』
男が悔しがっていると、筋斗雲に乗っていた飛羽真が剣を鞘に戻し、剣のトリガーを2回引くと高く跳び上がる。
『ドラゴン!西遊ジャー!二冊撃!ファ・ファ・ファイヤー!』
「はぁ!」
飛羽真は空中で1回転すると炎を纏わせた右足でエネルギーで形成された拳に飛び蹴りを喰らわせ、蹴りの威力を追加。蹴りの威力の上乗せした拳は蠍の強固な装甲を完全に砕き、粉砕した。
華麗に着地した飛羽真は無言で男に近づく。男も無言で飛羽真に近づき1mほどの間隔をもって止まった。
「「・・・・・」」
無言で互いをじっと見る2人。数秒、数分に及ぶ沈黙、その沈黙を先に破ったのは飛羽真だった。ライドブックをベルトから抜き取り、ベルトを外して変身を解除し、生身の姿を見せる。
「・・・・」
飛羽真が姿をさらしたことにより男も変身を解除する。王国から支給された見覚えのある服。だが、それを着ていた男は白い髪に赤い瞳。体格もよくなっており、飛羽真は半信半疑で必死に探していた者の名を呼んだ。
「南雲・・・だよな?」
「・・・・あぁ。久しぶりだな八神」
日数にして大体2週間とちょっと。飛羽真はようやく探していた人物と再会することが出来た。
「あ~~~~~~」
ライダーに変身していた男もとい、ハジメは爺臭い声でキャンプ用の五右衛門風呂に入っている。
「湯加減はどうだ南雲?」
「あ~~丁度いい。やっぱり風呂はいいな~~疲れが飛んでいく気がする」
「・・・・・・」
「何だよ?人のことじっと見て?悪いが俺にそっちに趣味はないからな?」
「俺にもないわそんな趣味!?はぁ~~~~あのなよなよで草食系男子だった南雲がアスリート並みの体つきでワイルドな口調になっただなんて。中村も中村で出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいる体系になってるしよ」
「・・恵理はやらないからな」
「親友の彼女を寝取る趣味は俺にはねぇよ」
蠍の魔物を倒した後、シュテルのテレポートを使って飛羽真の作った仮拠点へと戻り、互いに何があったのかを話した。そして、風呂の存在を知ると入りたいと鬼気迫る表情でお願いしてきたのだ。
「しっかし、魔物を肉を喰らってよく生きてられたな?」
「あ~~それは神結晶からでる神水のおかげだな。アレのお陰で死なずに済んだんだ。まぁ、物凄い激痛で別の意味で死にそうになったけどな」
「それで、魔物の肉を喰らえばステータスを上げる事が出来ると同時に能力を得ることが出来ると知って、魔物の肉を喰らい続けた結果がこのステータスってわけか」
飛羽真はハジメから借りたステータスプレートを見て苦笑いする。
南雲ハジメ 17歳 男 レベル:49
天職:錬成師
筋力:880
体力:970
耐性:860
俊敏:1040
魔力:760
魔耐:760
技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複数錬成]・魔力操作・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]・風爪・夜目・遠目・気配感知・魔力感知・気配遮断・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・言語理解
「あの馬鹿勇者より強いんじゃないか?」
「それを言うなら八神もだろう?」
自分のステータスプレートを見せる条件として飛羽真のステータスプレートを見せるように要求し、飛羽真のステータスを見たハジメは同じように苦笑いする。
八神飛羽真 17歳 男 レベル:48
天職:剣士、錬成師、召喚師 職業:冒険者 ランク:赤
筋力:1225 [スキル加算+311]
体力:1280 [スキル加算+735]
耐性:899 [スキル加算+73]
俊敏:1200 [スキル加算+297]
魔力:200000
魔耐:150050
技能:剣術LV74[+斬撃速度上昇][+抜刀速度上昇]・錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+イメージ補強量上昇]・召喚・格闘術LV73[+部分強化]・魔力操作[+魔力放出]・闘気[+身体強化][+変換回復]・縮地[+無拍子]・瞬発力LV50・直感LV32・鋭利LV40・火属性適正[+付与]・風属性適正[+付与][+雷属性]・気配感知・言語理解
「もうお前が勇者でいいんじゃねぇか?つーか、何か知らないスキルもあるんだが?」
「国の言いなりになるなんてまっぴらごめんだ。スキルについてはガチャで手に入れた。これがすげえ役に立つんだよ、スキルのレベルが上がるごとにステータスが加算されるから」
「何だよそのチートスキル」
「所で一緒にいたあの金髪の子は誰なんだ?」
「・・・あの部屋に封印されていた吸血鬼だ。封印されるぐらいだ、面倒ごとに巻き込まれる可能性もあったから放置しようと思ったんだ。だけど、必死に懇願されてな。恵理と考えた結果、助けようって決めたんだ。んで、封印を解いたらあの蠍が襲い掛かってきたってわけ」
「・・・何で封印を解除した後に蠍が出てきたんだ?普通に考えたら封印を解く前に立ちはだかるもんだと思うんだがな~」
「・・・言われてみればそうだな」
飛羽真に言われハジメは蠍が出てきたタイミングが遅かったことにいまさら気づく。
「南雲の話だとあの子は裏切られあそこに封印された。だけど、俺にはそうじゃない気がする。まぁ、これは俺の勘だ。頭の片隅にでもいれておいてくれ」
「・・・おぅ。所で」
「ん?」
「あの女子達は誰って言うか、1人はドOクエに出てきたゼシカだよな?なんで空想上のキャラが現実にいるんだよ?」
「あ~~~前に俺のガチャは空想の産物も引けるって話しただろう?それは物だけじゃなく、人物にも当てはめられていたんだよ」
「じゃあ、八神と一緒に来た女の子も、メイド服を着たあの女性も?」
「ガチャで召喚したってことだ」
「・・・お前のガチャの力、チートすぎだろう。そのうち神を殺せる能力でも手にするんじゃねぇか?」
ハジメは改めて飛羽真の召喚師としての能力が規格外なものだと理解した。
「神を殺せるか~~~・・もしそんな能力があるなら見てみたいな」
ハジメの冗談めいた言葉に飛羽真は笑いながら答えた。後に冗談で語っていた能力を手に入れることになるが・・・それは後の話。
出して欲しいヒロイン (期間は3/7 正午まで)
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アイズ・ヴァレンシュタイン (ダンまち)
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篠ノ之束 (インフィニット・ストラトス)
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朝田詩乃 (SAO)